◎6月議会 一般質問記録

県議会の記録

問一  教員配置について

 

  1. 現在欠員補充として採用されている教職員を正規で採用することの難しさは、どこにあるのか伺うとともに、学級担任については、正規での採用を目指していくべきと考えるが、教育長の考えを伺う。
  2. 改善のための一歩として、担任をしている欠員補充を正規で確保することは、財源的に可能であると考えるが、今後の方向性について、所見を伺う。
(1、2一括答弁)

 

答(教育長)

 
 現在欠員補充として採用されている教職員を正規で採用することの難しさやまた担任を正規で確保することについてのお尋ねであります。一括してお答えいたします。
 
 今後、児童生徒数の大幅な減少が確実な状況の中で、それに伴い教員の定数減が見込まれることから、すべての教員を正規化することはできません。そのため、長期的な見通しを立て、採用数を決定しております。臨任講師の割合については福井県は、全国で4番目の低さであります。
 
 また、少人数教育を推進しているため、国の基準よりも多くの担任が必要となっており、指導力のある講師の中には担任として活躍していただいている方もいらっしゃいます。
 
 こうした講師が安心して担任を続けながら採用試験に挑戦しやすくするため、今年度実施の選考試験からは専門学科を課す1次試験全部を免除する制度を設けました。その結果140名がその制度を活用して2次試験に臨む予定でありまして、面接や小論文で講師経験を生かせるものと期待しております。
 

問二  新型コロナとこれからの教育について

 

  1. インターネット環境、Wi-Fi環境についてどのように分析しているのか伺うとともに、動画視聴の活用状況とその成果について、所見を伺う。

 

答(教育長)

 
 インターネット環境、Wi-Fi環境の状況について詳細な調査は行っておりませんが、今回の臨時休校中に、ケーブルテレビやスマホ等で、学習動画を自宅で視聴できない小中高生が約1600人おり、DVD再生機を県が確保し、貸与したところであります。
 
 市町の教育長や県立高校長からは、児童生徒が学習動画を真剣に視聴し、自分なりにノートにまとめたり、先生に質問したりするなど、主体的に学ぶことにつながったと聞いております。また、教師が学習動画の作成を通して学習のポイントをわかりやすく伝え、家庭での自主的な学習を促す手法を研鑽することができております。
 
 小中高校を問わず、学習動画と各学校が課した家庭学習、いわゆる在宅授業によりまして、再開後の授業では、学習の定着を確認しながら、スピードアップが図られております。
 

問二  新型コロナとこれからの教育について

 

  1. 動画による学びの定着の確認は何を使いどのようにしていくのか、また、そこでのばらつきや未定着があった場合にどのような手立てをとっていくのか、伺う。

 

答(教育長)

 
 休業中に各学校が課した家庭学習の状況をはじめ、学校再開後の児童生徒の授業中の様子や小テスト等で学びの定着を確認している。
 
 学びの定着が不十分である場合には個別に指導したり、追加の家庭学習を適切に課す等、児童生徒の負担に配慮しながら、一人ひとりに応じて支援している。
 

問二  新型コロナとこれからの教育について

 

  1. (更)先ほど学びの保障、小テスト、学び直しというところで、個別に指導という言葉がございましたが、今、教育現場にその余裕がない。放課後は消毒にあたります。そして、時間が来たら、次の準備に入る。そのような中で、補習、または個別の指導という時間が大変厳しい、その現実を分かっていただきたい。現場の声をどれだけ吸い上げているのか、伺う。

 

答(教育長)

 
 ご質問のあった小テスト、個別指導、なかなか余裕がないというご意見ですけれども、各市町で、あるいは各学校でいろいろな工夫を凝らしているとは聞いているのですが、再度、市町の教育長とこういった件についても話し合いたいと思います。
 

問二  新型コロナとこれからの教育について

 

  1. 夏季休業の短縮や土曜日の授業実施について、どのような計画により進めていくのか、方向性と明確な理由を伺う。

 

答(教育長)

 
 小中学校については、各市町教育委員会の方針によりまして、学習の遅れを取り戻すことや第2波への備えとして、学習を進めたいという考え方のもと、夏季休業の短縮を計画しております。その際、宿題を少なくしたり、部活動等で登校する日を減らすなど、児童生徒が休養を取り、自主的な活動を行うことができるよう配慮すると聞いております。
 
 土曜日の授業につきましては、実施するところはないと聞いております。
 
 県立高校では、休業中の学習内容の定着を確認しながら授業の進度を速めておりますが、再び感染が拡大することを想定し、夏季休業を短縮して、普通科高校では、従来の補習を授業に振り替えて教科書の内容を進め、職業系高校では、休業中にできなかった実習等を行ってまいります。
 

問二  新型コロナとこれからの教育について

 

  1. デマンドの最高値に近づくと警報が出る市町の数を伺うとともに、子どもたちの健康を最優先し、デマンドにとらわれず、エアコンの使用や必要な予算を確保するべきと考えるが、今後の方向性を伺う。

 

答(教育長)

 
 デマンドの設定値に近づくと警報が出る機器を設置している市町は10市町でございます。
 
 各学校では、感染症対策として、マスクの着用や換気の徹底等を実践しているため、例年以上に子どもたちは暑さを感じていると考えられます。このため、子どもたちの健康を第一に考えた空調稼働の重要性や、デマンドを抑える工夫、例えば、空調の稼働開始時間を分散させたり、あるいは、換気する際には、空調をその都度消したり、つけたりしないということも大事だと聞いておりますので、そういったことにつきまして、県立学校や市町に周知しております。
 
 特に今年度は、エアコンだけでなく、特別教室や体育館にスポットクーラーや大型冷風扇などを新たに設置することとしておりまして、例年以上の電力需要が見込まれます。このため、先日、北陸電力と関西電力に対し、デマンド制の見直しを私は要望しにまいりました。また、県立学校につきましては、今後、毎月の電力需要を注視しながら、必要な予算を措置してまいります。
 

問二  新型コロナとこれからの教育について

 

  1. (更)デマンドのことですけれども、これは予算がかかわってくる問題です。ですから、教育長が各市町の教育長会議の中で訴える、そのレベルを超えてきます。ぜひ知事には、市町の首長の会議の中でぜひデマンドを取っ払って、とにかく現場を信頼して命、それから健康、子供たちの学びを絶対電気の面では心配するなとそのことを伝えていただきたいと思うのですけれども、その点で知事のお考えを伺います

 

答(知事)

 
 デマンドの電気料金については、先ほどから教育長からも答弁がありましたけれども、まず子供の健康第一、または学習環境を整えるということが第一ということで、特に今年の場合は通常と異なった環境ですので、そういったことにとらわれないで進めるように教育長に申し上げており、各市町にもしっかりと督励してまいりたいと思っております。
 

問二  新型コロナとこれからの教育について

 

  1. 夏季休業中の授業日の給食実施の方向性を伺うとともに、給食調理現場の状況把握と食材管理、エアコン設置などの職場改善計画について、所見を伺う。

 

答(教育長)

 
 県立学校、高志中学校を含めまして、特別支援学校が11校、道守高校について、工事のため実施できない1校を除いて12校で、夏季休業中の授業実施日の給食を予定しております。
 
 県立学校の調理室には全てエアコンが設置されており、夏季休業中も通常通り、国の学校給食衛生管理基準に基づきまして、調理室や食品保管の温度・湿度管理に努めてまいります。
 
 小中学校につきましては、全ての市町で給食実施を検討していると聞いております。調理室のエアコン設置状況等は学校や給食センターによって様々であります。
 
 したがって、夏季休業中に授業日を設け、給食を実施する場合は各市町教育委員会において、食材保管や調理時間が短くなるよう献立を工夫していただくなど、衛生管理を徹底してまいります。
 

問二  新型コロナとこれからの教育について

 

  1. (更)給食調理現場の声をどれだけ吸い上げたのか。

 

答(教育長)

 
 県は、いろいろ保健体育課から学校給食会を通じまして、いろいろ給食、自校式なりセンター方式なりいろんな問題、特に、夏、今年の夏は暑いと聞いておりますので、きちっと管理、衛生管理を徹底するようですね、引き続き意見を吸い上げながら、取り組んでまいりたいと思います。
 

問二  新型コロナとこれからの教育について

 

  1. 県の指導主事について、学校訪問等ではなく、今後の現場対応に集中する体制を整えるとともに、教育総合研究所が中心となり、動画作成に加え、NHKや文部科学省から紹介されている資料を整理して紹介・配信はどうかと考えるが、今後の方向性と体制について、所見を伺う。

 

答(教育長)

 
 県の指導主事が学校訪問をすることは、授業研究を通した若手教員の育成や、新しい学習指導要領を踏まえた授業改善の推進を図るために大切なことであります。第2波により、臨時休業になった学校が、授業の進度に応じて学習動画等を作成する場合には、県の指導主事も作成に協力してまいります。
 
 また、文科省作成の「子供の学び応援サイト」等はすでに各学校に周知しておりまして、また理科の実験動画等を掲載しております県のホームページ「ふくい子どもチャレンジ倶楽部」の内容や教材等をさらに充実させ、児童生徒が主体的に学ぶことができるよう、家庭学習を支援してまいります。
 
 国に対しましては、全国知事会から、児童生徒の負担を考慮した教育課程の弾力的な編成だけでなく、家庭学習を支援するための学習動画等の作成・配信、オンライン学習に必要な環境整備への支援等についても要望しているところでございます。
 

問二  新型コロナとこれからの教育について

 

  1. 休業中の虐待通告、学校再開後の不登校の状況を伺うとともに、子どもたちや保護者の不安を受け止め、精神的なサポートを行うために、各校に週に2日以上、スクールカウンセラーを配置してはどうかと考えるが、今後どのような体制をとっていくのか、所見を伺う。

 

答(教育長)

 
 本県において、児童生徒に係る今回の休業中の虐待相談対応件数は、昨年度同時期とほぼ同数であります。再開後に、今回の長期休業の影響により登校できなくなった児童生徒はいないと聞いております。
 
 スクールカウンセラーにつきましては、再開後、相談件数が多い学校の配置時間を増やすなど、柔軟に対応しており、教員と連携しながら児童生徒の精神的なサポートを行っております。今後、夏季休業期間中にも配置時間を増やして児童生徒や保護者の心のケアを行ってまいります。
 
 また、今回の補正予算により、夏季休業中だけでなく土日祝日にもSNSを活用した相談窓口を開設し、中高生の悩みの対応に努めてまいります。
 

問三  子ども食堂への支援について

 

  1. 県内の子ども食堂の活動状況や多方面からの支援の状況、支援の在り方の検討の進捗状況と子ども食堂の運営の中で県に求められているものをどのように把握しているのか、また、そのためにも知事との意見交換会は必要であると考えるが、知事の見解を伺う。

 

答(知事)

 
 現状の県内の子ども食堂については、14の市町で32か所ということでございます。昨年の7月時点では、11の市町24か所ということでしたので、着実に増えているということだと思います。
 
 大きな原因は、原因というか基本的な考え方は、貧困の恵まれない子どもの食事の場所を提供するところから最初は始まったんでしょうけれども、だんだんと地域でつながりを確認しあう、大人も入ってですね、そういったところで食事をしたり、会話をしたりするというようなことの場所になってきている、そういう意味では、貧困の子どもさんをしっかりとみんなで見守るというところもありますけれども、地域の交流の場としての重要性ということも、市や町で非常に認識をされてきているというように思います。
 
 そういう意味で、いろんな団体が子ども食堂に対しての助成も行っております。県の方でも紹介をさせていただきまして、18団体が25の助成を受けているという状況もある訳でありますし、また、市や町の方でも、例えば、会場の借り上げ料やそういったものを無料にしたりとか、いろんな運営費の補助を行ったりといった事も、各市町で工夫しながらやられているというところでございます。
 
 私は、すみません、昨年6月21日のお話しと言うのは、あまりよく存じ上げなかったところもありますけれども、いずれにしても、大切な現場だと思います。最近、ちょっと外へ出ておれませんでしたけれども、これから率先して、子ども食堂の方も伺わせていただいて、いろんなお話も聞かせていただきたいというふうに思っております。
 

(北川議員 意見)

 
 今の御答弁の中で、知事と語る会について明確な答弁はなかった訳ですけれども、大変子ども食堂で尽力されている方々、自分たちの思いも伝えたい、そして一緒になって、やはり孤食、一人暮らしで大変寂しい思いをされている方を支えていこう、その方向は、県もね、その人たちの活動も同じ方向なんです。ぜひ、その声をしっかりと正面から受け止める場を作っていただきたいと思います。これは、ぜひ要望としてお伝えしておきたいと思います。
 

問三  子ども食堂への支援について

 

  1. 新たに策定された「福井県子ども・子育て支援計画」における子どもの貧困に対する取り組みも踏まえ、の考え方と、今後の支援の方向性について、知事の所見を伺う。

 

答(知事)

 
 子どもの貧困対策につきましては、今年度ですね、国の方で全国一律で調査を行うというふうに伺っているところでございます。
 
 県の方も、福井県内について協力をさせていただくということでございますので、ちょうどいい機会ですので、県にいわれている件数を調べるだけでなくてですね、内容・対象を拡大してですね、さらに詳細な調査を一緒に行わせていただくというふうに考えてございます。その中で、何が必要なのか、課題は何か、こういったことをあぶり出しまして、次の貧困対策につなげていきたいというふうに考えているところでございます。
 
 また、子ども食堂をできるだけ広く拡大していくとか、継続ができるようにということで、担い手をどういうふうに確保するかという点についても課題があるかと思っております。この点につきましても、今年度新しい事業としまして「ふくいのグランパ・グランマ養成支援事業」というものを作らせていただいております。これは、県内における市町の中の高齢者の方、シニアの方、こういったような方々に、子育てとか子ども食堂の、例えば制度がこうなっているとか、または、子どもにはどうつきあうのかとか、気がかりの子をどういうふうに対応していくかとか、こういうことの講座を開きまして、それでなじんでいただいて、子ども食堂の方に結び付けていく、このような考え方ですので、市町にもさらによく説明もしまして、手厚くできるようにしていきたいと思っております。
 
 いずれにいたしましても、「子ども・子育て支援計画」に基づきまして、子育てにやさしい社会づくりこういったことをしながら、貧困の状態にある子ども達、こういった子ども達にもしっかりと手を差し伸べながら、社会の中で育てていきたいと考えているところでございます。