令和4年2月議会 一般質問を振り返って

県議会の記録

1 福井県障がい者福祉計画について 
 「福井県障がい者福祉計画」は平成30年から令和4年度までの5年間を計画期間としており、障がい福祉サービス等の見込量等については、平成30年度から令和2年度までの3年間を計画期間とし、令和2年度末までに令和5年度までの見込量等を作成することとされています。
障がい者就労の分布を見てみると、身体障がい、知的障がい、精神障がいといった障がい種別毎の、一般就労、A型就労、B型就労に就いている方の人数が示されています。

⓵ 一般就労、就労支援事業A型・B型についている方以外の方の生活状況、手帳非所持でかつ自立支援給付(自立支援医療)を受けている方の状況を伺いました。

答(健康福祉部長)
これ以外の方は約9,000人。このうち施設やグループホームで生活しておられる方が約2,400人、残りの6,600人は在宅ということになります。
手帳を保持していない方の自立支援医療ということとなりますと精神通院医療は
令和元年度の数字で約13,000人が利用しており、精神障害者保健福祉手帳を所持しておられる方は7,000人ですので、差引6,000人というのが一つの目途になるのかと思います。

医療的ケア児の保護者の一番の悩みは、放課後デイサービスの不足です。場所がなく、一週間に数回の利用しか叶わない方もおられます。それは、週に数日フルタイムでの仕事ができないことになり、働きにくさにつながっています。生活するための仕事の安定は、大変重要であるだけに、苦しい状況でもあります。学校の長期休業期間はなおさらです。

⓶ 放課後デイサービスの事業所数、その中でも医療的ケア児を受け入れている事業所数、その受入数についての現状把握と、今後の受入数増に向けての計画を伺いました。

答(健康福祉部長)
令和4年2月時点で、県内の放課後等デイサービス事業所が101か所。定員とし
ては1,049人。そのうち25か所において45人の医療的ケア児の方が利用している。
この25か所のうち22か所については、重度の医療的ケア児37人を、今、県の
独自の事業であります看護職員の配置の人件費の支援を活用して受け入れを行っていただいている。
現在、医療的ケア児を受け入れる放課後等デイサービス事業所が8市町にありま
すが、今後も県独自事業を活用し、可能な限り事業所数を増加させていきたいと考えており、すべての医療的ケア児が身近な地域で放課後等デイサービスを利用できるような体制を目指していきたい。

重症心身障がい児者の通所は重要ですが、通所では支えきれないため、入所が必要な方も少なくありません。
 これまでの我が会派の質問でも、「強度行動障がい」のある方の受け入れ施設について質していますが、その場所が少ないだけに、保護者や家族がつきっきりで世話をして、在宅で暮らす方もおられます。
 いずれにしても、入所施設の増設は大変重要な課題であり、そのための計画や設置に対する支援は不可欠です。

⓷ 現在の県内の障がい者入所施設の施設数と利用者数、また「強度行動障がい」の方を受けいれている施設数と受入数の状況を伺うとともに、各障がい福祉圏域による格差についての見解と今後の展望を伺いました。

答(健康福祉部長)
 県内の障がい者入所施設というのは26施設、入所しておられる方は1,586人。このうち17施設において401人の強度行動障がい者を現在受け入れている。
これを県内4つの障がい福祉圏域ごとに見ると、施設に入所している強度行動障がい者数の、圏域内の知的障がい者に占める割合、施設に入所している強度行動障がい者数の割合という意味では、奥越それから福井・坂井の2つの圏域に比べて、嶺南それから丹南の圏域が低くなっているという状況が見て取れる。
 入所に当たっては、圏域格差ができるだけ生じないように、圏域をこえた広域調整を入所の際行っているが、今後、グループホームを含めました施設の個室の整備とか人材確保それから人材のスキルアップを一体的に行い、圏域による格差もできるだけ是正されていくように努めていきたい。

 障がい者福祉計画は、令和4年度中に改定されることとなっています。私たちには、なかなかその策定プロセスは見えてきません。是非、各機関や関係団体の声にしっかりと耳を傾け、透明性のある議論の場を持っていただきたいと思います。

⓸ 最後に、今後の障がい者福祉計画改定に向けての方向性とロードマップを伺いました。

 障がい者福祉計画の改定にあたっては、夏頃にも国が、障害者基本計画を明らかにすると思われるので、その中身との整合性も勘案し、障がい当事者も含めました県民のみなさんのご意見を伺ったうえで、方針を決定していきたい。
 令和4年度、まず当事者の方も含め、学識経験者等からなる計画策定委員会を設置します。その審議内容については、ホームページで、その都度公表させていただき、県民のみなさんのご意見も伺っていきたい。
さらに、骨子案がまとまりました段階では、圏域ごとに公聴会、パブリックコメントも行い、広く県民のみなさんの意見を反映させて、令和4度中には新たな計画を策定したいと考えている。

【所感】
 障害者福祉計画は、障害のある人もない人も幸せに暮らせる福井県共生社会条例第2条第1項において定義されている「身体障害、知的障害、精神障害、難病がある者であって、障害および社会的障壁により継続的または断続的に日常生活または社会生活に相当な制限を受ける状態にあるもの」をこの計画の対象とし、その支援等について盛り込むこととなっています。
ただ、障害のある方にとっては、どうしても、発言の場や活動の場に制約があるのが現状でもあります。それを改善していくためには、積極的に場を設定していくことが重要となるのは言うまでもありません。そのプロセスに注視していきたいと思います。


2 敦賀市民間最終処分場について
敦賀市民間最終処分場は、現在、産業廃棄物特別措置法のもとで、浄化の促進や保有水・浸出水の処理を実施しており、先日2月10日の「敦賀市民間最終処分場環境保全対策協議会」において示された、直近の個々の保有水井戸の水質検査では、ほとんどの数値が基準値を下回っていますが、生物化学的酸素要求量(BOD)と全窒素の2項目が国の基準を超えていました。
県などの調査では、このBODは基準値の水準まで下がってきているが、全窒素はまだ大きく超える数値が検出されており、基準値内におさまるまで何年かかるのか、いつまで管理しなければならないのか、現時点ではわからない状態です。
また、令和3年2月の協議会で示された「今後の対応」の中では、「これまでの対策により、埋立地全体としておおむね順調に浄化は進んでいるが、保有水(等量混合)の水質が基準値付近で変動しており、再び基準を超える懸念があります。このことから、特措法期限に向けて、水質の特に悪いエリアへの水注入増加による追加措置を行い、効果を確認しながら今後の対策について検討する。」とあります。
つまり、将来の安全性を確実なものと捉えるには至っていないのが現状であり、今後の対応に不安を覚える住民もいます。
そのような中、1月27日に、知事が直接、環境省を訪問いただき、務台環境副大臣に要望したことや、これまでの取組みの基盤となる特措法終了後の姿に対して、知事が行動を起こしてくださったことは、敦賀市民にとって心強く、大きな勇気を与えたものでもあります。

⓵ 改めて、知事の民間処分場に対する認識と要望に対する手応えを含め、今後の方向性について伺いました。

答(知 事)
 敦賀市の民間最終処分場については、状況的には、埋立地に水とか空気を送り込んで、汚水を汲み上げて浄化することを繰り返して行っており、徐々に数値は良くなっている。こういう状況にあるわけですが、ただ、  
 いずれにしてもあそこに廃棄物を残した形で、事業を行っていくということになっているので、モニタリングですとか、施設の管理ということが重要であると認識をいたしている。
先月、環境省の務台副大臣にお会いをさせていただき、来年度で最期を迎えます産廃特措法、この後も、継続して財政措置を行っていただくように、強く申し入れを行ったところです。
 副大臣からは、「地元が納得できるようなやり方が見いだせるか考えていく」という回答がありました。県としては、令和4年度、一応法律の最終年度ということですけれども、この中で、まず一つはできるだけ維持管理するコストを下げるということもあり、水処理工程のバイパス工事、これを4年度に行おうということを計画しており、対策経費を少しでも下げる、こうしながら引き続き、今後とも財政措置が続くよう国に強く求めていく作業を続けていきたい。

また、現在処分場の維持には、年間1億5千万が必要であり、国・福井県・敦賀市が4:4:2で費用負担しているわけですが、特措法期限後に必要となる負担は、敦賀市にとっても大きな不安材料です。

⓶ 国の動きが大切であるのは間違いありませんが、特措法後の財政負担を含め、県が責任をもって取り組む覚悟が求められます。その点についての今後の方針を伺いました。

答(知 事)
 対策の実施に当たりましては、平成18年の時に、7対3の量ですけれども、県と敦賀市の間で、必要な経費の8対2で受け持つということの協定を締結をさせていただいて、今日まで運営をしてきている。
 県としては、いずれにしても周りの住民の皆様が安心して、安全に暮らしていただくということが大切だと考えており、今後も必要な期間において、水が十分に浄化されるまでの期間、敦賀市とともに、共同でモニタリング、それから施設の管理、こういったものを行ってまいりたいと考えている。

【所感】
 敦賀市民間最終処分場は、敦賀にとって大変大きな課題です。
令和3年2月の協議会で示された「今後の対応」の中では、「これまでの対策により、埋立地全体としておおむね順調に浄化は進んでいるが、保有水(等量混合)の水質が基準値付近で変動しており、再び基準を超える懸念があります。このことから、特措法期限に向けて、水質の特に悪いエリアへの水注入増加による追加措置を行い、効果を確認しながら今後の対策について検討する。」とあります。県が行う浄化とモニタリング、そしてそれに伴う構造物の維持を継続することは、今の敦賀市民はもとより、将来的にも重要な事柄なのです。
 敦賀住民には、全く瑕疵のない事柄であるだけに、今後も真摯な取り組みをお願するとともに、しっかりと監視していきたいと思います。


3 子ども・若者育成支援について
 
平成22年に子ども・若者育成支援推進法が施行されましたが、その後の社会変化により、子ども・若者を取り巻く状況も大きく変化しているため、令和3年4月に新たな「子供・若者育成支援推進大綱」が策定されました。
その中で、子ども・若者を取り巻く特に重要とみられる社会状況を10項目に整理していますが、その中で特に注目すべきは、「孤独・孤立の顕在化」・「格差拡大への懸念」・「低いWell-being」の3項目です。
特に、「Well-being」は、近年、一時的な幸せの感情を意味する“Happiness”ではなく、身体的・精神的・社会的に良好な状態を意味するものとして国際的にも注目を集める概念であり、関連する調査も国内外で行われています。
それらの調査結果では、我が国の子供・若者のWell-beingの低さが示されておりますが、多様な指標を参照しつつ、バランスよくWell-beingを高めていくことが必要です。
さらに、注目すべきは、子供・若者白書の中でも引用されている「ユニセフによる国際調査」の内容です。その中で、我が国の子供については、「身体的健康」では38か国中1位であったのに対し、「精神的幸福度」では37位となっています。それと並行して示されていますが、「自己肯定感」「自己有用感」の低さも問題と考えます。 【資料1を準備しました】

 自己肯定感、自己有用感のどちらも低い状況では、自分の存在意義を感じられず、苦しい状況となります。しかし、自分を認めてもらえる場所、環境を手に入れ、周囲の役に立っているという自己有用感を手に入れれば、努力をして結果を出し、達成感を覚えることで、自己肯定感も高まるはずです。そのためにも重要なのは、子どもたちが1日の大半を過ごす学校だと思います。子どもたちの自己有用感を高めるという視点を持った指導、そのための教員への研修等が必要ではないでしょうか。

⓵ 子ども・若者の自己肯定感や有用感に関して、本県の実態をどのように把握状況と、子どもたちの自己有用感を高めるための学校での取組みを伺いました。

答(教育長)
自己肯定感は、子どもがこれから生きていくうえで欠かすことのできないものと考えています。福井県の約8割の児童生徒が全国学力・学習状況調査で「自分にはよいところがある」と回答しており、全国に比べ自己肯定感が高い状況が続いています。また、「人の役に立つ人間になりたい」と答えた児童生徒も全国に比べて多く、自己有用感が高い状況です。
県では、一人一人が個性を発揮して、自らの可能性に挑戦する子どもを育む「引き出す教育」や「楽しむ教育」を推進する中で、子どもたちの自己肯定感や有用感をさらに高めていきたいと考えます。
また、家庭教育におきましても「自分も人も大切にする子」を育むために、小中学生の保護者が子どもとの関わり方について学ぶ機会を作っていくことで、子どもの自己肯定感や有用感が高まるように働きかけていきます。

 また、子供・若者白書には、各種指標を「子供・若者インデックス」と名づけ、それらを整理し、可視化したデータ集を掲載していますが、資料②にあるように、「自己肯定感等」と「居場所の多さ」とが正の相関関係となっています。
資料3にあるように、居場所として示されているのは、自室、家庭、学校、地域、インターネット、の5つの場ですが、それ以外にもあるものと考えます。

自己有用感、自己肯定感を高める今後の取組みの柱として、「子ども・若者の居場所づくり」という視点は重要であると考えます。そのために提案したいのが、子ども・若者支援のネットワークの構築です。
子ども・若者が相談できる場の一つとして、「子ども・若者総合相談センター」と「子ども・若者支援地域協議会」の設置がありますが、令和3年1月1日現在では、県内でその場がいずれも設置されているのは、若狭町のみとなっています。

⓶ 子ども・若者総合相談センターおよび子ども・若者支援地域協議会の本県における具体的な取組み状況と、子ども・若者支援にとって、県内全域をカバーするセンターと協議会の設置が必要と思いますが、今後の方向性を伺いました。

答(安全環境部長)
 県では、平成22年に施行されました「子ども・若者育成支援推進法」に基づき、平成28年4月に「福井県子ども・若者育成支援地域協議会」を設けています。
協議会には、教育、福祉、労働など県の関係課ですとか県警察も入り、必要に応じてNPO法人等にも参加いただき、子ども・若者の支援に関する情報交換等を行っています。
相談センターにつきましては、総合窓口を設けるということではなく、例えば児童相談所における養護相談、若者サポートステーションにおけます就職支援、教育総合研究所におけます教育相談など、実情に合わせてそれぞれ相談に応じ、協議会において関係課が情報を共有しています。
 今後、協議会のメンバーと今ほどお話がありました市町との意見交換会を開催して、子ども・若者を応援する団体の方の声を聞くなど、市町や関係団体との連携をさらに強化し、子ども・若者に対する幅広い支援に努めていきたいと考えています。

 先日、若狭町の「Withふくい」という団体を訪問しました。小さな団体ですが、学校や集団の中で居場所見つけにくい子どもたちに居場所を提供するために、不定期ではありますが、地元スーパーでの遊び場開設、心配ごとの相談キャラバン、LINEでの相談受付など地道な活動をされておられました。
 このような居場所を提供したいと活動しておられる方や団体は、「子ども食堂」も含めて、他にも多くあると思いますが、人材確保、活動場所、財源の面で運営に苦労しているのが現実です。

⓷ 子どもたちの居場所づくりや相談等の支援活動を把握して、それらの団体をいろいろな角度から支援していく必要があると考えます。所見を伺いました。

答(健康福祉部長)
 地域で安心して過ごせる子どもの居場所づくりを行っている団体として、代表的なものとしますと、ひとり親家庭等への学習支援をしている団体とそれから子ども食堂といったものがあります。
来年度は県の方でも活動への理解促進のために市町ざいますとか企業等を対象にしたシンポジウムを開催しようというふうに考えておりまして、ご紹介いただきましたWithふくいのような特色ある活動をしている団体も含めてですね、子どもの居場所づくりの活動をしている団体を支援していきたいと考えております。

【所感】
 各省庁による調査結果によるもので、「今の自分が好きだ」と答えた割合は、平成28年度の44・8%から令和元年度の46・5%へと上昇しましたが、一方で、「自分の将来について明るい希望を持っている」は、平成25年度の61・6%から、令和元年度の59・3%へと低下しています。
半数以上の子供や若者が自己肯定感、自己有用感を持っていない状況は、これからの社会を見据えたとき、また将来の国や地方を考えたとき、大きな課題となってくるのは間違いありません。
令和4年度の予算に「天候に左右されない子供たちの遊び場づくり」として、1市に1億という財源確保がなされたことは、子育てする家族にとって嬉しいことであり、高く評価するところではありますが、それと並行して、今ほど述べた子どもの居場所についても支援していただきたいと思います。


4 時間外勤務月80時間以上超をゼロにする取組みの状況について 
教員の働き方改革の一環として、県は令和3年度には、時間外勤務時間が月80時間以上の教員をゼロにするという目標を掲げています。いよいよ、令和3年度も終わりに近づいてきているわけですが、目標達成に向けての現在の状況が気にかかる部分です。
 そもそも、政府が策定している「公立学校の教師の勤務時間の上限に関するガイドライン」に示されている具体的な勤務時間外の労働の目安は、1ヶ月で45時間、1年間で360時間以内であり、本県の目標設定は、国の設定に比べてかなり甘い水準であったわけです。
教育現場の機能を維持しながら正確な勤務時間を把握すべきですが、それが難しい場合には、原因をつまびらかにしていく誠実な姿勢をとるのであれば、現場教員の疲弊は減っていくに違いありません。
ただ、正確な勤務時間の把握をせず、サービス残業や持ち帰り残業を黙認し、なおかつ、目標達成ができないのであれば、任命権者と服務監督者の責任は大きなものとなります。

⓵ 現時点の教員の時間外勤務の状況を伺うとともに、「時間外勤務時間が月80時間以上の教員をゼロにする」という目標達成についての所見を伺いました。

答(教育長)
 令和3年度4月から今年1月までの月80時間以上の超過勤務者は前年度同時期に比べまして、74.3%減少し、全教職員で見ますと、1.4%まで減少した。
直近の1月の月80時間以上の超過勤務者は、高校、特別支援学校においてはゼロ、小学校で2人、中学校で1人となっており、この3名の超過勤務の理由もコロナによる休校措置に伴う緊急対応であったと聞いている。やむを得ない緊急の事態を除き、目標は概ね達成できると考えている。

これまで、「教員の時間外勤務が減らない原因は部活動にあり、部活動の取り扱いについての見直しを国には申し入れている。」との考えは、多くの場で耳にしていますが、申し入れに対するフィードバックは見られません。

⓶ 時間外勤務の問題が部活動に由来するものであるとして、国に対して改善を求めていますが、その申し入れに対して、どのような国の動きがあるのかを伺うとともに、現状の中で、今後の具体的な手立てはどのように検討され、改善時期はいつになると考えているのか。

答(教育長)
 部活動の負担軽減については、国も中学校の部活動指導員の予算の増額を盛り込むなどの改善を図っているほか、今後の部活動の在り方について有識者会議を開いており、7月頃に提言が示されると聞いている。
県としては、部活動数の削減と、複数顧問制の徹底、部活動指導員の増員、地域移行に向けた研究成果の検証、遅出勤務の奨励などを行っており、また高体連や中体連でも大会日程や実施時期の見直しを検討していただいている。
 令和5年度から、指導員の確保や生徒保護者の了解など、条件が整ったところから、土日の部活動を地域に移行していきたいと考えるが、地域移行に当たっての国の財政的支援がまだ明らかでなく、また、全国大会の参加基準などの見直しが必要であることから、他県とともにこれらのことについて国に要望していく。

 令和4年度も引き続き時間外勤務の縮減を進めることが必要ですが、年度当初から現場と意思統一した目標を持つことが重要です。次の目標をどのようなスタンスで設定していくのでしょうか。

⓷ 次年度以降の時間外勤務の縮減目標をどのように設定していくのかを伺うとともに、その目標設定の際に現場の声を取り入れる仕組みとしているのか。

答(教育長)
 次年度以降は、時間外勤務時間が月80時間以上の教員ゼロを維持することを原則としつつ、県の給特法条例で勤務時間の上限として定めた月45時間以内、年間360時間以内の職員の割合を増やすことを目標と考えている。
 目標の設定にあたり、小中県立の校長会やPTA連合会、高体連、中体連、県教職員組合から、業務改善の成果と課題ついてのご意見をいただいており、それをもとに2月の市町教育長会議におきまして、令和4年度は、小学校高学年における教科担任制の拡大、デジタルドリルやデジタル採点などDXの推進、外部人材の活用促進、部活動の地域移行に向けた検討などに取り組んでいくことを確認し合った。

【所感】
 いずれにしても、気がかりなのは、勤務時間の調査や把握が公正になされているのかという点です。タイムカードで退校とした上で、再度仕事に向かうという現状はないのでしょうか。表面的な勤務実態の「改善」であってはなりません。
実際の勤務状況が把握されず、目標ありきの数字合わせになっているのではないかと、感じている教員も少なくありません。
毎日の感染症コロナの記者会見を目にしています。
 その中で、立派だと感じるのは、窪田部長をはじめ、先頭に立つ人の「我々は、人数が増えることを恐れて、検査を躊躇することはしない。」という言葉です。それは、知事の決意そのものなのだとも感じます。
けっして、好ましくない数値であったとしても、現実をしっかり把握していくことが、積極的疫学調査が、必ず感染拡大の抑止につながっていくという信念を感じる言葉です。

良識ある現場教員の声をしっかりと受け止め、次年度の目標設定も含め、実効性のある取組みを期待したいと思います。