2022年3月
2022年3月31日
県議会の記録
総務教育常任委員会の私の発言を記します。
ただ、資料に言及するものもあることをお許しください。
教育委員会関係
○北川委員 特別支援学校スクールバス運行事業について。
・コロナの関係でスクールバスが増便ということだったが、このときにバスの運転手、、そのときの添乗の方はどういう体制で整えられているのか、またその財源、それからその担当の方の職種を伺う。
○特別支援教育室長 バスの添乗等に関しては、学校が事務局となって募集をかけているので、募集は学校が事務局となって取りまとめている。
学校のほうが把握していて、こちらのほうでどのような方がというような指定とかはない。委託であれば、その委託の会社のほうで添乗を探すなり、学校のスクールバスであれば、学校のほうで募集をかけて添乗員を、介助員等を提供するという形になっている。
○北川委員 学校の職員じゃなくても添乗を認めていくことも学校にお任せしているということで捉えていいか。
○特別支援教育室長 学校が事務局となってまとめている。
○北川委員 県立学校タブレット活用促進事業の中で、低所得世帯への通信料の支援とあるが、この件数、そして金額、県立学校の場合のパーセントを教えていただきたい。
○副部長(高校教育)
無線LANのない家庭の支援ということについてであるが、今現在まで、今年度についてはモバイルルーターの貸出しで対応させていて、先ほどの支援ということに関して、すると、実績としては現在までまだゼロである。市の予算としても100万円ほど予算を持っているけども、実績は現在はゼロということである。
○北川委員 モバイルルーターを貸出しするということは分かったけど、それではそのモバイルルーターを貸し出してる数はどれぐらいあるか。
○副部長(高校教育) 申し訳ない。ルーターの、モバイルルーターの貸出しのことであるが、ルーターについては各学校ごとに必要に応じて貸出しをしているというところで、大変恐縮であるがちらのほうで把握はちょっとしていない。
○北川委員 恐らく、貸出しにも予算は必要になってくると思うので、一応県としては全体としてどうなってるのか、高校サイドで予算で賄えない部分が出てくるようならば、補正とかいろんな形でそれを担保していく、その姿勢は必要かなと思うので、どうぞよろしくお願いする。
○北川委員 快適に学習できる環境整備。普通教室の空調更新とあるが、これによって県内の県立高校のほとんどの教室は空調が整備されていくのか、もしそうじゃないとすると何年間でどれぐらいのパーセントが現時点で達成されているのか。
○教育政策課長 県立高校の普通教室については、もう既に約100%の空調整備されている。これは古いものの更新ということで、来年度まで、来年の夏までには完成する。
○北川委員 先ほどデジタル採点システムというのがあって、198万円ということで、いろんな学調でもスキャンしたものを集めて、また元に戻すという手法は取ってるところは聞いてるが、この採点システムはどんな形で行われるのか。採点という業務は大変大事な業務だと思うのである。それぞれの子どもたちの状況を把握していくという。その部分についてはどのように担保されていくのか。
○教職員課長 このデジタル採点システムなのだが、基本的には記号のアイウエオとか、ああいうふうな記号については自動で採点をすることができるが、言葉を答えたり、あるいは短文というものに関してはこのシステムのほうで一括できるわけではない。基本的に画面にその問題だけを抽出したものをずっと出席番号1番からずらずらずらっと並べてきて、採点のぶれがないように1つの画面の中で複数の人間の、限度はあると思うのだが、問題の幅によって。それの中で採点をしていくということになる。そういうふうなものを、もちろん中間点なんからもその中で設定、設定というか判断することができるしたものを一人一人の答案のスキャンしたものに書き込んでいくという形になる。
○北川委員 分かった。また、現場の声も届くと思うので、またその辺りは調整しながらお願いしたいなと思う。
○北川委員 新しい事業、個性を引き出す俳句活動支援事業というのがあるけど、正直言って自分自身としては唐突な気がするのだけども、それまでにもこういう土壌があってこういう事業が立ち上がってきたのだろうが、その土壌というのはどんな形で今まであったのか教えてほしい。
○副部長(高校教育) まず、土壌があったのかというお尋ねであるけれども、学校のほうでは国語の授業を中心に、俳句であるとか短歌であるとか、そういった表現活動というのは当然取り組んでいるので、そういう意味での土壌があったということは言えるかなというふうに考えている。
今、俳句の新しい取組であるけれども、俳句についてはご存じのように五七五という大変短いフレーズの中で、自分の思いを1つの一定のルールの中で表現していくということで、今新しい学習指導要領変わるけれども、国語科の中では表現するというところがすごく今、重視をされてきている。そういうところで、こういう非常に親しみやすいこういう活動の中で、表現活動もしくは表現する力というのを育成していくということができないかというところで、こういう今回こういう事業を新しく考えてきたというところである。
○北川委員 分かった。ブームにはなっているので、ただそれだけではちょっと寂しい思いを感じるので、よろしくお願いする。
○北川委員
医療的ケアサポート推進事業があるけれども、これの令和3年度の実績、それから率、必要な教員が何人いて、その中のどれだけの率が令和3年実績として受けたのか、そしてそれを今度目標値として令和4年はどんなふうに持っていくのか、その辺りを伺う。
○北川委員 芸術教育推進事業とある。予算的に昨年度とかなり増額になっているわけだけれども、その中身、理由を伺う。
○義務教育課長 この事業については、中学校、高校にある吹奏楽部の楽器の、大型楽器の補助であるとか、それから県内外から講師を派遣して子どもたちの指導力向上に資するものである。令和2年度に大型楽器を各中学、高校に整備させていただいたが、昨年度コロナのために具体的な活動がなかなかできなかった。この事業、単年度の事業なのだが、令和2年度と令和3年度、一くくりとして学校のほうでは活動していただいて、令和3年度については令和2年度に楽器を補助したので、今年度補助しなかった。新たに令和4年度、新しい推進校に大型楽器を整備するために増額となっているということである。
○北川委員 大変ありがたいと思うが、この芸術という部分が今大変重要になってきている。恐らく、ご存じのようにSTEAM教育、今までのSTEMからSTEAMという、アールをつけて、これからは感性を磨かなくちゃいけないという、そこに重心を置いてきているのだと思う。であるから、今お話の中にあった、有名なトップレベルの大指揮者が来て1時間面倒を見て、そこに予算が下りるとか、そういうことだけはやめていただきたいし、ぜひ地道に活動するところを応援すると、そういう事業にしていただきたい思っている。
○北川委員 無形民俗文化財再生支援事業というのがある。これ、新とあるし、トライアルが広がったものだと思う。昨年、南越前町であったか、そこに募ってやっていくということだったけども、これから先、こうやって無形民俗文化財を抱えている市町はたくさんあるし、それぞれ人手で大変困っている状況なのだけど、これから先、それをどんなふうに展開していくという、そういうスキームなのか。
○生涯学習・文化財課長 この無形民俗文化財であるが、県内に約82の保存会がある。そのうち、今委員おっしゃられたように、後継者不足であるとか、若者が流出してしまう、そういった形で保存会自体がしぼんでいってるというのがある。それを再生させようということで、今年トライアルで今庄羽根曽踊り、こちらをやらせてもらって、再生隊という形で募集して、5名の方が来ていただいた。その方々がいろいろなアイデアであるとか、一緒になって踊ったりとか、そういう形で保存会を盛上げをしている。これを来年度はさらに拡大をして、1つではなくて5つの保存会を目途にやっていこうと。それをさらに、観光資源であるとかそういう形で広げて、まちづくりにもつなげていこうというふうなことを考えている。
○北川委員 敦賀にも夷子大黒の綱引きがあって、一旦途切れて、大変な思いをしてそれを立ち上げてるのであるが、そうやって財政的な支援はもちろんあれだけれども、助けていただけるというその安易な姿勢を作っていくというのが大変気になるので、慎重に対応いただきたいなと思う。
○北川委員 最後に1点だけ。予算の中にあるのかなと思っていたのだけど、ないのでお聞きするが、福井大学の教育学部が嶺南枠を取って、嶺南教育プログラムを立ち上げるということをお聞きしているし、新聞報道もされている。そのための予算は、県としては持つ必要はないのか。
○教職員課長 福井大学のほうで、その大学枠を作っているというところで、今のところこちらのほうの県のほうでそのようなオトシト予算化する予定はない。
○北川委員 でも実際に、嶺南でいろんな教育関係の場所へ行ったり、それから先生方とか地元の方とアプローチしたり、それも全部大学が持つということで、これから先もそういうスキームで行くということか。
○教職員課長 今後、そういう特に必要があればまたそういうふうなことは考えていきたいと思う。
○北川委員 家庭教育に関する調査結果云々のこの部分についてお話を伺いたいと思う。
この調査、こうやって出されたけども、私が何点か残念だなと思うのは、まず1点、高校生のデータが一切ない。これは小中、やはり一番社会への出口となる高校生の意識、これは不可欠だと思う。いろんな国際的な調査を見ても、やっぱり高校生のデータというものは出てきている。それを考えたら、これから先、もしこれを再度やる機会があるのならば、ぜひそれを取り入れていかないと、完全なものには近づけないのじゃないかなという思いがある。まずその点、いかがだろうか。
○副部長(高校教育) 委員指摘の件、ことについてはちょっとまたこちらのほうで検討していきたいなというふうに考えている。
○北川委員 その中でアンケートの結果がグラフになって表れている。自分にはよいところがあるとか、将来の夢や目標を持っているというこのグラフがあるけれども、このどちらかというと当てはまらないとか、当てはまらないという、このパーセントが22%とか、下で言うと27%、30%近くあるわけだけれど、これをどう見るかということなのだと思う。ここのコメントには、確かにそのパーセントだけは上のコメント2行で書いてあるけども、この事態を、現実をどんなふうに判断していくのか、福井県として。その作業は、これから先どんなふうに行われていくのか伺う。
○義務教育課長 将来の夢や目標を持っているかというアンケートに対して、実はこれまでも全国学力学習状況調査の中でも同じような設問があって、県としては割と全国に比べるとこの肯定的な意見は、回答は多かったのだが、必ずしも100%にはなっていないので、これまでも子どもたちに将来への見通しを持てるようなキャリア教育等を進めてきているので、こういった教育をさらに充実していく必要があるかなというふうには考えている。
○北川委員 要するに、相対という考え方じゃなくて、絶対的な数値で考えていくべきだと思うのである。やっぱり30%弱が将来の夢や目標を持たない、この現実に対しては何らかの施策の中に取り入れていかないといけないと思う。その機能をこれから先、しっかり果たしていくのが教育委員長のお仕事だろうと思っているし、さらに言うならば、21ページに、「大人になっても福井県に住みたいか」という、こういう設問肢があるけど、小学校で「住みたい」というのは78%ちょっと、中学生では62%と。要するに、中学生になると37%近くが福井県で済みたいと思っていないわけである。この現実に対して、教育の世界でどんな手だてが打っていけるのか、これを組み入れていく、そのためのアンケートだと思うのだけれども、それは部局横断という部分も当然出てくると思うが、これから先どんなふうに生かしていくか。
○義務教育課長 県の教育振興基本計画の中でも、4つの柱の中にふるさと教育の推進というのがある。今年度新たに、子どもたちがふるさとへの愛着や誇りを持つということで、自分たちが調べたことを今まではどちらかというとインプットが中心だったのだが、アウトプットする中で、地域のよさであるとかふるさと福井のよさを認識してもらうということで、CМコンテストとかプレゼン大会を今年度開催している。こういったことを通して、子どもたちが福井のよさを実感することで、将来的に福井で住み続けるという人材の育成に努めていきたいと思う。
○北川委員 いずれにしても、これから先、この結果を基にしてどういう施策を打ち出していくのか、そこのところを一番大事なところだということで、意識して示していただきたいなと思う。これからも、それがどんなつながりを持っているのか見ていきたいと思うのでよろしくお願いする。
○北川委員 先日問題行動調査の結果が示されているが、問題行動調査の結果は次のいろんな教育の取組の中に十分生かされていくべきものだと思うが、本来ならばこういう場にそういうデータの簡易的なものが示されていくといいなと思っているけれども、その問題行動調査の取扱いについてはどのように考えておられるか。
○副部長(高校教育) 毎年公表されている問題行動調査の結果については、小中も高校も併せて分析をさせていただいた上で、次年度に向けての、例えば高校で言うと生徒指導部が中心になっているのだけれども、そういう部会の集まり等の中での研修の内容を吟味したり、もしくは学校への取組に対して新しいものを考えていくというようなことに反映させていただいている。
○北川委員 確かに生徒指導部会とか、そういうところで生かすのが一番メインなのだとは思うけども、こういう県の議会の中でも、そういう実態があるから私たちはこういう施策を打ち出しているのであるという、そういう流れというのはとても大事だと思う。そのためには、概略でいいのでやっぱりこういう機会にはこの行動調査、問題行動調査の結果だけは概略伝えていただきたいなというので、これはぜひ今後検討していただきたいなと思う。
総務部関係・会計局・監査委員及び人事委員会
○北川委員 20ページ、職員研修事業ということで、県外、海外大学院のような派遣とあるけど、この詳細をお聞きしたい。
○人事課長 大学、海外の大学派遣研修であるけども、今年度候補者を選定して、受験中であって、来年、来年度合格すれば海外のほうへ派遣をさせていただくというものである。今、想定としてはアメリカのほうの大学院のほうを検討しているところである。
○北川委員 その目的、要するに県政にとってどういう点がプラスになってそんな形を取っていくと考えているのか、その辺りちょっと、もうちょっとお願いする。
○人事課長 以前も海外の大学院のほうに派遣をさせていただいたところであるけれども、18年度以降中断をしていて、来年度から再開をしていきたいと思っている。
目的としては、やはり海外、幅広い経験を学んでいただいて、そういったものを今後、戻ってきていただいて県内企業の海外販路開拓あったりとか、様々国際的な課題があるので、そういったものを海外への勉強、学びを本県のほうに生かしていただきたいということで再開をさせていただいているというところである。
○北川委員 30ページに耐震化推進促進事業がある。これは気比高校が入っている。2月補正のところではマイナスになっていたが、この気比高校の耐震化が終わることで県内の私立はほとんど終了と考えていいのか。
○副部長(大学私学) 気比のところで大体終わる予定であるが、今、福井国際令和が昨年4月に開校した。そこの校舎をどうするかという課題は別途残っているという状況である。
○北川委員 33ページの未来協働プラットフォームがあって、いろんなのを読むと6つの部門会議を持ってということはお聞きしているが、このふくい創生コーディネーターの配置とあるが、これはこの6つの専門会議を束ねてという意味のコーディネーターというふうに捉えていいのか。
○副部長(大学私学) こちらのコーディネーターについては6つの部門がある。それぞれについて今責任ダイガクを設けてやるので、それに関するコーディネーターをそれぞれに置く、6人置くというイメージで考えている。
○北川委員 今ほどの田中委員のお話とつながってくるわけであるが、この冊子のほうの16ページも含め、客観的な基準によって評価を行って、適正化という言葉が随所に出てくるわけであるが、この適正化を考えていく上での基準となるものを県としては何を持っておられるのか、そのあたり教えていただきたい。
○財産活用課長 この公共施設の適正化というか、適正配置については、これまでも道路整備による交通利便性の向上であるとか、あとそういった庁舎の老朽化を踏まえて、これまでも施設の集約化を進めてきたところである。新たなそういった適正化というところについては、今回の中間見直しでは、すぐにそういった見直しについてはまだ検討の段階であって、ここでお示しているものではないが、今後そういった社会のニーズとか、そういった必要に応じてきちっと検討していきたいと考えている。
○北川委員 そこが肝になる部分だと思う。市町によっては、例えば標準スケールというものを持ってきて、床面積が1人当たり、住民1人当たりの床面積、それぞれの公共施設がどれくらいなのか。それがほかの市町に比べて多ければそれを減らしていくという、その方向を示していこうと、そういう市町もあるわけで、それを持たないと、ずるずるとこのまま進んでいくというのは間違いないので、ぜひこれは要望であるが、その基準となるものをつくっていただきたいし、どこかで示していただきたいと思う。
それから、もう一点、この長寿命化なのであるが、耐用年数、これは減っていくのである、減価償却の上での言葉だと思う。耐用年数とは別にある大学の学者は寿命年数という言葉を出してきている。耐用年数は、例えば50年であっても、コンクリートの中性化などの検査をしていけば、ある程度手を加えれば何とかなる。ところが、その寿命年数だけは、これは必ずやってくるものなのであるが、その寿命年数を結局手に入れていくための検査というものをどんなふうに計画的に行っていくか、その点については何か方向をお持ちであろうか。
○財産活用課長 例えばインフラであると、各国のそういったガイドラインに基づいて、例えば土木部であるとか、農林水産部のほうでそういったきちっとガイドラインに基づいた点検を行っている。その点検をした上で、それに見合った長寿命化対策といったものをきちっと対応していくことになっている。
○北川委員 それ以上答えはないと思うが、ぜひきちっと安心できる形で長寿命化をお願いしたいと思う。
地域戦略部及び選挙管理委員会関係
○北川委員 嶺南振興局についてであるが、本当にいろんなことをかなり手広くやっていただいて、本当に形になるものができているのは大変うれしく思うし、すばらしいと思うが、6ページから7ページ、8ページにかけて、その嶺南振興、嶺南観光についての事業が4つほど並んでいるわけであるが、正直言うと、同じような名称で流れているものであるから、具体的にどういうところにポイントを置いて、もう本当にポイントだけでいいが、違いを示していただきたいなというのが1点である。
それから、トライアル枠の予算で、今年度、嶺南振興局の予算額がゼロという事業が3つある。前年度、成果があったから、それを今度はゼロ予算でやっていくのだろうと、それは理解しているが、わざわざゼロにしてする必要はないなと思いながら、本当に大丈夫なのかという点と、つけたほうがいいのにという、そのあたりに対してコメントをお願いする。
○嶺南振興局副局長 まず、最初の質問の、6ページから7ページのそれぞれの事業のポイント的なものである。
まず、順番に、6ページの2番、こちらのほうは、丹後くろまつ号、これを小浜線のほうに乗り入れようというようなことで、今年度はコロナ禍のことで準備を進めていたが、実現できず、また来年度、今やっていこうというものである。
そして、4番目、嶺南地域の観光消費拡大事業、これはラインのトリクレポンというようなものを今設けており、今運用して3年ぐらいたつわけであるが、こういったものの維持管理にかかる今の費用である。
次、7ページ、観光関係で申し上げると6番、三方五湖の広域バス実証運行事業、こちらのほうについては、今年度11月から12月、計18日間、先ほど説明させていただいたが、広域バスを走らせて、例えば敦賀駅から直接に三方五湖の山頂公園のほうへ向かう、こういったようなバスを今実証運行させていただいた。これについてはまた来年度、来年度は9月から11月の3か月間に期間を延ばして、より利用者の利便性なども検証しながらやっていきたいというふうに思っている。
また、7番目、こちらの嶺南の誘客キャンペーンであって、これは新幹線開業の令和6年度、この6年度に今、嶺南のほうで一体的に誘客キャンペーンを今ちょっと市町の要望なども受けて、県も一緒にやらせていただこうということで、来年度、その準備を、基本計画策定等にかかるお金である。
続いて、8ぺージ、嶺南地域の新たな誘客素材活用促進事業。こちらについては、今年度若狭の知られざる魅力を発掘しようといったことで、慶応大学の若新先生などの力もかりながら、嶺南の知られざるパワースポットであるとか、そういったものを今、誘客素材、今見つけているところである。来年度、そういったものをつなげて、何か魅力ある旅行商品につながるような、そういったことができないか、それを今検討させていただきたいというふうに思っているところである。
そして、2つ目の質問である。
政策トライアル予算の、来年度、今ちょっと予算としてゼロと一定なものである。6番、縄文ロマンパークの施設系ベント、これについては、今回、嶺南振興局、音頭を取らせていただいて、縄文ロマンパーク内にある県の施設であるとか、町の施設であるとか、そういったものの連携がうまくいっていないと言ったようなことで、そこに民間も入って、この秋から何回か集客イベントなどもやらせていただいたところである。こういったものについては、今年度立ち上がりで我々させていただいたが、来年度は民間が中心になって、うまく関係者をまとめてやっていくような、そういった形で今話が進んでいるところである。
また、7番目、若狭路の城めぐりモデル事業、こちらにほうについては、やはり嶺南のいろんな観光素材を発掘するというようなことで、やはりちょっと城めぐりというのを一つの題材に今年度、ガイドブックをつくったりとか、いろいろさせていただいたが、これについては、実際に来年度具体にそういったものを旅行会社に商品化などを働きかけてやっていけたらなというふうに思っているところである。
最後、9番、小浜線利用促進に向けたモデル事業、これについては、今年度、高校生、ワークショップして、それぞれ高校生の視点で今、小浜線の課題であるとか、そういったものを洗い出しをして、そして、小浜線の魅力を外に発信しようといったようなことであって、これについては、来年度、小浜線利用促進協議会というのがある。そちらのほうの事業の中で、そういった提案をしているような事業で、実現可能なようなものを一つでも二つでもやっていけたらなというふうに今つなげていきたいと思っている。
以上である。
○北川委員 ゼロ予算でやっていくというのは決して悪いことじゃないと思う。ただ、せっかく令和3年度やったものが貧弱なものになることのないように、必要なときには補正でも組んで何とでもできると思うので、ぜひお願いしたいなと思う。
関連して2点だけ確認するが、その中の6ページの4番、予算的にはすごく減少しているわけであるが、これはこれで本当にいけるのかということ、それから、もう一つ、7ページの7番、嶺南誘客キャンペーン、今お話があったが、その実行委員会、この中身について、もし現在、現時点で分かっていることがあったら、メンバーの構成の質だけお聞きしておきたいと思う。
○嶺南振興局副局長 まず、最初の6ぺージの嶺南地域観光消費拡大事業、こちらのほうは、先ほど申し上げた、ラインアプリ、トリクレポンの維持管理にかかるものであって、実は今年度、当初インバウンド対応の翻訳的なものも当初予定をしていたが、実際このアプリについて、来年度、実はJRのMaaS、そういったようなところにうまくこのアプリを移行できないかというか、ちょっとそういったことを検討しており、実は今年度の2月補正予算の今の横長のところの4ページである、失礼した、4ページの一番上に、三角で462万円落とさせていただいている。これはもともと先ほど言ったインバウンド対応の修繕などを当初見込んでいたが、ちょっと実際北陸MaaSのほうへ移行すると、ちょっとそちらのほうはインバウンド対応がないといったようなことであって、そこはうまく移行できるように今年度執行にし、来年度はその維持の分だけを予算として持たせていただいたといったようなことでちょっと減額になっている。
そして、次の7ページの嶺南誘客キャンペーン、こちらの実行委員会であるが、これは今、これから実際にそのメンバーなども集めていきたいと思っているが、県、市町、そしてあと観光、交通、商工、ありとあらゆるそういったような関係者、そういったもので構成するような実行委員会を今考えている。
○北川委員 43ページ、金ケ崎周辺まちづくり推進事業がここに立ち上げられているわけであるが、新事業ということで、ここからスタートするようなイメージではあるが、既にこれまでにどんな取組がなされてきたのかということと、ここにこうやって予算化されるということは、県の事業としてやっていくということになるのか、市町もそれぞれ分担を出してやっていくのか、そのあたりもちょっと説明をお願いしたい。
○地域戦略部長 金ケ崎周辺まちづくり推進事業に関してである。
今年度、これまで敦賀市、それから、県、トップレベルの協議ということで、県では中村副知事、それから、敦賀市のほうでは片山副市長をトップにいろいろと協議を進めてきている。
そういった中で、来年度については、県、それから、市、それから、民間の3者で協議会を立ち上げて、そちらのほうで金ケ崎周辺、気比神宮とか、そういった周辺も含めたまちづくりの実行プランをつくっていくということで、協議会の事務局は敦賀市のほうで考えているが、そこへそれぞれ負担金を出し合って進めていくと。県はやはりまちづくりについては、地元の市町が前面に出て進めていくものであるので、その協議会に県、それから、地元の経済界も入った中で応援していくというような形で進めていきたいと思っている。
○北川委員 今のお話の中で、まず一つは、市もここに加わっていく、ということは財源的には500万円、500万円という、そこは間違いないということである。そして、最後のほうに、県も応援していくという、その言葉はまたちょっと気になるのである。
あくまでも市は主体ではあるが、同じ土俵に立って県もやっていってもらうと、そういう捉え方をしていく、それは必要だと思う。それに民間の者が入ってくる。聞くところによるといろんな話合いもされているというふうに聞いているが、ちょっと予想していたよりも少し遅いので、余りちょっとのんびりはしていられないかなと思う。ぜひお願いしたいと思うが、部長、どうか、よろしくお願いできるか。
○地域戦略部長 金ケ崎周辺については、これはもうこれまでもずっと検討している、現実的に。今ほど課長が申し上げたが、経済界も入っていただいて、商工会議所の副会頭も入っていただいて、具体的にいろんな詰めた議論もしている。現実的にある程度ハード部分も含めてどういうふうにやるのかということをある程度皆さんの共通認識を持って進めないとスピード感が出てこないだろうというような話合いの中で、こういった予算を持って、県と市、そして、地元の経済界、総合会議所、一体になって進めるというような格好でやっていこうとするものである。
○北川委員 もう一点お願いしたいが、34ページ、敦賀駅のムービングウオーク整備事業があるが、これは補正の中でも三角になっていたと思う。このムービングウオークについては、確か電気の電源の確保は敦賀だったと思う、そして、整備費は県となっていたと思う。その県の整備費が減額されてきているというふうに捉えればいいか。
○副部長(新幹線建設推進) ムービングウオークの整備費であるが、委員おっしゃるとおり、減額になっているのは県の整備する本体事業費の部分であって、電源設備については市の予算となるので、この中には含まれていない。
○北川委員 市の電源のほうが本来ならば水素であったか、それを使ってということであったが、それは頓挫したわけである、正直言うと、ということを聞いている。それと、この減額とか、そこら辺の相関的なものはあるのか。
○副部長(新幹線建設推進) 水素発電の市のほうで計画が変更になったことと、こちらの予算については直接のリンクはない。
○北川委員 この県民活躍課というそこが所管になるが、県内には女性活躍推進課という、そういう組織が組み立てられている市町もかなりあると思う。県庁としては組織として、先ほどの当初予算を見ても女性に活躍してもらうための予算というのは相当あるわけであるが、それを見ても、県民活躍課と並ぶような形で女性活躍推進課みたいなものがあってもおかしくないのかなという気がしている。そして、今はグループであったか、女性活躍グループである、ワンランクアップさせると、その思いはないのか。
○副部長 もともと男女共同参画、法律に基づいて様々施策を進めてきたときに、組織としては男女共同参画課というか、そういう名称であった。平成27年になるが、当時女性活躍推進法というのが時限立法でできて、それに合わせて当時女性活躍推進課という課があった。私その課長であったが、その後、知事が変わって、新しい体制になったときに、活躍というのは女性だけじゃないだろうということで、県民の若者も含めて活躍を応援したいということで県民活躍課ということで所属名が変わっているということである。
○北川委員 ただ、その女性活躍をクローズアップさせるためには組織もある程度つくっていかないとこれ以上進まないのじゃないかなという思いもあるので、また検討いただけるとうれしいなと思う。よろしくお願いする。
2022年3月26日
県議会の記録
予算決算特別委員会の質疑は、議会の最終の質疑の場です。総時間を各会派での人数に応じて時間配分され、私たちの会派に認められた時間は90分でした。
その中でも、最後に与えられる総括質疑は、本議会で審議が尽くされたと思われない内容に特化して伺う場でもあります。
今回、私にとって初の総括質疑の場でした。
会派の皆さんの声を吸い上げて臨むべきものであるのですが、初のことでもあり、私自身の課題が中心となってしまい、反省点の残るものとなってしまいました。
1 人口減少対策へのアプローチと今後の取組み
福井県の転出超過は1,750人で、前年より280人拡大しました。ただ、日本人に限ると転出超過は前年比212人減で、2年連続で縮小しています。
県はこの結果を「地方で働くことを志向する学生が増え、県のU・Iターン支援策が実を結んでいる」と評価し、「今後も子育て支援策や企業誘致策の充実を通して福井に人を呼び込んでいきたい」としているとの報道がありましたが、具体的にどのように充実していくのでしょうか。転出者や転入者がどういう人たちなのか詳細に分析したうえでターゲットを絞り込み、彼らに刺さる支援策となるよう改善する必要があると思います。
⓵ 今回の転出超過の結果を踏まえ、今後、人口減少対策をどのように改善していくのか、知事の所見を伺う。
答(知 事)
今回コロナ禍で首都圏、特に東京が転出超過になったというお話しがありますが、一方で、それはほとんど一都三県の中に留まっているという状況も見えています。そういう意味では、広がりは今の所まだ大きくない状況ではありますが、一方で、やはり東京があまり住みやすい所じゃない、地方に目が向く、こういったことが一つのきっかけになっていることは明らかかと思います。
福井県の日本人に限れば、転出超過が2年連続して縮小しているということが一つあります。また、例えば、20代で見ますと、転入者の数だけですけれども、2年連続で増えてきている。それから、子育て世代である40代は、転出入あわせて転入超過になっている。これが最近の福井県の状況ですので、これからこうした方向をさらに大きくしていかなければいけないと思います。
そのためにまず、若い層、結婚する前も含めて、こういう方々が福井で何かやってみたい、チャレンジしたいと思えるように、来年度「地域チャレンジカレッジ」をつくらせていただいたり、若者の起業家支援、といったことを広げ、若い人に選ばれる福井にしていこう、それからまた、子育て世代が福井に住みたいと思えるように、「ふく育県」という提案もさせていただき、2歳未満のところを第2子から無償化する、また、遊び場の確保もしていくことで、「やはり子育ては福井よね」ということで、ちょうど結婚して子育てになる頃に福井に移住したくなるような県にしていきたいと考えます。
社会減だけでなく、自然減についても課題があります。
出生数は21年1月と2月の減少が目立ちます。感染症コロナの影響による妊娠控えと考えられます。これが一時的なものなら将来人口への影響も大きくなりませんが、婚姻数が減少しているため、今後の出生数にも長期にわたって大きな影響が出ると考えます。
第2期 ふくい創生・人口減少対策戦略において、平成25年時点の予測では、2040年(令和22年)の本県人口が63.3万人だったところ、平成30年推計では、64.76万人と1.4万人改善したとしています。しかし、それでも30年間で20%減少しており、今後はコロナ禍による影響が出てくるものと思われますし、現在の世界情勢の不安が追い打ちをかけます。
第2期戦略では、中長期的な社会増と出生率2.07を達成した場合の本県推計人口を68万人としていますが、長期化するコロナの影響を検証し、戦略の見直しが必要ではないでしょうか。人口は県政の基盤となる部分ですから、対応に遅れがないようにすべきです。
社人研のデータを基にした人口推計は、信頼度の高いものであるとされていますが、それを待っていては、ならないとも思います。
⓶コロナ禍による出生数、婚姻数の減少をどう分析し、第2期ふくい創生・人口減少対策戦略をいつ、どのように見直すのか、所見を伺う。
答(地域戦略部長)
人口減少対策戦略ですけれども、長期的視点、目標を2040年に置いています。長期ビジョンと同じですが、自然減・社会減の対策を継続して行うために策定しています。そういう性格ですので、毎年の進捗を見ながら、必要な施策を追加・見直しをしています。その都度見直しというよりは、毎年度の施策の中で対応していく、という考え方で策定をしています。
令和2年の婚姻数ですが、前年の令和婚の反動もあり減少しましたが、その減少については全国よりは小さかった。出生数については、他の都道府県は減少している中、沖縄県と並び増加しました。ただ、令和3年、直近で言いますと、福井県もその数字はちょっと減少に転じています。
今後、結婚支援の対策といたして、自宅に居ながら婚活ができるAIマッチングシステム、これを軸にして、更に民間事業者のノウハウを活かした相談会など、成婚に繋がる支援を追加する。更には、子育て世帯へのふく割発行とか、保育料無償化の対象拡大、といったことで全国トップクラスの子育て支援を一段と強化する。このような対策を行い、高い目標ではありますが、2030年の合計特殊出生率1.80を目指して政策を行っていきます。
2 地域おこし協力隊の現状と今後の展望
人口減少が背景にあるという点でのつながりから、次に、地域おこし協力隊の現状と課題について伺います。
2009年に始まった「地域おこし協力隊」とは、都市部から過疎地域等の条件不利地域に移住して、地域ブランドや地場産品の開発・販売・PR等の地域おこし支援や、農林水産業への従事、住民支援などの「地域協力活動」を行いながら、その地域への定住・定着を図る取組です。
2020年度時点で約5,500人の隊員が全国で活動していますが、国は隊員数を2024年度に8,000人に増やすという目標を掲げています。
地域の活性化を担って、都会から地方へ赴任してきている「地域おこし協力隊」ですが、見知らぬ街へ一人赴いて、地域に受け入れてもらえるか、自分の思い描く活動ができるのか、不安を抱えている方も少なくありません。
本来であれば、隊員として赴任後は、地域活性化のためにやりたいことに取り組み、任期終了後もその地域に定着するのが理想ですが、他県では行政に安価な労働力として使われているという事例も見聞きします。
⓵現在、県内に赴任している県および15市町42人の「地域おこし協力隊」の活動状況を伺うとともにこれまで赴任した隊員の任期終了後の状況について伺う。
答(交流文化部長)
本県の地域おこし協力隊については、農業や特産品の開発、食のブランド化や地域の魅力の掘り起こし・発信など、幅広い分野で活動に従事しています。任期終了後の状況ですが、平成21年度から142人が着任し、現任の42人を引いた100人のうち約3分の2、65人が定着をしています。
退任後は、ゲストハウスや飲食店の運営など地域に根差したビジネスを起業する方や、地元企業に就職しながら地域のリーダーとなって地域づくり活動を継続する方など、任期中に培った経験や人脈を活かした活動を展開しており、本県の地域の活性化に大きな役割を果たしていただいています。
地域おこし協力隊制度は、従来の働き方や雇用形態と比較すると、圧倒的に「流動的」な働き方、雇用形態です。
流動的な働き方の場合、学歴や性別等による所得上昇の有利/不利の差が如実に表れます。地域おこし協力隊も、経年的に見た場合、これらの要素による所得格差が拡大する可能性があります。
その点で、当初予算で「地域おこし協力隊定着支援事業」として、協力隊退任後も地域活性化を行う場合の活動費を支援するため、700万円、「地域おこし協力隊レベルアップ事業」として、隊員の活動支援とネットワーク形成を行うため950万円が計上されているのは、大いに評価するところです。
⓶協力隊が安心して本県に赴任して活動できるよう、今後、具体的にどのような支援体制をとっていくのか、また、協力隊メンバーのネットワークを構築することによって、どのような支援に繋げて行くのか、知事の所見を伺う。
答(知 事)
地域おこし協力隊のみなさん本当に生き生きとされています。ある意味、もちろんお金もお給料も貰っていかないと生きていけないということがありますから、お給料というのも決して小さくちゃいけないというのは、その通りなんですが、とはいえ、楽しくて選んできているし、日々を楽しんでいる感じがとてもひしひしと感じられる。とても地域に活力を与えてくれる人達だなと思っています。
そういう意味では、その人達には仕事をあてがうというよりは、何かを見つけてもらって、どんどん楽しくしてもらうことを頼むと、自分で広がっていくと感じています。そういう意味で我々ができることというのは、フィールドを与えて、なおかつ、その人をどんどん応援してあげる、こういうやり方が一番いいと思っています。
結果として、1/3の方がいらっしゃらなくなるというよりは、2/3の人が残るというのはある意味驚異で、これからも続けていかなくちゃいけない。その時のやり方として、やはり、分かってくれている人がいる、仲間がいる、それから地域で一緒にやっているっていうそういう共感が大事なのだと思います。
今年度から、県としましては、県の協力隊員として地域おこしマネージャーというのを雇わせていただいて、もちろん協力隊員の人とも話をするんです、協力隊員を束ねている各市や町に担当の人と、両方からお話を聞いて、橋渡しもさせていただいたり、OB・OGも含めてネットワークを作ることをやらせていただいております。
実は「スマウト」というサイトがあり、そのスマウトのところへ輝いている現役の人、それからOB・OGがやっている、そういう情報をどんどん出して、福井が選ばれるようになる、そういうことをこれからも続けていきたい。
【所感】
地域おこし協力隊は、中長期的な視点でみたときに、制度そのものが抱える構造的問題もあるのは確かです。
それを乗り越えるためには、協力隊をリスペクトし、処遇を高めることは確実に必要です。また雇用形態についても見直しが必要でしょう。さらに任期終了後のサポート体制の拡充も重要です。
地域おこし協力隊という「新たな果実の種」が地域に蒔かれたと考えたとき、大切なのは、
⑴根を張る豊かな土壌。
⑵育つのに十分な水や養分。
⑶仲間と育つことのできる環境。
⑷風雨に耐えるための支え。
であると考えます。
それを整えていくことが県の使命であると考えます。
事業としては小さなものであったとしても、隊員の人生、そして地域にとっては、大きなものであるのだと考えます。
是非、しっかりと育てる体制を整えていただきたいと思います。
3 教員確保について
まず、令和4年度の教員採用試験の状況についてですが、全国的な傾向と同様に、福井県でも採用試験の倍率低下が続いています。
⓵採用試験の倍率低下、つまり、教員希望の人材が減少しているわけですが、その原因をどのように捉えているのか、所見を伺います。
答(教育長)
教員採用選考試験については、新卒者と県内講師の受験者数を平成29年から大体5年間を見ますと、新卒の志願者数は18人増加しております。年によって若干波はありますけれども、大きな変動はありません。ただ、一方で、県内講師等の受験者は84人減少しており、既卒の志願者減少が、全体の志願者数を引き下げているという状況です。
その原因としては、定年退職者の増加に伴って採用数を増やしたことにより、県内講師の採用がかなり進んだということが考えられます。また、本県で採用されない受験者が、結構受かりやすくなって他県の教員をやったり、今、求人数が多いものですから、民間企業の方へ就職するというケースが増加していることが考えられます。
【所感】
教員志望者の減少の大きな理由の一つに、学校の勤務実態の大変さが、いろんな形で教員希望者に認知されてきていることが挙げられます。
教員の働き方の改善に着手していることによって、改善が進んでいることは承知していますが、今の若者たちは、全てを見抜きます。こんな言葉を耳にします。「教師という職業は憧れます。でも、ブラックだから・・・」
そのブラックという意味には、勤務がハードで時間外も部活もあって、自分の時間がとれないという意味合いはもちろんですが、コンプライアンスという面で、いまだに、縦の力関係や鍋蓋構造が残されているという意味も込められています。つまり、勤務時間を正しく把握しようとしない体質がまかり通るような職場は嫌だということです。今議会の中で、1月の80時間超の人数の報告を伺って、正直驚きましたし、それに対する反応も大きなものでした。
学校は、コンプライアンスの大切さを教える場でもあります。
学校現場における教員の働き方改革が改善されつつあることをしっかりと広報し、夢をもって教員を目指す人材の確保につなげなければなりません。
次に、資料①をご覧ください。県外で正規教員経験のある方は一次試験が免除され、志願者内合格率も4年度は7割近くになっていますが、志願者数が3年度と比較して4年度に大きく減少しています。
採用試験の倍率が低下し、一次免除の志願者数も減少しているなかで教員確保をするには、県内で講師をしている方に教員になってもらうのが一番良いのではないでしょうか。
⓶講師として勤務する方の中で、採用試験を受験している割合はどれくらいなのか、これまでの経年変化を伺うとともに、複数年講師を続けている方が教員採用選考試験を受験しない理由がどこにあると分析するのか、所見を伺う。
答(教育長)
講師の中で、教員採用選考試験の受験者は、過去5年の割合を見ますと、昔は66%程いたのですが、今は講師の中で約54%と、低下してきています。
年齢別に見ますと40代、50代の講師が近年増加しており、敢えて受験を望まないベテラン講師も一定数いると、また、両親の介護とかですね、子や孫の子育てというか育児等、家庭の事情もあって、このまま講師でいいと、敢えて教員採用試験を受けないといった考えを持っておられる方もいらっしゃると聞いています。
6 更問
他県においては、(教員志望者確保のため、)教員採用選考試験においても、いろいろな取組みが行われている。講師を正規採用に少しでも近づけられるよう、他県の取組みを組入れていく姿勢をもっていただきたいが、この点について所見を伺う。
答(教育長)
1次の試験で一旦合格した人は、臨時講師をやっていただければ次からは、直ちに2次試験から受けていただくということは、もう取り組んでいますし、いろんな加点制度も設けて、できるだけその人の能力を生かせる採用を増やしていくと、そういう取組みは、もう既に他の県を参考にしながらやっております。
【所感】
「やっています。」という答弁は、残念です。他県のひっ迫感の取組みに比べたら、県としての取組みは、まだまだ足りないのです。
そのことを謙虚に受け止める姿勢がない限り、将来への展望は先細りになっていくような気がしても不安です。
全国的に大量退職期に入った今、多くの県が講師の方を採用するための特別選考に力を入れています。
〇いろいろな加点制度、 〇講師勤務年数2年3年での一次試験免除 〇学級担任としての経験評価、 〇複数の受験機会、 〇地域枠での採用、など多彩です。
それら他県の取組みを見ていると、福井県の講師を正規教員として採用するための対応が遅れているのではと感じてしまいます。
私は、さらに、講師の方の勤務状況を一番把握している校長の具申を尊重する姿勢やシステムが必要なのだと考えます。
もしも、公平・公正というのであれば、県教委が直接出向いて確かめる体制を求めるところでもあります。
渡辺議員の一般質問において、「産休・育休などの代替教員は、通年雇用の臨任講師枠を拡充していく」「広報活動を積極的に行い、講師登録者数の増加や十分な再任用フルタイム勤務者の確保に継続して努めていく」との答弁でした。
また、教科担任制について、令和4年度は、国の加配を活用しながら、専科指導教員を増配置し、教科担任制を積極的に実施していくことより、平均して週当たり3時間程度、学級担任の空き時間が増える見込みであるとのことです。
これらに加えて、退職者数、病気休暇取得者、少人数学級、小学校であれば、教科担任制の教員、高校であれば情報科の教員も関係してきます。また、教科担任制であれば、それぞれの専門教科教員の確保が必要です。
⓷このような対策を実施することにより、令和4年4月の時点で、どれだけの教員数が必要か、また、どのように確保するのか、そのスキームを伺う。
答(教育長)
令和4年4月時点で、県内の小中学校、高等学校、特別支援学校の必要配置教諭数は、あわせて約5,800人であります。そのうち、現職の教諭は約5,000人おりまして、残り800人分を、新規採用教諭、再任用フルタイム教諭、臨時的任用講師でまかなうということです。
⓸特に、令和4年度から小中学校における再任用教諭の勤務の募集形態が変わり、原則フルタイムの募集となるわけですが、その人材確保の状況、正規採用での確保数、フルタイムでの再任用数を伺う。
答(教育長)
まず、再任用フルタイムの教諭は265人、また、新規の採用教諭は218人を予定しています。
8 更問
先ほど800人ということだが、再任用265人、新規採用218人ということだが、残りの分は何か、確認のため伺う。
答(教育長)
残り290人ほどですけど、それは臨時的任用講師ということです。
【所感】
290人の中で、年間通しての任用が何人なのか、その点が気がかりです。
それにしても、何度も言いますが、教員の確保計画を示すべきです。
定年年齢が伸びていくことも大切な要素です。
福井大学の嶺南教員プログラムが進んでいく中、その学生の採用における位置づけを明確にすることも大切です。
さらに述べるならば、管理職の確保についても、しっかりとした計画を持つべきなのではないでしょうか。
4 成人年齢引き下げに求められる対応
民法改正を受け、今年4月1日から日本での成人年齢が現在の20歳から18歳に引き下げられます。
日本では1876年以来、約140年の間、成人年齢は20歳とされてきました。成人年齢が引き下げられることになった背景には、選挙権の年齢が引き下げられたことや若者の自己決定権を尊重する考えがあります。
世界的に見ても成人年齢を18歳とすることが主流です。
成年に達すると親の同意がなくても契約ができるようになりますが、社会経験が乏しいため、トラブルに遭う恐れもあります。そのため、未成年のうちから契約に関する知識やルールを学ぶことが大切にもなり、教育現場の対応が求められます。
⓵成人年齢引き下げに伴い、特に、「主権者教育」「金融教育」「消費者教育」の取組みが必要になりますが、限られた時間のどのような教育場面で実施するのか、またカリキュラムを含めた計画はどこが主導するのか伺う。
答(教育長)
主権者教育、そして金融教育、消費者教育につきましては、令和4年度から実施いたします新学習指導要領の中の新科目で「公共」、「家庭基礎」、「家庭総合」、そういったところで行うこととしておりまして、成人年齢を迎える前の高校1、2年生の、その学校が立てた指導計画を、県教育委員会が指導し、承認しております。
これまでも、あと授業以外にも、各学校が選挙管理委員会とか地元金融機関から講師を招くなど、生徒の興味・関心を高める工夫もしております。
【所感】
いずれにしても、年度はじめの「教員不足」や「未配置」は、絶対にあってはなりません。
そのためにも、機会あるごとにお願いしている明確な目標を示した「教員確保計画」を明文化し、オープンにしていく必要があるのだと考えます。
5 新型コロナウイルスワクチン接種について
昨年12月から2回目のワクチン接種から8か月を経過した方に対する3回目の追加接種が始まりました。その後、接種間隔の前倒しが進められておりますが、いまなおOECD諸国の中で最低レベルの追加接種率にとどまっています。
福井県においても、感染力の強いオミクロン株への対応にあたって、ブースター接種(3回目接種)を希望する方が、一刻も早く、円滑に接種できる体制と環境を整備することが急務であります。県は、ワクチンの確実・円滑な調達・配送に加えて、県民に接種スケジュールを前もってしっかりと示すべきであります。
⓵県は、3回目接種について、高齢者へのワクチン接種に引き続き、いつ頃までに希望する全県民への接種を目指すのか、また18歳以上の接種についてはどのくらいの接種率を目標としているのか、知事の所見を伺う。
答(知 事)
福井県内の1、2回目の接種については、県民の皆様にお声掛けさせていただいた結果、全国に比べて1か月ほど早く打ち終わっており、10月末の段階でほぼ希望されている方の接種は終わっていた状況です。
今は6か月経過したときから3回目の接種が打てるということですので、4月末で6か月を迎えるわけですから、5月の早い時期に何とか希望される方の3回目の接種が終えられるようにしていくことが大事で、打つ体制については問題なくできると思っています。ですので、会場もいろんな形で、予約なしも含めて、3月4月に異動される方の優先接種の会場を設けたりさせていただいていますので、県民の皆様には接種券が届いたらすぐにご予約をいただくことをお願いします。
その上で、3回目の接種はやはり、接種をされた方と1,2回接種をされた方と一度も打たれてない方は、特に発祥のリスクを見てみますと、3回打った方に対して、1、2回目で終わって6か月経過した方は、県内で見ると5倍発症リスクが高くなっている。それから1度も打っていない方は6、7倍まで上がっている状況です。さらに言えば重症化のリスクも、一度も打たれてない方は非常に高くなっていると専門家の方も言われています。特別警報の中ですので県民の皆さんにもご理解をいただいて、ご判断いただければと思います。
我々としても有効性・安全性の広報をしっかりさせていただきます。
6 薬剤師・公立園保育士の処遇改善について
岸田内閣の肝入り政策として、今年2月から来年9月を期間として医療や福祉施設職員の処遇改善が実施され、介護士や保育士は3%、看護師などは1%の処遇改善を図れるよう国や県から事業者に補助金が交付されます。
国は、今回の処遇改善を「コロナ感染への対応や少子高齢化の対応が重なる最前線で働く全ての該当する職員を対象に公的価格の在り方を抜本的に見直す」との方針を掲げております。それでも、今回の処遇改善でも民間保育士と全産業の労働者賃金との差額である約7万4千円には到底追いつかない規模であります。
しかし、残念ながら国の考え方と、処遇改善制度の該当職員に食い違いがあるケースが見受けられます。事例を挙げれば、コロナ病棟でチームとして最前線で闘った薬剤師の方や病院食を作る調理員の方は対象職種から外れていますし、また、公立の保育園・こども園の正規職員についても、給与条例や人事院方針に当てはめることで除外するとの市町もあるようです。
⓵このように、薬剤師や調理員、保育園職員など処遇改善がなされないケースについて県としてどう認識しているのか所見を伺う。
答(健康福祉部長)
国によります看護職員等の処遇改善、考え方の根本は、コロナ患者が入院される、受け入れをする医療機関において、直接患者と接して治療や看護にあたる医療従事者の収入引上げを目的としているものでので、今ほど調理員の方が例として挙がりましたが、直接患者と接するお仕事をされている場合は、調理員の方であっても当然対象になるというふうに読み取れるわけです。実際にそのように運用されていくものと考えています。
一方、薬剤師につきましては、国の考え方としては看護師や他のコメディカル、お医者さんと一緒に仕事をする医療専門職の方と比べて相対的に薬剤師の方の賃金水準が高い、だいたい月6万円から7万円の差があると思いますけれども、こういうことから今回対象外となっているということで、不公平感の緩和につながるものと考えています。
また、公立保育園の保育士の処遇改善については、県から市町に働きかけをして、今のところ先月の申請締切までに正規職員を改善するところで2市町、会計年度任用職員では11市町の申請があります。
そもそも、各市町の正規職員につきましては、コロナ以前から、県内の市町、人事委員会をもたないところがほとんどですので、県の人事委員会の勧告これを参考にして給与体系を決定するということに、国からの通知でもそういう仕組みですので、これによって適切に対応しているということであれば、正規職員ではなくて改善の余地がある会計年度任用職員はそれぞれの市町が対応しておりますので、そういう処遇改善にはつながっていくと考えています。
チームで活動している医療現場や保育現場に「不公平感」が広がることの無いよう、先頭に立って手を尽くすことが「福井モデル」の再評価にもつながるものと考えます。
7 県立高校入試の振り返りと今後の方向性
続いて、これからの教育課題という点から、県立高校入試について伺います。
今年度から入試日程が見直され、2週間前倒しとなりました。コロナ禍において、受験機会を準備していくことと、3月末までには進路を決定していくことが重要とのことであったと記憶しています。
⓵前倒しによって、よかったと思われる点および課題として残されたものは何なのか、所見を伺う。
答(教育長)
今年度の一般入学者選抜は、結果として感染拡大警報中の実施となりました。コロナ罹患等によりまして、計14名が欠席を余儀なくされたわけですが、追検査とか特別検査を実施し、複数の受験機会を確保したことで、十分な療養期間を経て、みなさん受験できました。受験生の安心につながったと考えています。
現在のところ、見直すような大きな課題があるとは思っていませんが、今年度の全日程が終了した後で、中学校長会、そして県立校長会と話し合っていきたいと考えています。
今回の日程前倒しの目的には、県立高校への出願者数減少の解消という点もあったと思います。先日発表された合格発表の状況を見て何点か伺います。
資料に示したように、県立高校全日制の出願者数と倍率は、今年度微増となったものの、全体としては減少傾向となっています。
資料②の私立学校の状況をご覧ください。定員のうち1割程度は県外生が占めており、4年度は県内生の合格者は減っています。県立高校の出願者数の減少は、私立高校の募集定員数の増加の影響だとは、単純には言えません。
⓶出願者数の減少の原因をどのように分析されているのか伺うとともに、今回新設された学科についても所見を伺う。
答(教育長)
出願者数につきましては、要は少子化が今進んでいる中で、入学定員も、見直しを毎年しています。中3生の数が減ってくる、そして、その志望調査によって私立とか県立の希望も聞きますので、それらも踏まえながら県立の各高校の各学科の定員を決めているわけです。入学定員がそもそも減ってきているということもありまして、出願者数も減ってきています。一方で、過去5年間の全日制志願倍率を見ますと、私立高校の授業料無償化が始まったということもありまして、令和2年度は入試は0.98と1倍を切りましたが、その後は令和3年度入試が1.01倍、令和4年度入試は1.03倍と回復傾向にあると考えています。
新設しました6校9学科、またコース全体を見ますとそれの志願倍率は1.41倍ございます。新学科への受験生の期待があったことが窺えますが、一方で、一部では1倍を下回ったところもあります。新学科の特色がちょっと浸透しきれなかった部分もあるのかなと思っています。今後は県立高校全体の魅力化・特色化に取り組むとともに、学校の活性化、中学生へのPRに積極的に取り組んでまいりたいと考えています。
続いて、配布資料をご覧ください。令和3年3月卒業者の進路実態調査結果の概要として公表されたものです。
令和3年の4月時点では、中学校卒業後、県外へ進学していく生徒数は171名となっています。前年よりも5名少なくなったとはいえ、全体の2.4%の生徒が県外へと進みます。人口減少対策のためにも、こうした動きの原因を分析することが必要です。
⓷県内の中学校卒業者が県外の高校に流出する原因や理由をどのように分析しているのか伺う。
答(教育長)
令和3年3月に県内の中学校を卒業して県外に進学した生徒は171名おります。その内訳は、全日制・定時制高校への進学が99名、通信制高校への進学が68名などとなっております。通信制高校につきましては、県外と言いましても、実際、福井県内に学習センターを設置している、いわゆる広域通信制と言われているのですが、そういった学校も多くて、実態としては県内で学んでいる生徒も多くいます。
また、県外の全日制あるいは定時制高校に進学した生徒の進学理由としましては、「県外の学校でスポーツを学ぶため」というのが約45%と最も多く、次いで、「航空系とか鉄道系、そういった特殊な学科が県内の学校で学ぶことのできない」ということで、そういった理由が約14%、また「保護者の転勤等に伴う引っ越し」が約14%という状況です。
【所感】
今後、県内の生徒数が減少していく中で、県立高校自体の在り方にも関わる大変重要な部分でもあります。
これまで、県立高校は統廃合を行い、身を切る改革を行ってきたことは、誰もが知るところです。ただ、高校の授業料が私立・公立ともに無償化となっている状況下では、県立高校の出願者の減はさらに進んでいくのではないかと懸念しています。
生徒の進学先決定の動機付けが何なのかという点をよく分析しなければなりません。
日程変更といった、小手先ではなく、しっかりとした各高校のビジョンを持って取組むことが必要ですし、そのためのハード・ソフト両面での支援・投資が必要です。
そのためにも大切なのは、次年度以降の方向性の継続した検証です。
⓸今回の入試日程変更をはじめ、Web出願や推薦の在り方、中高の連携を含めた県立高校入試全体の検証をどのような場で、どのようなメンバーで行っていくつもりなのか、また、今後の方向性をどのように考えているのか、所見を伺う。
答(教育長)
高校入試のあり方については、今年度WEB出願システム、これは中学校では最初、システムの操作方法で一部戸惑いがあったという声はありましたが、学校現場ではかなり事務負担の軽減とか受験生の利便性の向上に大きな効果があると考えており、これについてはさらにやっていきます。
入試日程の変更とか推薦のあり方とかそういうことについては、中学校長会も現場からいろいろ意見を聞くと聞いておりますので、中学校長会と議論したり意見を交換したり、あるいは、県立校長会も、それぞれの高校でこんなことをやりたいとか、いろんな要望が出てくると思いますので、そういった意見を踏まえて考えていきたいと思います。
【所感】
その子の個性を生かす教育をどのように進めていくか。私立高校、県立高校共に苦しさをもっていますが、どちらも身を切る改革をしなければならないのだと思います。その一環として、STEAM教育、ギフテッド教育など、特色ある新しい教育にも目を向けるべきであると考えます。もちろん、各高校の努力は大切です。ただ、難関大学への進学実績によって評価するのではなく、私たちは、新たな教育に取り組む努力の過程を見て、評価していくべきなのでしょう。
時々、 各高校のHPを眺め、いろいろなことを感じます。
SSHやSGHといった事業に指定された学校に偏重することなく、全ての高校に公平な支援と予算を配分していくことが、地域の中の高校を支えていくのだと思います。
地域は、それを求めています。
8 家庭教育に関する調査結果にもとづく今後の取組みについて
先日示された、「家庭教育に関する調査」の結果について伺います。
この調査は、小学校5年生と中学2年生に対して行われたもので、高校生が含まれていないのは大変残念ですが、その中で何点か伺います。
まず1点目に、「子どもの自己意識」についてです。配布資料の3ページをご覧ください。
「自分にはよいところがあると思う」という質問で自己肯定感を尋ねたところ、中学生では、「当てはまらない」と回答した生徒が22.4%となっています。
「将来に夢や希望を持っている」という質問でも、否定的な回答をした中学生は27.8%にのぼります。
⓵この数字は、「子ども・若者白書」の数値に比べれば、大変良い数字であるのは確かですが、この結果についての所見を伺う。
答(教育長)
今回の調査では、ほとんどの項目において9割前後の児童生徒が肯定的な回答をしています。
詳細をみると、「好きなことや得意なことがある」と答えた中学生は96%、「人の役に立つ人間になりたいと思う」と答えた中学生が95.9%となっております。
調査結果からは、多くの生徒が自分に自信をもち、将来に希望をもっていると考えられ、県内の家庭教育や学校教育は良好な状況にあると捉えていますが、今後は、家庭教育の好事例を紹介したり、親学びの研修を通して、このような児童生徒がさらに増えるように取り組んでまいります。
⓶ふるさと愛に関するの小中学生の回答について、どのように分析しているのか伺います。
答(教育長)
学習の広がりや成長に応じまして、一度は県外に住んでみたいと思う児童生徒がいるとも考えられます。「自分の住んでいるまちが好き」と回答した割合が多いことから、ふるさとへの誇りや愛着は高いと分析しております。
県内に住み続けることだけでなく、一旦県外で暮らした後再び福井県に戻ってきたり、あるいは県外で暮らしながらも福井県を大切にする思いを持ち続けることが大切だと考えておりまして、これからもふるさと教育を推進し、福井を愛する子どもたちを増やしてまいりたいと考えております。
【所感】
配布資料の4ページ。「自分の住んでいるまちが好きだと思う」という質問に、「当てはまる」「どちらかといえば当てはまる」と回答した割合は、小学生では約9割、中学生では約8割と高い割合となっています。これまでの「ふるさと教育」等の効果が目に見える形となっていることは、高く評価するところです。
ただ、気がかりなのは、「ふるさと愛」とされている「大人になっても、福井県に住みたいと思う」という項目に対する回答です。「当てはまらない・どちらかというと当てはまらない」となっている中学生が37.5%となっています。小学生では21.8%であり、「自分の住んでいるまちが好きだと思う」という項目の結果と合わせて考えると、大変乖離したものであります。
丁寧な分析を取組みに生かしていくべきと考えます。
2022年3月24日
県議会の記録
1 福井県障がい者福祉計画について
「福井県障がい者福祉計画」は平成30年から令和4年度までの5年間を計画期間としており、障がい福祉サービス等の見込量等については、平成30年度から令和2年度までの3年間を計画期間とし、令和2年度末までに令和5年度までの見込量等を作成することとされています。
障がい者就労の分布を見てみると、身体障がい、知的障がい、精神障がいといった障がい種別毎の、一般就労、A型就労、B型就労に就いている方の人数が示されています。
⓵ 一般就労、就労支援事業A型・B型についている方以外の方の生活状況、手帳非所持でかつ自立支援給付(自立支援医療)を受けている方の状況を伺いました。
答(健康福祉部長)
これ以外の方は約9,000人。このうち施設やグループホームで生活しておられる方が約2,400人、残りの6,600人は在宅ということになります。
手帳を保持していない方の自立支援医療ということとなりますと精神通院医療は
令和元年度の数字で約13,000人が利用しており、精神障害者保健福祉手帳を所持しておられる方は7,000人ですので、差引6,000人というのが一つの目途になるのかと思います。
医療的ケア児の保護者の一番の悩みは、放課後デイサービスの不足です。場所がなく、一週間に数回の利用しか叶わない方もおられます。それは、週に数日フルタイムでの仕事ができないことになり、働きにくさにつながっています。生活するための仕事の安定は、大変重要であるだけに、苦しい状況でもあります。学校の長期休業期間はなおさらです。
⓶ 放課後デイサービスの事業所数、その中でも医療的ケア児を受け入れている事業所数、その受入数についての現状把握と、今後の受入数増に向けての計画を伺いました。
答(健康福祉部長)
令和4年2月時点で、県内の放課後等デイサービス事業所が101か所。定員とし
ては1,049人。そのうち25か所において45人の医療的ケア児の方が利用している。
この25か所のうち22か所については、重度の医療的ケア児37人を、今、県の
独自の事業であります看護職員の配置の人件費の支援を活用して受け入れを行っていただいている。
現在、医療的ケア児を受け入れる放課後等デイサービス事業所が8市町にありま
すが、今後も県独自事業を活用し、可能な限り事業所数を増加させていきたいと考えており、すべての医療的ケア児が身近な地域で放課後等デイサービスを利用できるような体制を目指していきたい。
重症心身障がい児者の通所は重要ですが、通所では支えきれないため、入所が必要な方も少なくありません。
これまでの我が会派の質問でも、「強度行動障がい」のある方の受け入れ施設について質していますが、その場所が少ないだけに、保護者や家族がつきっきりで世話をして、在宅で暮らす方もおられます。
いずれにしても、入所施設の増設は大変重要な課題であり、そのための計画や設置に対する支援は不可欠です。
⓷ 現在の県内の障がい者入所施設の施設数と利用者数、また「強度行動障がい」の方を受けいれている施設数と受入数の状況を伺うとともに、各障がい福祉圏域による格差についての見解と今後の展望を伺いました。
答(健康福祉部長)
県内の障がい者入所施設というのは26施設、入所しておられる方は1,586人。このうち17施設において401人の強度行動障がい者を現在受け入れている。
これを県内4つの障がい福祉圏域ごとに見ると、施設に入所している強度行動障がい者数の、圏域内の知的障がい者に占める割合、施設に入所している強度行動障がい者数の割合という意味では、奥越それから福井・坂井の2つの圏域に比べて、嶺南それから丹南の圏域が低くなっているという状況が見て取れる。
入所に当たっては、圏域格差ができるだけ生じないように、圏域をこえた広域調整を入所の際行っているが、今後、グループホームを含めました施設の個室の整備とか人材確保それから人材のスキルアップを一体的に行い、圏域による格差もできるだけ是正されていくように努めていきたい。
障がい者福祉計画は、令和4年度中に改定されることとなっています。私たちには、なかなかその策定プロセスは見えてきません。是非、各機関や関係団体の声にしっかりと耳を傾け、透明性のある議論の場を持っていただきたいと思います。
⓸ 最後に、今後の障がい者福祉計画改定に向けての方向性とロードマップを伺いました。
障がい者福祉計画の改定にあたっては、夏頃にも国が、障害者基本計画を明らかにすると思われるので、その中身との整合性も勘案し、障がい当事者も含めました県民のみなさんのご意見を伺ったうえで、方針を決定していきたい。
令和4年度、まず当事者の方も含め、学識経験者等からなる計画策定委員会を設置します。その審議内容については、ホームページで、その都度公表させていただき、県民のみなさんのご意見も伺っていきたい。
さらに、骨子案がまとまりました段階では、圏域ごとに公聴会、パブリックコメントも行い、広く県民のみなさんの意見を反映させて、令和4度中には新たな計画を策定したいと考えている。
【所感】
障害者福祉計画は、障害のある人もない人も幸せに暮らせる福井県共生社会条例第2条第1項において定義されている「身体障害、知的障害、精神障害、難病がある者であって、障害および社会的障壁により継続的または断続的に日常生活または社会生活に相当な制限を受ける状態にあるもの」をこの計画の対象とし、その支援等について盛り込むこととなっています。
ただ、障害のある方にとっては、どうしても、発言の場や活動の場に制約があるのが現状でもあります。それを改善していくためには、積極的に場を設定していくことが重要となるのは言うまでもありません。そのプロセスに注視していきたいと思います。
2 敦賀市民間最終処分場について
敦賀市民間最終処分場は、現在、産業廃棄物特別措置法のもとで、浄化の促進や保有水・浸出水の処理を実施しており、先日2月10日の「敦賀市民間最終処分場環境保全対策協議会」において示された、直近の個々の保有水井戸の水質検査では、ほとんどの数値が基準値を下回っていますが、生物化学的酸素要求量(BOD)と全窒素の2項目が国の基準を超えていました。
県などの調査では、このBODは基準値の水準まで下がってきているが、全窒素はまだ大きく超える数値が検出されており、基準値内におさまるまで何年かかるのか、いつまで管理しなければならないのか、現時点ではわからない状態です。
また、令和3年2月の協議会で示された「今後の対応」の中では、「これまでの対策により、埋立地全体としておおむね順調に浄化は進んでいるが、保有水(等量混合)の水質が基準値付近で変動しており、再び基準を超える懸念があります。このことから、特措法期限に向けて、水質の特に悪いエリアへの水注入増加による追加措置を行い、効果を確認しながら今後の対策について検討する。」とあります。
つまり、将来の安全性を確実なものと捉えるには至っていないのが現状であり、今後の対応に不安を覚える住民もいます。
そのような中、1月27日に、知事が直接、環境省を訪問いただき、務台環境副大臣に要望したことや、これまでの取組みの基盤となる特措法終了後の姿に対して、知事が行動を起こしてくださったことは、敦賀市民にとって心強く、大きな勇気を与えたものでもあります。
⓵ 改めて、知事の民間処分場に対する認識と要望に対する手応えを含め、今後の方向性について伺いました。
答(知 事)
敦賀市の民間最終処分場については、状況的には、埋立地に水とか空気を送り込んで、汚水を汲み上げて浄化することを繰り返して行っており、徐々に数値は良くなっている。こういう状況にあるわけですが、ただ、
いずれにしてもあそこに廃棄物を残した形で、事業を行っていくということになっているので、モニタリングですとか、施設の管理ということが重要であると認識をいたしている。
先月、環境省の務台副大臣にお会いをさせていただき、来年度で最期を迎えます産廃特措法、この後も、継続して財政措置を行っていただくように、強く申し入れを行ったところです。
副大臣からは、「地元が納得できるようなやり方が見いだせるか考えていく」という回答がありました。県としては、令和4年度、一応法律の最終年度ということですけれども、この中で、まず一つはできるだけ維持管理するコストを下げるということもあり、水処理工程のバイパス工事、これを4年度に行おうということを計画しており、対策経費を少しでも下げる、こうしながら引き続き、今後とも財政措置が続くよう国に強く求めていく作業を続けていきたい。
また、現在処分場の維持には、年間1億5千万が必要であり、国・福井県・敦賀市が4:4:2で費用負担しているわけですが、特措法期限後に必要となる負担は、敦賀市にとっても大きな不安材料です。
⓶ 国の動きが大切であるのは間違いありませんが、特措法後の財政負担を含め、県が責任をもって取り組む覚悟が求められます。その点についての今後の方針を伺いました。
答(知 事)
対策の実施に当たりましては、平成18年の時に、7対3の量ですけれども、県と敦賀市の間で、必要な経費の8対2で受け持つということの協定を締結をさせていただいて、今日まで運営をしてきている。
県としては、いずれにしても周りの住民の皆様が安心して、安全に暮らしていただくということが大切だと考えており、今後も必要な期間において、水が十分に浄化されるまでの期間、敦賀市とともに、共同でモニタリング、それから施設の管理、こういったものを行ってまいりたいと考えている。
【所感】
敦賀市民間最終処分場は、敦賀にとって大変大きな課題です。
令和3年2月の協議会で示された「今後の対応」の中では、「これまでの対策により、埋立地全体としておおむね順調に浄化は進んでいるが、保有水(等量混合)の水質が基準値付近で変動しており、再び基準を超える懸念があります。このことから、特措法期限に向けて、水質の特に悪いエリアへの水注入増加による追加措置を行い、効果を確認しながら今後の対策について検討する。」とあります。県が行う浄化とモニタリング、そしてそれに伴う構造物の維持を継続することは、今の敦賀市民はもとより、将来的にも重要な事柄なのです。
敦賀住民には、全く瑕疵のない事柄であるだけに、今後も真摯な取り組みをお願するとともに、しっかりと監視していきたいと思います。
3 子ども・若者育成支援について
平成22年に子ども・若者育成支援推進法が施行されましたが、その後の社会変化により、子ども・若者を取り巻く状況も大きく変化しているため、令和3年4月に新たな「子供・若者育成支援推進大綱」が策定されました。
その中で、子ども・若者を取り巻く特に重要とみられる社会状況を10項目に整理していますが、その中で特に注目すべきは、「孤独・孤立の顕在化」・「格差拡大への懸念」・「低いWell-being」の3項目です。
特に、「Well-being」は、近年、一時的な幸せの感情を意味する“Happiness”ではなく、身体的・精神的・社会的に良好な状態を意味するものとして国際的にも注目を集める概念であり、関連する調査も国内外で行われています。
それらの調査結果では、我が国の子供・若者のWell-beingの低さが示されておりますが、多様な指標を参照しつつ、バランスよくWell-beingを高めていくことが必要です。
さらに、注目すべきは、子供・若者白書の中でも引用されている「ユニセフによる国際調査」の内容です。その中で、我が国の子供については、「身体的健康」では38か国中1位であったのに対し、「精神的幸福度」では37位となっています。それと並行して示されていますが、「自己肯定感」「自己有用感」の低さも問題と考えます。 【資料1を準備しました】
自己肯定感、自己有用感のどちらも低い状況では、自分の存在意義を感じられず、苦しい状況となります。しかし、自分を認めてもらえる場所、環境を手に入れ、周囲の役に立っているという自己有用感を手に入れれば、努力をして結果を出し、達成感を覚えることで、自己肯定感も高まるはずです。そのためにも重要なのは、子どもたちが1日の大半を過ごす学校だと思います。子どもたちの自己有用感を高めるという視点を持った指導、そのための教員への研修等が必要ではないでしょうか。
⓵ 子ども・若者の自己肯定感や有用感に関して、本県の実態をどのように把握状況と、子どもたちの自己有用感を高めるための学校での取組みを伺いました。
答(教育長)
自己肯定感は、子どもがこれから生きていくうえで欠かすことのできないものと考えています。福井県の約8割の児童生徒が全国学力・学習状況調査で「自分にはよいところがある」と回答しており、全国に比べ自己肯定感が高い状況が続いています。また、「人の役に立つ人間になりたい」と答えた児童生徒も全国に比べて多く、自己有用感が高い状況です。
県では、一人一人が個性を発揮して、自らの可能性に挑戦する子どもを育む「引き出す教育」や「楽しむ教育」を推進する中で、子どもたちの自己肯定感や有用感をさらに高めていきたいと考えます。
また、家庭教育におきましても「自分も人も大切にする子」を育むために、小中学生の保護者が子どもとの関わり方について学ぶ機会を作っていくことで、子どもの自己肯定感や有用感が高まるように働きかけていきます。
また、子供・若者白書には、各種指標を「子供・若者インデックス」と名づけ、それらを整理し、可視化したデータ集を掲載していますが、資料②にあるように、「自己肯定感等」と「居場所の多さ」とが正の相関関係となっています。
資料3にあるように、居場所として示されているのは、自室、家庭、学校、地域、インターネット、の5つの場ですが、それ以外にもあるものと考えます。
自己有用感、自己肯定感を高める今後の取組みの柱として、「子ども・若者の居場所づくり」という視点は重要であると考えます。そのために提案したいのが、子ども・若者支援のネットワークの構築です。
子ども・若者が相談できる場の一つとして、「子ども・若者総合相談センター」と「子ども・若者支援地域協議会」の設置がありますが、令和3年1月1日現在では、県内でその場がいずれも設置されているのは、若狭町のみとなっています。
⓶ 子ども・若者総合相談センターおよび子ども・若者支援地域協議会の本県における具体的な取組み状況と、子ども・若者支援にとって、県内全域をカバーするセンターと協議会の設置が必要と思いますが、今後の方向性を伺いました。
答(安全環境部長)
県では、平成22年に施行されました「子ども・若者育成支援推進法」に基づき、平成28年4月に「福井県子ども・若者育成支援地域協議会」を設けています。
協議会には、教育、福祉、労働など県の関係課ですとか県警察も入り、必要に応じてNPO法人等にも参加いただき、子ども・若者の支援に関する情報交換等を行っています。
相談センターにつきましては、総合窓口を設けるということではなく、例えば児童相談所における養護相談、若者サポートステーションにおけます就職支援、教育総合研究所におけます教育相談など、実情に合わせてそれぞれ相談に応じ、協議会において関係課が情報を共有しています。
今後、協議会のメンバーと今ほどお話がありました市町との意見交換会を開催して、子ども・若者を応援する団体の方の声を聞くなど、市町や関係団体との連携をさらに強化し、子ども・若者に対する幅広い支援に努めていきたいと考えています。
先日、若狭町の「Withふくい」という団体を訪問しました。小さな団体ですが、学校や集団の中で居場所見つけにくい子どもたちに居場所を提供するために、不定期ではありますが、地元スーパーでの遊び場開設、心配ごとの相談キャラバン、LINEでの相談受付など地道な活動をされておられました。
このような居場所を提供したいと活動しておられる方や団体は、「子ども食堂」も含めて、他にも多くあると思いますが、人材確保、活動場所、財源の面で運営に苦労しているのが現実です。
⓷ 子どもたちの居場所づくりや相談等の支援活動を把握して、それらの団体をいろいろな角度から支援していく必要があると考えます。所見を伺いました。
答(健康福祉部長)
地域で安心して過ごせる子どもの居場所づくりを行っている団体として、代表的なものとしますと、ひとり親家庭等への学習支援をしている団体とそれから子ども食堂といったものがあります。
来年度は県の方でも活動への理解促進のために市町ざいますとか企業等を対象にしたシンポジウムを開催しようというふうに考えておりまして、ご紹介いただきましたWithふくいのような特色ある活動をしている団体も含めてですね、子どもの居場所づくりの活動をしている団体を支援していきたいと考えております。
【所感】
各省庁による調査結果によるもので、「今の自分が好きだ」と答えた割合は、平成28年度の44・8%から令和元年度の46・5%へと上昇しましたが、一方で、「自分の将来について明るい希望を持っている」は、平成25年度の61・6%から、令和元年度の59・3%へと低下しています。
半数以上の子供や若者が自己肯定感、自己有用感を持っていない状況は、これからの社会を見据えたとき、また将来の国や地方を考えたとき、大きな課題となってくるのは間違いありません。
令和4年度の予算に「天候に左右されない子供たちの遊び場づくり」として、1市に1億という財源確保がなされたことは、子育てする家族にとって嬉しいことであり、高く評価するところではありますが、それと並行して、今ほど述べた子どもの居場所についても支援していただきたいと思います。
4 時間外勤務月80時間以上超をゼロにする取組みの状況について
教員の働き方改革の一環として、県は令和3年度には、時間外勤務時間が月80時間以上の教員をゼロにするという目標を掲げています。いよいよ、令和3年度も終わりに近づいてきているわけですが、目標達成に向けての現在の状況が気にかかる部分です。
そもそも、政府が策定している「公立学校の教師の勤務時間の上限に関するガイドライン」に示されている具体的な勤務時間外の労働の目安は、1ヶ月で45時間、1年間で360時間以内であり、本県の目標設定は、国の設定に比べてかなり甘い水準であったわけです。
教育現場の機能を維持しながら正確な勤務時間を把握すべきですが、それが難しい場合には、原因をつまびらかにしていく誠実な姿勢をとるのであれば、現場教員の疲弊は減っていくに違いありません。
ただ、正確な勤務時間の把握をせず、サービス残業や持ち帰り残業を黙認し、なおかつ、目標達成ができないのであれば、任命権者と服務監督者の責任は大きなものとなります。
⓵ 現時点の教員の時間外勤務の状況を伺うとともに、「時間外勤務時間が月80時間以上の教員をゼロにする」という目標達成についての所見を伺いました。
答(教育長)
令和3年度4月から今年1月までの月80時間以上の超過勤務者は前年度同時期に比べまして、74.3%減少し、全教職員で見ますと、1.4%まで減少した。
直近の1月の月80時間以上の超過勤務者は、高校、特別支援学校においてはゼロ、小学校で2人、中学校で1人となっており、この3名の超過勤務の理由もコロナによる休校措置に伴う緊急対応であったと聞いている。やむを得ない緊急の事態を除き、目標は概ね達成できると考えている。
これまで、「教員の時間外勤務が減らない原因は部活動にあり、部活動の取り扱いについての見直しを国には申し入れている。」との考えは、多くの場で耳にしていますが、申し入れに対するフィードバックは見られません。
⓶ 時間外勤務の問題が部活動に由来するものであるとして、国に対して改善を求めていますが、その申し入れに対して、どのような国の動きがあるのかを伺うとともに、現状の中で、今後の具体的な手立てはどのように検討され、改善時期はいつになると考えているのか。
答(教育長)
部活動の負担軽減については、国も中学校の部活動指導員の予算の増額を盛り込むなどの改善を図っているほか、今後の部活動の在り方について有識者会議を開いており、7月頃に提言が示されると聞いている。
県としては、部活動数の削減と、複数顧問制の徹底、部活動指導員の増員、地域移行に向けた研究成果の検証、遅出勤務の奨励などを行っており、また高体連や中体連でも大会日程や実施時期の見直しを検討していただいている。
令和5年度から、指導員の確保や生徒保護者の了解など、条件が整ったところから、土日の部活動を地域に移行していきたいと考えるが、地域移行に当たっての国の財政的支援がまだ明らかでなく、また、全国大会の参加基準などの見直しが必要であることから、他県とともにこれらのことについて国に要望していく。
令和4年度も引き続き時間外勤務の縮減を進めることが必要ですが、年度当初から現場と意思統一した目標を持つことが重要です。次の目標をどのようなスタンスで設定していくのでしょうか。
⓷ 次年度以降の時間外勤務の縮減目標をどのように設定していくのかを伺うとともに、その目標設定の際に現場の声を取り入れる仕組みとしているのか。
答(教育長)
次年度以降は、時間外勤務時間が月80時間以上の教員ゼロを維持することを原則としつつ、県の給特法条例で勤務時間の上限として定めた月45時間以内、年間360時間以内の職員の割合を増やすことを目標と考えている。
目標の設定にあたり、小中県立の校長会やPTA連合会、高体連、中体連、県教職員組合から、業務改善の成果と課題ついてのご意見をいただいており、それをもとに2月の市町教育長会議におきまして、令和4年度は、小学校高学年における教科担任制の拡大、デジタルドリルやデジタル採点などDXの推進、外部人材の活用促進、部活動の地域移行に向けた検討などに取り組んでいくことを確認し合った。
【所感】
いずれにしても、気がかりなのは、勤務時間の調査や把握が公正になされているのかという点です。タイムカードで退校とした上で、再度仕事に向かうという現状はないのでしょうか。表面的な勤務実態の「改善」であってはなりません。
実際の勤務状況が把握されず、目標ありきの数字合わせになっているのではないかと、感じている教員も少なくありません。
毎日の感染症コロナの記者会見を目にしています。
その中で、立派だと感じるのは、窪田部長をはじめ、先頭に立つ人の「我々は、人数が増えることを恐れて、検査を躊躇することはしない。」という言葉です。それは、知事の決意そのものなのだとも感じます。
けっして、好ましくない数値であったとしても、現実をしっかり把握していくことが、積極的疫学調査が、必ず感染拡大の抑止につながっていくという信念を感じる言葉です。
良識ある現場教員の声をしっかりと受け止め、次年度の目標設定も含め、実効性のある取組みを期待したいと思います。