6月議会 予算決算特別委員会

県議会の記録

R3 607 予算決算特別委員会における 民主・みらい会派 辻会長の総括質疑を掲載します。

 毎回感じることですが、総括質疑として、一般質問はもとより、核常任委員会における各議員の質疑の内容も踏まえ、丁寧で議会全体の流れを加味した総括質疑をされる姿には、感服します。


問一  県政全般について
 1 小浜線・越美北線の減便、特急存続断念にあたっての代替案に関する認識と今後の交渉の方針、乗る運動を県が引っ張る決意を知事に伺う。


答(知 事)
小浜線、越美北線の減便の関係につきましては、急にこうした話が出てくる、性急なダイヤの見直し、減便ということについては、誠に遺憾です。議会でも議連も作っていただいておりますので、皆様方、市や町と一緒になって、国、JRに対して強く今後とも減便しないように申し上げていきたい。
特急存続の関係については、これまでも申し上げてきましたが、なかなか特急存続することの様々な大きな課題があるなかですが、できるだけそういった影響を小さくし、新幹線の開業効果を大きくしていくことが重要だと十分認識をいたしておりますので、まずは敦賀駅での乗り換え、利便性を、ダイヤの面、本数の面でしっかりと確保していくという上で、さらには、今も仰っていただきました特急並みの時間短縮効果があるような快速、またそれを新快速と乗り継ぎや利便性を上げていくようなこともあります。   
越前たけふ駅の二次交通、これもできるだけ利便性を上げていくとか、さらには特急がないなかで、ある意味メリットとして、長い列車がなくなりますので、ホームを短くできて維持管理も楽になる、こういったこともしっかりと生かして、新幹線のフリーゲージトレイン、特急存続ができないそういうようななかでも、少しでも影響を小さくしていく努力をしていきたいと思います。
乗る運動これについては、えち鉄と福鉄のところで、実績を上げており、市や町、それから事業者、それから住民の皆さん一体となってこれから並行在来線についても、しっかりと皆さんが乗りやすい環境をつくることをやりたいと思っています。これは、市町任せという気は全くありませんが、役割分担の大きな意味で、市町中心にやっていただくということだと思いますので、まずは応援ということですが、やはり新しい利用者を開拓する、それから住民の意識を醸成するということについて、県としても市町と一緒になって進めていきたいと思っている。

 2 譲渡資産のうち、更に圧縮できそうな部分はどこか。今回提出された初期投資案には新駅建設は含まれているのか。開業前設備投資は圧縮できる見込みがあるのか。最終的に154億円をどの程度まで圧縮するよう目指しているのか。

答(新幹線・まちづくり対策監)
並行在来線の初期投資のうち、JRから資産譲渡については、既存のホームや留置線等のうち不要な部分の撤去、または撤去費相当の減額を求めまして、更に圧縮していきたいと考えている。
また、開業前設備投資ですけれでも、JRからの譲渡資産が概ね特定されましたことから、現在、券売機でありますとか、社内情報システムなど、並行在来線会社で整備が必要となる設備や金額の精査を行っている状況です。これらにより、最終的な初期投資の額は、少なくとも1キロメートルあたり、投資額が富山県の実績並みの水準にまではもっていきたいと考えている。
なお、新駅に係る経費につきましては、現在、沿線3市において、地元住民の意向など設置の方向性を検討している段階であり、開業時に必要な初期投資の額には含まれていないということです。

 更問  富山並みにということだが、具体的にいくらを目指しているのか、伺う。

答(新幹線・まちづくり対策監)
富山県の初期投資額は、だいたい1キロメートルあたり、1.87億円になっておりますけれども、本県の79.2キロメートルに換算しますと、概ね148億円ぐらいとなりますので、その水準まではいきたいと思っています。

 3 人員計画については、開業時約310名の社員(プロパー100人、JRからの出向200人)という方針は変わらないのか。昨年春、今春春の採用状況と人材育成状況、来春以降の募集の考えについて伺う。

答(新幹線・まちづくり対策監)
並行在来線の開業時の要員数については、当初310人を想定していましたが、開業延期に伴いまして、プロパー社員の研修期間が1年長くなることから、JR出向者からプロパー社員へ置換えが進む、それが1点と。ワンマン運転が最近導入されておりまして、それによります、車掌数が減少していることなどを勘案しますと、現時点ではJRの出向者を30名減らして、約280名を想定しているところです。
プロパー社員については、予定どおり開業までに100名の採用を計画しております。現在1期生31名、今春採用の2期生が35名、計66名が今駅業務などに就いて、経験を積んでいるところです。
残る34名につきましては、地元高校生を中心に、組織の年齢構成の平準化といったことも考慮して、開業までの2か年で約半数ずつ、16から18名を採用したいと考えているところです。

 更問 JRからの出向を30名減らすということで、いろいろな観点の中での判断かと思うが、安全管理上は大丈夫なのか、伺う。

答(新幹線・まちづくり対策監)
それについては、ベテランの社員がきっちり出向していただくという交渉を続けており、万全を期してまいりたいと思っている。

 4 今後の進め方、現時点での沿線自治体の考え方や課題、県の方向性を知事に伺う。

答(知 事)
えちぜん鉄道については、今年度までが今の支援スキームの期間ということで、今、来年度以降の支援スキームについて議論しているというところです。
具体的には、これまでも、経営については市や町が責任を持っているということで、運営の支援は市町が行って、それから県の方は、運行の安全性を確保していくということで、色んな設備投資の支援をしてきているところで、こういった大きな枠組みについては市町とは大体合意をしているところです。
その上で、これから新幹線の開業を迎える時期にあたりますので、観光客をどういう風に迎えいれていくのか、人口が減っていく、アフターコロナという中で利用者をどう確保していくのか、更には、防災対策ですとか除雪なども一つの大きな議題として、市や町と議論をさせていただいているところです。こうした検討を行い、12月議会において考え方の基本を議会に示させていただこうと考えています。
それから、福井鉄道についても1年遅れて計画の新しいスキームを作るという段取りになりますので、基本的な市町と県の役割分担は、今、申し上げたことと同じことになります。あとは沿線三市との間で、来年度議論をさせていただき、その中で県議会とも協議させていただきたいと考えています。

 5 避難元と避難先の自治体は別であり、具体的な搬送、ケアする職員体制、機材提供について、事前の確認、不足分の調整、実際の運用は、市町を超えた広域行政である県の責任で行っていく必要があるが、認識を伺う。

答(健康福祉部長)
原子力災害時における福祉施設入居者の避難については、県の地域防災計画において、県と市町が連携して行うということになっております。基本的には県の主体的な責務があると考えています。
具体的には、まず避難元と受入先のマッチングなどについては、まさに県が主体となって行います。避難に必要となる車両は、市町とか医療機関、福祉施設の状況を県が直接把握し、資機材の不足については、一部市町が把握した状況を県で取りまとめ、その上で国に供給を原子力災害対策本部を通じて確保要請をしていくという流れになります。
それから、職員の不足については、まず県が県内施設と調整します。発災時においてなお不足するということになりますと、福島の例でもあったように県の要請に基づき国が確保するということになっています。
このように避難時には、県が主体となって必要な体制を確保していくという仕組みになっていますので、平時から市町と十分連絡を取りまして、国や施設団体との調整を行っていきます。

 6 施設に確認する際、用意可能な資機材や使用可能な保有車両の最新状況の他、避難元に同行できる職員数、入所者と資機材の搬送に必要なのべ車台数、避難先には通常時およびコロナ対策を講じる場合の受入可能人数、受入にあたり協力できる職
員を確認するよう提言するが所見を伺う。


答(健康福祉部長)
避難元それから受入先施設において利用可能な資機材とか、職員の数、車両も含めて予めしっかり把握しておく必要ですので、この夏行います調査ではしっかりそのあたり、直接、まず調査票の調査と面談をしてしっかりと把握していきたいと思います。
例えば資機材の中のベッドの用意なんかは、あまり施設の方はご存じないと思いますが、ベッドにつきましては既に業界団体との間で確保の段取りは県の方でつけてありますので、今朝も数を確認してもらったのですが、いくつかの団体で確保しており、一つの団体で500はあるというようなことを確認しています。それも含めて、全体をしっかり精査する中で実効性ある避難計画にしていきたいと思っています。

 7 5㎞圏内の施設の避難、30㎞圏内の施設の避難に関し、10組程度抽出し、県が夏に確認する避難先、避難元の情報を突き合わせ、不足するものが何か、実際の対応、連絡、指示について、施設、避難元の自治体、避難先の自治体、県、議会が参加してシミュレーションし、検証し、改善策を考えていくことを提言するが、知事の所見を求める。

答(知 事)
福祉施設に入所されている方が、広域に避難してい時に、おっしゃるように通常に比べても、十分な準備が必要と認識をいます。そういう意味ではこれまでの訓練の中では、このお示しいただいた資料のような形でいえば、避難元のAという施設からBという施設に福祉車両で移動するという訓練だけに留まっていた部分もあります。
ですので今回は、ご指摘もいただきましたこの夏にAの施設で実際の入所者がどれだけいるか、Bの中で実際にどれだけ受入れできるか、こういった受け入れ態勢にまず調査をさせていただき、次の秋の訓練の際には、その人数の人が移った時に今度は受け入れて実際にその空間が確保できるか、その上で例えば食事とか入浴とかそういったサービスが提供できるか、その時にはどれだけの職員の数がいるのか、こういった具体的なものが把握できるような形で訓練を1回やってみて、それで反省点があればそれを次に活かしていくことをやっていきたいと考えています。

更問  感染症対策として、避難先で搬送する際および避難先で受け入れる際の、一人あたりの確保スペースの基準を示す考えはあるか、所見を伺う。

答(健康福祉部長)
国と県で作成しております「原子力災害における新型コロナウイルス感染症対策ガイドライン」というのがありまして、例えば移送の際には、バカの中で十分に座席間隔を空けるとか、避難所の受入スペース、これは一般住民の方も同様ですが、1人当たり4㎡以上のスペースの確保をすることが決められています。
こういったことはまだ施設の方に十分伝わっていないというご指摘もあるかと思いますので、それも含めて、今回しっかりとお伝えし、コロナ対策、感染症対策も含めた避難計画の実効性を担保していきたいと思います。

更問  資機材の調達について、一覧表にして施設側に示すと準備が進むのではないか。

答(健康福祉部長)
まさに一覧表にすると確かにわかりやすいと思いますし、例えば、ベッドのお話をしましたが、他の資機材も県内の業者との連携協定といったことはかなり細かく結んでいますので、それはちゃんと施設の方、それから市町の方にもお知らせしていきたいと思います。

更問  核燃料税とかそういったものを活用して、福祉施設の広域避難における資機材の調達をしっかりと進めてはどうか、所見を伺う。

答(健康福祉部長)
資機材については、物によってはあらかじめ大量に準備すべきものもあるかも知れませんが、基本的に発災時に連協協定等によりまして業者が直ちに調達をして、費用負担の話もございましたが、これは基本的に国が支弁した上で、電力事業者、原因者ですね、そちらの方に求償するという仕組みが既にできていますので、年数が経ったということもあり、そういった細かいことろまで施設はご存じないこともあろうかと思いますので、しっかりと皆さんにお知らせしていきたいと思います。

 8 越前市西部の渋滞解消に向け国道365号などの4車線化含む整備事業に関して、道路整備プログラムでの位置づけ、進捗、今後の進め方について所見を伺う。

答(土木部長)
越前市西部の、国道365号につきましては、国道8号や県道寺武生線などと共に、越前市街地の環状道路としての機能を有することから、今年3月に策定しました道路の将来ビジョンの基本方針において「産業・観光の活性化」に合致する道路と考えています。
令和2年度から4車線化に事業に着手しました越前市上太田町から岡本町、約1.4kmの区間については、今年度、測量設計を予定しており、道路整備プログラムの中間とりまとめにおいても、今後10年内の完成を目指す箇所として記載しています。
また、地元から要望のあります岡本町から国道8号までの区間、約3.4kmですが、この4車線化については、今後の道路整備プログラムの策定において、整備の必要性、緊急性、地元の熟度、地域バランス等を勘案しながら、検討していきたいと考えております。

9 医療的ケア児の受け入れに必要な看護師確保のため、学校や保育所においても「病院看護師」と同等の処遇が必要と考えるが、所見を伺う

答(健康福祉部長)
処遇の面で例えば処遇の単価という面でいきますと、例えば特別支援学校に配置しております看護師さんについては、県立病院の会計年度任用職員として働く看護師さんと同額の報酬単価ということになっております。さらに市町の学校とか保育所に配置している看護師さんにおいては、市町ごとの会計年度職員の看護師単価の水準とほぼ同額になっているということを把握しており、単価の面では決して高くはないかもしれませんが、大きな差がない。
ただ、今ほどご指摘がありましたように、医療的ケア児に対応する看護師さんは、医療的ケア児の登校または登園に応じて勤務をするということになりますので、例えば休校日の休業補償というのがないというところが一番大きな問題であると思います。
ただ、現状としまして県の看護師さんも含めて兼業は可能でして、例えばご自身の御事情に応じて、その休校日には、例えば病院で勤務するとかですね、他の事業所で勤務するということが可能な状況ですので、そういったことが現実に行われているというのが今の状況です。
一番今、私の方として課題と思っておりますのは、現在の国庫補助の仕組みが一施設あたりの単価設定、これまでは実は一市町当たりの単価設定だったので、少し前進はしているんですが、一施設に複数看護師さんを、看護師さんといいますか、医療的ケア児の方を入所していただくとですね、この単価設定では足りないということになっておりますので、このいわゆる制度の改善というのがですね、進むことによって、処遇面も含め、いろんな面での改善が望まれます。そこをまずしっかりと国に対して実情を説明して要望していきたいと思っております。

 12 感染症対応やワクチン接種に関し、知事としての責務を果たしつつ、冷静に様々な状況を捉え、分析、検証をし、今後どのように対応すべきか、政府に何を提言すべきか考え続け、発言し、行動することを期待するが、知事の所見、決意を伺う。

答(知 事)
新型コロナワクチンの接種についてては、しっかり示されておりますデータで言っても、94~95%の発症を抑制する効果があるということでして、大変期待が持てることでできるだけ早く希望されるすべてのみなさんに接種できるようにと、県としても取組みをさせていただいいます。
個別の診療所における、個別の接種や県や市町の集団接種、職域接種などを行わせていただいています。現状の国の状況というのは、言ってみれば、1日100万回を接種目標にしていたところを超えてスピードアップしているところで、国としては9月末までには必要なワクチンというのは、もともと予定では1億1千万分を9月末までに国内に入れて地元には10月中旬には必ず配分します、こう言うところの約束を守ってないというわけではありませんので、大きく言うとスピードアップがなかなかできないという状況だと思っています。
そうした意味で、しっかりと今後の見通しを示していただけば、もちろん接種計画も立てやすいので、そういったのを国に要請しながら、あとで大事なことは接種をした後、例えばどれくらいの期間を次に打たなくていいのか、それからまたあの集団免疫というのはどうしたらどのくらいなるとできてくるのか、その接種後の社会像がどうなっている、もしくは行動指針ですね、マスクは外してもいいのか悪いのか、こうしたことも一定の時期が来たら早めに国には示していただくことで、国民県民のみなさんも、しっかりと自分は打ちたいなと思うとか、判断もできますので、そんな点についても国に対して求めていきたいと思っています。

13 中小事業者の厳しい状況への認識、危機感について知事の捉え方を伺う。また状況を今後も注視し、必要に応じて大胆な支援を躊躇なく講じることを知事には求めるが、所見を伺う。

答(知 事)
東京商工リサーチの調査によりますと、この緊急事態が全国で4月に出された、この段階で、アパレルとそれから飲食、それから旅行の関係、の約5割の事業者が、半分以下に一昨年よりも収入が減っているという状況だということで、他の業種だと大体1割くらいがそういう回答なんだそうですが、非常に厳しいという、特定業種ですね、厳しい状況がきているということです。
そういうことで今回の予算の中でも、そうした業種に対して、特に手厚く支援ができるような、例えば、小口の融資ですとか、ふく割、さらには、GoToイートの食事券とか、新しいGoToトラベル、これの県版の部分をやらせていただくという提案もさせていただいています。こういったことも活用しながら、まず県内の景気を上向かせる、さらに必要があれば、今後とも県としては状況を注視しながら、必要な対策を打っていくことを行ってまいりたいと思ってます。

 14 本県の土砂災害警戒区域や特別警戒区域の数と対策の状況、地質が脆かったり大規模な盛り土をして危険度が高い区域をどう把握しているのか伺う。

答(土木部長)
本県の土砂災害警戒区域、これについては、地形や地質等を調査の上、危険な区域11,727箇所指定しまして、このうち著しい被害が生ずる恐れのある箇所を土砂災害特別警戒区域、いわゆるレッドゾーンとして10,448箇所の指定を完了しています。
対策としては、砂防堰堤などの整備を、過去に被害のあった箇所や甚大な被害が生じると想定される箇所から進めているところです。
委員お尋ねの大規模な盛土構造の造成地については、調査は大規模な地震発生における安全性確保の観点から調査をしておりまして、県内では8市町に149箇所ございます。そのうち、71箇所が先ほど言いました土砂災害警戒区域等に指定されているという状況です。

更問 盛土のところの管理・監視は、現状では、どの機関が行うこととなっているのか。

答(土木部長)
盛土の件ですが、宅地開発については、開発行為の中で都市計画法に基づき、基準に適合しているのかどうか、許可時にそういったことを行っていますが、それ以外の、例えば残土とかが置いてあるところ、宅地開発以外のところは、把握できていない状況です。

更問  特別警戒区域だとかは県が管理しているのだろうが、盛土のところについてはチェックできていないところがあるという、この状況に対する知事の考えと対策を伺う。

答(知 事)
報道等を見ておりましても、今回の熱海市における土砂災害の一つの今考えられる要因として、土砂が運び込まれていた。そこのところで何らかの形で水が地面に染み込みやすい形になり、崩れたのではないかということも言われています。
これから、まずは国や地元が原因をしっかりと調べられると思います。それに基づいて、新しい知見に基づいて、必要な対策、我々手続きも含めて考えていきたいと思っています。