2011年4月

連休

雑感

 1ヶ月が過ぎようとしています。先生方のおかげで、どの学年もそれぞれにいいスタートが切れていることを嬉しく思います。ありがとうございます。
 連休の頃になるといつも思い出すことがあります。娘が産まれたのが昭和58年。私は教師6年目、ちょうど母校気比中へ赴任した年です。それからの7~8年は部活動に関わる時間の方が家庭で過ごす時間よりも長い生活でした。連休中も部活動一色。連休中に旅行することなどあり得ませんでした。でも、それが当たり前だと思っていた娘は、不満を口にすることはありませんでした。
 今振り返ると、後悔はないけれど、父親としてはどうだったのかな?と思うこともあります。・・・救われたのは、3人の子どもたちが中学校では「吹奏楽」をやってくれたことです。本校にもお世話になった先生方が何人もいらっしゃいます。
 連休中といわず、家族と我が子のことは頭の隅に持っていてくださいね。
 語れば語るほど、ジレンマを感じますが・・・・・・・

連携ということ

教育

 「学校の様子」と「家庭の様子」、お互いに、伝えることは伝え、責任をもって 取り組んでいくことを大切にしていきましょう。

  • 学校という集団の中で、子どもたちはいろいろなストレスを抱えています。
  • 温かな雰囲気の中で、そのストレスを癒し、次の日のエネルギーを充電する家庭であってほしいと思います。
  • そのために、よく見て・観て・診て・看ていきましょう。
  • 家庭の衣食住をはじめ、あたりまえのことを大切にしていきましょう。
     衣・・・・・・・豪華なものは不要です。ただ清潔で繕われたものを
     食・・・・・・・食べ盛りの子どもたち。朝食もしっかり摂らせてほしい
     住・・・・・・・温かな雰囲気の家庭を大切にしてほしい。
  • 子どもさんのことで、夫婦間での秘密はなしにしてほしい。
    根を養えば、樹は自ずから育つ
  • その根っこを養い、そこに養分を送るのが、地域であり、家庭です。強い根を張らせるためには、自ら養分を求めて根を伸ばすハングリーな部分も必要です。
    いい土づくりと自ら精一杯根を張りたいという思いを育てることが、皆さんと私たちの大切な役割なのだと思います。いい土づくりをしていきましょう。
  • 人には内面的に素晴らしい所が必ずあります。その部分は絶対に認めていかなければなりません。ただ、行為として現れてきたものには、いけないもの、許すことのできないものが存在することもあります。中学生という時代、愉快さやその場だけの楽しさを求めるのではなく、ある部分で「真剣なもの」を感じさせ、身につけていくことが大切なのだと思います。

生きるということ 平成23年度、始業式式辞より

子どもたちへ

 入学式にあたり、伝えたいことはたくさんあります。しかし、今年度入学するみなさんには、特に心に留めておいて欲しい大切なものがあります。
 それは、「生きる」ということです。

 大震災の爪痕(つめあと)は、私たちが当たりまえのように手にしている「命」というものの存在を鮮明に焼き付けました。今この瞬間も、「自らが生きるために」そして自分のためだけではなく、「人が生きていくために」命をかけて活動している多くの人がいることも忘れることはできません。
 私たちにできることは何なのか。それを探し求め、行動することは、私たち大人も含めて、「生かされている私たち」に与えられた大きな課題であるように思います。
考えれば考えるほど、自らの小ささに気づかざるを得ません。でも、一つだけ私たちに今できることがあります。それは「私たち自身が精一杯生きること」です。
 自分だけのことしか考えない生き方、その場だけの愉快さだけを求める生き方はできないのではないでしょうか。誠実に真剣に生きることが求められているのです。
 平成23年度に中学校へ入学したみなさんに期待するものは大きなものがあります。みなさんの成長とともに大きな試練に対する答えが形になっていくのです。そう考えるとき、あなたたちに力を付けさせていく使命を担っている私たちの責任の大きさを感じます。

あたりまえ  平成23年度、始業式に

子どもたちへ

 「あたりまえ」には、二つの見方があるように思います。それは、「自らが行うことのあたりまえ」と「自分が受けるあたりまえ」です。
 まず、「自らが行うことのあたりまえ」を見直そうということですが、それは自分の中であたりまえに行うことがいつのまにか「してやっている」といった傲慢な思いに変わっていはいないだろうかということです。学校生活の中でいうならば、「学校のルール」や「清掃」「授業や学習」そして「みんなに迷惑をかけない生活」といった「してあたりまえのこと」「できてあたりまえのこと」の中に、いつのまにか「してやっている」という思いになっていることはないか私たちも含めてみんなで見直していきたいと思います。
 しかし、今日、みなさんに訴えたいのは、もう一方の「今、自分が受けているあたりまえ」についてです。夜温かな布団につつまれて落ち着いた中で眠る。朝になったら朝食を摂り、いろんな温かな眼に送られて学校に登校する。いつのまにかわたしたちにとっては「あたりまえのもの」となってしまっています。でも、3月11日以降、それらがけっしてあたりまえのものではないということを思い知らされています。私たちは幸せな世界に暮らします。私たちがしなければならないことは何なのか。 その答えは今は出ません。
 はっきりしているのは「私たちは真剣に生きなければならない。」ということです。
大切なのは精一杯生きること。自分だけのことしか考えられない生き方、その場だけの愉快さだけを求めて生きることはできない。ということなのだと思います。
 さあ、新しい年度のスタートです。今までの自分を見つめ直して、新しい自分に、真剣な自分に出逢いましょう。
 皆さんの真剣な姿にたくさん出会えることを楽しみにしています。
さて、保護者の皆さま、今日という日を迎えられ、制服に身を包んだお子さんの姿に、胸が一杯のことと思います。皆さまもまた、お子様のこれからの中学生活に少なからぬ不安を感じておられることと思います。でも、この会場にいる全ての者が「この子たちが、よりよき人に育ってほしい」という共通する願いをもっています。その意味では、この会場にいる全ての者が同志です。我々が手を取り合えば、その「夢」は必ず実現できると確信しています。
 私たちにとって、今日は新入生の子どもたちとの出会いの日であると同時に、保護者の皆様との出会いの日でもあります。初めて本校にお子様を送り出す方も少なくはないはずです。子どもたちを通して、みなさんとたくさんの感動を共有できることを楽しみにしています。
 大切なお子様を、本日より、全職員が心を一つにしてお預かりいたします。
どうか、本校の教育活動に深いご理解と力強いご支援、ご協力を賜りますよう、お願いいたしまして、式辞といたします。