2013年2月25日
学校
今週は、いよいよ志願変更です。私が中3の担任だったとき、この志願変更の期間は緊張感に満ちていました。職員室には、この期間だけ登場するホワイトボードが掲げられ、時々刻々と変化する各高校の出願数がリアルタイムで表示され、休憩時間毎に、その数字に一喜一憂していたものです。
〆切日には各校のベテランと言われる先生が各高校に割り振られ、高校側と一緒に〆切時刻ギリギリまで頭を痛め、締め切った後、それぞれの場で誰からともなく拍手が起こったことも少なくありませんでした。
3年担任が決まったとき、5月の保護者会で「志願変更の時に、担任である私の言葉を信頼していただけるよう、その信頼を得られるよう精一杯頑張ります。」と挨拶したこともありましたし、本心そう感じていました。
時代は変わりましたが、15歳の将来を決める3日間であることに変わりはありません。
今週火曜から木曜の16:00までが志願変更期間です。学校全体にある程度の緊張感が漂う3日間でありたいものです。
2013年2月18日
雑感
二つの選択肢があり、どちらにも何らかの不利益があって意見がまとまらないことを「ジレンマ」と言いますが、三つの選択肢がある場合は「トリレンマ」と呼びます。
環境問題はまさにこの「トリレンマ」です。例えば北極を考えてみても、温暖化のために氷が減少しさらなる気候変動を引き起こす可能性、北極熊に代表される生態系の破壊等々、現実に起こっている環境破壊に警鐘が鳴らされる一方で、氷が減少したことにより北極圏の資源開発が加速しています。
現在のままの文明社会を継続するならば、私たちは「経済の発展」・「資源・エネルギーの確保」・「環境の保全」のトリレンマと葛藤し続けなければなりません。
教育の現場にも、「トリレンマ」は存在するような気がします。いや「トリ・・」ではなくて、「テトラレンマ」「ペンタレンマ」なのかもしれません。
ただ、「その子のとってよいことであること」「生徒全体にとってよいことであること」そして「教育的であること」の3つが、トリレンマにならないことを願います。
2013年2月12日
雑感
今の時代の問題の一つは
人々の関心は“どう感じるか”で、“何を考えるか”ってことじゃないこと。
“考え”とか“アイデア”こそがおもしろいのに。
“考え”が“言葉”になる。
その“言葉”が“行動”になる。
その“行動”がやがて“習慣”になる。
“習慣”がその人の“人格”になり、
その“人格”が、その人の“運命(さだめ)”となる。
“考え”が人間を創るのよ。
サッチャーの父の言葉として紹介される上記の言葉。
まずは、「考え」を持つことの大切さを説くことは、同感です。
しかし、その前提として、「みること」「感じること」の大切さを思います。
今は、真実をみて、真理を感じた上で、考えなければならない時なのです。
2013年2月8日
学校
今回の生徒会の取組。その価値は、予想以上に大きなものだと感じています。
その価値とは、
(1)自らの不便を自分たちの手で改善していこうとする姿勢を形にしたことです。
(2)その実現のために、自分たちの現在の姿を見つめ直したことです。
(3)実現のためにルールを自分たちの手で作りあげてきたことです。
粟野中学校の誇るべき姿がそこにはあります。3年生諸君にとっては、実質的なメリットはわずかなのかもしれませんが、それにも拘わらず、前向きに考えてくれたことは、これから皆さんの自慢できる大きな財産として残るものと考えます。
さて、この場で、執行部から提出された『誓約書』と「ネックウォーマー使用の願い」をしっかりと受け取りました。そして、この場で、その願いを認め、今年度、試行していきたいと思います。この決定は、小さなことであっても軽いものではありません。その意味は大変大きなものです。
これまで、いくつかの中学校での校則改正を見届けてきました。その度に、心に浮かぶ言葉があります。有名な哲学者の言葉です。
それは
「軽快に空を飛ぶ鳩は、ある日思います。『空気抵抗がなければ、もっとうまく飛べるのに、空気さえなければ・・・』しかし、真空の中では鳩は飛べないのです。」 というものです。
この言葉の意味を、皆さんは十分に分かってくれることと思います。
鳩が『権利』と『自由』の象徴であるならば、空気は何なのでしょう?
普段、何の意識もしない空気ですが、空気があることで飛べるのです。
今、皆さんにも、この空気にあたるものは何なのかを考えなければなりません。
それは、『責任』『信頼』もっと難しい言葉で『義務』なのだと私は考えます。
それに支えられるからこそ、鳩のように、自由に飛ぶことができるのでしょう。
今、この瞬間、皆さん全員にお互いの『信頼』と『責任』が課せられのです。
それに支えられ、更にのびのびとした生活を期待しています。