2020年3月

令和2年3月議会 最終日・閉会

県議会の記録

R2 316 令和2年3月議会最終日

 議会最終日は、これまで審議されてきたことの集大成としての議決・採択の日です。4872億円の当初予算案などの81議案の採決が行われました。
 一括しての採決も多く、追加議案として、補正予算も示されました。その中で、コロナウィルス対策として、計10億円の追加補正も可決され、経営安定資金の融資枠を、当初の7億円から50億円に拡大されました。

 対応の令和元年度補正・令和2年度補正の提案と採決も行われ、追加補正後の一般会計総額は、19年度が4699億円、20年度当初が4883億円となります。
 その後の会派会議の中で、(新聞報道でもありましたたが)会派人事の変更が話し合われ、私の次年度の会派内での職務は、政調会長です。我が会派には、一期生が3人いて、それぞれがこの4年間でいろいろなことを経験していこうことの配慮からです。
 精一杯頑張りたいと思います。

予算決算特別委員会からの学び

コラム 県議会の記録

R2 312 予算決算特別委員会を通して

今回の予決審議の中で、最も多かったのは「長期ビジョン」についての質疑。それは、十分に予想されていたことでもあるが、その中で感じたことを記しておきたい。
感じたのは2点
(1)議員として、どこまで語り、指摘できるか。
 長期ビジョンという2040年を目途とする長期計画。そして、5年間の実行プラン。12月議会、2月議会と、案として示されたものは、それまでに指摘・改善を求められた事柄に対して、常にそれを組み入れていこうとする姿勢が示されたものでもあった。議員もそれぞれに思いも異なり、価値観も違う。その中から示されるものは、際限ない。一つの修正は、次の修正を呼び込むのは当然である。それでは、どこで落ち着くことになるのだろう。時間切れで終局を迎えるか、それとも、修正・修正で原型をとどめなくなるまで案を練るか。大変悩ましい事柄である。そこで、考える。議員は、どのような視点で語るべきなのだろか。
議員のスタンスとしてもつべきものは何なのかを自分のためにまとめておきたい。

➀不足している視点の指摘。
➁書き込み過ぎて、焦点が分からなくなったことの指摘。
➂他計画との整合性、上位計画との関係性合の指摘。
➃書式や文体の分かりにくさの指摘。

といったものが考えられる。

それでは、最も大切な、その根っこにある ➄方向性に対してはどうなのだろう。
 それぞれの価値観を討論し、お互いにリスペクトするということに尽きるのではないだろうか。つまり、お互いの考えを示す中で、共に成長するための大切な活動として捉えるべきと考える。となると、提案者である理事者サイドが自由に自らの考え方を説得する姿勢がもっと見られてもよいと考える。さらに述べるならば、議員だけで、自由討論する場があるべきなのかもしれない。

(2)予算特別委員会から伝わってくる職員集団としての質の高さ。
 予特では、私の正面に、知事・副知事・総務部長・地域戦略部長が位置している。「長期ビジョン」に関する質疑の間、私は、前田地域戦略部長の姿から学んだ多くを学んだ。おそらく部を挙げて修正と加筆を加え、時間をかけて練り上げてきたビジョン。それが幾度も繰り返されてきたものに違いない。それに対して、時には否定的な意見すら出されることは、厳しく悔しいものであるに違いない。しかし、前田部長はそれを一つ一つうなづきながら、丁寧に受け止めていたのを感じた。人間力の高さを感じた時間である。
 もう一点、先ほどの➄の内容については、部だけの問題ではない。あくまでも、県全体の問題である。今回も、質疑が➄に入ってきたのも事実である。その時の知事の姿にも、トップリーダーとしての素晴らしさを感じることができた。部長が答弁に窮していると感じた瞬間に自ら手を挙げ、自分の責任所在を明確にする姿勢は、実に立派で、清々しいものだった。

 いずれにしても、限られた時間の中で、言い尽くすことは誰にとっても難しいことである。しかし、まだ修正を加える部分はあるのは確かでもあるし、そのプロセスを通して再確認すべきこと少なくはない。ただ、その苦しさを伴う手順をしっかりと着実に進めていくであろうことを確信することができた予特の姿であった。
 多くを学ばせていただいた二日間であった。今後の自らの姿勢に生かしていきたい。

2日間の予算決算特別委員会

県議会の記録 私の考え

R2 310・311 予算決算特別委員会質疑

二日間の予特(予算決算特別委員会)が終了しました。私にとって初めての予特での質問時間をいただきました。
まず、この予特の質問時間について確認しておきますが、あくまでもトータルの時間を各会派所属の議員人数によって、按分するということになります。ですから、全体しては、下記の写真にあるような時間割り当てとなります。
                              時間配分2020-03-12 14.49.59
 県会自民党が435分に対して、私たちの民主・みらいが95分という現実は厳しいものがあります。改善はかなり厳しいだけに、その内容の濃さに力を入れることが大切なのだと思います。
 私も今回、トータル20分という時間をいただました。今回は、2点について伺いました。

 ➀多文化共生についての取組みについて
 今後、どの自治体にとっても、避けることのできない課題です。県の「長期ビジョン」や「人口減少対策」の中で、示されている大部分が交流人口の増加、UIターンでの移住・定住増のために、産業を興し、子育てや福祉の面で住みやすさを高めて魅力度を上げていくことに言及したものです。もちろん、それは大切です。東京一極集中という大きな課題もあるのだと思います。しかし、忘れてならないのは、労働人口の急激な減少です。どの分野にも人が欲しい。でも、日本の人口が減少していくことは厳然とした事実なのです(一方で、世界の総人口は100億人を超えていくのです。)。。必要で喫緊の課題が外国人人材の確保なのは明らかです。先ほどの県の計画の中で、その部分への手立てや工夫が薄いように思われてなりません。
 今回、質疑したかったのは、多文化共生の必要性と大切さです。特に、教育の中での多文化共生推進にもっと力を入れていかなければならないという提言でもあります。その大きな例が越前市の取組みなのです。県内で明らかに先行している越前市の抱える課題は、そのまま数十年後の多くの市町の課題なのです。1クラスに6名近い言葉に配慮しなければならない児童がいることを考えると、たとえ、1人の加配教員が張り付いたとても、不安は残ります。少なくともすべてのクラスに1名の加配・支援員の設置が今喫緊の課題なのです。そのことを県として、しっかりと受け止めていただきたい。もっと訴える時間が欲しかったというのが、反省点です。

 ➁NIEの取組みと支援について  
教育振興基本計画の中で、NIE(NIE教育研究会と連携)という言葉が何度も登場してきます。
長期ビジョンが目途とする2040年に社会の中心となっている今の子どもたちにとって、現在の課題に自ら気付き、それに対して自覚と覚悟をもって進んでいくことが重要です。そのためには、カリキュラムとして各教科の中で組まれている内容だけではなく、それぞれの感性と気づきによって学びを進めていく、まさにアクティブラーニングが必要であることは間違いありません。
 その意味で、教育の中での新聞の活用が不可欠なものでもあり、NIE(News paper in Education)の重要性は、今後ますます大きくなっていくものと考えます。
 ふるさと福井だけではなく、日本という国、世界の未来という大きな視点で、現代の課題を正しく見つめる時間や習慣は不可欠です。そのための時間は、ひょっとしたら、教科学力以上に大切にしなければならない部分なのかもしれません。その必須アイテムの一つがNIEなのだと考えるのです。もっともっと重要視されるべきであり、活用する価値・発展性のあるものなのだと考えます。そして、NIE自らも、今の内容から更に深く・大きな取組みを目指していくべきであるとも考えます。いずれにしても、そのための体制や環境づくりの大切さを全ての教育に携わる機関が理解して欲しいという願いの元での質問でした。
 各答弁や質疑の内容については、後日、HPでお伝えしたいと思います。



「ジソウのお仕事」

コラム

  「ジソウのお仕事」からの学びに

誰しも、大事な場にお守りのようなものを手にしていく。私の場合にそれは、見ることもないと分かっているにも拘わらず手にするファイルだったり、読み込んで、ラインマーカーだらけの書籍だったりする。
 だから、いろいろな視察や意見交換の折に、先方の方の持っているファイル、それ以上に手にしている書籍はとても気になるものの一つでもある。先日、福井総合児童相談所を訪問した折に、同席されていた職員の方が手にされていたのが「ジソウのお仕事」という書籍。気に掛かかって、終わった後で書籍名をお聞きし、先日購入した。その道に携わっている方がその場に持参したというだけでも、私にとっては必読書となってしまうわけだが、この本の内容は、私にとって、強烈なインパクトを与えるに十分足るものだった。
教育現場いた者にとって、児相は近くて遠い場でもあり、「どうして?」とイライラすることも少なくはなかった。荒れを目にし、それを支えきれずに苦しむ保護者や家庭に出会い、このタイミングでクールダウンできれば、この子にとって絶対にプラスだと考え、いろいろと相談の場や依頼をしたが叶わなかった経験は少なくない。一時保護という言葉は「死語」に近い思いすらあった。
しかし、現場は私たちの想像以上のものであることが書籍から伝わってきた。正直言って、私たちの見ている児相は氷山の一角。水面上に現れたほんの一部なのかもしれない。
これまでも保護者に対して、「自分の子でしょ。」と腹立たしさを覚えたことは少なくない。しかし、児相の職員の状況。何よりも一人一人の子どもたちに対する思いは、私たちの域を超えているのを知らしめられた。
親の愛は不滅であり、何ものにも代えられない大きなものなのだと信じつつも、いや、それを信じているからこそ、現実を直視できない大人社会の厳しさに自分の無力さを感じたこともある。しかし、児相の職員はそれを超えた中にある。
「ジソウの仕事」の苦しさを少しでも改善し、一人でも多くの子どもたちの安定・安心した生活を確保していくために、児相を精一杯バックアップしていきたい。

 ジソウのお仕事  著者 青山 さくら
             川松 亮
          出版 株式会社フェミックス

厚生常任委員会

県議会の記録

R2 0303・0304 厚生常任委員会 

〇 今回は、令和元年度2月補正予算、そして令和2年度当初予算についての審議。
  これまで、1日開催だったのですが、内容が多いこともあり、2日間の開催。
  3月3日(火) 安全環境部
    4日(水) 健康福祉部 でした。

  それぞれ、➀補正予算審議 → ➁当初予算審議 → ➂関係する計画案についての審議 →  
       ➃付託された予算関係外議案審議 → ➄所管事務調査 →  
       ➅付託された請願に関する審議
  という内容・流れでの審議でした。

【安全環境部】
  ➁当初予算関係で取り上げられた多くの項目の中から、私が注目した事業名のみ記載します。
    ◦大規模災害団員活用モデル実証   719万7千円
    ◦原子力災害における外国人支援   137万3千円
    ◦地球温暖化ストップ県民運動強化  1968万6千円
    ◦プラスチックごみ削減対策事業   145万8千円
    ◦食品ロス削減推進事業       446万5千円

  ➄所管事務調査関係
    ◦鳥獣被害対策について
    ◦地球横断化対策
    ◦原子力中間貯蔵施設関係
    ◦ヨウ素剤配布について
    ◦産業廃棄物処理公社の状況と対応について
    ◦食品ロス対策


【健康福祉部】
  ➁当初予算関係で取り上げられた多くの項目の中から、私が注目した事業名のみ記載します。
    ◦セーフティネット強化事業   287万1千円
    ◦支援が必要な方の孤立防止事業  355万6千円
    ◦在宅介護ほっとひといき支援事業  51万4千円
    ◦在宅医療・介護予防の体制づくり  5839万円 [6139万円]
    ◦サ高住普及促進事業   1750万円 2月補正で、補助実績ゼロ
    ◦介護施設等整備事業   3億3266万円
    ◦外国人介護人材育成支援事業   4032万6千円
    ◦重症心身障がい児者と家族のための在宅生活サポート事業 2988万8千円
    ◦訪問系サービス支援事業   1700万円
    ◦心身障がい児(者)対策事業費   193万3千円
    ◦地域療育拠点運営事業   2502万6千円   
    ◦里親支援機関事業   25万円  
    ◦医療的ケア児保育支援モデル事業  3351万円 
    ◦保育士等お仕事サポート事業  1億5908万2千円 
    ◦保育人材センター設置運営事業   709万7千円  [495万4千円]
    ◦派遣保育士確保事業   2903万1千円
    ◦児童相談所・一時保護所強化事業   241万円    
    ◦嶺南地域急性期医療体制強化事業  1億4025万円
    ◦看護師充足対策費   8477万6千円 [8913万円]

  ➂関係計画審議
   〇福井県子ども・子育て支援計画(案)についての私の主な発言
    ・子どもの貧困に関する実態調査の実施を評価。
      具体的内容・方法と時期を伺う
    ・医療的ケアが必要な子どもへの支援が明記されたたことは評価。
      今後の見通しは。具体的な姿を伺う
    ・放課後子どもクラブと放課後子ども教室。それらを一体的あるいは連携して実施する
     放課後子どもクラブの明確に違いは
    ・放課後児童支援員認定資格研修が処遇への配慮は

   〇福井県医師確保計画(案)についての私の主な発言  
    ・現状の時間外労働の上限規制の適用が考慮されていることを評価。
     インターバル制度導入を加味されてのものなのか確認
    ・医師の偏在指標と二次医療圏の妥当性について

  ➃所管事務調査
    ここでは、新型コロナウイルス対策が主で、多くの意見・質問が出ました。
    特に、・CPR検査の体制
       ・介護、福祉現場の状況
    私からは、マスクや消毒剤等の備蓄の状況と今後の対応について伺いました。
    3月いっぱいは、確保されているとのこと。

  ➄付託された請願に関する審議として
    「重度障がい者の福祉に関する請願」についての審議と採決。
    この請願は、重度障がい者用のグループホームの設置を求めるためのものです。
    私の求めているレスパイトに少しでもプラスになるものであり、個人としても会はしても賛成です。