予算決算特別委員会からの学び

コラム 県議会の記録

R2 312 予算決算特別委員会を通して

今回の予決審議の中で、最も多かったのは「長期ビジョン」についての質疑。それは、十分に予想されていたことでもあるが、その中で感じたことを記しておきたい。
感じたのは2点
(1)議員として、どこまで語り、指摘できるか。
 長期ビジョンという2040年を目途とする長期計画。そして、5年間の実行プラン。12月議会、2月議会と、案として示されたものは、それまでに指摘・改善を求められた事柄に対して、常にそれを組み入れていこうとする姿勢が示されたものでもあった。議員もそれぞれに思いも異なり、価値観も違う。その中から示されるものは、際限ない。一つの修正は、次の修正を呼び込むのは当然である。それでは、どこで落ち着くことになるのだろう。時間切れで終局を迎えるか、それとも、修正・修正で原型をとどめなくなるまで案を練るか。大変悩ましい事柄である。そこで、考える。議員は、どのような視点で語るべきなのだろか。
議員のスタンスとしてもつべきものは何なのかを自分のためにまとめておきたい。

➀不足している視点の指摘。
➁書き込み過ぎて、焦点が分からなくなったことの指摘。
➂他計画との整合性、上位計画との関係性合の指摘。
➃書式や文体の分かりにくさの指摘。

といったものが考えられる。

それでは、最も大切な、その根っこにある ➄方向性に対してはどうなのだろう。
 それぞれの価値観を討論し、お互いにリスペクトするということに尽きるのではないだろうか。つまり、お互いの考えを示す中で、共に成長するための大切な活動として捉えるべきと考える。となると、提案者である理事者サイドが自由に自らの考え方を説得する姿勢がもっと見られてもよいと考える。さらに述べるならば、議員だけで、自由討論する場があるべきなのかもしれない。

(2)予算特別委員会から伝わってくる職員集団としての質の高さ。
 予特では、私の正面に、知事・副知事・総務部長・地域戦略部長が位置している。「長期ビジョン」に関する質疑の間、私は、前田地域戦略部長の姿から学んだ多くを学んだ。おそらく部を挙げて修正と加筆を加え、時間をかけて練り上げてきたビジョン。それが幾度も繰り返されてきたものに違いない。それに対して、時には否定的な意見すら出されることは、厳しく悔しいものであるに違いない。しかし、前田部長はそれを一つ一つうなづきながら、丁寧に受け止めていたのを感じた。人間力の高さを感じた時間である。
 もう一点、先ほどの➄の内容については、部だけの問題ではない。あくまでも、県全体の問題である。今回も、質疑が➄に入ってきたのも事実である。その時の知事の姿にも、トップリーダーとしての素晴らしさを感じることができた。部長が答弁に窮していると感じた瞬間に自ら手を挙げ、自分の責任所在を明確にする姿勢は、実に立派で、清々しいものだった。

 いずれにしても、限られた時間の中で、言い尽くすことは誰にとっても難しいことである。しかし、まだ修正を加える部分はあるのは確かでもあるし、そのプロセスを通して再確認すべきこと少なくはない。ただ、その苦しさを伴う手順をしっかりと着実に進めていくであろうことを確信することができた予特の姿であった。
 多くを学ばせていただいた二日間であった。今後の自らの姿勢に生かしていきたい。