2009年4月

学校は道場である

学校

「学校は道場である。」これは、尊敬する大先輩の言葉です。
「道場」という言葉には、凛とした緊張感と、自分自身への厳しさを感じます。表面的な言い訳が通用しない、精神的なものを鍛える場という響きもあります。
八年ぶりの、二度目の勤務となる松陵中学校。私は、そんな「道場」の空気を感じることのできるこの学校が好きです。
「明るき松陵」は、本校の創設当初から掲げられている『校訓』とも言えるものです。この「明るい」の意味するものは何なのか。それは、一人一人の生徒が、存在を認められ、それぞれの夢に向かって伸び伸びと進んでいく姿だと思います。そんな姿を具現化し、校歌にも歌われる、「明るき松陵を謳歌せん」を現実のものにするために、努力していきたいと思います。


(平成21年度の船出に向けて)  潮風91号 原稿

受け身を学ぶ

学校

「受け身」という言葉が分からないと人もいると思うので、少し話しをさせていただくと、柔道で投げられたとき、倒されたとき、できるだけそのダメージを少なくし、できるだけ早く立ち上がるための技術と姿勢です。しかも、力のある人は、その受け身の瞬間に、自分がどうして投げられたのか、自分の今の動きはどうだったのかと、自分を振り返り立ち上がっていくと聞きます。
 中学校時代は、そんな「受け身」を学ぶとき、つまりみんなの生活で言うならば、大きな失敗をしたとき、叱られたとき、そのダメージをできるだけ少なくし、すぐに立ち上がっていく術を学ぶときと、考えることができるでしょう。しかも、その間に、今の自分の動きを振り返ることができように。

 失敗なんて、一杯ありますよ。ましてやまだまだ未熟な十代、失敗や勇み足があって当然です。自分の思い通りに成らなくて精神的にイライラしたり、ショックを受けたりすることも、たくさんあることでしょう。それで、もう俺はダメだとか、人生真っ暗なんて思わないでいきましょう。すぐに立ち上がりましょう、そして、次をめざしましょう。
 私たちは(私たちというのは、松陵中学校の先生方だけではありませんよ、お父さん、お母さんを含めてみんなの周りにいる大人の方)それを応援します。そのために、私は、いくらでも頭を下げましょう。いくらでも喧嘩もしましょう。今、そんな覚悟でここに立っています。

 ただ、この話しの中で、一つお願いをしておきます。失敗と気がつかないとき、周りのアドバイスに素直に耳を傾ける人間であるということです。そんな人間にみなさんが育ってくれることを願い、そのために全力を傾けます。


(平成21年度の始業式)