一般質問の実答弁

県議会の記録

 私の一般質問の実答弁が届きましたので、記録のためにも掲載させていただきます。

問一  外国人生徒の教育について

 1 外国人生徒の高校進学の状況について伺う。

答(教育長)
 昨年度、日本語指導が必要な外国籍の生徒11名、内6名が全日制、5名が定時制の高校に進学しております。
 中学校では高校進学に向けまして、個別の進学指導や学習支援を行うとともに、高校入試そのものについても、受験の学力検査を英語や数学に限定した特別選抜を実施する等、外国籍の生徒が希望する進路の実現につなげております。 

 2 県立高校の特別選抜の状況と外国人生徒支援について、今後の方向性を伺う。

答(教育長)【実答弁】
 今年度、日本語指導の必要な生徒を対象とした特別選抜を足羽高校と武生商工高校において、各校3名の募集定員で実施し、足羽高校に3名の生徒が入学いたしました。
足羽高校では、コミュニケーションサポーター2名を配置し、授業中の通訳や相談業務、日本語によるコミュニケーションが困難な保護者との連絡、そして、教員、生徒、保護者間のコミュニケーションの支援を行っております。
今後も、日本語指導が必要な中学生にむけて特別選抜枠を周知するとともに、高校生の進路志望や実情に応じて、支援(対象校とか募集枠等)の拡充を検討してまいりたいと考えております。 

 更問  外国人生徒等特別選抜における、武生商工高等学校(機械創造・商業マネジメント)の募集人員に対して出願がなかった理由について伺う。

答(教育長)【実答弁】
 地元の中学校の校長からは、専門学科における各教科の専門用語とか実習に不安を感じたということを聞いております。
来年の入試に向けまして、中学校に対して入学後の支援の在り方などを含めまして、丁寧に説明してまいりたいと思います。 

 3 外国人生徒の高校卒業後の状況について伺う。

答(教育長)【実答弁】
 先ほどお答えしましたように、日本語指導の必要な生徒が例年10名程度高校に入学しておりますが、高校在学中の支援によりまして、卒業時点では毎年1、2名に日本語指導の必要な生徒が減っております。直近3年間の卒業生は5人程で、卒業後は専門学校への進学が1人、就職が3人、アルバイトが1人といった状況でございます。
 今後も、進学希望者には進学先の情報提供や受験指導を行い、就職希望者には、産業人材コーディネーターを活用しながら生徒と企業側のマッチングに努めるなど、生徒が希望する進路の実現に向けて支援してまいりたいと考えております。

 4 本県の外国籍の子どもたちへの日本語教育の現状を伺うとともに、今後どのように取り組んでいくのか、知事に伺う。

答(知 事)
 本県におきましては、小中学校におきまして、外国籍の子ども達の日本語能力に従いまして、一番能力が低い場合にはマンツーマンで日本語の教育を行う、また少し進んできますと、もしくは教科によっては別の教室で教科の指導をしていく、もうちょっとレベルが上がってきますと同じ教室の中でティーム・ティーチングでその子どもに教えていくというようなことで、能力に応じてきめ細かく段階を分けながら日本語教育もしくはその授業が受けられるような体制を整えているところでございます。
 高校におきましては、例えば教材などに漢字に全部ルビをふることを行ったり、母国語に翻訳をした教材を使うことなども行っておりますし、教師が個別に対応してあげるということもありますし、また、コミュニケーションサポーターという方が通訳をする時に日本語を教えてあげる、こういうことも行いながら実態に合わせて日本語の教育を行っているところでございます。
 これからどうしていくのかというところにつきましては、現場の声を聞きますと、やはり日本語をよく覚えるのは、できるだけ子ども達の間で日本語でやり取りする、外国語の子が何人かクラスにいるからといって母国語で話をしてしまうと、どうしても時間がかかったり、集まりが固まってしまうということがあるようですので、できるだけみんなが気を遣いながら学校、教室の中、また部活なんかで日本語のやり取りを多くしていく、そういうことも大事かなと思っております。また、高校を卒業して中学を卒業して働くという状況が今御指摘の中で色々言われています。こういったことは、実態をよく見ながらSDGsと言いますか、福井県を多文化共生の社会にしていくためにも、受け入れる側、就職する側もやはり慣れていない部分もあると思います。そういうところも少しずつ慣らしながら、できるだけその外国籍の子も福井の子として福井で活躍できるような場を増やしていきたい。 

更問   少人数在籍の日本語指導が必要な外国籍の児童生徒への支援について伺う。

答(教育長)
 県が加配しています日本語指導教員、市町が独自に雇用している支援員が、計画的に学校を巡回訪問して、一人一人に応じた支援を行っているわけですけれど、こうした少人数の在籍の学校におきましては、先程知事も申し上げましたけれども、学校生活の中で、周りの子ども達が、あたたかく日本語で話しかけていくことが、日本語の力を伸ばしていると現場から聞いております。 


問二  子どもの貧困の実態把握について
 1 今年度実施予定の子どもの貧困に関する調査方法、内容等について、どのような視点を持ち実施するのか、その進捗状況について伺う。
 2 実態調査の中で、外国につながる子どもたちの状況についても対象にすることを要望するが、所見を伺う。

(1、2 一括答弁)
答(健康福祉部長)
 御指摘いただきました調査ですけれども、今年度国が実施するとしております調査の内容を踏まえて、調査項目の追加、対象者の拡大、質と量ということですね、県としてより充実した内容の調査を行い、本県の子どもの貧困の実態を明らかにしていきたいと考えております。
 現在ですけれども、新型コロナウイルス感染症の影響であろうと思いますけれども、現時点でも国からは調査の内容、概要がまだ示されていないという状況でございまして、これが示され次第、直ちに、本県としてはこの作業に着手したいと考えております。
 なお、ご提案いただきました外国につながる子どもに関しましても、この調査の中に含めていく考えでございます。

北川議員ご意見
 貧困という概念は変化しています。20世紀には、絶対的な貧困から相対的な貧困、そして今、働くことや教育を受ける機会が排除されていることも問題とされています。つまり、可処分所得による相対的貧困概念は、剥奪指標というものと重ねて、貧困の把握に努めるようにとなっています。その点で、一日も早く把握して行動を起こしていくことをお願いいたします。 


問三  金ヶ崎周辺整備について
 1 2月議会の質問から半年が過ぎ、いろいろな角度から検討してきたと考えるが、金ヶ崎周辺エリアの整備や活用を嶺南・敦賀の活性化にどのように繋げていくのか、知事の方向性を伺う。

答(知 事)【実答弁】
 2月の時点から大きく動いておりますのは、なんと言いましても、金ヶ崎のエリアを含めて、鉄道遺産が日本遺産として認められた、というところはとても明るいニュースだと思っております。そういうことで、例えば、先日テレビを見ておりまして、人道の港ということもありますし、また、あの場所は日本から欧亜国際列車に乗る、言ってみれば、往復する時の日本の玄関口としても、金ヶ崎というのは非常に重要な場所だと、ある意味非常にロマンが掻き立てられる場所だと感じているところでございます。
そうした日本の玄関口とか、人道の港、こういったものを象徴するものとして、ご指摘いただきましたように、新ムゼウムが11月に開館をするということでございます。
ちょうど、敦賀市、それから商工会議所が一緒になりまして、まちづりの推進会議がまちづくりについての検討を始めたところでもございます。ここと一緒になりまして、一つには、鉄道遺産を活かして、例えば、今庄と金ヶ崎、長浜、こういったところを結ぶルートですとか、また、あそこはミライエなどがあって、県も今回応援させていただきますけれども、プロジェクションマッピングだけではなくて、ライトアップのようなことでも磨いていくことが出来ると思います。
そういったことを、あの場所そのもののハード整備、これも敦賀市と一緒にやりながら、金ヶ崎エリアそのものを、敦賀で新幹線を乗り換えるのではなくて、あそこで降りたくなるような、そういう場所にする、そこから嶺南全体にお客さんを拡げていく、そういう場所にできるように、県としても努力をしていきたいと考えております。

 2 新幹線開業までには、具体的な準備と着手をすべきと考えるが、現時点で描かれているロードマップを伺う。

答(地域戦略部長)【実答弁】
 現在、敦賀市において、新ムゼウムの整備は完了されておりまして、11月3日にオープンするということでございます。
さらに、新ムゼウムの周辺におきまして、観光客が金ヶ崎での滞在を楽しめるように、市の方で民間資本を活用した飲食・物販施設の整備が計画されております。そのための民間事業者との対話も進められているとお伺いしてございます。スケジュール的に言いますと、今年度末までに事業者の募集・選定、そして来年度以降に設計、工事に着手して、新幹線開業までには間に合わせる、ということを目指していると聞いております。
県といたしましても、例えば、敦賀市などが行いますイベントなど賑わい創出対策へ支援を行うなど、開業時に、市民や観光客が金ヶ崎での滞在をさらに楽しめるようなかたちで検討してまいりたいと思います。

 3 転車台の活用方法も含め、敦賀市との間でどのような協議をしてきたのか、また、現時点でどのような方向性を持っているのか、伺う。

答(地域戦略部長)【実答弁】
 転車台の活用につきましては、2月議会でも答弁させていただきましたが、元々の計画はSLを金ヶ崎で走行させるために活用するということでございましたが、その用地となりますJR貨物の用地の取得経費が非常に高いでありますとか、運営経費の問題等々もありまして、課題がありますので、今、敦賀市と色々検討を進めているところでございます。
具体的には、今年度、市と協議を4回行っております。転車台の動態保存ということにはなかなか課題が多いので、それに拘らずに、どう活用していくかという協議を進めているところでございます。例えば、転車台の一部を用いてモニュメントとして活用するとか、具体的な活用策について、今、検討を進めているところでございまして、引き続き市と協議を進めてまいりたいと思います。


問四  学校職員の勤務実態の把握について
 1 県における勤務時間の考え方とその根拠について伺う。

答(教育長)
 県として把握したいのは、単なる在校時間ではなく、実質的な勤務時間であります。
教員の勤務時間の考え方につきましては今年1月に国から出された指針の中で示されております。そこでは在校時間に校外での研修や引率等の時間を加え、休憩時間をはじめ、自己研鑽や業務外時間を除いたものを在校等時間として勤務時間管理の対象とすることとしております。
 県もその考え方を基本に、出退勤調査で実質的な勤務時間であります在校等時間の把握を行っております。 

更問   県における勤務時間の考え方の教職員への周知徹底の手立てを伺う。

答(教育長)
 教職員個人が今入力します出退勤管理ファイルの中にですね、時間外在校等時間の考え方についてちゃんと説明が記載されておりますので、それを見た上で入力していただいていると考えております。

(北川議員ご意見)
今のお話の中にあったように相関関係っていうか、それは接する時間、その勤務の中身にきっちりと表れてくると思いますので、大変有効なものなんだと私としては思います。
今現場では、部活のことが取り上げられていることが多いですけれども、それ以外の子供とのどうしても接する場を外せない、関わりを外せない、そういうところの削減、それはもうどうしようもない部分がございます。
ぜひこれからもしっかりと、一人一人の先生、そして子供たちに向き合っていっていただくことをお願いしたいと思います。

問四  学校職員の勤務実態の把握について
 2 時間外在校時間が80時間を超える職員数や勤務実態も含め、所見と今後の姿勢を伺う。

答(教育長) 
 4月から7月までで、時間外在校等時間が月80時間以上の教職員の数はのべ1,574人となっておりまして、前年度、同時期と比べまして45.3%減っております。またその時間外在校等時間が80時間超えているという主な理由としましては、教材研究や部活動が挙げられております。
毎月行われております市町教育長会議におきまして、市町ごとの時間外在校等時間の具体的な状況をお示しし、市町教委として各小・中学校の業務改善を進めるよう求めております。
 また、県立学校には時間外在校等時間が月80時間以上の教職員の勤務内容について、学校長の指導内容や意見も添えて毎月報告を求め、教職員の意識改革や業務の平準化に努めるとともに、小・中学校におきましても、市町教育委員会に同様の取り組みをお願いしているところでございます。

 3 校務支援システムおよびタイムカード導入未実施の自治体では、どのような形で勤務実態を把握しているのか伺うとともに、市町に対してどのような指導と助言をしているのか、所見を伺う。

答(教育長)
 現在、タイムカードを導入していない市町は7市町ありますが、出勤時刻と退勤時刻を個人が出退勤記録エクセルファイルに入力しております。
教職員の負担軽減を図るため、現在、統合型校務支援システムの導入を進めておりますが、このシステムにはタイムカード機能が付属されており、未導入市町にシステムの早期導入を促しております。先月、市長会等でも、システム導入の予算化をお願いしたところでございます。

更問   統合型校務支援システム導入市町、未導入市町と時間外在校等時間月80時間超の教職員数との相関関係を問う。

答(教育長)
 システムの導入・未導入の市町と、時間外在校等時間月80時間以上の教職員との相関関係とのお尋ねだと思いますが、いろいろ分析しておりますと、明確な相関関係はみられません。
現場に聞きますと、システムを導入することで、事務作業は確実に減っているんですが、実はその効果をですね、生み出された時間を、児童生徒と向き合う時間に振り向けたりしている。また、様々な要因が影響していると思います。
何よりも教員一人一人のやっぱり意識改革とか、日々の業務改善が重要だと思っております。