2021年7月

6月議会 予算決算特別委員会

県議会の記録

R3 607 予算決算特別委員会における 民主・みらい会派 辻会長の総括質疑を掲載します。

 毎回感じることですが、総括質疑として、一般質問はもとより、核常任委員会における各議員の質疑の内容も踏まえ、丁寧で議会全体の流れを加味した総括質疑をされる姿には、感服します。


問一  県政全般について
 1 小浜線・越美北線の減便、特急存続断念にあたっての代替案に関する認識と今後の交渉の方針、乗る運動を県が引っ張る決意を知事に伺う。


答(知 事)
小浜線、越美北線の減便の関係につきましては、急にこうした話が出てくる、性急なダイヤの見直し、減便ということについては、誠に遺憾です。議会でも議連も作っていただいておりますので、皆様方、市や町と一緒になって、国、JRに対して強く今後とも減便しないように申し上げていきたい。
特急存続の関係については、これまでも申し上げてきましたが、なかなか特急存続することの様々な大きな課題があるなかですが、できるだけそういった影響を小さくし、新幹線の開業効果を大きくしていくことが重要だと十分認識をいたしておりますので、まずは敦賀駅での乗り換え、利便性を、ダイヤの面、本数の面でしっかりと確保していくという上で、さらには、今も仰っていただきました特急並みの時間短縮効果があるような快速、またそれを新快速と乗り継ぎや利便性を上げていくようなこともあります。   
越前たけふ駅の二次交通、これもできるだけ利便性を上げていくとか、さらには特急がないなかで、ある意味メリットとして、長い列車がなくなりますので、ホームを短くできて維持管理も楽になる、こういったこともしっかりと生かして、新幹線のフリーゲージトレイン、特急存続ができないそういうようななかでも、少しでも影響を小さくしていく努力をしていきたいと思います。
乗る運動これについては、えち鉄と福鉄のところで、実績を上げており、市や町、それから事業者、それから住民の皆さん一体となってこれから並行在来線についても、しっかりと皆さんが乗りやすい環境をつくることをやりたいと思っています。これは、市町任せという気は全くありませんが、役割分担の大きな意味で、市町中心にやっていただくということだと思いますので、まずは応援ということですが、やはり新しい利用者を開拓する、それから住民の意識を醸成するということについて、県としても市町と一緒になって進めていきたいと思っている。

 2 譲渡資産のうち、更に圧縮できそうな部分はどこか。今回提出された初期投資案には新駅建設は含まれているのか。開業前設備投資は圧縮できる見込みがあるのか。最終的に154億円をどの程度まで圧縮するよう目指しているのか。

答(新幹線・まちづくり対策監)
並行在来線の初期投資のうち、JRから資産譲渡については、既存のホームや留置線等のうち不要な部分の撤去、または撤去費相当の減額を求めまして、更に圧縮していきたいと考えている。
また、開業前設備投資ですけれでも、JRからの譲渡資産が概ね特定されましたことから、現在、券売機でありますとか、社内情報システムなど、並行在来線会社で整備が必要となる設備や金額の精査を行っている状況です。これらにより、最終的な初期投資の額は、少なくとも1キロメートルあたり、投資額が富山県の実績並みの水準にまではもっていきたいと考えている。
なお、新駅に係る経費につきましては、現在、沿線3市において、地元住民の意向など設置の方向性を検討している段階であり、開業時に必要な初期投資の額には含まれていないということです。

 更問  富山並みにということだが、具体的にいくらを目指しているのか、伺う。

答(新幹線・まちづくり対策監)
富山県の初期投資額は、だいたい1キロメートルあたり、1.87億円になっておりますけれども、本県の79.2キロメートルに換算しますと、概ね148億円ぐらいとなりますので、その水準まではいきたいと思っています。

 3 人員計画については、開業時約310名の社員(プロパー100人、JRからの出向200人)という方針は変わらないのか。昨年春、今春春の採用状況と人材育成状況、来春以降の募集の考えについて伺う。

答(新幹線・まちづくり対策監)
並行在来線の開業時の要員数については、当初310人を想定していましたが、開業延期に伴いまして、プロパー社員の研修期間が1年長くなることから、JR出向者からプロパー社員へ置換えが進む、それが1点と。ワンマン運転が最近導入されておりまして、それによります、車掌数が減少していることなどを勘案しますと、現時点ではJRの出向者を30名減らして、約280名を想定しているところです。
プロパー社員については、予定どおり開業までに100名の採用を計画しております。現在1期生31名、今春採用の2期生が35名、計66名が今駅業務などに就いて、経験を積んでいるところです。
残る34名につきましては、地元高校生を中心に、組織の年齢構成の平準化といったことも考慮して、開業までの2か年で約半数ずつ、16から18名を採用したいと考えているところです。

 更問 JRからの出向を30名減らすということで、いろいろな観点の中での判断かと思うが、安全管理上は大丈夫なのか、伺う。

答(新幹線・まちづくり対策監)
それについては、ベテランの社員がきっちり出向していただくという交渉を続けており、万全を期してまいりたいと思っている。

 4 今後の進め方、現時点での沿線自治体の考え方や課題、県の方向性を知事に伺う。

答(知 事)
えちぜん鉄道については、今年度までが今の支援スキームの期間ということで、今、来年度以降の支援スキームについて議論しているというところです。
具体的には、これまでも、経営については市や町が責任を持っているということで、運営の支援は市町が行って、それから県の方は、運行の安全性を確保していくということで、色んな設備投資の支援をしてきているところで、こういった大きな枠組みについては市町とは大体合意をしているところです。
その上で、これから新幹線の開業を迎える時期にあたりますので、観光客をどういう風に迎えいれていくのか、人口が減っていく、アフターコロナという中で利用者をどう確保していくのか、更には、防災対策ですとか除雪なども一つの大きな議題として、市や町と議論をさせていただいているところです。こうした検討を行い、12月議会において考え方の基本を議会に示させていただこうと考えています。
それから、福井鉄道についても1年遅れて計画の新しいスキームを作るという段取りになりますので、基本的な市町と県の役割分担は、今、申し上げたことと同じことになります。あとは沿線三市との間で、来年度議論をさせていただき、その中で県議会とも協議させていただきたいと考えています。

 5 避難元と避難先の自治体は別であり、具体的な搬送、ケアする職員体制、機材提供について、事前の確認、不足分の調整、実際の運用は、市町を超えた広域行政である県の責任で行っていく必要があるが、認識を伺う。

答(健康福祉部長)
原子力災害時における福祉施設入居者の避難については、県の地域防災計画において、県と市町が連携して行うということになっております。基本的には県の主体的な責務があると考えています。
具体的には、まず避難元と受入先のマッチングなどについては、まさに県が主体となって行います。避難に必要となる車両は、市町とか医療機関、福祉施設の状況を県が直接把握し、資機材の不足については、一部市町が把握した状況を県で取りまとめ、その上で国に供給を原子力災害対策本部を通じて確保要請をしていくという流れになります。
それから、職員の不足については、まず県が県内施設と調整します。発災時においてなお不足するということになりますと、福島の例でもあったように県の要請に基づき国が確保するということになっています。
このように避難時には、県が主体となって必要な体制を確保していくという仕組みになっていますので、平時から市町と十分連絡を取りまして、国や施設団体との調整を行っていきます。

 6 施設に確認する際、用意可能な資機材や使用可能な保有車両の最新状況の他、避難元に同行できる職員数、入所者と資機材の搬送に必要なのべ車台数、避難先には通常時およびコロナ対策を講じる場合の受入可能人数、受入にあたり協力できる職
員を確認するよう提言するが所見を伺う。


答(健康福祉部長)
避難元それから受入先施設において利用可能な資機材とか、職員の数、車両も含めて予めしっかり把握しておく必要ですので、この夏行います調査ではしっかりそのあたり、直接、まず調査票の調査と面談をしてしっかりと把握していきたいと思います。
例えば資機材の中のベッドの用意なんかは、あまり施設の方はご存じないと思いますが、ベッドにつきましては既に業界団体との間で確保の段取りは県の方でつけてありますので、今朝も数を確認してもらったのですが、いくつかの団体で確保しており、一つの団体で500はあるというようなことを確認しています。それも含めて、全体をしっかり精査する中で実効性ある避難計画にしていきたいと思っています。

 7 5㎞圏内の施設の避難、30㎞圏内の施設の避難に関し、10組程度抽出し、県が夏に確認する避難先、避難元の情報を突き合わせ、不足するものが何か、実際の対応、連絡、指示について、施設、避難元の自治体、避難先の自治体、県、議会が参加してシミュレーションし、検証し、改善策を考えていくことを提言するが、知事の所見を求める。

答(知 事)
福祉施設に入所されている方が、広域に避難してい時に、おっしゃるように通常に比べても、十分な準備が必要と認識をいます。そういう意味ではこれまでの訓練の中では、このお示しいただいた資料のような形でいえば、避難元のAという施設からBという施設に福祉車両で移動するという訓練だけに留まっていた部分もあります。
ですので今回は、ご指摘もいただきましたこの夏にAの施設で実際の入所者がどれだけいるか、Bの中で実際にどれだけ受入れできるか、こういった受け入れ態勢にまず調査をさせていただき、次の秋の訓練の際には、その人数の人が移った時に今度は受け入れて実際にその空間が確保できるか、その上で例えば食事とか入浴とかそういったサービスが提供できるか、その時にはどれだけの職員の数がいるのか、こういった具体的なものが把握できるような形で訓練を1回やってみて、それで反省点があればそれを次に活かしていくことをやっていきたいと考えています。

更問  感染症対策として、避難先で搬送する際および避難先で受け入れる際の、一人あたりの確保スペースの基準を示す考えはあるか、所見を伺う。

答(健康福祉部長)
国と県で作成しております「原子力災害における新型コロナウイルス感染症対策ガイドライン」というのがありまして、例えば移送の際には、バカの中で十分に座席間隔を空けるとか、避難所の受入スペース、これは一般住民の方も同様ですが、1人当たり4㎡以上のスペースの確保をすることが決められています。
こういったことはまだ施設の方に十分伝わっていないというご指摘もあるかと思いますので、それも含めて、今回しっかりとお伝えし、コロナ対策、感染症対策も含めた避難計画の実効性を担保していきたいと思います。

更問  資機材の調達について、一覧表にして施設側に示すと準備が進むのではないか。

答(健康福祉部長)
まさに一覧表にすると確かにわかりやすいと思いますし、例えば、ベッドのお話をしましたが、他の資機材も県内の業者との連携協定といったことはかなり細かく結んでいますので、それはちゃんと施設の方、それから市町の方にもお知らせしていきたいと思います。

更問  核燃料税とかそういったものを活用して、福祉施設の広域避難における資機材の調達をしっかりと進めてはどうか、所見を伺う。

答(健康福祉部長)
資機材については、物によってはあらかじめ大量に準備すべきものもあるかも知れませんが、基本的に発災時に連協協定等によりまして業者が直ちに調達をして、費用負担の話もございましたが、これは基本的に国が支弁した上で、電力事業者、原因者ですね、そちらの方に求償するという仕組みが既にできていますので、年数が経ったということもあり、そういった細かいことろまで施設はご存じないこともあろうかと思いますので、しっかりと皆さんにお知らせしていきたいと思います。

 8 越前市西部の渋滞解消に向け国道365号などの4車線化含む整備事業に関して、道路整備プログラムでの位置づけ、進捗、今後の進め方について所見を伺う。

答(土木部長)
越前市西部の、国道365号につきましては、国道8号や県道寺武生線などと共に、越前市街地の環状道路としての機能を有することから、今年3月に策定しました道路の将来ビジョンの基本方針において「産業・観光の活性化」に合致する道路と考えています。
令和2年度から4車線化に事業に着手しました越前市上太田町から岡本町、約1.4kmの区間については、今年度、測量設計を予定しており、道路整備プログラムの中間とりまとめにおいても、今後10年内の完成を目指す箇所として記載しています。
また、地元から要望のあります岡本町から国道8号までの区間、約3.4kmですが、この4車線化については、今後の道路整備プログラムの策定において、整備の必要性、緊急性、地元の熟度、地域バランス等を勘案しながら、検討していきたいと考えております。

9 医療的ケア児の受け入れに必要な看護師確保のため、学校や保育所においても「病院看護師」と同等の処遇が必要と考えるが、所見を伺う

答(健康福祉部長)
処遇の面で例えば処遇の単価という面でいきますと、例えば特別支援学校に配置しております看護師さんについては、県立病院の会計年度任用職員として働く看護師さんと同額の報酬単価ということになっております。さらに市町の学校とか保育所に配置している看護師さんにおいては、市町ごとの会計年度職員の看護師単価の水準とほぼ同額になっているということを把握しており、単価の面では決して高くはないかもしれませんが、大きな差がない。
ただ、今ほどご指摘がありましたように、医療的ケア児に対応する看護師さんは、医療的ケア児の登校または登園に応じて勤務をするということになりますので、例えば休校日の休業補償というのがないというところが一番大きな問題であると思います。
ただ、現状としまして県の看護師さんも含めて兼業は可能でして、例えばご自身の御事情に応じて、その休校日には、例えば病院で勤務するとかですね、他の事業所で勤務するということが可能な状況ですので、そういったことが現実に行われているというのが今の状況です。
一番今、私の方として課題と思っておりますのは、現在の国庫補助の仕組みが一施設あたりの単価設定、これまでは実は一市町当たりの単価設定だったので、少し前進はしているんですが、一施設に複数看護師さんを、看護師さんといいますか、医療的ケア児の方を入所していただくとですね、この単価設定では足りないということになっておりますので、このいわゆる制度の改善というのがですね、進むことによって、処遇面も含め、いろんな面での改善が望まれます。そこをまずしっかりと国に対して実情を説明して要望していきたいと思っております。

 12 感染症対応やワクチン接種に関し、知事としての責務を果たしつつ、冷静に様々な状況を捉え、分析、検証をし、今後どのように対応すべきか、政府に何を提言すべきか考え続け、発言し、行動することを期待するが、知事の所見、決意を伺う。

答(知 事)
新型コロナワクチンの接種についてては、しっかり示されておりますデータで言っても、94~95%の発症を抑制する効果があるということでして、大変期待が持てることでできるだけ早く希望されるすべてのみなさんに接種できるようにと、県としても取組みをさせていただいいます。
個別の診療所における、個別の接種や県や市町の集団接種、職域接種などを行わせていただいています。現状の国の状況というのは、言ってみれば、1日100万回を接種目標にしていたところを超えてスピードアップしているところで、国としては9月末までには必要なワクチンというのは、もともと予定では1億1千万分を9月末までに国内に入れて地元には10月中旬には必ず配分します、こう言うところの約束を守ってないというわけではありませんので、大きく言うとスピードアップがなかなかできないという状況だと思っています。
そうした意味で、しっかりと今後の見通しを示していただけば、もちろん接種計画も立てやすいので、そういったのを国に要請しながら、あとで大事なことは接種をした後、例えばどれくらいの期間を次に打たなくていいのか、それからまたあの集団免疫というのはどうしたらどのくらいなるとできてくるのか、その接種後の社会像がどうなっている、もしくは行動指針ですね、マスクは外してもいいのか悪いのか、こうしたことも一定の時期が来たら早めに国には示していただくことで、国民県民のみなさんも、しっかりと自分は打ちたいなと思うとか、判断もできますので、そんな点についても国に対して求めていきたいと思っています。

13 中小事業者の厳しい状況への認識、危機感について知事の捉え方を伺う。また状況を今後も注視し、必要に応じて大胆な支援を躊躇なく講じることを知事には求めるが、所見を伺う。

答(知 事)
東京商工リサーチの調査によりますと、この緊急事態が全国で4月に出された、この段階で、アパレルとそれから飲食、それから旅行の関係、の約5割の事業者が、半分以下に一昨年よりも収入が減っているという状況だということで、他の業種だと大体1割くらいがそういう回答なんだそうですが、非常に厳しいという、特定業種ですね、厳しい状況がきているということです。
そういうことで今回の予算の中でも、そうした業種に対して、特に手厚く支援ができるような、例えば、小口の融資ですとか、ふく割、さらには、GoToイートの食事券とか、新しいGoToトラベル、これの県版の部分をやらせていただくという提案もさせていただいています。こういったことも活用しながら、まず県内の景気を上向かせる、さらに必要があれば、今後とも県としては状況を注視しながら、必要な対策を打っていくことを行ってまいりたいと思ってます。

 14 本県の土砂災害警戒区域や特別警戒区域の数と対策の状況、地質が脆かったり大規模な盛り土をして危険度が高い区域をどう把握しているのか伺う。

答(土木部長)
本県の土砂災害警戒区域、これについては、地形や地質等を調査の上、危険な区域11,727箇所指定しまして、このうち著しい被害が生ずる恐れのある箇所を土砂災害特別警戒区域、いわゆるレッドゾーンとして10,448箇所の指定を完了しています。
対策としては、砂防堰堤などの整備を、過去に被害のあった箇所や甚大な被害が生じると想定される箇所から進めているところです。
委員お尋ねの大規模な盛土構造の造成地については、調査は大規模な地震発生における安全性確保の観点から調査をしておりまして、県内では8市町に149箇所ございます。そのうち、71箇所が先ほど言いました土砂災害警戒区域等に指定されているという状況です。

更問 盛土のところの管理・監視は、現状では、どの機関が行うこととなっているのか。

答(土木部長)
盛土の件ですが、宅地開発については、開発行為の中で都市計画法に基づき、基準に適合しているのかどうか、許可時にそういったことを行っていますが、それ以外の、例えば残土とかが置いてあるところ、宅地開発以外のところは、把握できていない状況です。

更問  特別警戒区域だとかは県が管理しているのだろうが、盛土のところについてはチェックできていないところがあるという、この状況に対する知事の考えと対策を伺う。

答(知 事)
報道等を見ておりましても、今回の熱海市における土砂災害の一つの今考えられる要因として、土砂が運び込まれていた。そこのところで何らかの形で水が地面に染み込みやすい形になり、崩れたのではないかということも言われています。
これから、まずは国や地元が原因をしっかりと調べられると思います。それに基づいて、新しい知見に基づいて、必要な対策、我々手続きも含めて考えていきたいと思っています。

6月議会 北川の一般質問報告・実答弁

県議会の記録

R3 624 一般質問

一般質問の議論に対しての所管は、機関紙にまとめることにして、ここでは、質問に対しての実答弁を掲げておきたいと思います。


問一  教員確保について

 1 福井大学との連携の在り方と今後の教員採用における方針・方向性への認識はどうか。

答(教育長)
教員の採用については、公正公平を第一として質の高い優秀な教員の確保を目指している中、近年の教員志望者数の減少は大きな課題と認識している。
福井大学教育学部においても、教員免許を取得せず、民間へ流れてしまう学生が一定数いることから、まずは免許を取得して、教員を目指す学生を増やしてもらえるよう大学側に要請しているところである。
本県では、教育に対する情熱・使命感に燃え、常に学び続ける向上心を持った人材を求めており、若い感性で子どもの心をつかみ、ICT等新しい技術も活用しながら、引き出す教育、楽しむ教育を進めていただける、活力に満ちた人材を採用していきたいと考えている。

2 客観的な勤務時間の把握の現状と運用面についての市町や管理職への指導等に関する県教委の対応と、把握している個別の事由についての所見を伺う。

答(教育長)
タイムカード等による客観的な勤務時間の把握については、全県立学校と11市町の小中学校で実施している。残りのうち、2市は今年度と来年度の導入が決定しており、4市町には早急な整備を求めている。
出退勤時刻の正確な記録については、市町教育長会議において常々注意を促すとともに、小中学校の鍵の管理を徹底するようお願いしている。
昨年は、コロナ対応により、消毒作業や検温などの業務に加え、学校の行事全般を見直すための時間が増えた。今年度は、長時間勤務者に対して、予防的面談や学校行事の精選、下校時刻の繰り上げなど、先生の日々のゆとりを確保する効果的な取組みを、市町教育長会議で紹介し合うなど、全ての市町で共有しながら、教員の働き方改革を進めていく。

 3 少なくとも10年スパンの「教員確保計画」を策定し、見通しをもった採用を行っていく必要性があると考えるが、現状と今後の取組みについて、所見を伺う。

答(教育長)
現在の状況については、少子化による児童生徒数の減少、小中学校の統廃合、高校再編等により、教員定数はこの先徐々に減少していく見込みである。
県教委としては、これまでも定年延長制度の影響などを踏まえた長期的な見通し、大体10年先まで常に見通しながらやっておりますが、教員採用数を決定してきました。今後も、退職者数、再任用者数などを考慮しながら、計画的に毎年の教員採用数を決定していきます。
本県において優秀な教員を採用するためにも、教員志望者の確保が優先課題と考えており、現在、その一環として、教員のやりがいや魅力を発信するPR動画を制作しているところである。


問二  医療的ケア児の支援について

 1 本県の医療的ケア児の通学の現状を伺うとともに、今後どのように改善がなされていくのか、所見を伺う。

答(教育長)
現在、医療的ケアが必要な特別支援学校の通学生は、38人在籍しております。うち人工呼吸器の使用や痰の吸引が頻繁に必要な重度の医療的ケア児は20人おります。そういった全体で38人在籍しているわけですが、うちスクールバス利用者は9人、保護者送迎は29人であります。また、小・中学校の対象児童生徒は3人おりまして、集団登校が1人、保護者送迎が2人でございます。
通学手段につきましては、送迎の際、担当教員と当日の体調管理に関する情報共有ができる等の利点から保護者が自ら送迎を希望するケースが多いと聞いている。
先程議員から、介護タクシーの利用といった大阪府の話もございましたが今後、保護者から送迎の負担軽減等の要望があった場合は、個別に検討し対応していきたいと考えている。

 2 国や県の支援の方向性に反して、保護者の同伴を求めるローカルルールを設定している保育園や学校はないのか伺う。

答(教育長)
医療的ケア児が在籍する11校、特別支援学校8校、小・中学校が3校でございますが、その11校では必要な医療的ケアを行えるように、合計16人の看護師が配置されています。
また、医療的ケア児が入所している保育園等9園では、合計12人の看護師を配置しています。
県内では、一部の行事、たとえば体育大会とか遠足などにおいて、看護師配置のもとで、保護者も付添いするケースはありますが、学校や園生活全般にわたって付添いを求めるようなローカルルールを設定している学校等はありません。

 3 医療的ケア児の受け入れに必要な看護師確保について、学校や園の負担軽減のための支援をすべき。

答(知 事)
県内におきます学校それから保育所等における看護師の配置状況については、特別支援学校は県、それから小・中学校は市町となりますけども、学校の関係につきましては、両者が必要な人員を確保している状況です。保育所等についても、国庫補助等をうけて、すべての園につきまして必要な人員が確保されているという状況です。ただ、今議員からもご指摘ありましたとおり、医療的ケア児は増えていく、そういう傾向にございますので、今後ともそういったところは注視していきたいと考えています。
それから、医療的ケアを担うためには専門的な知識・技術が必要なわけで、令和元年度から本県におきましては、在宅医療を担う医師、それから看護師に対しまして、この医療的ケア児に対する専門的な研修を行わせていただいており、現在までに101名の養成を行わせていただいた。
今後とも、医師会それから看護協会、ご協力もいただきながら、県内に130名の医療的ケア児がいる状況で、その少なくとも2倍程度、2倍以上そういった看護師等の方を養成しておく必要があるということだと考えている。
そういった目標に向けてこれからも努力をしていく。
さらに、学校や保育所で安定的に看護師を確保する、そういう意味では待遇、そういったものを維持していくことは大事だと、一定水準を確保することは大事だと思っているので、そういった点についても、状況を注視していきたいと考えている。

 4 レスパイトの場や回数の状況および実施している対策、今後の改善方針について伺う。

答(健康福祉部長)
医療的ケア児のレスパイトの受け入れは、ちょうど2年前、令和元年の時点で、県内4病院で7床の受け入れでしたけれども、機会をとらえてレスパイトの実施を働きかけてまいりました結果、令和3年6月現在は、6病院で19床の受け入れが可能となっています。
また、障がい児入所施設につきましては、平成27年度から医療的ケア児のレスパイトの受け入れのために看護師配置に対して支援を行っておりますが、これをうけまして、事業を開始した時点では3施設5床であったわけですが、現在では8施設20床のレスパイトの受け入れが実現しています。
現状では大きな待機等の問題を生じている状況ではないと思っておりますけれども、医療の進歩によりまして医療的ケア児が増加することが予測されておりますので、事業のさらなる周知によりまして、レスパイトを増やして保護者の負担軽減をはかってまいりたいと考えています。

 更問  医療的ケア児支援法が求める「医療的ケア支援センター」の設置、各市町機関との関係構築について、現時点での方向性を伺う。

答(健康福祉部長)
医療的ケア児支援法は2週間前、6月11日に成立しまして、18日に官報登載されて交付されたという法律でございます。議員立法であったこともありまして、施行通知はすでに届いているのですが、詳細な運用に関する通知は、まだ国の方から出ていないという状況にあります。
医療的ケア児支援法の中で、都道府県は「医療的ケア児支援センター」を設置することができると、という条項がございます。これを受けて、今、国の方で都道府県がどういう業務をこのセンターで行うべきかとかですね、そういったことを、詳細を詰めまして、9月の法施行日までに都道府県に通知するといった情報がございますので、このセンターの業務内容の詳細の通知を受けまして、県として、設置についての検討を進めていきたいと、そんなように考えております。

 更問  医療的ケア児、こうやって特別支援学校やそういう機関を受けられるのは、18歳まで。一番親御さんとして心にあるのは、親亡き後、19歳過ぎにどういった生活をおくっていくのだろうか、その部分であるのは間違いありません。ぜひその部分も一括して、教育、福祉そして産労、この三つが合わさって、しっかりした形を作っていっていただきたい。それが形になっていくことを願っています。全ての子どもは等しく市民生活を保障され、愛護されなければならない。そういう面ではどの子も一緒だと思います。ぜひご配慮くださるようお願いします。


問三  サイバー犯罪への対応について
 1 テレワークが進んでいるなか、サイバー犯罪に備えた情報セキュリティ対策をどのように進めていくのか、知事の所見を伺う。

答(知 事)
福井県におきましては、サイバー犯罪から情報を守るという観点に立ちまして、市や町と共同いたしましてまず大きく市や町、県のシステムをセキュリティークラウド、これを配備して運用することで守っています。その上で、県の中のシステムの中に、それぞれまたファイアウォールを多層的に配備することで、こうしたサイバー犯罪に備えているということになります。
またテレワークのときに、自宅のパソコンで会社のパソコンを使うということになるんですけれども、これも現実には、そのサーバーに直接アクセスするのではなくて、県庁のサーバーの中にあるその画面を転送する仕組みをとっておりまして、外部からそのコンピューターウイルスが入り込む、そういうことができないようにしているということですし、また結果として、自宅にデータを持っていくということもできない、そういう仕組みになっているわけです。
このように福井県におきましては、国が定めております情報セキュリティポリシー、これの自治体が守るべきガイドラインその水準以上の行為を行っているということで、今後とも、引き続き万全を期していきたいと考えています。

 2 現時点の県内の重大なサイバー犯罪の被害状況を伺うとともに、サイバー犯罪に対しての対応方針、特に、行政機関の個人情報保護、医療機関の命に関わる機能の安定確保、本県の原子力発電等の安全確保、その他の医療機関やライフラインの安定と安全の面から警察本部長に所見を伺う。

答(警察本部長)
県内のサイバー犯罪の検挙件数は、平成29年から令和元年まで年平均40件であったが、昨年は約2倍の74件に増加し、本年5月末現在では24件で、前年同期比プラス5件となっている。なお、県内でもこれまでに、事業者のソフトウェアの脆弱性を突いた攻撃が発生していると承知している。
県警察では、サイバー犯罪対策として、捜査はもとより、その手口・組織の実態解明を推進するほか、被害を防止するため、商工会議所やサイバー防犯ボランティア等と連携した広報啓発活動を進めている。
また、行政機関、医療機関、原子力発電所等に対するサイバー攻撃対策として、これらを含む30の重要インフラ事業者と「福井県サイバーテロ対策協議会」を立ち上げ、最新の手口の情報提供、被害防止のための指導・助言等を行うほか、実戦的な対処訓練を共同で行っている。今後も危機意識の高揚や対処能力の向上に努めていく。

 3 犯罪集団の能力が格段に進んでいく中で、警察としても、それ以上の特殊技能をもった職員の確保が求められるわけですが、その確保と育成についての方向性を伺う。

答(警察本部長)
県警察では、「サイバー空間の脅威への対処に係る人材育成計画」を策定し、知識・技能のレベルごとに育成数の目標等を定め、計画的な人材育成を推進している。また、サイバー犯罪等への対処に関する知識・技能を身につけるための検定を実施し、県警察全体の知識・技能の底上げを進めている。
さらに、サイバー犯罪捜査に従事する職員を、最新の情報通信技術を取り入れている民間事業者による研修に参加させたり、警察大学校や管区警察学校における専門的な教養に参加させたりして、より高度な技術的知見を修得させている。
このほか、県警察と管区警察局情報通信部との間で人事交流を行ったり、サイバー犯罪捜査について高度な知見を有する他の都道府県警察に職員を出向させるなどして、組織的な職員の確保・育成を進めている。

6月県議会 常任委員会

県議会の記録

6/28 総務教育常任委員会の傍聴

 午前中の教育委員会の中では、学校の業務改善は中心になります。 80時間超の、2020年度の実人数が示されました。一般質問の前に伺った時には、述べ人数だけで、実人数は把握していないとのことだったのですが、数値やデータが、手元にあったということなのでしょうか?もしも、そうであったとしたら、虚偽のほうこくということになり、議会の存在と信頼感が揺らいでいくような気がしてなりません。きちんとした報告を求めていきたいと思います。
令和4年度の県立高校の入試は1ヶ月早くなっています。さらに国の学習指導要領の改訂に合わせて、県立高校に新たな学科やコースが設置されます。これまでとは違った動きとなる中学校や生徒・保護者のことを考えれば、県立高校入試の実施要項をもとにした説明会を出来るだけ早く、夏休み前にも開催すべきだと考えます。


6/29 厚生常任委員会の傍聴

安全環境部からのスタート。 やはり、原子力政策は重要案件です。今日は、エネルギー基本計画との関連も含めての質問や秋に予定されている原子力防災訓練にも言及されました。
健康福祉部では、やはりワクチン接種に関しての現状と見通しが中心でした。また、緊急小口資金や総合支援資金の特例貸付についての質疑もありましたが、社会福祉協議会との連絡調整が要だと感じました。 ここにきて、利用しづらい状況も報道されているだけに、機会を見て、もう少しきちんとしたデータをもとに、現状を知りたいと思います。


6/30 産業常任委員会の傍聴

交流文化部、産業労働部、農林水産部と続きました。補正予算審議では、福井のアート支援事業が印象に残っています。これは、アマチュアを対象とした、誰でも発表できる「みんなのホール解放」とプロアーティストを対象としたイベント支援の二本立てのものですが、音楽や舞台芸術に飢えている状況下であるだけに、大変有効な事業であると感じました。
産労部では、コロナ禍に於ける雇用と支援、農水部では、県産食材やいちほまれのブランド化に向けての質疑がなされ、大いに参考になりました。


7/1 今日は。私が所属する土木警察常任委員会

警察関係では、やはり。千葉の事件を受けての本県の状況をはじめ、取組の方向性が中心となりました。福井県警は、「ワンワンお悩み相談室」など、県民に対する交通安全の啓発に素晴らしい取組みを進めています。本部長を中心としたチーム力を感じます。
 土木部では、大雪対策として補正予算に示されている「除雪オペレーター育成事業」について人員確保計画の必要性を訴えました。,