9月議会 代表質問を振り返って

県議会の記録

9月定例会 民主・みらい 代表質問について

届き次第、理事者答弁とともに、私の所感を述べさせていただきます。(9/18 答弁内容を加えています)

1 知事の政治姿勢について

(1) 令和4年8月大雨災害

今回の災害により、被災された皆様には、心よりお見舞い申し上げます。
特に南越前町の被害は激しく、町内を走るJR北陸本線は線路が冠水して運休となり、北陸自動車道と国道8号には土砂が流入して通行不能となりました。嶺北と嶺南を結ぶ交通網は完全に寸断され、人流・物流に大きな影響を与えました。また、勝山市においても、法恩寺山有料道路の斜面が崩壊し、全面通行止めが発生しました。こういった交通網の遮断は8月末には解消されたものの、本格的な災害復旧はこれからであります。同じようなことが二度と起こることのないよう、抜本的な土砂流出対策の迅速な実施とともに、代替交通インフラの確保が重要であります。

➀県として、国や関係機関と連携した国土強靭化の取り組みを加速化させる必要があると考えますが、知事の所見を伺う。

答(知 事)
 今回の災害によりまして嶺南と嶺北の交通が寸断された中で中部縦貫自動車道を活用した広域迂回ルートが大変大きな効果を示した。また、後から見ると、北陸新幹線の土木工事のところには被災を受けていない、逆に言うと、北陸新幹線が開通していれば人の流れというのは遮断せずに済んだということも言える、やはりこうした大きな災害のときに交通インフラの複層化が非常に重要だということが認識できた。

 そういったことを踏まえ、先月26日に私は、国土交通省の副大臣に、また29日には近畿地方整備局長にお会いし、例えば国道8号線敦賀防災とか、またその北の南越前町大谷までのバイパス整備の促進ですとか、また北陸自動車道の土砂流出対策、さらには中部縦貫自動車道の整備促進、北陸新幹線の早期全線開通、こういったことを強く求めたところです。
 今後とも国やNEXCOに対しまして、こうした交通基盤、さらには国土強靭化に対して、力を入れていただくよう、要請を続けてまいります。

➁今回の災害を教訓としてハザードマップの重要性の啓発など、県民の防災意識をさらに高めていくことが必要であると考えますが、知事の所見を伺う。

答(知 事)
 今回の災害におきましては、ご自分の判断であるとか、また南越前町の赤萩地区などにおきましては、元々、河川でこのくらいまで水位が来た時には避難しようというようなことを事前に定めてあり、今回もその基準に達したということで、地区の役員の方が各戸に対して垂直避難を声掛けして難を逃れたということが表れている。
 このように被害をできるだけ小さく抑えるという上では、住民の皆さんが地域の災害リスクということを十分に認識していただいて行動をとっていく、もしくは事前にいろんな行動を定めておく、これがとても重要だということが分かっているところである。
 県といたしましては、ハザードマップを定めて住民によく周知をする。また、地区ごとの避難先や避難ルートなどを防災マップの中に落とし込んでおいて、それも周知を図る。また、住民が防災訓練に参加していただく、また新しいところでは、子どもの防災キャンプという考え方もあるわけでございまして、こうした色んな形で市や町と連携を図りながら、防災意識のさらなる向上を図って参りたい。


 今回、農業や水産業に大きな被害が出ており、浸水や土砂流入などによる作物被害だけでなく、農業用ハウスや内水面の養殖施設などの損壊も見られる。今後、生産者が経営継続を断念せざるをえない状況に追い込まれることも懸念され、県による積極的な支援が求められます。
県は、9月補正予算に、被災者の住宅再建の経費のための支援金や借入金の利子補給などを計上しています。
今回の大雨では、幸いにして人的被害は確認されていないものの、物的被害は甚大であり、家屋の全壊が7棟、半壊72棟など300以上の家屋に被害が出ています。多くのボランティアの皆様のご尽力もあり、復旧に向けた道のりは着実に前に進んでいると思われます。

➂被災者の生活再建のためには、住宅再建とともに、日々の生活費の負担軽減など、個々の被災者に寄り添った経済的支援が求められると考えますが、県として、今後どのような方針で取り組むつもりなのか、所見を伺う。

答(健康福祉部長)
 被災者の方が少しでも早く生活再建できるよう、県では床下浸水以上の被害を受けた全ての世帯の方を対象に本県独自の緊急被災者支援金を先月24日から支給しております。
 また、生活の立て直しのための資金を必要とする方に向けては、災害援護資金や生活福祉資金を用意しており、最大5年間無利子で貸付を受けられるよう、利子補給を行ってまいります。
 これら2つの貸付制度については、より多くの方が利用できるよう、先月、所得制限の緩和を国へ要望したところです。
 さらに、ひとり親世帯については、児童扶養手当における所得制限の解除や母子父子寡婦福祉資金貸付による支援を実施していきます。
 こうした支援に関する情報について、市町と連携し、しっかりと被災者に提供するとともに、福祉事務所等の身近な相談窓口においても、生活の立て直しの相談にきめ細やかに応じていきたいと考えています。



(2) 令和4年度9月補正予算

 県は、今回の予算において、「ふく育県」PRキャンペーン事業として、新たに首都圏におけるTVCMやユーチューブ広告を活用した広報等を行うため、約1億9千万円もの予算を計上しています。事業を実施する目的として、子育て世帯の移住・定住の促進、出生率の向上とありますが、補正予算に計上してまで取り組む緊急性、必要性がわかりにくく、なぜこのタイミングで実施するのか、県民に対して、丁寧な説明が必要なのではないでしょうか。

➃今回の9月補正予算における長期ビジョン推進に関する編成の考え方について、知事の所見を伺う。

答(知 事)
 今回の補正予算については、大きく、まずは大雨災害に対する対応、それから物価高騰対策、さらには新型コロナ対策。そして、ご指摘いただきましたような長期ビジョンに掲げました、例えば、北陸新幹線整備に向けた対策、こういった個別の対策についてもですね、必要と思われるものについては積極的に計上させていただいているというところです。
 例えばですけれども、敦賀のまちづくり、あと交通系のICカードの導入または県営の産業団地、できるだけそれを加速してやっていこうということで計上させていただいていますし、東京におります首都圏統括監、彼がですね、新しく開拓してきた北関東地区で福井をPRする、こういったことについても果敢に積極的に予算を計上させていただいている。また例えば、恐竜モニュメントの整備ですとか、大阪・関西万博への準備、こういったところはですね、今、色んな形で資材の納入が遅れているということを踏まえて、来年度当初と思っていたところですけれども、遅延が見込まれるということで、今回計上させていただいている。
 結果、財源の確保はしっかりとさせていただきましたし、また事業の選択と集中ということも徹底させていただいております。そのおかげで、今回は財政調整基金、こういったことの取崩しも行わないで、予算の編成もできていまして、今後とも健全財政を維持しながらです、必要なことについては、積極果敢に予算化を図るということで、進めていければと考えている。


➄併せて、知事が目指す「ふく育県」のブランド化のためのキャンペーンについて、9月補正予算に計上して実施する必要性は何か、知事の所見を伺います。

答(知 事)
 今年度当初予算で子育て予算を倍増させていただきましたおかげで人口一人当たりの子育て予算は全国1位ということで、「ふく育県」ということを我々は表明させていただいているわけです。これまでこういったことを続けてきた結果、昨年の合計特殊出生率は1.57ということで、全国の第7位と高い水準を維持しています。
 一方で、今年の妊娠届出数を見ると、このままいくと、年内で出生数が初めて5千人を切る可能性があるという危機感があるわけです。通常であれば、出生数は翌年の1月とか2月に概算の数字が出て、その時期だともう翌年の予算にも間に合わない時期かもしれません。そうすると翌々年に対策を打つことになるわけで、前もって妊娠届を把握することで、今、手を打てばちょうど人が動く時期である来年の3月、4月の年度末、年度初めの移動に対して、子育て県であるということがPRできるということで今回計上させていただいている。
 また今回、全国1番となりますけども、不妊治療の助成、こういったことも打ち出しがうまくできる、さらに言えば、アンテナショップが来年初めにオープンしていきますので、その宣伝もしなくちゃいけない、あわせてやれば効果が倍増する、こういうことで今回計上させていただいているところです。



(3) 第7波を踏まえた新型コロナ感染症対策

 県は、医療機関や保健所の負担を軽減し、重症化リスク者に対してより重点的な対応が出来るよう、軽症者等の発生届を不要とするといった発生届の限定化を決めました。また、これに合わせて、発生届の対象外となる感染者の健康観察体制を拡充するため、これまで症状がある患者に案内していた複数の相談窓口を一本化し、新たに総合相談センターの設置を進めるとしています。第7波における爆発的な感染拡大を受けての今回の改善策は、評価できる一方で、新たな課題も浮かび上がっています。

➅医師や看護師からなる往診チームについて、その規模や編成メンバー等具体的な運営方針を伺うとともに、市町を範囲とする医療圏域の間で往診体制に格差のない運営が求められると考えますが、知事の所見を伺う。

答(知 事)
新型コロナ対策のなかで高齢者入所施設とか、在宅の皆さんに対しては、本来であれば嘱託医の皆さんや主治医の皆さんが往診に行かれて、そこで適切な治療を施すことが重要だと認識しています。
 ただ、いろんな形でなかなかそれができないことがあるわけで、そういったことを踏まえ、県では各医療機関に声がけをさせていただいて、現在すべての保健所管轄区域内において32の医療機関に参加をいただいて、県が医師・看護師のチームを組んで往診ができる体制、これを整備してきているところです。
 あわせて、今回医師のいろんな指示のもとに、さらに大事なことは、その方の病状を把握し続ける、もしくは処置をし続けていく。そういうことが大切ですので、県内の訪問看護ステーション連絡協議会と協議して、そうした継続的な訪問看護ができるような体制も整えようとしています。
 さらに、大阪を中心にやられておられる、KISA2隊という制度がありまして、簡単に言うと有志のお医者さんと看護師さんがチームを組んで個人宅の往診に回るという制度、仕組みですけれども、これを福井県にも導入して、現在のところ福井市医師会の中で医師5名の方に手を挙げていただいており、さらに訪問看護事業所のご協力もいただき、こうしたチームを活用しようと、今準備を進めております。これをですね、今福井市の医師会ですけれども、全県に広げられるように今医師会とも相談しながら参加の呼びかけをさせていただいていまして、今後とも全県的に安心して療養していただける体制をつくってまいりたいと考えています。



(4) 物価 高騰に伴う県内経済への影響

 先月、日銀が発表した7月の企業物価指数は、前年同月比で8.6%上昇しており、特に輸入物価指数は48%も上昇しています。
人口減少に歯止めがかからない中、地方における中小零細企業の維持・発展は地域経済に活力をもたらすだけでなく、わが国全体の産業力を牽引していくことになります。しかし、コロナ渦に加え、こうした原油・物価高騰の影響が長期化することも予想されており、資金力が乏しい中小零細企業の中には、経営破綻を余儀なくされるところも出てくるのではないかと懸念されます。
 県内の多くの中小零細企業は、経営が厳しい状況でありますが、その大きな要因として、企業が十分な価格転嫁を進められていないことが考えられます。この価格転嫁について、小売業などにおいては価格競争の面で不利になるとして、どうしても躊躇する企業も多いと思われます。そこで、消費者側の視点に立った施策を実施することも必要ではないでしょうか。例えば、他県の事例をみると、世田谷区でスタートした「せたPay」は翌月に価格転嫁分として30%ポイント還元することで価格が上がった商品を購入でき、さらに加盟店にも5%のポイントを付加する事で売る方も価格を上げやすいという消費サイクルを生み出す思い切った施策を実施しています。

➆県内の経済界も強く求める、製造業が多い福井の中小零細企業の価格転嫁を促進する取り組みをどのように進めていくのか、また小売業の価格転嫁対策として、世田谷区のように事業者側にもメリットがある方法等も検討すべきと考えますが、知事の所見を伺う。

答(知 事)
 健全なサプライチェーンを維持していくことはとても大切なわけですが、そのためには、高騰している原材料価格の転嫁を適切に進めて、社会全体でコストを負担していく体制を築いていくことが重要だと認識しています。
 そこで、県といたしては、商工会議所等の団体とともに、製造業について申し上げれば、まず、発注者側には価格交渉にできるだけ積極的に応じていただきたいと要請をさせていただいております。また、受注者側に対しては、価格交渉力をできるだけ強化できるようにということで、セミナーを定期的に開催させていただいており、適正な転嫁が実現できるように、今、力を入れているところです。
 また、小売業につきましては、最終的には消費者の皆さんが高い物でも買っていただくということが必要なわけですので、こういった点につきましては、消費が抑制されないようにということで、福井県の場合は、ふく割の発行を拡大することで、対策を講じています。例えばで申し上げますと、その効果につきましては、ご指摘いただきました「せたがやPay」、これは人口91万人ぐらいの世田谷区ですけれども、12億円の予算を持ってやられております。福井県におきましては、概ね76万人の人口で、27億円の予算を持ってやらせていただいておりますので、一定の効果があるものと認識しています。
 さらに、経済界からは、例えば、この価格転嫁について交渉に応じますよというようなことを宣言する企業、「パートナーシップ構築宣言」と言いますが、そうした企業を拡大してほしいという要請をいただいています。そういうことで、県としては、県の補助金の加点措置を「パートナーシップ構築宣言」をした企業に対して講ずるというようなことも含めて、行わせていただいており、今後とも適正な価格転嫁が進むように考えているところです。



(5) 原子力発電所の安全性の確保
 
 岸田総理は、先月24日のGX(グリーントランスフォーメーション)実行会議において、原子力発電所に関し、「次世代革新炉の開発や運転期間延長について、年末に具体的な結論を得られるよう検討を加速してほしい」と指示しました。
特に、運転期間延長については、原子炉の脆化等を踏まえた原発の安全性という科学的な根拠と、福島第一原子力発電所事故の反省も踏まえ、40年運転制が法律に明記されました。特例で20年の延長は認められるものの、40年で運転を終了させ原発依存度を下げていくという当時の国会議論を踏まえた政治的メッセージが含まれています。福島第一原子力発電所の事故の終息、廃炉への道筋が見通せない中、特例で認められる60年運転を超え、更なる運転期間延長の議論を進めるべきではない、と考えます。
 さて、40年超運転となる美浜3号機は、テロ対策施設が未完成のため10月以降に運転再開を予定していましたが、関西電力は、その時期を2ヶ月早め8月12日に運転開始するとしていました。ところが、その準備段階であった先月1日、7トンもの放射能を含む冷却水漏れが発生しました。その原因は、ボルトの締め付けトルクの数値について、協力会社のパソコンに保存されていた誤ったデータを引用したという人為的ミスであります。また、その少し前、7月21日には、高浜3号機でタービン建屋に隣接するポンプ室で油漏れが発生しており、7月8日には定期点検中の高浜4号機において、蒸気発生器の細管減肉が12本確認されています。
 このように、短期間に相次いで安全上の人為的ミスや不具合が発生しており、その度に関西電力は、独自の対策によって応急処置を実施し点検を繰り返していますが、果たして県民が安心できる、確実な安全性を担保できているのか、大きな懸念を抱かざるをえません。

➇こういった重大な事象が確認された際、県として、原因と対策を検証するために、直ちに福井県原子力安全専門委員会を開催する必要があると考えます。また、原子力の専門家からなるこの委員会は、確実な安全対策や改善の工法について積極的に提言していくべきと考えますが、知事の所見を伺う。

答(知 事)
 今回短期間で9件と言われておりますけれども、原子力発電所に関するトラブルが発生をいたしているところです。こうしたトラブルにつきましては、一つ一つのトラブルを、確実に対策を講じていく、そうすることで、全体として、プラントの安全確保を万全にしていくということが重要だということを認識しています。
 県といたしましては、これまでも、トラブルが起きるごとに、聞き取りを行いまして、さらに原子力職の職員を現場に派遣をして見させていただいています。先月の美浜3号機の水漏れ事故におきましても、これについても、事業者を呼びまして、その作業員に対する安全意識の徹底、さらには現場力の向上といったものの申し入れも行わせていただいています。
 さらに、原子力安全専門委員会との関係で申しますと、トラブルが起きるごとに安全専門委員会の委員のみなさんのご助言をいただきながら対応をさせていただいておりますし、さらに一定程度その対策が講じられてきましたら、事業者の対策の内容について、安全専門委員会で議論いただいているということを行っています。今回のトラブルにつきましても、早期に安全専門委員会を開催して、今後とも事業者の対応について厳正に確認をしていきたいと考えています。




2 行財政改革について

(1) 県職員、教職員の定年延長

 令和5年度から始まる地方公務員の定年延長について、今定例会において、関係する条例の一部改正案が上程されており、職員の定年が60歳から65歳に段階的に引き上げられることになります。これにより、令和13年度まで、原則として2年毎に定年退職者がいない年があることになりますが、この間の新規採用をどうするかが課題としてあげられます。
 決められた職員定数の中では、通常、退職者がいない年には新規採用者はゼロとなりますが、将来の職員確保に支障を来す恐れがあり、昨年度の国会においても、地方公務員法の改正の際に議論がなされています。総務省からは、定年引上げ期間中における一時的な増員は当然という認識が示されています。そこで、この定年延長の段階的な引上げ期間を好機ととらえ、不足している自治体職員や教職員の増員につながる採用計画を作成すべきであります。
 自治体職員は1999年に始まった市町村の大合併に始まり、これまで大幅に職員数が減らされてきました。しかし、今般の新型コロナやこれまでにない自然災害への対応などにより職員は忙殺されています。職員不足は明らかであり、多忙化を解消し、さらに質の高い行政サービスを確保するためにも、退職者がいない年においても新規採用者はこれまで通り採用するとともに、将来的には職員の定数を増やしていく必要があると考えます。

➀定年の段階的な引上げ期間における職員の採用方針を伺うとともに、計画的に職員の増員を進めていくべきと考えますが、所見を伺う。

答(総務部長)
 質の高い行政サービスを将来にわたり安定的に確保していくことは、重要であるというふうに考えており、このため、定年引上げ期間中におきましても、定年退職者の有無に関わらず、一定の新規採用者を継続的に確保していく方針です。
 その際、毎年の採用数につきましては、職種ごとに年齢構成や採用の困難性などが異なることを踏まえる必要がございますが、例えば、一般事務職の場合、定年引上げ期間後の令和16~18年におけます大量定年退職の時期を考慮して平準化するなど、中長期的な観点から採用数の平準化を図ってまいりたいと考えています。
 今後の職員数につきましては、全国最少水準を基本としつつも、新たな行政需要や社会情勢の変化に適切に対応できるよう、DXの推進や働き方改革などによります業務効率化を進めながら、必要な人員を計画的に確保してまいりたいと考えています。


➁併せて、教職員についても、定年引上げ期間における教員の採用方針を、教育長に伺う。

 学校現場の教員数は、昨年の国の調査では、全国の公立小中高校と特別支援学校における教員不足数が2,558人とされており、本年はさらに不足が拡大するとの報道も見られます。近年、気がかりな子どもたちへの対応、貧困・いじめ・不登校など解決すべき課題が山積しており、また、産休・育休や病気療養で教員の欠員が生じた場合、年度途中や教科によっては、代替教員が見つからないことが挙げられます。本県では、本年4月から小中学校において、再任用の教員を原則フルタイムのみとして、年度途中からの代替教員の安定した確保につなげていくとしています。
➂本県における教員不足の現状を伺うとともに、様々な課題に対応していくためにも欠員が生じた場合、具体的にどのような方針で教員を確保するのか、所見を伺う。

答(教育長)
 本県における今年度の教員不足の現状は、小中学校で合わせて12人、内訳は小学校が10人、中学校が2人ですが、12人あります。いずれも国の基準による配置数は満たしており、県独自で配置している教員で担任は確保できていますが、TT少人数や習熟度などの加配教員が確保できていない状況です。
 年度途中に、教員が産休・育休等で欠員が生じた場合には、1年間のフルタイム勤務が難しい退職教員に、短期間での臨時的任用講師として、代替教員をお願いしています。
 また、育児や介護等を理由に一旦学校から離れた教員免許状保有者について、日頃から市町教育委員会と連携して情報収集にあたり、代替教員の確保に努めています。




3 エネルギー行政について

(1) 洋上風力発電の推進

 県は、本年4月、あわら市沖の洋上風力発電について、「再エネ海域利用法」に基づき、経済産業省などに対して、計画地の風の状況や水深に関する情報を提供しました。これは、事業化に向けた4段階のうち、3段階目に当たる「有望な区域」への選定に向けた手続きであり、今秋にも選定の可否が公表される予定となっております。
国が有望な区域に位置付けると、地元自治体や漁協などが参加する「地域協議会」が設置され、事業化した際の利点や課題が話し合われます。昨年、有望な区域の選定にいたらなかった課題として、こういった地元関係者との調整、特に隣接する石川県や石川県内の漁業協同組合との調整が思うように進まず、利害関係者が特定されなかったことが一因にあると認識しております。

➀そこで、有望な区域の選定に向け、石川県や漁協とはどのような協議が行われているのか、利害関係者の特定はどの程度進んでいると認識しているのか、所見を伺う。

答(安全環境部長)
 あわら市沖の洋上風力発電については、事業の想定区域が県境付近であることから、石川県や加賀市も協議に参加するということが必要です。このため今年の5月、国に対しまして、県境をまたがるエリアの意見の調整を行うよう要請を行いました。
 これを受け、今月の6日、資源エネルギー庁が主催いたしまして、資源エネルギー庁、石川県、加賀市、あわら市、福井県の5者で話し合う機会が設けられたところです。
 話合いの場では、あわら市沖の事業計画や先行する他地域の状況について、情報を共有いたしました。また石川県漁協は、地域協議会への参加意向を示しているということが示されたところです。
 今後も漁業や景観への影響、地域振興などについて継続して話し合うこととなっており、有望な区域の選定に向けまして、関係者との協議を進めてまいりたいと考えています。



 洋上風力は政府主導で進められており、日本海側を中心とした複数の地域において計画が立ち上げられています。しかしながら、工事拠点としての条件を備えた「基地港湾」が圧倒的に不足しているため、建設工事が進まないという課題が出てきているようです。現在、基地港湾は全国で4港しか指定されておらず、仮に、このままあわら市沖が促進区域に指定された場合、直近の基地港湾が秋田港となり、他の地域に比べて輸送コストがかかり、発電コストが跳ね上がってしまう可能性も懸念されます。
➁基地港湾には、風力発電設備のブレードやタワーといった重厚な部材を扱える耐荷重・広さを備えた埠頭が必要になるようですが、県内や近隣の北陸地域の港湾における、基地港湾指定の実現可能性をどのように考えるか、所見を伺う。

答(土木部長)
基地港湾に指定されるためには、2箇所以上の洋上風力発電計画地が必要とされておりますが、福井港周辺におきましては、あわら市沖1箇所しかなく、現状では福井港の基地港湾の指定は難しい状況です。
 また、北陸地域におきましては、新潟市内にあります新潟東港において、基地港湾の指定を目指す動きがあります。
 こうした基地港湾の指定の動きや、あわら市沖洋上風力発電計画における国、関係自治体、漁業者の協議状況を踏まえまして、工事拠点となる港湾につきましては、国土交通省や発電事業者と協議を進めて参りたいと考えています。



(2) 実効性のある原子力防災訓練

 原子力防災訓練については、昨年度は10月に美浜発電所3号機での重大事故を想定して実施されました。コロナ禍における訓練ということで、それまでの1,000人規模の訓練ではなく、参加者は約320人と絞られ県外避難も実施されないものとなりましたが、そういった中でも、LINEを活用した避難所運営や、翻訳アプリを使用した外国人への避難誘導、感染予防対策として十分なスペースを確保するため避難場所からさらに別の場所へ避難する訓練など、新たな試みも行われました。
我が会派では、福祉施設における避難訓練の必要性を訴え、議会の場においてもたびたび質疑等を行ってきました。昨年初めて福祉施設での受け入れ訓練が行われましたが、課題として、介助のための職員やスペースの確保、さらには実際の福祉施設の利用者による訓練の実施などを指摘しております。
本年度は、国が主催する訓練が実施されるようですが、こういった課題をしっかり反映させ、効果的な訓練となるよう、県がリードすべきと考えます。

➂本年度の原子力防災訓練について、昨年度の課題を踏まえ、県として、どういった視点に重点を置いた訓練を実施すべきと考えているか、所見を伺う。

答(安全環境部長)
 昨年度の訓練においては、コロナ禍でありましたことから、参加住民の人数を絞り県外避難は実行いたしませんでした。また、外国人の中にはWi-Fiの環境でしかスマートフォンを使用できないという方がいらっしゃって、こうした方への情報伝達、さらには、避難が長期化した場合に備えた福祉施設の対応などの課題があったと考えています。
 今回の訓練は国が主催し、福井県は参加するという形であり、現在、国が関係機関と訓練内容等の調整を行っています。県としては、今後のコロナ禍の状況にもよりますが、多くの住民の方が参加した県外避難の実施、福祉施設における共有スペースの確保など、昨年度の課題を反映した内容となりますよう国と調整を進めていきたいと考えています。
 また、より実践的な訓練となるよう、住民避難の際の自衛隊ですとか海上保安庁のヘリ・船舶の増強などを国に求めているところです。




4 福祉行政について

(1)第7次障がい者福祉計画の策定

 令和4年5月、「障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法」が公布・施行されました。全ての障がい者が、あらゆる分野の活動に参加するためには、情報の十分な取得利用や円滑な意思疎通が極めて重要であります。この法律は、障害に応じて情報を得る手段を選択し、時間差なく必要な情報を得ることができるよう環境整備を進めるため、国や地方自治体の責務を定めたものであります。国会審議の過程では、衆議院の付帯決議において、災害時の情報保障や資格試験等のバリアフリー化の促進など、障がい者が他の人と同じように情報を得られ、サービスを利用できるよう、財政的な措置を含め、必要な検討を行うことなどが示されています。
 一人も取り残さないという指針の下、共生社会を目指す本県においても、障害があることで日常生活や災害時に必要な情報を得ることが困難となる「情報格差」の解消を目指すことは大変重要であります。現在、策定作業が進められている、第7次障がい者福祉計画においても、こういった施策を積極的に位置付けるべきであります。

➀県は、今回の第7次障がい者福祉計画の策定に当たり、障がい者の情報格差の解消に向けた取り組みをどのように位置付ける方針か、所見を伺う。

答(健康福祉部長)
 本県では、平成30年に県共生社会条例および手話言語条例を施行し、第6次福井県障がい者福祉計画に基づき、意思疎通支援の充実に取り組んでおり、手話通訳者・要約筆記者等養成数は、令和4年度までに2,000人の目標に対しまして、令和3年度末時点で約1,800人となっております。
 「障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法」では、意思疎通支援者の確保・養成のほか、災害時や緊急通報時などにおいて、地域にかかわらず等しく情報取得等ができるようにするための体制整備などが、国や自治体の責務として明記されました。
 この法律を踏まえ、あらゆる場面において障がい者が必要な情報を迅速かつ確実に得られるよう、行政情報のバリアフリー化や災害時の情報保障等につきまして、今年度策定する第7次障がい者福祉計画において重点的に取り組む施策の一つとして位置付けていきたいと考えています。



(2)質の高い保育の実現

 国は、保育士・介護士・看護師の処遇改善を打ち出し、今年2月から、収入を3%、金額にして9,000円相当引き上げることを決定しています。10月以降は、3%が処遇改善加算として、公定価格に上乗せされるようですが、現場の保育士からは、慢性的な人手不足、それによる現場の保育士の負担軽減への、根本的な解決にはならないという声も聞こえてきます。
 その原因の一つとして、厚生労働省が定める「保育士の配置基準」が低すぎることが挙げられます。「ふく育」県として、県民が安心できるレベルの高い保育を維持していくためには、配置基準を上回る保育士を確保する必要があり、ほとんどの施設が自らの負担により基準を上回る保育士を配置しています。現在の配置基準を見直す必要があり、それに基づく適正な公定価格を設定することが求められていると考えます。
本県では、0~2歳の低年齢児の担当保育士を、国の基準より増員して配置した場合、人件費の助成を市町と共同で拡充しています。今年度からは、全国に先駆けて、新たに公立を補助対象としています。全国的にも誇るべき制度であると考えますが、その内容をみると、低年齢児の入所数に応じて、基準を超えて配置した場合の助成額は、一人につき月額12万円であり、保育の質を確保するためにも、その拡充を考えることが必要であります。

➁県は、質の高い保育の実現に向け、国の示す保育施設における保育士配置基準の見直しの必要性をどのように認識しているのか、また、市町の要望等も踏まえ、施設における保育士の増員を促進するための支援の拡充を検討すべきと考えますが、所見を伺う。

答(健康福祉部長)
 保育士の配置基準については、長い間、現在の水準が続いており見直しの必要性は認識していますが、見直した場合の全国的な保育士不足への影響も考慮する必要があり、本県では、各園の判断で低年齢児の担当保育士を加配した場合に人件費を支援する仕組みを設けております。
 国に対しても、各園の努力で基準を超えた配置を行った場合に公定価格で加算を行う仕組みの創設を要望しているところです。
 また、今年度からは、県の加配支援制度をより利用しやすくするため、対象範囲を私立園の1、2歳児から、公立園や0歳児担当保育士にも拡げたところであり、配置する園も、昨年度38園でございましたが、今年度は80園に増加しているというところです。
 今後も、保育現場や市町の意見等を聴きながら、事業内容の見直しや保育人材の確保を進め、必要な場合に保育士加配が着実に行えるよう努めます。 



(3)ヤングケアラーへの支援

 厚生労働省は、ヤングケアラーの支援対策強化に向け、学校などで把握されたケアラーの情報を各自治体の1部門に集約する新たな枠組み作りに取組む方針を示しました。今回示された案では、ケアラーの情報は、学校からスクールソーシャルワーカーを通じて自治体に伝わる流れであり、児童福祉部門などを集約先として想定しています。近く有識者らによる検討チームを設置し、新枠組みを複数の市町村で試験運用する方針です。
 国の方針で示されたケアラーの情報の流れや全体状況を把握する部門が出来れば、埋もれがちなヤングケアラーを見つけ出せる、子ども達の家庭や学校生活の状況を踏まえて支援漏れがないかがチェック出来る、ケアラーの人数など詳細な実態把握につなぐことが出来る、といった効果が期待されます。
 本県においては、本年2月の予算決算特別委員会において、健康福祉部長から、市町に担当窓口を設ける取り組みを進めるとの答弁がありましたが、これは、このほど国が示した方針に先行するものと言えます。ただ、国はヤングケアラーの情報を学校からスクールソーシャルワーカーを通じて集約するとありますが、県は明確ではありません。
すでに情報集約の受け皿に着手している本県として、学校を活用した情報集約システムを早期に構築し、国の試験運用に積極的に参加することで、全国に先駆けたヤングケアラー支援体制を進めることができるものと考えます。

➂学校を活用した情報集約システムを早期に構築し、国の新枠組みでの試験運用に積極的参加すべきと考えますが、所見を伺う。

答(健康福祉部長)
 学校は子どもが多くの時間を過ごす場であり、ヤングケアラーである可能性に気づきやすい場として、重要な役割を担っています。
 学校では、教員やスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーにより早期発見に努めており、ヤングケアラーの疑いのある生徒については、必要に応じて学校内でケース会議を行っています。学校が把握した情報は、各市町の相談窓口など福祉機関と共有して、連携しながら支援を行っているところです。
 今後もスクールソーシャルワーカー等を対象とした研修会を継続し、早期発見と適切な支援を促してまいります。また、国の新たな枠組での情報集約の試験運用への参加ということについては、実施主体は市町であるために、具体的なやり方が示された段階で市町と相談してまいりたいと考えています。




5 産業行政について

(1)新幹線開業後の県内産業の活性化

 現在、県内において、経済界を中心としてアリーナ建設が議論されていますが、県内には、類似の機能を持つ施設として、サンドーム福井、福井県産業会館があります。この2つの施設については、コロナ禍でも営業活動、広報活動に力を入れ、修繕等の経費節減にも努力を重ね、適正な施設運営が行われている状況であります。そういった努力の成果として、令和3年度の利用率は、目標をほぼ達成し、サンドームの事業収益は予算額の倍、産業会館は100%に近い収益を得ています。
 しかしながら、県内産業の振興という視点で見ると、会館の利用頻度が高いのは、自動車の展示会やコンサート、集客イベントが多く、産業の振興に向けた活用が少ないのではないでしょうか。サンドームが年間約150日、産業会館は約200日という目標を設定しておりますが、年間を通した利用率は40%〜55%となっています。特に産業会館は、建設後42年を迎えており、施設の老朽化等により今後利用率が飛躍的に向上するとは考えにくい状況です。また、本館は利用率が低く産業の展示コーナーも古いイメージになっています。この新幹線開業後のタイミングで、産業会館が福井県の産業活性化の発信源となるべきだと考えます。

➀新幹線開業を契機として、本県の強みである伝統産業や眼鏡、繊維といった県内産業を、観光としても集客できるデザイン性の高い施設にリニューアルすべきだと考えますが、今後の福井県産業会館のあり方について、所見を伺う。

答(産業労働部長)
 福井県産業会館は、昭和55年に大規模な見本市や展示会などの専用施設として、県・福井市・産業界が共同で整備したものでありまして、以来、(一財)福井県産業会館が独立採算制の下、運営管理を行っております。
 ほぼ毎週末事業が行われており、10月には33回目となります北陸技術交流テクノフェアが開催予定です。また、昨年度はコロナ禍の中ではございましたけれども、16万人を超えるご来場をいただいています。
 施設管理自体は適切になされており、今、直ちに大規模なリニューアルが必要な状況にはないと認識しています。ですが、新幹線が開業し、大交流時代を迎えるにあたりましては、こうした展示施設に求められるニーズというものも多様化していくのも事実であり、サンドーム福井と併せまして、施設の管理者ともよく議論させていただきながら、時代に即した、またニーズを踏まえた施設管理に努めてまいります。




6 教育行政について

(1)部活動の地域移行に向けた検討

 中学校部活動の「地域移行」について、スポーツ庁と文化庁は、関係者間の連絡・調整を行う総括コーディネーターを各自治体に配置するなど体制整備を進める方針を決定しました。また、部活動の受け皿となる総合型地域スポーツクラブや民間事業者、文化芸術団体などと学校をつなぐ、コーディネーターを地域ごとに置くとしており、2023年度の概算要求として、118億円の予算を盛り込みました。
 中学校部活動の地域移行については、県議会においても、これまで数々の議論が行われてきました。指導者や練習場所の確保、練習場所までの移動、保護者の負担、指導者を希望する教員の兼業問題など多くの課題が挙げられていました。しかしながら、国から明確な方針が示されていなかったため、県としての方向性が十分定まっていない状況であったと認識しています。
今回の国の方針においては、これまで議論されてきた課題の中で、指導者の確保・養成、困窮世帯の生徒への公的支援についての方向性は示されましたが、指導者を希望する教員の身分の考え方など、まだまだ明確にしなければならない多くの課題があり、整理する必要があると考えます。

➀今回のコーディネーター配置等という国の方針を受け、今後、本県の休日部活動の地域移行を具体的にどう進めていくのか、そのためには、さらに国が明確に示すべき課題は何なのか、教育長の所見を伺う。

答(教育長)
 文部科学省の概算要求の中には、コーディネーター配置や実技指導等を行う指導者の配置、経済的に困窮する世帯の子どもの会費支援など、市町が活用できる支援策も含まれておりますが、運営団体や実施主体の整備充実、または広域的な人材バンクの設置、あるいはtotoによる施設整備・マイクロバスの助成、といったことについては、その具体的な支援内容がまだ示されていません。
 文部科学省は、概算要求に対する質問を都道府県からメールで受け付け、後日一括して回答するとしております。
 今後、その支援内容を確認し、これまで行ってきた休日部活動の現況調査や、指導者や中学生の意向調査等の結果を基に、市町ごとに、市町教育委員会が主体となって、中体連や県、地域のスポーツ団体、文化芸術団体等も参加しながら、個々の中学校の具体的な休日の部活動の地域移行について検討してまいります。