2020年9月

総務教育常任委員会

県議会の記録

R2 923 総務教育常任委員会

 今日は総務教育常任委員会。午前中は、教育委員会、午後からは、総務部と地域戦略部でした。

【教育委員会】
◯SNS相談体制について

◯オンラインの体制確保の現状と課題
・最も気がかりなのは、実際に各学校で双方向の授業成立が確保されるのは何時なのかという点です。特に各小中学校(義務制)への整備の問題です。新教科書に対応するためにもハード、ソフトの環境整備については、今年度末ということでした。
 教員のノウハウ等については、すでに教育研究所を中心に準備しているとのことですが、少なくとも、リードする教員の分だけでも早く納入していただくことを要望しました。
・教員の負担が増となっている。業務改善の面からも重要であるが、指導主事を介して訪問指導していくとのことでした。

◯授業の遅れについては、この段階で、遅れはほぼなくなっている。

◯教職員の勤務について
 勤務時間=在校時間とする考え方の確認しました。
・勤務時間=在校時間+郊外での研修時間-(休憩時間・自己研鑽・業務外時間)ということでしたが、ほとんどは在校時間=勤務時間ということでした。しかし、自分で手入力があるということ、必要になるということは、そこに、恣意的なものが加味されてくるのは当然です。一日も早く、県下統一の校務支援システムを構築していただくことが大切です。出ない限り、勤務時間そのものが正しい把握できないまま、業務改善を口にすることになってしまいます。
・一般質問の内容の確認・追加質問として、時間外勤務80時間超の教員1574人の内訳を求めました。その中で、月の時間外勤務が200時間を超、100時間超の職員が複数名存在することが分かりました。その教員の実数や一部の職員への業務集中等、しっかりと精査していくことを求めたいと思います。

◯部活動について
 部活動を学校教育活動外に出していくという方向性について、「教員の多忙化」というものとのつながりについて質問がありました。これに対しては、大前提として、まず「今回の考え方は、多忙化というよりも働き方改革の一環である」ということを押さえておかなければなりません。また「働き方改革がなかったとしたら、部活動は教育の中にあった方がよいのか、外にあった方がよいのか」という質問もありました。つまり、教職員の人数改善とそのための財政支援が先決なのではないかという意見でした。これに対しては、これまでに「標準法の改善」を要望する声は何度もいろんな形で求めてきています。今、部活動の問題がクローズアップされたことによって、教員の人的な問題が表出してきたようですが、これまでも出てきている問題であることを確認しておきたいと思います。それ以外にも、「部活動にもいろいろある」といった答弁もありましたが、その点に言及しすぎると、議論の焦点がぼやけてしまうような気がします。
気掛かりなのは、答弁の中にあった「土日に参加する教員は希望して参加していく」という点の捉え方です。もちろん、職員土日への登録希望調査については慎重になされねばなりませんが、時間外勤務月80時間以内という中に勤務時間としてカウントされていくとしたら、複雑なことになっていくのは明らかであるだけに、「兼職」という捉え方や規定に注目していきたいと思います。
 いずれにしても、部活動については、モデル地区を設定して試行していくという状況も見ながら、慎重にじっくりと取り組んでいきたいと考えます。
キーワードは、・給特法との関わり。・学校生活や生徒指導との繋がり。・何よりも保護者の理解。・各種上位大会との繋がり。・土日の活動の場、人、財源、責任の問題、。月~金の部活動との繋がり。 等、いろいろあります。一つ一つ丁寧に審議していきたいと思います。

◯2017.3月の池田中の訴訟についての県の姿勢と方向性について
・2017.10月の第三者委員会の報告書では、教員による厳しい指導が原因と結論づけられ、管理職をはじめ学校全体の対応に問題があったと指摘しています。
・2017.11月 県議会総務教育常任委員会からも、・過度の学力偏重は避ける。・教員の多忙化解消。・生徒理解の徹底。・公教育の検証と見直しを求めた意見書が提出され、採択されています。 
  ⇒国家賠償法3条についての解釈については、裁判所の判断を待ちたい。今後、裁判の中で、「こちらの立場」も主張していく

◯特別支援学校の設置基準と本県障害児の教育についての現状と対策については、各校状況を把握して対応する。

◯教科担任制についての現状は、音楽家(91.4%)、英語141校(74.3%)、理科(84%)、家庭科(71.8%) 今後、英語が楽しくなるような学びを進めていきたい。シニアティーチャーの活用も含めて進めていく。

◯スクールカウンセラーの配置について、一律ではなく、今年度の実績をもとに、調査をかけて必要なところに配置すべきだが、その活用とSCの勤務実態については、どのように把握して調整をしているのか。

◯ふくい理数グランプリの状況と目的について
 これまでの入賞者や最優秀賞の生徒の追跡や検証・バックアップ体制について伺いました。現在の姿。もしも、伸ばしていくことができなかったら、単にゲーム大会で終わってしまいそうな気がするだけに、大事に育てていただきたいと思いますし、追跡していっていただきたいと思います。


【総務部】

◯行財政改革アクションプランについて
 令和元(2019)年度から令和5(2023)年度までの5年間とあります。なお、推進期間中においても、社会経済情勢の変化等に伴い、柔軟に見直します。とあります。策策定時にはコロナは想定されていなかっただけに、見直すことは視野に入れなくてもよいのか伺いました。
 ⇒財政状況については、財政調整基金の 142億から41億のとりくずしして、現在101億となっているが、その点での見通し 国にも要請していくとともに、既決予算の見直し等によって、少なくとも今回の13億の確保はしていきたい。見直しも視野に入れて考えているが、来年度の予算編成も加味して見直していきたい。
大切なのは、常に見直しができる体制とシステムを持っていることだと考えます。その点では、予断を許さない現状であるだけに、緊張感をもって臨んでいただきたいと思います。

◯職員の勤務体制について

◯知事公舎の状況について

◯県税収入について


【地域戦略部】

◯地域戦略部との質疑の中で、新ムゼウム前の転車台近辺について、部長から、【一般質問後、現地を確認した。「大事に扱っている」ということが少しでも伝わるよう、除草やシートの整備をやっていく。】との答弁をいただきました。
 金ヶ崎に関しては、まだ課題は多いですが、転車台に関しては、11/3に間に合う今議会で再提示して、よかったと思います。

一般質問の実答弁

県議会の記録

 私の一般質問の実答弁が届きましたので、記録のためにも掲載させていただきます。

問一  外国人生徒の教育について

 1 外国人生徒の高校進学の状況について伺う。

答(教育長)
 昨年度、日本語指導が必要な外国籍の生徒11名、内6名が全日制、5名が定時制の高校に進学しております。
 中学校では高校進学に向けまして、個別の進学指導や学習支援を行うとともに、高校入試そのものについても、受験の学力検査を英語や数学に限定した特別選抜を実施する等、外国籍の生徒が希望する進路の実現につなげております。 

 2 県立高校の特別選抜の状況と外国人生徒支援について、今後の方向性を伺う。

答(教育長)【実答弁】
 今年度、日本語指導の必要な生徒を対象とした特別選抜を足羽高校と武生商工高校において、各校3名の募集定員で実施し、足羽高校に3名の生徒が入学いたしました。
足羽高校では、コミュニケーションサポーター2名を配置し、授業中の通訳や相談業務、日本語によるコミュニケーションが困難な保護者との連絡、そして、教員、生徒、保護者間のコミュニケーションの支援を行っております。
今後も、日本語指導が必要な中学生にむけて特別選抜枠を周知するとともに、高校生の進路志望や実情に応じて、支援(対象校とか募集枠等)の拡充を検討してまいりたいと考えております。 

 更問  外国人生徒等特別選抜における、武生商工高等学校(機械創造・商業マネジメント)の募集人員に対して出願がなかった理由について伺う。

答(教育長)【実答弁】
 地元の中学校の校長からは、専門学科における各教科の専門用語とか実習に不安を感じたということを聞いております。
来年の入試に向けまして、中学校に対して入学後の支援の在り方などを含めまして、丁寧に説明してまいりたいと思います。 

 3 外国人生徒の高校卒業後の状況について伺う。

答(教育長)【実答弁】
 先ほどお答えしましたように、日本語指導の必要な生徒が例年10名程度高校に入学しておりますが、高校在学中の支援によりまして、卒業時点では毎年1、2名に日本語指導の必要な生徒が減っております。直近3年間の卒業生は5人程で、卒業後は専門学校への進学が1人、就職が3人、アルバイトが1人といった状況でございます。
 今後も、進学希望者には進学先の情報提供や受験指導を行い、就職希望者には、産業人材コーディネーターを活用しながら生徒と企業側のマッチングに努めるなど、生徒が希望する進路の実現に向けて支援してまいりたいと考えております。

 4 本県の外国籍の子どもたちへの日本語教育の現状を伺うとともに、今後どのように取り組んでいくのか、知事に伺う。

答(知 事)
 本県におきましては、小中学校におきまして、外国籍の子ども達の日本語能力に従いまして、一番能力が低い場合にはマンツーマンで日本語の教育を行う、また少し進んできますと、もしくは教科によっては別の教室で教科の指導をしていく、もうちょっとレベルが上がってきますと同じ教室の中でティーム・ティーチングでその子どもに教えていくというようなことで、能力に応じてきめ細かく段階を分けながら日本語教育もしくはその授業が受けられるような体制を整えているところでございます。
 高校におきましては、例えば教材などに漢字に全部ルビをふることを行ったり、母国語に翻訳をした教材を使うことなども行っておりますし、教師が個別に対応してあげるということもありますし、また、コミュニケーションサポーターという方が通訳をする時に日本語を教えてあげる、こういうことも行いながら実態に合わせて日本語の教育を行っているところでございます。
 これからどうしていくのかというところにつきましては、現場の声を聞きますと、やはり日本語をよく覚えるのは、できるだけ子ども達の間で日本語でやり取りする、外国語の子が何人かクラスにいるからといって母国語で話をしてしまうと、どうしても時間がかかったり、集まりが固まってしまうということがあるようですので、できるだけみんなが気を遣いながら学校、教室の中、また部活なんかで日本語のやり取りを多くしていく、そういうことも大事かなと思っております。また、高校を卒業して中学を卒業して働くという状況が今御指摘の中で色々言われています。こういったことは、実態をよく見ながらSDGsと言いますか、福井県を多文化共生の社会にしていくためにも、受け入れる側、就職する側もやはり慣れていない部分もあると思います。そういうところも少しずつ慣らしながら、できるだけその外国籍の子も福井の子として福井で活躍できるような場を増やしていきたい。 

更問   少人数在籍の日本語指導が必要な外国籍の児童生徒への支援について伺う。

答(教育長)
 県が加配しています日本語指導教員、市町が独自に雇用している支援員が、計画的に学校を巡回訪問して、一人一人に応じた支援を行っているわけですけれど、こうした少人数の在籍の学校におきましては、先程知事も申し上げましたけれども、学校生活の中で、周りの子ども達が、あたたかく日本語で話しかけていくことが、日本語の力を伸ばしていると現場から聞いております。 


問二  子どもの貧困の実態把握について
 1 今年度実施予定の子どもの貧困に関する調査方法、内容等について、どのような視点を持ち実施するのか、その進捗状況について伺う。
 2 実態調査の中で、外国につながる子どもたちの状況についても対象にすることを要望するが、所見を伺う。

(1、2 一括答弁)
答(健康福祉部長)
 御指摘いただきました調査ですけれども、今年度国が実施するとしております調査の内容を踏まえて、調査項目の追加、対象者の拡大、質と量ということですね、県としてより充実した内容の調査を行い、本県の子どもの貧困の実態を明らかにしていきたいと考えております。
 現在ですけれども、新型コロナウイルス感染症の影響であろうと思いますけれども、現時点でも国からは調査の内容、概要がまだ示されていないという状況でございまして、これが示され次第、直ちに、本県としてはこの作業に着手したいと考えております。
 なお、ご提案いただきました外国につながる子どもに関しましても、この調査の中に含めていく考えでございます。

北川議員ご意見
 貧困という概念は変化しています。20世紀には、絶対的な貧困から相対的な貧困、そして今、働くことや教育を受ける機会が排除されていることも問題とされています。つまり、可処分所得による相対的貧困概念は、剥奪指標というものと重ねて、貧困の把握に努めるようにとなっています。その点で、一日も早く把握して行動を起こしていくことをお願いいたします。 


問三  金ヶ崎周辺整備について
 1 2月議会の質問から半年が過ぎ、いろいろな角度から検討してきたと考えるが、金ヶ崎周辺エリアの整備や活用を嶺南・敦賀の活性化にどのように繋げていくのか、知事の方向性を伺う。

答(知 事)【実答弁】
 2月の時点から大きく動いておりますのは、なんと言いましても、金ヶ崎のエリアを含めて、鉄道遺産が日本遺産として認められた、というところはとても明るいニュースだと思っております。そういうことで、例えば、先日テレビを見ておりまして、人道の港ということもありますし、また、あの場所は日本から欧亜国際列車に乗る、言ってみれば、往復する時の日本の玄関口としても、金ヶ崎というのは非常に重要な場所だと、ある意味非常にロマンが掻き立てられる場所だと感じているところでございます。
そうした日本の玄関口とか、人道の港、こういったものを象徴するものとして、ご指摘いただきましたように、新ムゼウムが11月に開館をするということでございます。
ちょうど、敦賀市、それから商工会議所が一緒になりまして、まちづりの推進会議がまちづくりについての検討を始めたところでもございます。ここと一緒になりまして、一つには、鉄道遺産を活かして、例えば、今庄と金ヶ崎、長浜、こういったところを結ぶルートですとか、また、あそこはミライエなどがあって、県も今回応援させていただきますけれども、プロジェクションマッピングだけではなくて、ライトアップのようなことでも磨いていくことが出来ると思います。
そういったことを、あの場所そのもののハード整備、これも敦賀市と一緒にやりながら、金ヶ崎エリアそのものを、敦賀で新幹線を乗り換えるのではなくて、あそこで降りたくなるような、そういう場所にする、そこから嶺南全体にお客さんを拡げていく、そういう場所にできるように、県としても努力をしていきたいと考えております。

 2 新幹線開業までには、具体的な準備と着手をすべきと考えるが、現時点で描かれているロードマップを伺う。

答(地域戦略部長)【実答弁】
 現在、敦賀市において、新ムゼウムの整備は完了されておりまして、11月3日にオープンするということでございます。
さらに、新ムゼウムの周辺におきまして、観光客が金ヶ崎での滞在を楽しめるように、市の方で民間資本を活用した飲食・物販施設の整備が計画されております。そのための民間事業者との対話も進められているとお伺いしてございます。スケジュール的に言いますと、今年度末までに事業者の募集・選定、そして来年度以降に設計、工事に着手して、新幹線開業までには間に合わせる、ということを目指していると聞いております。
県といたしましても、例えば、敦賀市などが行いますイベントなど賑わい創出対策へ支援を行うなど、開業時に、市民や観光客が金ヶ崎での滞在をさらに楽しめるようなかたちで検討してまいりたいと思います。

 3 転車台の活用方法も含め、敦賀市との間でどのような協議をしてきたのか、また、現時点でどのような方向性を持っているのか、伺う。

答(地域戦略部長)【実答弁】
 転車台の活用につきましては、2月議会でも答弁させていただきましたが、元々の計画はSLを金ヶ崎で走行させるために活用するということでございましたが、その用地となりますJR貨物の用地の取得経費が非常に高いでありますとか、運営経費の問題等々もありまして、課題がありますので、今、敦賀市と色々検討を進めているところでございます。
具体的には、今年度、市と協議を4回行っております。転車台の動態保存ということにはなかなか課題が多いので、それに拘らずに、どう活用していくかという協議を進めているところでございます。例えば、転車台の一部を用いてモニュメントとして活用するとか、具体的な活用策について、今、検討を進めているところでございまして、引き続き市と協議を進めてまいりたいと思います。


問四  学校職員の勤務実態の把握について
 1 県における勤務時間の考え方とその根拠について伺う。

答(教育長)
 県として把握したいのは、単なる在校時間ではなく、実質的な勤務時間であります。
教員の勤務時間の考え方につきましては今年1月に国から出された指針の中で示されております。そこでは在校時間に校外での研修や引率等の時間を加え、休憩時間をはじめ、自己研鑽や業務外時間を除いたものを在校等時間として勤務時間管理の対象とすることとしております。
 県もその考え方を基本に、出退勤調査で実質的な勤務時間であります在校等時間の把握を行っております。 

更問   県における勤務時間の考え方の教職員への周知徹底の手立てを伺う。

答(教育長)
 教職員個人が今入力します出退勤管理ファイルの中にですね、時間外在校等時間の考え方についてちゃんと説明が記載されておりますので、それを見た上で入力していただいていると考えております。

(北川議員ご意見)
今のお話の中にあったように相関関係っていうか、それは接する時間、その勤務の中身にきっちりと表れてくると思いますので、大変有効なものなんだと私としては思います。
今現場では、部活のことが取り上げられていることが多いですけれども、それ以外の子供とのどうしても接する場を外せない、関わりを外せない、そういうところの削減、それはもうどうしようもない部分がございます。
ぜひこれからもしっかりと、一人一人の先生、そして子供たちに向き合っていっていただくことをお願いしたいと思います。

問四  学校職員の勤務実態の把握について
 2 時間外在校時間が80時間を超える職員数や勤務実態も含め、所見と今後の姿勢を伺う。

答(教育長) 
 4月から7月までで、時間外在校等時間が月80時間以上の教職員の数はのべ1,574人となっておりまして、前年度、同時期と比べまして45.3%減っております。またその時間外在校等時間が80時間超えているという主な理由としましては、教材研究や部活動が挙げられております。
毎月行われております市町教育長会議におきまして、市町ごとの時間外在校等時間の具体的な状況をお示しし、市町教委として各小・中学校の業務改善を進めるよう求めております。
 また、県立学校には時間外在校等時間が月80時間以上の教職員の勤務内容について、学校長の指導内容や意見も添えて毎月報告を求め、教職員の意識改革や業務の平準化に努めるとともに、小・中学校におきましても、市町教育委員会に同様の取り組みをお願いしているところでございます。

 3 校務支援システムおよびタイムカード導入未実施の自治体では、どのような形で勤務実態を把握しているのか伺うとともに、市町に対してどのような指導と助言をしているのか、所見を伺う。

答(教育長)
 現在、タイムカードを導入していない市町は7市町ありますが、出勤時刻と退勤時刻を個人が出退勤記録エクセルファイルに入力しております。
教職員の負担軽減を図るため、現在、統合型校務支援システムの導入を進めておりますが、このシステムにはタイムカード機能が付属されており、未導入市町にシステムの早期導入を促しております。先月、市長会等でも、システム導入の予算化をお願いしたところでございます。

更問   統合型校務支援システム導入市町、未導入市町と時間外在校等時間月80時間超の教職員数との相関関係を問う。

答(教育長)
 システムの導入・未導入の市町と、時間外在校等時間月80時間以上の教職員との相関関係とのお尋ねだと思いますが、いろいろ分析しておりますと、明確な相関関係はみられません。
現場に聞きますと、システムを導入することで、事務作業は確実に減っているんですが、実はその効果をですね、生み出された時間を、児童生徒と向き合う時間に振り向けたりしている。また、様々な要因が影響していると思います。
何よりも教員一人一人のやっぱり意識改革とか、日々の業務改善が重要だと思っております。

9月議会 一般質問を終えて

思い 県議会の記録

2360″ />R2 917 一般質問を終えて

 今日、私の一般質問を終えました。4つの項目で、全部で12問。最初は4400文字での原稿でしたが、最終的には再質問を2回で4問。繋ぎの部分を含め、結局は、5800文字になりました。
20分という質問時間に対して、20分の答弁。それにしても、2回に限定された再質問でのやりとりを含めて計40分という設定は、やはり厳しいものです。
 質問に関する配布資料について思うのは、配布資料の扱いです。「言論の府」ということで、配布資料は議事録に残らず、後日、振り返ろうとした方には伝わらないことになります。大きな課題です。何らかの形で、可視化できる手立てが求められるべきと考えます。
 さて、現時点では、理事者の「実答弁」つまり、実際の答弁内容が届いていませんので、アウトラインのみ振り返っておきたいと思います。
前回に「一般質問骨子」を載せてある関係で、重複する部分も多いのですが、できるだけ重複を避けて述べていきたいと思います。


1 外国人生徒の教育について ですが、義務教育課が求めていたデータを提出してくださって、配布資料を提示できました。精査するのに、かなりの時間と手間がかかったことと思います。 配布資料あり
【意図】
 日本の在留外国人数は、平成30年(2018年)末時点で約273万人に上り、過去最多を記録しています。2019年4月1日から施行された改正入管法によって、今後5年間で34万5000人の「特定技能」資格の労働者の受け入れが見込まれており、さらに家族帯同が可能とされている「特定技能2号」の受入れも5年後に始まることから、今後さらに外国人の残留や定住が進むもの考えられます。
大切なのは、多文化共生施策を進めることであり、その中でも喫緊の課題のひとつは、教育分野であるということから、外国籍の子供たちの義務教育後の後期中等教育と日本語指導の状況について伺いました。

【質問を振り返って】
 本県の外国人生徒の進学状況の数値は、後日の実答弁を待つとして、やはり、進学率は低く、希望通りには行かないのが現状です。データは出ませんでしたが、定時制への進学も少なくはないようです。
 問題は、その原したいと思います。因です。高い能力を持っているにも拘わらず、それが達成できないとしたら、その原因は取り除く努力が必要です。
それは、武生商業高校への志願者がいなかったという点に表れているのだとも感じます。中学校の進路指導も一体となった取組みが求められます。
 高校卒業後の状況についても、その状況はさらに厳しくなるのは、本県でも同様です。やはり、後期中等教育における外国人生徒に関する施策は、義務教育段階に比べて大幅に遅れているということです。
 その大きな課題の一つが日本語指導にあるのは間違いありません。全体の約5分の1は必要な指導を受けていない状況にあります。
本県の場合は、日本語教育が必要な外国籍の児童生徒数151名。日本国籍を含めると168名となります。答弁内容を確認していないので、ここではコメントを避けますが、今、問題になっている散在化(少人数で多くの学校に少人数在籍している状況)への対応も含めて、検証していく必要を感じました。


2 子どもの貧困の実態把握について  1069

【意図】
 昨年の6月議会の中で、子どもの貧困について伺いました。昨年6月に「改正子どもの貧困対策法」が成立し、12月には大綱が見直されました。貧困状況が改善されたかどうかを検証するための指標も25項目から39項目に増やされたこともあり、改めて、取り上げました。

【質問を振り返って】
 これまでの、いろいろに計画にしっかりと調査することが示されています。その重要性の認識を確認することはできました。いずれも、国の調査内容をみた上で、開始するとのことですので、とにかく今は、国の調査内容を待ちます。ただ、「貧困」の概念は変化しています。20世紀には、「絶対的貧困」から「相対貧困」。そして、今、「働くこと」や「教育を受ける機会」から排除されていることも問題とされています。つまり、可処分所得による相対的貧困概念は、「はく奪指標」を重ねて、貧困の把握に努めようとしています。国の調査も含め、その点が加味されていない場合には、しっかりと求めていかなければなりません。


3 金ヶ崎周辺整備について 
【意図】
 2月議会において、金ヶ崎周辺整備について伺いました。その中で、知事からは、金ヶ崎周辺や鉄道遺産の持つポテンシャルの高さと存在価値についての認識を共有することができました。また、鉄道の部分に関しては、鉄道再開にこだわらず、街づくりに向けての一つの目玉スポットにできるように考えていきたいとの思いを伺うこともできました。今回は、その認識や思いの上に立ち上がっていく事柄についてを伺いたい。また、新ムゼウムについても、少しでも良い環境にするための転車台の扱いについても確認したいと考えての質問です。

【質問を振り返って】
 今の状況では、まだロードマップと言えるものを提示するのは厳しいのを感じまた。しかし、県も市と力を合わせてやっていくという思いは伝わってきます。ただ、今回の質問のために、いろいろな方とお話させていただいて、具体的な形にしていくためには、強烈なリーダーシップが必要なのを感じます。実答弁を確認したいと思います。
 転車台ですが、もう、SL云々の話にはケリをつけるべきというのが、正直なところです。新ムゼウムの2階の共有スペースから、外を眺めたとき、窓の外に、道を挟んだ向かい側に、雑草とその中に眠る「転車台」がありました。悲しくなりました。目にした多くの方が「これではダメだ。」と感じることと思います。もしも、この状態のまま、11/3を迎えたとしたら、県の敦賀への思いは寂しいものがありますし、それを引き出せなかった市の在り方にも大きな責任を感じてしまうことになるような気がします。


4 学校職員の勤務実態の把握について  配布資料あり

【意図】
 学校教職員の勤務については、いろいろな報道でも取り上げられています。
令和3年度末までに時間外勤務80時間超をゼロにするという方針の下で、取組みがなされているわけですが、今回は、その大前提となる、「教員の勤務の把握」に的を絞って伺います。

【質問を振り返って】
 大切なのは、教職員の勤務時間と在校時間の関係です。県の勤務時間の考え方とその根拠について伺いました。事前に確認した教職員課の考え方と答弁の内容にズレがないのか実答弁を待ちたいと思います。
 配布資料として、現在把握されている4月から7月の校種別の「時間外在校時間の平均値」を提示する中で、月80時間を超える方の実態と状況を伺いました。1574人という数は、減少はしていたとしても、今回のコロナ禍においては当然であると考えると、かなり厳しい数字でもありました。もちろん、総務教育常任委員会では、もう少し詳細なものを求めることになります。今回は、それを把握する手立てが正しいのかどうかという点を伺いました。国の示すガイドラインにおいては、時間外勤務については、客観的な資料によって、把握することとなっているだけに、その手立てがしっかりととられ、数字合わせになっていないかという点が一番気掛かりです。
 特に、福井市、敦賀市は、エクセルに自分で入力しています。もしも、まとめて入力し、変な忖度があったとしたら、主旨とは随分かけ離れたものになっているのではないでしょうか。しっかりと検証していかなければなりません。
 校務支援システムやタイムカードの手立てがとられていない市町との相関関係についても、精査していく必要を感じます。答弁では、時間としては大きな差はない。ただ、業務内容に違いがあるようだとのことだったと思いますが、実答弁を待ちたいと思います。
 いずれにしても、県の勤務時間の考え方を、市町教育委員会、何よりも、それぞれの教職員に周知していくことが大切であると思いますし、まだまだ不十分だと感じました。

 今回の議会の中で、「部活動」が取り上げられる場面はありました。ただ、発言を我慢した点を述べさせていただくのであれば、部活動の問題を「学校の先生方の負担を減らすために、子どもを犠牲にして部活動を外していこうとしている。」という考え方は根本的に間違っていると思います。「部活動」は、そんな簡単に方向づけられるものではないのです。だからこそ、教育長をはじめ、多くの方が苦しんでいるだということを是非理解していただきたいと思いますし、慎重に議論を進めていくべきものであると思います。






民主・みらい代表質問に対する実答弁

県議会の記録

会派代表質問に対する実答弁です。


問一  知事の政治姿勢について
 1   新型コロナウイルス感染症について、全ての基準値を超えた場合、即座に特別警報を発令することになるのか、その場合、県民、事業者に対してどのような要請が考えられるのか、知事の所見を伺う。

答(知 事)
 福井県におきます感染状況の評価指標につきましては、第1波の経験それから県内の医療提供体制の状況を踏まえまして定めさせていただいているところでございます。
状況というのはですね、刻々と変わるんですけれども、特に発令の段階で際は、どういう感染者が増えているかということで感染者数ということを重視して、発令のタイミングをみるという風に心掛けておりますし、一方で、今度は解除する時には、大体、病床というのは2週間ぐらい遅れて効果が表れてくる。退院まで2週間程度かかるということがありますので、そういう意味では病床の占有率ですとかICUの占有率、こういったものを中心に今度解除のタイミングをみていくというようなことの対応をさていただいているところでございます。
 現状について申し上げますと、本日現在では入院患者の新しい1週間での患者さんというのは3人になりましたので、注意報レベルを下回ったというところでございます。一方でICUについては注意報レベル、それから入院患者の数につきましては50床ということで、これは特別警報のレベルという状況になります。
ここの3日間ですね、退院の方それからICUから出られる方、増えていない。新しい患者さんが出ないのに増えていないという状況で、やはり今回の昼カラの患者さんというのが高齢者が多いということで重症化とか長期化、こういったことで今後ですね予断を許さない状況にあると考えているところでございます。
8月27日から今のところ9月24日までと申し上げておりますけれども、感染拡大警報を発令させていただいております。これがさらに感染状況が悪化するような状況になりました場合は、躊躇することなく特別警報等にですねランクを上げていくということも考えているところでございます。
 その場合にどういう対策を打つのかということにつきましては、柔軟に状況をみながら対処させていただこうと思っております。例えばで申し上げれば、事業者に向けにては、個別の企業さんに例えば企業名を公表していただいて休業していただく。その時は協力金をお支払いするとかですね、今回のように地域や事業の種類そういったものを限定をかけて休業要請をするということも考えられますし、また、個人のみなさまには、会食大人数を避けていただくということですとか、それから、さらにひどくなってくれば夜間の外出の自粛といったことも考えうるわけでございます。こういったことを柔軟かつ積極的に行いながら感染の拡大の防止に努めて参りたいと考えております。


問一  知事の政治姿勢について
 2   今回提案された新型コロナウイルス検査体制の整備にあたり、かかりつけ医での検査体制など、予想される課題、対策について、知事の所見を伺う。

答(知 事)【実答弁】
 インフルエンザの流行期におきましては、地域における診療所等大きな病院以外もですね、この新型コロナウイルスの検査にあたっていただく必要がある、
そのためには、感染防止のですね、そういう予防対策をしていただく必要があるという風に考えているところでございます。
 今のところ、1日最大3000件程度の検査が必要と思われますので、概ね小さな診療所も含めて、150くらいの診療所に御協力いただく必要があるかなと思っているところでございます。そのために、今月の22日にですね、検体採取ですとかそれから感染防止対策、こういったものの会議、もしくは研修をですね、開かせていただこうということで今募集をさせていただいておりますが、県内に内科医がだいたい285あるんですけども、既に270くらいの診療所等からご応募いただいている、そんな状況でございます。
 感染防止の具体的な方策としましては、ドライブスルー方式がありますし、それからまた、これまでもですね、既に各診療所では、インフルエンザの時には、車の駐車場で待ってていただいて、そこで鼻咽頭のですね、検体を採取する、そのようなことをされておられます。そういう意味では、ドライブスルーという方法もあれば、テントとか、それから、プレハブを建てるとかこういうようなことで外でやる、そういうようなこともできるかと思います。必要な費用につきましては、病床を持っているような医院については、上限200万円、病床がなくても100万円の整備費、こういったものが今回予算で措置をさせていただいているところでございますし、個人防護具につきましても、国から配布されるという状況にあるわけでございます。
 こうした地域診療所等、こういったものをすべて17市町すべてで設置を行っていきまして、新型コロナウイルス感染症拡大期のインフルエンザ流行期、こういったもののですね、検査を乗り越えていきたいという風に考えているところでございます。


問一  知事の政治姿勢について
 3   公費負担による行政検査以外に、検査を希望する県民が、自分たちの地域において、安価で検査を受け、必要な陰性証明が受けられるような仕組みが必要と考えるが、所見を伺う。

答(健康福祉部長)【実答弁】
 8月28日に国が「新型コロナウイルス感染症に関する今後の取組」というのを定めました。この中において、新たに、会社や組織の要請によって検査を希望する場合は、全額自己負担で対応できる環境を整備するというものが盛り込まれております。
ただし、行政検査がひっ迫する状況になれば、行政検査を優先するというそういう仕組みでございます。
 現在、本県では、検査能力を1日3,000件に引き上げるべく大幅な体制整備を行っております。検査がピークに達する時期以外におきましては、陰性証明の必要な方に対して、医療機関においてこれは国の定める全額自己負担というかたちにはなりますけれども、自由診療によりですね、検査が実施されていくものと考えております。

問一  知事の政治姿勢について
 3   公費負担による行政検査以外に、検査を希望する県民が、自分たちの地域において、安価で検査を受け、必要な陰性証明が受けられるような仕組みが必要と考えるが、所見を伺う。
 
更問 唾液による検査が普及するのはいつ頃か。

答(健康福祉部長)【実答弁】
抗原検査の唾液につきましては、つい最近、開発についての報道が流れている、これが承認されて大量に生産されるという段階が必要でございますので、鼻咽頭の抗原検査のキットとはちょっと状況が違います。したがいまして、状況を見ながらですね、我が県でも必要な数を確保したり、使っていくということについては考えていきたいと思います。


問一  知事の政治姿勢について
 4   帰国者・接触者相談総合センターの設置により、保健所の相談体制や職員負担はどのように改善されたか伺うとともに、国の受診手続きの変更への対応について、どのような方針で体制を整備するのか、所見を伺う。

答(健康福祉部長)
 帰国者・接触者相談総合センターの設置以後、保健所は積極的疫学調査に専
念できる環境というふうになっております。カラオケ喫茶でのクラスター発生時
には、保健所に個別の相談窓口を設けることで、集中的に疫学調査を実施し、早期収束に繋げることができたと考えております。
 また、相談窓口の一元化によりまして、県民の皆さんが相談しやすい状況も生
じておりまして、患者が現われ始めた7月12日以降、1日平均156件であっ
た相談がですね、8月3日の窓口設置後は、平均214件と約4割増加している
状況でございます。
 今後は、相談・受診の流れが変更となります。地域の身近な医療機関に直接
相談することになりますが、県民の皆さんが混乱することなく相談できるよう
に、引き続き、この相談総合センターにおきまして、かかりつけ医を持たない県
民の皆さんの相談窓口となっていくことが必要かというふうに思っております。
 さらに、新型コロナウイルス感染者等の情報把握・管理システム(HER-SYS)
というのがありますけれども、ここに1人あたり120項目を入力しなければな
らなりません。他県では医療機関でやっておりますが、この相談総合センターで
一括して入力しておりまして、今後、受診の流れの変更により負担の増える医療
機関の支援という役割も担っていくと考えております。


問一  知事の政治姿勢について
 5   今後必要となるコロナ対策の財政需要をどの程度見込んでいるのか、また、当初予算の減額、財政調整基金の取崩し、国への要請など、財源確保についてどのように臨むのか、所見を伺う。

答(総務部長)【実答弁】
 コロナ対策につきましては、これまで感染防止対策、県内企業への支援を実施してきたところでございますけれど、今後も感染状況によりましては、さらなる対策が必要になるということも想定されます。
 そのため、まずは国に対しまして、地方創生臨時交付金ですとか、包括支援交付金につきまして、さらなる増額などの措置を求めているところでございます。
 そのうえで、今回のような緊急時に備えて積み立ててきた財政調整基金の活用を検討することにもなりうるわけでございますけれど、並行して既存事業の精査を進めまして、中長期的な財政運営の観点から、できる限り基金残高を維持できるように努めてまいりたいと考えております。


問一  知事の政治姿勢について
 6   県内産業の発展と雇用の維持確保に関し、新型コロナウイルスによる県内経済への影響をどう予測し、産業構造がどのように変化していくと考えるか、知事の所見を伺う。

答(知 事)【実答弁】
 今回の新型コロナウイルス感染症の拡大によりまして、企業の勤務場所、それから勤務時間が一つは分散した、それからまた、資材を仕入れるとか、もしくは販売先が途切れるというようなこと、また小売とかですね、サービス業におきましては、これは休業要請が解除されても客足が戻らない、こういった状況になっているということを認識をいたしているところでございます。
 そのため県としましては、まずは事業と雇用を継続する、こういったことに力を入れております。さらに国の内外からですね、人材、サプライチェーンを呼び戻すということを今回の予算も含めて講じさせていただいておりますし、リモートを使ってですね、新たなビジネスチャンスを広げていく、こういったこともですね、やらせていただこうと考えているところでございます。
 具体的に申し上げますと県内にいる大企業、大手のですね、県外資本、こういったところへ県内の企業から、もの、製品をですね、入れさせていただくようなマッチングをするということもございますし、オンラインビジネスを拡大していく、またはeコマース、こういったことも進めていこうと、また、さらにはですね、デジタル化をする人材を集めてくるようなこと、さらには消費喚起、デジタルバウチャーというのを今回提案させていただいていますが、新しい形での消費喚起もさらに進めていく、ピンチをチャンスに変えていくことをですね、考えていきたいと思っているところでございます。
 加えて、ものづくりの福井県ですので、こういったことも強みにしながら、新しい形のですね、社会にですね、適応した経済体制にしていきたいと考えているところでございます。


問一  知事の政治姿勢について
 7   県内の労働力過剰と人手不足業種などの現状を伺うとともに、「ジョブシェアリング促進事業」を実施する上での課題および見込まれる成果を伺う。

答(産業労働部長)【実答弁】
 新型コロナウイルス感染症の影響によりまして、製造業や観光業、飲食業などでは労働力が過剰となる一方、介護や建設業だけではなく、食品や日用雑貨の小売業などでも人手が不足していると聞いております。
 また、今年8月に、この事業の県のパートナーとなります産業雇用安定センター福井事務所が県内企業約250社に対して行った調査によりますと、製造業や医療・福祉、運輸業など、約2割の企業が従業員を企業間で融通し合う仕組みを利用したいというふうに回答しております。
 本事業を実施する上での課題としましては、ジョブシェアリングに関する、まずは制度の周知を図ること、そして、従業員の受入れ・送出し双方の企業数をできるだけ多く確保しまして、マッチングの選択肢を増やすことが必要であるというふうに考えております。
 そのため、県では経済団体等で構成します「雇用シェア促進協議会」を県が主体となって設置しまして、制度の周知に努めるとともに、双方の企業数の確保とマッチングを進め、解雇によります失業を抑制することで、雇用の安定化に繋げてまいりたいというふうに考えております。


問一  知事の政治姿勢について
7【更問】予算額は、50件で両方に5万円ずつということだと思うが、これだけでは不十分ではないか。ジョブシェアを強力に進めていくにはさらに上積みというか数を増やしていく必要があると思うが、どう考えるか。

答(産業労働部長)
 今回の予算では、ご指摘のとおり50件としておりますけれども、私どもも初めての試みでございまして、  50件という形でございましたが、やはり雇用の安定化を図るためには、できるだけ多くしたいという思いはありますので、50件を超えるようになればですね、また補正でお願いするという形で考えております。


問一 知事の政治姿勢について
 8   あわら沖の洋上風力の計画について、あわら市や地元漁協などの意見をどのように把握し、建設に向けた課題や地域への経済効果をどう評価するのか、知事の所見を伺う。

答(知 事)
 あわら沖の洋上風力発電につきましては、これはもう昨年末から、地元であるあわら市それから坂井市とともに継続的に意見交換を行っております。そして両市とともに関係する漁業者、こういった方々のところに出向きまして、漁業者の考えを伺っているというところでございます。
 漁業者からは、一つにはその風力発電の場所が新しい魚礁になるんじゃないかと期待もありますが、一方でやはり漁獲が失われるんじゃないかというようなことの懸念を示されているところでございます。
 こうした意見などを踏まえまして、あわら市と坂井市におきましては、事業者に対しまして、漁業それから景観に対する影響を十分に踏まえて、それから地元の理解を得るようにということの助言を行っているところでございます。
 地域への経済効果といたしましては、一つには建設をする段階では地域の企業がそこに携わることができるということ、それからまたメンテナンスの段階では地元の船を活用してもらい、それから、あわら市におきましては固定資産税が新たに増収となる、こういったプラス面もあるわけでございます。
 建設に向けた課題といたしましては、漁業者を含めた地元の理解を得るということが必要でありますし、また電力事業者との間で送電線網をつなぐといったような必要性が出てまいりますし、建設時には港の確保、こういったものも必要になってくるというところでございます。


問一  知事の政治姿勢について
 9    隣県や経済圏との広域連携について、どういった課題、可能性があると捉え、県の発展に向けてどのような展望を持っているのか、その戦略を伺う。

答(知 事)【実答弁】
 今、新幹線を始めとして、県内は多くの高速交通網が整備をされようとしているわけでございます。全国的に地域間競争が激しくなっている中で、こういった中でそれに勝ち抜くためには、やはり福井県だけで、もちろん、とんがっていくというのも一つの方法ですし、併せて広域で人や物を受けとめる、そういった体制づくりが重要だということで、隣県との関係の強化に努めているところでございます。そういう中で、「広域パートナーシップの強化」ということを、まずは長期ビジョンの中にも位置付けをさせていただいております。
 それで、この北陸新幹線につきましては、大阪への1日も早い延伸、これを沿線の自治体とともに、今、実現を目指しているところでございますし、例えば、北陸デスティネーションキャンペーン、これも北陸3県で取り組んでいこうというふうにさせていただいております。くろまつ号、これも好評ですので、これを民間企業と一緒にやらせていただく、こういうことも進めております。
 さらに、中部縦貫自動車道、冠山峠のトンネル、さらには、栃ノ木峠のトンネル、こういったものは、岐阜県とか滋賀県、今までは県の県境に近い方だったわけですが、入口になってくるということで、滋賀県や岐阜県の知事とも、連携の強化を努めさせていただいているところでございまして、こういったことで、道路の整備、それから広域観光の拡大をしながら、「活力人口100万人ふくい」を目指して参りたいと考えているところでございます。


問二  高速交通体系について
 1   並行在来線の運賃水準と経営安定基金の規模について、3案それぞれの想定条件、県・沿線市町が基金に拠出できる金額の上限をどう考えるか伺うとともに、これまで要望している国からの運営経費への支援の実現性について、所見を伺う。

答【実答弁】(地域戦略部長)
 並行在来線の基金規模を提示しました3案につきましては、いずれも同じ条件のもとに試算をしてございます。具体的には
・まず利用者数につきましては、先行県の実績を参考に、現在と同数が10年間確保されるということを前提としてございます
・次に運賃以外の駐車場収入等の関連事業収入については、現在と同水準
・普通列車、貨物列車等の数についても今の条件におきましては現在と同じ本数
ということで計算をさせていただいております。こうした条件のもとで、運賃水準を変えまして算出したのが3案ということでございます。
 基金の規模でございますが、運賃を現状水準とした場合、最大で90億円が必要と見込んでおります。検討にあたりましては、利用者負担と行政負担のバランス、これを考慮することが非常に重要でございまして、今後、先行県の事例も参考にしまして、県議会、経済団体、利用者団体等の意見も聞きながら、沿線市町と調整を進めていくというふうに考えてございます。
 並行在来線の運営経費への支援、国の支援でございますが、8月20日に国土交通大臣、9月2日には国交政務官に対し知事から直接要請活動をしていただきました。並行在来線の重要性については大臣からも理解をいただいたところでございます。今後も、様々な機会をとらえて要請をしていきたいと考えてございます。


問三  原子力行政について
 1   今回の原子力防災訓練の評価、分析、来年度以降の改善点を伺うとともに、訓練で明らかになったコロナ対応に関する課題をどう認識し、広域避難計画に反映させていくのか、知事の所見を伺う。

答(知 事)
 今回の訓練では、コロナ禍ということで、検温ですとか人の間隔を取るという感染症対策を取らせていただきました。また、一時避難所におきましては陽圧化を行うことで外からの放射性物質を取り込まない、一方で、換気をちゃんとするということにも取り組ませていただきました。また、避難所での運営ですとか、バス避難での方法についての訓練を行わせていただいたところでございます。
 一方で、課題といたしまして、①どうしても入り口のところが密になってしまったということ、②検温とか問診の時に列ができてしまった、③さらには、より多くの避難スペースや避難のバスが必要になる、こういったことが明らかとなりました。
 従いまして、広域避難計画に基づきますガイドラインにつきまして、こういった点について、改めて改善点、どういうふうに改善するのか、そういったことを書き込みさせていただきまして、国や市町、関連の事業者とともに、新しい知見に基づいた訓練を実施しながら、改善点の検証も行っていきたいと考えております。


問四  福祉行政について
 1   患者が多い疾患や増加傾向、人工呼吸器装着、体が動かせない難病患者の状況を伺うとともに、京都のような事件が発生しないよう、難病患者、家族を支える環境づくりに向けた具体的な支援策について、知事の所見を伺う。

答(知 事)【実答弁】
 難病で治療中の方は本県におきましては、昨年度末で142疾患の疾患につきまして、5,846人の方がいらっしゃる状況でございます。内訳を見ますと、約3分の1の方がパーキンソン病と潰瘍性の大腸炎ということになっているというところでございます。
最近は、少しずつ全国と同じように数が増えているという状況でございます。また、人工呼吸器の装着者の数は9月1日で51名になりました。また、体が動かせない方は168名という状況になっております。
 各保健所におきましては、保健師を各家庭に訪問させる、または、在宅療養の支援体制づくり、こういったことを行っておりますし、また、難病支援センターにおいて、相談の対応を行っているというところでございます。
また、県が患者会に対しまして、同じような患者さん、悩みを持った方々がお互いに話し合える、相談し合える、そういった心の交流を図っているいただくように委託をしております。
さらには、家族への支援といたしましては、全国に先駆けて、レスパイトへの支援、こういったこともさせていただいているところでございます。
 こういったことを続けながら、今回発生しましたような痛ましい事件が県内で起きないように、さらに支援に努めていきたいと考えているところでございます。


問四  福祉行政について
 2   中軽度障がい児の保育園受入れに関し、こども療育センターの機能を強化し、県全体の情報を広く取りまとめ、県内施設の受入れ状況等を公開することも必要と考えるが、所見を伺う。

答(健康福祉部長)
 障がいの有無を含めまして、住民の保育ニーズに応じて受入環境を整えるということは、子ども・子育て支援法上、市町の責務となっております。
県内の保育所等は、障がいをもつ子どもさんも受け入れることを想定した施設になっておりまして、基本的に全ての施設で受入れは可能であると、この意味で受け入れの可否という区別は存在いたしません。
 ただ、入所につきましては、各市町の児童福祉相談窓口に相談していただくことになりますけれども、障がいの内容によりましては保育士の加配でございますとか、設備を整える必要があって、年度当初からじゃないと入所できないというようなことは起こってまいると思いますので、そのためにも、入所を希望する際には、早めに御相談いただくことが肝要かというふうに考えております。
 県におきましても、加配保育士の応援でございますとか、保育従事者の資質向上の研修などをしながらバックアップしていきたいというふうに思っております。


問四  福祉行政について
 3   次期「福井県介護保険事業支援計画」においては、多重介護・老老介護を担う介護者の負担軽減策について盛り込まれると考えるが、これまでの議論で検討されている課題、対応策の方向性について、所見を伺う。

答(健康福祉部長)
 多重介護・老老介護の問題につきましては、検討会議を重ねてまいりましたけれども、コロナ禍におきましては、逆に全市町、それからケアマネジャーや民生委員等の団体を訪問する形で意見を伺ってまいりました。
この中で、共通の課題として明らかになったのが、現在の介護システムというものが、介護される側、要介護者の状態把握に重きを置いている、一方で介護する側、介護者の状況を把握する仕組みがないということでございました。
 このため、夏にかけて、介護者の状況について、ケアマネジャーなどの専門家が介護負担の度合いを測るチェックシートというものを作りました。それから、民生委員など地域の見守りをされている方、一般の方も利用できる気づきのチェックポイントというものを作りまして、現在、市町でこれを活用して、多重介護や老老介護のリスクのあるケースの把握をスタートしております。この多くのケースにおきましては、必要な介護サービスを御提供することで介護負担の軽減につなげていけると考えております。
 一方、中には、介護だけでなくて福祉全体で取り組まねばならないケースもみられておりますので、こうしたケースに対応できる新たな仕組みを作りたいということを考えておりまして、今、市町とともに検討を進めております。今年度策定する、次の介護保険事業支援計画の中に盛り込めるように、今作業を進めているという状況でございます。


問五  産業行政について
1   福井北インターおよびジャンクション周辺の整備について、中部縦貫自動車道の開通による物流輸送の需要を県内経済の発展に最大限つなげるため、物流関連企業の拡大や誘致を戦略的に進めるなど、ビジョンが必要と考えるが、所見を伺う。

答(知 事)【実答弁】
 福井北に限らずですね、県内のインターチェンジの周辺につきましては、福井経済新戦略におきまして、ロジスティクスの拠点としてですね、例えば、工場のようなその荷主さん企業ですとか、それから物流の企業、こういったものを誘致するということを決めているところでございます。
 福井北インターの周辺につきましては、ご案内のとおり市街化調整区域でありますし、農振地区ということもございまして、大きな産業団地を作るというのは難しい状況になっているところでございますので、福井市の意向も踏まえまして、個別の企業さんの開発、こういったものに対応していくということでやらせていただいております。県といたしましては、場所はこういういい場所がありますよとか、こんな制度融資できます、こういったご紹介もさせていただいているところでございます。
 そういう中で、具体的には、平成29年にはですね、このインターの周辺のところで食品関係の物流拠点ですとか、それから昨年におきましては、例えば、郵便とか航空貨物、こういったものの物流拠点、さらには小売店のですね物流拠点、こういったものの誘致も行ったところでございまして、これから、中部縦貫自動車道の全線開通に向けてですね、このメリットをさらに活かしていけるような誘致を務めていきたいと考えております。


問五  産業行政について
 2   鳥獣害対策について、被害防止のためのロボットやIT技術の活用方針、処理・加工施設整備の嶺北での実現性について、認識を伺う。

答(農林水産部長)
 鳥獣害対策のIT技術活用につきましては、これまで遠隔操作が可能な捕獲檻や電気柵遠隔監視システムなどの導入を支援しておりまして、普及を進めているところでございます。
今後、威嚇ロボットなどにつきましても、効果を確認しながら導入を支援してまいります。
 嶺北における捕獲鳥獣の処理・加工施設につきましては、県が調整役となりまして、嶺北全市町と協議を行いましたが、合意に至らず、その整備を断念したという経緯がございます。
 今年5月にも嶺北市町に意向を確認いたしましたが、ほとんどの市町が現在実施している埋設や民間委託による焼却処理を可能な限り継続したいとのことでございました。
 県といたしましては、今後市町と連携しながら、市町単位による処理施設の設置に向けまして、国庫事業の採択など必要な支援を行っていく考え方でございます。


問六  土木行政について
 1   流域治水の目指すもの、国、県、市町の役割を伺うとともに、具体的にどういった取り組みを地域住民に期待するのか、所見を伺う。

答(土木部長)【実答弁】
 流域治水は、従来の河川管理者等による治水対策に加えまして、企業や住民も含めましたあらゆる関係者が主体的に治水対策を行い、防災・減災が主流となる社会の構築を目指すというものでございます。
 国や県では、それぞれ管理する河川で河川改修やダム建設の推進、河川監視カメラの増強などの対策を進め、市町に対しましては、流域内での雨水貯留や水害リスクの高いエリアでの土地利用規制など、流域対策を求めることとしております。
 具体的に申しますと、農家の方々への水田貯留の実施や、一般家庭での宅地内の雨水貯留施設の設置のほか、家屋の移転や改築など、様々な協力を求めることが考えられます。
 これらの流域対策は住民の理解と協力が極めて重要であることから、具体的な取組内容につきましては、各水系の協議会等におきまして十分に検討して参りたいと考えております。


問六  土木行政について
 2   災害時の避難方法を決めておく個別計画の策定状況および目標設定を伺うとともに、福祉施設の入所者や自力避難が難しい在宅の高齢者・障がい者の避難の確保に関する課題、取組方針について、知事の所見を伺う。

答(知 事)
 県内には、在宅の要支援者は約6万5千人いらっしゃいまして、そのうち個人情報を出してもいいよとおっしゃっていただいている方が3万人いらっしゃいます。その6割にあたる、約1万8千人について、9つの市でですね、個別計画を策定しているところでございます。
 今後ともですね、まずは、この自分の個別情報をですね、個人情報を出していいとおっしゃっていただいている方、この方々の個別計画の策定を急ぎますとともに、さらに3万5千人、まだ個人情報を出していいと言っていただいてませんので、この方々の了解を得ていくという努力をして参りたいと考えております。
 また、在宅の要支援者の避難につきましては、安否の確認ですとか、それから避難する時、支援していただく近所の方のお力というのを確保していかなければいけないという課題もありますので、市や町の例えば防災とか福祉の関係者に対してですね、先進事例などの研修会を行って、それがしやすいような環境を作っていきたいと考えております。
 また、施設入所者につきましては、一般住民よりも逃げるのに時間がかかるとか、それから移動手段を確保しなければいけない、さらには、避難開始の判断をしなくてはいけないということで、避難確保計画を各施設で作ることになっております。これについてですね、施設管理者の皆様に対して計画策定をですね推進することを市や町で行っておりますので、県としてもこれらをですね、講習会等で応援していきたいというふうに考えているところでございます。


問七  教育行政について
 1   新型コロナウイルス感染による福井市小学校の臨時休業期間を4日、中学校を5日とした根拠、考え方を県教委はどう把握し、どう評価しているのか伺うとともに、県立学校の生徒が感染した場合、どのような基準と対応を考えているか、伺う。

答(教育長)【実答弁】
 新型コロナウイルス感染者の発生による臨時休業期間につきましては、文部科学省の衛生管理マニュアルを踏まえた県の指針におきまして、「保健所による濃厚接触者の範囲の特定や検査等に必要な日数・範囲」で臨時休業を実施するとしておりまして、各市町や県立学校に通知をしております。
 今回の事例におきましては、こうした指針に沿って、保健所の意見や施設の消毒に必要な期間を考慮しながら、学校設置者において適切に対応したものと考えております。
 県立学校につきましても、児童生徒の安全安心を第一に、保健所と十分協議しながら、適切に判断してまいります。


問七  教育行政について
 2   外国籍の子どもが保護者の就学義務から除外されていることに対する見解を伺うとともに、本県における外国籍の子どもの就学状況と支援の方針を伺う。

答(教育長)
 学校教育法等により外国籍の子どもの保護者に就学義務はないものの、本県でも公立の小中学校への就学を希望する場合には、国際人権規約等を踏まえ日本人児童生徒と同様に無償で受け入れ、教科書等も無償で配布しているところでございます。
 外国籍の子どもと共に学ぶことにより、本県の子どもたちにとっても多文化共生社会に生きる人間として望ましい態度や能力が育まれるとともに、将来的に本県に貢献する人材を育成する上でも、外国籍の子どもに就学の機会を保障することは重要であります。
 県内の外国籍の子どもは、保護者の考え方や短期間の就労等の理由で就学していない児童生徒、昨年5月の調査では5人おりましたけれども、こうした児童生徒以外は、全て就学をしております。
 例えば、外国籍児童生徒が多い越前市では、転入を担当する課に通訳者を配置したり、教育委員会が多言語による就学案内を配布する等、密に連携しております。他の市町に対しましても引き続き、外国籍の子どもたちが安心して学び生活できますよう、こうした取組により保護者に就学を促すよう働きかけてまいりたいと考えております。

9月議会 一般質問骨子

県議会の記録 私の考え

9月議会での私の一般質問骨子です。
項目としては、4項目で伺い、時間を見ながら、再質問させていただこうと考えています。
ご意見、アドバイス等、お願いします。

1 外国人生徒の教育について   配布資料あり
【主旨】
日本の在留外国人数は、平成30年(2018年)末時点で約273万人に上り、過去最多を記録しています。2019年4月1日から施行された改正入管法によって、今後5年間で34万5000人の「特定技能」資格の労働者の受け入れが見込まれており、さらに家族帯同が可能とされている「特定技能2号」の受入れも5年後に始まることから、今後さらに外国人の残留や定住が進むもの考えられます。
大切なのは、多文化共生施策を進めることであり、その中でも喫緊の課題のひとつは、教育分野であるということから、外国籍の子供たちの義務教育後の後期中等教育と日本語指導の状況について伺います。
【質問内容】
まず、高校進学についてです。
日本の高校進学率が約98.8%に達する現在、高校教育は凖義務教育化していると言われています。ただ、外国人生徒にとっては中学校卒業以降の進路選択には、就職を希望するにせよ、進学を希望するにせよ、多くの障壁が立ちはだかっていて、大変厳しい状況です。全国値を示しながら、
➀これらの外国人生徒の高校進学の状況について、本県の状況と所見を伺います。
高校入学に関しては、現在、特別入試枠・特別措置がとられている県もあり、福井県でも、2020年の県立高入試から、日本語指導が必要な外国人生徒等のための特別選抜を全日制2校で実施しています。
➁県立高校の特別選抜の状況と県立高校における外国人生徒支援について、今後の方向性を伺います。

次に、高校卒業後の進学率、就職の場合の非正規率も厳しいものとになっています。ここでも、全国値を示し、
➂この点での福井県の状況と所見を伺います。

後期中等教育における外国人生徒に関する施策は、義務教育段階に比べて大幅に遅れていることを共有した上で、その大きな課題の一つが日本語指導にあることに言及します。
文科省の2018年の調査によると、日本語指導が必要な外国籍の児童生徒数は40,485人で、2年前よりも17.9%増加しています。10年間でも1.4倍となっています。しかし、日本語指導等特別な指導を受けている者の割合は、前回調査時より上昇しているとのことですが、外国人児童生徒では79.3%。つまり、全体の約5分の1は必要な指導を受けていない状況にあります。
県は7月に策定した長期ビジョンでも、実行プラン政策1-2の⑥に主な取組みとして「外国人児童生徒等に対する教育環境整備」として、支援員の配置や全日制高等学校の特別入試枠の設置が掲げられています。その実行のためには、初等教育からの体系的な日本語指導の充実が必要かつ喫緊の課題であると考えます。配布資料をもとに、
➃本県の外国籍の子どもたちへの日本語教育の現状と今後どのように取組んでいかれるのか、知事に伺います。


2 子どもの貧困の実態把握について 
【主旨】
昨年の6月議会の中で、子どもの貧困について伺いました。昨年6月に「改正子どもの貧困対策法」が成立し、12月には大綱が見直されました。貧困状況が改善されたかどうかを検証するための指標も25項目から39項目に増やされました。改めて、取り上げます。
【質問内容】
 令和2年3月議会の厚生常任委員会の中で、取り上げた折に、
「現在、国も来年度の予算を持って全国的な調査をする計画だと聞いている。ただ、具体的な調査項目であるとか、スケジュールというところは、まだ調整中ということで公表に至っていない。私どもとしては、国の調査項目とスケジュールを見て、その上で本県独自に、国の調査項目なり対象者を膨らませる必要があれば、そこを膨らませて調査を実施したいと考えている。その点ではまだスケジュールが不透明であるが、来年度中にできるのではないかと考えている。」との発言をいただいています。
 いずれにしても、その重要性が示されたという点で評価するところでもあります。今年度も半ばを過ぎようとしているわけですが、
➄今年度実施予定の子どもの貧困に関する調査の調査方法、内容等について、どのような視点をもって、実施していくのか、その進捗状況について伺います。
➅また、その調査の中で、先ほどの外国につながる子供たちの状況についても対象としていくことを要望しますが、所見を伺います。

3 金ヶ崎周辺整備について 
【主旨】
2月議会において、金ヶ崎周辺整備について伺いました。その中で、知事からは、金ヶ崎周辺や鉄道遺産の持つポテンシャルの高さと存在価値についての認識を共有することができました。また、鉄道の部分に関しては、鉄道再開にこだわらず、街づくりに向けての一つの目玉スポットにできるように考えていきたいとの思いを伺うこともできました。
今回は、その認識や思いの上に立ち上がっていく事柄について伺います。
【質問内容】
➆2月の投げかけから半年が過ぎ、その間にいろいろな角度から検討がなされてきたものと考えますが、このエリアの整備や活用を嶺南・敦賀の活性化にどのように繋いでいくのかという点での知事の方向性を伺います。
➇また、新幹線開業までには、具体的な準備とその着手がなされていなければならないことは、誰もが認めるところでもあります。その点から、現時点で描かれているロードマップを伺います。
11月3日には、新ムゼウムが開館する予定であり、その日は、金ケ崎エリアの新たなスタートを切る大切な日ともなります。その新ムゼウムの道路を隔てた場所には、外交官・杉原千畝によって助けられた約6千人ものユダヤ難民の「敦賀の街が天国(ヘブン)に見えた」という喜びを象徴する上陸地点があります。ただ、その地点の南側の空地には、前回も話題に挙げた「鉄道遺産」とも言える、「転車台」が網に覆われて横たわっている状況です。いろいろな計画が不透明な中で、移転が難しいとしても、少なくとも、「転車台を大事にしている」というメッセージが伝わる扱いをしていただきたいと考えるところです。
➈今後の自らの居場所を待っている転車台ですが、その活用の方向性も含め、敦賀市との間で、どのような協議がなされてきたのか。また、現時点で、どのような方向性をもっておられるのか伺います。


4 学校職員の勤務実態の把握について  配布資料あり
【主旨】
学校教職員の勤務については、いろいろな報道でも取り上げられています。
令和3年度末までに時間外勤務80時間超をゼロにするという方針の下で、取組みがなされているわけですが、今回は、その大前提となる、「教員の勤務の把握」に的を絞って伺います。
【質問内容】
大切なのは、教職員の勤務時間と在校時間の関係です。まず、
➉県の勤務時間の考え方とその根拠について伺います。

 配布資料として、現在把握されている4月から7月の校種別の「時間外在校時間の平均値」を提示させていただき、
⑾80時間を超える方の実態と状況を伺います。
また、国の示すガイドラインにおいては、時間外勤務については、客観的な資料によって、把握することとなっています。
タイムカードや校務支援システムを活用手している市町の状況をしめす中で、
⑿それ以外の自治体では、その把握がどのような形で行われているのかを伺います。また、それに対して県はどのような指導と助言をされているのか伺います。

R2 9月議会 代表質問

県議会の記録

R2 911 9月議会開会

 9月8日、9月議会が開会しました。
初日は、議会日程の確認が中心ですから、9月11日の今日からが本格的なスタートといったところです。
今日の代表質問。午前中は、県会自民党の仲倉典克議員と西本正俊議員が、午後は、民主・みらいの幹事長、辻 一憲議員の質問に立ちました。

民主・みらいでは、全員で代表質問の内容を検討し、作成し、修正を加えて、「みんなで作り上げる」が基本です。ただ、最終の詰めは質問に立つ辻一憲に委ねられることになります。今回も、辻議員の思いがいい形でまとめられた代表質問だったのは間違いありません。

というわけで、ここでは、民主。みらいの代表質問の20の質問を記載しておきたいと思います。それに対する答弁内容は、後日ということにさせていただきます。


1 知事の政治姿勢について

(1)新型コロナウイルス感染症への対応

(1)県は、ICU占有率は特別警報の基準を、また病床占有率は緊急事態の基準を超える状況下において、感染拡大警報を7日に2週間延長しましたが、今後全ての基準値を超えた場合、即座に特別警報を発令することになるのか、また、その場合、県民、事業者に対してどのような要請が考えられるのか伺います。

(2)今回提案された新型コロナウイルス検査体制の整備にあたり、かかりつけ医での検査体制など、予想される課題、対策について、知事の所見を伺います。

(3)公費負担による行政検査以外に、検査を希望する県民が、自分たちの地域において、安価で検査を受け、必要な陰性証明が受けられるような仕組みが必要と考えますが、所見を伺います。

(4)帰国者・接触者相談総合センターの設置により、保健所の相談体制や職員負担はどのように改善されたか伺うとともに、今回の国の受診手続きの変更への対応について、どのような方針で体制を整備するつもりか、所見を伺います。

(5)今後必要となるコロナ対策の財政需要をどの程度と見込んでいるのか、また、当初予算の減額、財政調整基金の取り崩し、国への要請など、その財源確保についてはどのような方針を持って臨んでいるのか、所見を伺います。

(6)県内産業の発展と雇用の維持確保に関し、現時点において、新型コロナウイルスによる県内経済への影響をどう予測し、産業構造がどのように変化していくと考えるか、知事の所見を伺います。

(7)県内の労働力過剰と人手不足業種などの現状を伺うとともに、本事業を実施する上での課題および見込まれる成果を伺います。

(2)再生可能エネルギーの導入

(8)あわら沖の洋上風力の計画について、あわら市や地元漁協などの意見をどのように把握しているか、さらには建設に向けた課題や地域への経済効果をどう評価するのか、知事の所見を伺います。

(3)隣県との広域連携

(9)杉本知事は、こういった広域連携に非常に前向きに取り組んでいるという印象を持っておりますが、隣県や経済圏との広域連携について、どういった課題、可能性があると捉え、本県の発展に向けてどのような展望を持っているのか、その戦略を伺います。


2 高速交通体系について

(1)並行在来線の安定経営

(10)今回提示された、並行在来線の運賃水準と経営安定基金の規模について、3つの案それぞれの想定条件、県・沿線市町が経営安定基金に拠出できる金額の上限見込をどのように考えるか伺うとともに、これまで県が要望している、国からの運営経費への支援の実現性について所見を伺います。


3 原子力行政について

(1)原子力防災訓練の評価と課題

(11)今回の訓練の評価、分析、来年度以降の訓練に向けての改善点を伺うとともに、特に、放射性物質の流入防止と感染症対策としての換気の両立、避難場所や移動手段の更なる確保など、今回の訓練で明らかになったコロナ対応に関する課題をどう認識し、広域避難計画に反映させていくのか、知事の所見を伺います。


4 福祉行政について

(1)難病患者への支援策

(12)本県において難病患者は6千人弱ということでありますが、患者が多い疾病や増減傾向、人工呼吸器を装着、体が動かせないといった難病患者の状況を伺うとともに、京都のような事件が発生しないよう、難病患者、家族の方々を支える環境づくりに向けた具体的な支援策が必要であると考えますが、知事の所見を伺います。

(2)中軽度の障がい児の保育

(13)そこで、中軽度障がい児の保育園受け入れに関し、市町の温度差もあることから、県域の療育施設として、子ども療育センターの機能を強化し、市町を超え、福井県全体の情報を広く取りまとめ、県内施設の受け入れ状況等広く公開することも必要ではないかと考えますが、所見を伺います。

(3)多重介護、老老介護における介護負担の軽減

(14)現在検討が進められている次期「福井県介護保険事業支援計画」においては、多重介護・老老介護を担う介護者の負担軽減策について盛り込まれるものと考えますが、これまでの議論で検討されている課題、そして、取りまとめるとした対応策の方向性について、所見を伺います。


5 産業行政について

(1)中部縦貫自動車道を活かした産業振興

(15)福井北インターおよびジャンクション周辺の整備について、中部縦貫自動車道の開通による岐阜県、中京方面から県内への物流輸送の需要を、県内経済の発展に最大限つなげるため、物流関連企業の拡大や誘致を戦略的に進めるなど、県としてのビジョンが必要と考えますが、知事の所見を伺います。

(2)鳥獣害対策

(16)鳥獣害対策について、被害防止のためのロボットやIT技術の活用方針、また処分・活用策である処理・加工施設整備の嶺北での実現性について、県の認識を伺います。


6 土木行政について

(1)総合的な水害対策

(17)そこで、この流域治水の目指すもの、そして国、県、市町のそれぞれの役割を伺うとともに、田んぼダムや土地利用規制などの施策が検討されるようですが、具体的にどういった取り組みを地域住民に期待するのか、所見を伺います。

(18)県内における個別計画の策定状況および県としての目標設定を伺うとともに、福祉施設の入所者や、自力避難が難しい在宅の高齢者・障がい者の避難の確保に関する課題、取組方針について、知事の所見を伺います。


7 教育行政について

(1)学校の臨時休業の措置

(19)今回の福井市小学校の臨時休業期間を4日、中学校を5日間とした根拠、考え方を県教委はどう把握し、
  どのように評価しているのか伺うとともに、県立学校の生徒が感染した場合、県教委としてどのような基
  準と対応を考えているか、伺います。

(2)外国籍の子どもへの支援

(20)外国籍のこどもが保護者の就学義務から除外されていることに対する見解を伺うとともに、本県における外国籍の子どもの不就学、就学不明といった就学状況の現状と県の就学支援の方針を伺います。


 代表質問は、「今、私たちが課題として捉えているのは、これです。取組みの様子や今後の予定を教えてください。今回の議会では、これらについて議論しましょう。」といった意思表明でもあります。逆に、答弁も、「それに対して、方向性や考え方はこうです。」といったもの、つまり、深くは入り込まないものとなります。
 それだけに、代表質問で示した事柄に関して、一般質問や常任委員会の中で、しっかり深めていかなければなりません。
今日の議会運営委員会で、一般質問の日時が決まりました。私は、17日の11時25分〜12時05分になりました。