2021年9月26日
一般質問を振り返って
R3 0926 一般質問実答弁
一般質問の実答弁内容です。
それぞれに対する所感は、後日の機関誌で述べさせていただきます。
問一 特別支援学校の設置基準と寄宿舎指導員の状況について
1 本県の特別支援学校11校において、新たに設定された「設置基準」への適応状況を伺う。
答(教育長)
国の設置基準案では、「学科」とか「編制」とか「施設及び設備」等について示されており、このうち「施設及び設備」の校舎の面積について1校が基準を満たしておらず、現在、設置基準へ適合させるための検討を始めている。
同じく運動場については、3校が必要面積を満たしていませんが、例えば肢体不自由児とか病弱児等の障がい特性より、運動場を使用する機会が少なくて、設置基準の「教育上支障がない場合はこの限りではない」というものに該当するものと考えています。
1 更問
令和5年が目標だったと思うが、設置基準をカバーするために、これから財政の面も含めて、
どのように確保していくのか、伺う。
答(教育長)
将来の児童生徒数の推移も見ながら、校舎面積や教室数を改めて精査しまして、必要な設備を検討していきます。
(北川)
財政の問題も絡んでくるわけですし、従来の場所にそういうスペースがない場合も当然あるわけで、それは専門家委員会でも認められている状態だと思います。ぜひ、前向きに、やれることはやれる範囲で、精一杯やっていただくことを祈念いたします。
2 寄宿舎の入所希望者のニーズと受入れ状況について伺うとともに、知事の特別支援学校における寄宿舎につい
ての認識を伺う。
答(知事)
県内の特別支援学校、今は6校について寄宿舎が設置をされています。
うち5校については、入舎定員内ということで全員が寄宿舎に入れているという状況です。残りの1校については、定員を希望者がオーバーしているということがあり、毎日入るということができないということで、そのオーバーしている分を見て、少し入れる日数をみんな削りながら全員が一応入れるような体制をとっている。その上で、入舎できない日についてはスクールバスで送り迎えをして通学については保障しているということです。
特別支援学校の寄宿舎につきましては、児童生徒の登校の利便を図るということも一つありますけれども、なんといっても教育的にも、生活の自立という意味でも大変スキルアップに結び付くというメリットがあります。また結果として親御さんとかご家族の皆さんにとってのレスパイトということになるというメリットがあるわけです。
今後についても、通学をします児童生徒の居住の地域、どこで育っているか、もちろんそれ重要ですし、親御さんのニーズ、こういったものもみながら、寄宿舎への希望も変動いたしますのでその状況を見ながら、寄宿舎指導員の配置についても適切に対応していきたいと考えています。
3 資料2に示した、児童生徒数と職員数の状況によると、学校によって大きな違いがあり、アンバランスな状況
にあるように思うが、その理由や原因はどこにあるのか。
答(教育長)
特別支援学校の場合、生徒の出入りが多く、寄宿舎においても、生徒の数は変動しやすい状況です。寄宿舎指導員の職員数は、単に入舎する生徒の数だけでなく、その障がいの種類や程度、学校の事情なども考慮して決定しております。
配付資料2によりますと、嶺北特別支援学校と嶺南東特別支援学校の間で何かアンバランスに思われるかもわかりませんが、嶺北特別支援学校につきましては、現在、寄宿舎の2棟のうち1棟を改修中でございまして、生徒の受け入れを一部制限しております。改修が終わると、寄宿舎に入舎する生徒の数は以前のように70名程度が見込まれています。
一方で、嶺南東特別支援学校では、これまで30名程度が寄宿舎に入舎しておりましたが、令和2年に改修が完了し、学校が見込んでいたよりも寄宿舎を希望する生徒が集まりました。現在、上限いっぱいの47名が入舎しています。
このように、各学校の諸事情を配慮しながら指導員を配置しており、それほどアンバランスとは捉えておりません。
4 職員の配置の際に、障がいや子どもたちの生活レベルに応じた職員を確保するため学校現場にヒアリングを行
い、そのうえで、舎生の安全・安心と職員の無理のない勤務を担保することが重要であると考えるが、所見を
伺う。
答(教育長)
職員の配置については、人事異動の際、各学校長からヒアリングを行い、その中で子どもたちの障がいの種類や障がいの程度、また、その学校特有の課題等を聴き取りし、配置に反映させています。
例えば、肢体不自由の児童・生徒が多い場合や、知的障がいの学校で高等部の生徒が多い場合には、子どもたちの世話をするのに身体的な負担が大きいため、配置を手厚くするなど配慮を行っています。
今後も、特別支援学校の状況を踏まえ、寄宿舎指導員の適切な配置に努めていきます。
5 臨時的任用職員として信頼関係を築いてきた人材を正規職員として確保したり、指導員の経験値が引き継がれ
るよう、年齢的な配慮をした配置は行われているのか。また、舎生の状況をもとに、男女のバランスにも配慮
した配置はなされているのか。
答(教育長)
採用の原則は、公平・公正が第一でありまして、臨時的任用職員を優先的に採用することはできません。
配置につきましては、正規採用者、臨時的任用者ともに平均年齢が上がっていますが、異動の際には、必ずベテランを残すようにするなど、指導員の経験は引き継がれるよう配慮しております。
男女のバランスについては、同性介護の観点から学校からの要望も強く、原則として男性が異動した際は、男性を配置するよう努めております。
問二 医療現場の支援と今後の医療体制について
1 コロナ患者を受け入れている自治体病院では、看護師の疲弊が極限に達している。県立病院の場合、感染病棟
に勤務する看護師の夜勤時間はどのように把握されているのか伺うとともに、看護師の夜勤における
72時間ルールに対する現状と今後の方向性を伺う。
答(健康福祉部長)
診療報酬制度上、看護師の一人当たり平均夜勤時間が72時間を月で超えますと、診療報酬が減算されるという制度があります。この制度は、実はICUとかコロナも含めた感染症病棟には適用されないですけども、看護師さんの健康保持、それから質の高い看護を提供するということで、このルールに沿って夜勤時間を管理することが必要であると考えています。
現在、県立病院ではこの夜勤時間を平準化できるように、ご家庭の状況とか体調等に配慮してシフトを組んだ上で、毎月提出される勤務実績表によりそれぞれの夜勤時間の実績を確認しております。
実際には、コロナ患者が多い月に一時的に72時間を超えたような例もございましたので、今後も含めまして、あらかじめ他の病棟からの応援職員を確保するなどして、この72時間ルールを守るということをこれからも努めていきたいと思っています。
(北川議員 意見等)
72時間ルール、ICUとか特別な病棟は別として、4:1とかその枠の中で同一のものは、平均という。この平均でカウントする夜勤の時間数とっても微妙な形になると思う。例えば、80時間する人もいれば、そこに10時間の人がいれば平均としては下がってくるという。数学的な世界の話だと思いますけど、その中でやはり大事なのは、先ほど部長からもお話しありましたけども、看護師の勤務の安全と医療事故の防止をきちっとやっていくという点だと思っています。そういう面では、この平均が72時間を下回るのは当然ですけども、それに安心せずしっかりと下回るような勤務体制を、マンパワーを増員してお願いした思っています。
2 今後、コロナ対応が長期間続いた場合、医療従事者が心身ともに折れてしまいかねない状況に対して、どのように対応していくのか、今後の見通しを伺う。特に、マンパワーの不足に対してどのような手立てを持っているのか伺う。
答(健康福祉部長)
県内のコロナ受入医療機関で働く人材を確保するために、医師については昨年度より12人多い56人を受入医療機関に現在派遣しております。更にナースセンターなどと協力しまして、看護師の再就業を促進しておりまして、昨年4月以降ですと、45人の方が再就業につながっているということがあります。
また、医療従事者の方々を心身ともに支えていこうということで、臨床心理士による電話相談、昨年度一年間で122件のご相談をいただいておりますけれども、そういったことにより心のケアを行っておりますほか、県民の皆様からのご寄付を頂戴しましたので、これを医療機関に贈呈しまして、医療機関では様々活用しておりますが、例えば、疲労回復のためのマッサージ受診券みたいなものをお配りするなど、色々と勤務環境改善に活用していただいています。
今後も医療従事者を支えるため、ナースセンターなどを通じて医療人材を確保してまいりますとともに、現在県単独でコロナ患者に対応する医療従事者への特殊勤務手当というものをもっております。日額3,000円~4,000円ですが、こういった支援も含め、働きやすい環境を整えてまいります。
3 学校再開に伴い、児童・生徒の感染リスクは高くなっている。小学校低学年の児童の感染が確認された場合の入院に対して、体制を整えることが重要であり、一人での入院、また居住地から離れた病院への入院は精神的にも厳しい。
答(健康福祉部長)
小児のコロナ患者は、脱水症状とか熱性けいれん等の容態急変のリスクが高いということがまず一つあります。さらに抗体カクテル療法が適用外になりますので、投薬とか治療の方法も限られているということでございます。そこで、医師会等との話し合いの中で症状や年齢などに応じた受入医療機関を予め設定いたしまして、こういった患者様が出た場合には円滑に入院治療を行う体制を整えております。
また、乳幼児とか小学校低学年の児童の方の場合、一人で入院生活を送ることが困難な場合があります。この場合には保護者の同意を得た上で場合によっては付き添い入院をいただいたり、それから症状が軽い段階では保健所の健康観察のもと自宅で待機いただいたことも実際の例としてはあります。
第5波以降、小児患者が増加しておりますが、ここまで全てのケースにおいて保護者や患者様本人の状況や希望を十分に伺った上で、入院コーディネートセンターのお医者様が最も適切な療養方法を選択しておりまして、これまで中等症や重症に至った患者の方はいらっしゃらないということです。
4 現時点での民間病院のコロナ感染者の受け入れ状況を伺うとともに、民間病院への協力を強く要請する。また、医療スタッフを集中して、嶺南にも臨時医療施設設置の必要性を感じるが、所見を伺う。
答(健康福祉部長)
本県当初はですね、民間病院でコロナ患者の受入れはありませんでした。現在ではですね、これまでに100床、これは51民間病院がございますが、このうちの10病院で受け入れていただいておりまして、第5波では入院患者の約3割がこの民間病院での受け入れということになっています。
一方で、構造上感染防止のためのゾーニングや動線確保ができない病院もございます。そういった病院の方々には、検査とかワクチン接種を担っていただくということで、様々な形ですべての民間病院の方にですね、コロナ対策に協力を頂いているというのが今の福井県の状況です。
また、入院調整自体は県全体で行っております。嶺南地域について継続的に満床になったというようなことはございませんでしたけれども、受入れが仮に難しいとしましても、県内の医療機関や宿泊療養施設、臨時医療施設に入院、入所できる、そういうコーディネートセンターの体制が整っております。
ただし、宿泊療養施設につきましては、第5波の感染者1,156人、これは8月末ですのでもう少し増えていますけれども、このうちの軽症が大半を占めている20歳代以下ということでございますので、この宿泊療養施設は拡充する必要があるということで、この拡充分を嶺南地域で確保したいということで、まもなく運用が開始できると考えています。
5 慰労金の支給が進んでいる病院がある反面、病院によっては慰労金の支給にばらつきがあり、不公平感を感じていると耳にする。今後の医療従事者に対しての支援の手立てと方向性について伺う。
答(健康福祉部長)
慰労金については、昨年度、国の包括支援交付金を活用しまして、県内すべての医療機関に勤務する医療従事者等約2万4千人おられますけれども、公平に支給がされております。
これとは別に今年になりまして、国が新たな制度を設けました。コロナ患者受入病床数に応じて医療機関に対して一時金を支給すれば、そのいくらかを支援するという制度でございます。県や市町を通さず、国が直接補助しているのですが、県内医療機関では、この補助制度を活用しまして、医療従事者への手当支給を行っているのですが、受入医療機関のうち3医療機関がまだ申請をしていないという状況にあります。そこで、私どもとしましては、改めて国の制度活用をお願い、周知しているところでございます。
また、県独自の特殊勤務手当につきましては、今年度に入りまして4か月間で既に前年度の約7割に相当する支給実績となっております。今議会で補正予算をお願いしているところでございますが、今後もこうした制度を活用し、引き続き医療従事者を支援していきたいというふうに考えています。
問三 私立幼稚園等の医療的ケア児受入れへの支援について
1 医療的ケア児保育支援事業活用の状況と、それに含まれない、私立幼稚園や学校についての対応と所見
を伺う。
2 国に対して要望していくことは、当然大切ではあるが、その改善がなされるまでの間、県がしっかりと
補助金を設定し支えるべきと考えるが、知事の所見を伺う。
答(知事)一括答弁
医療的ケア児の保育支援事業につきましては、今年度につきましては、9の市町、9の施設で12人の児童が入園しておりまして、前年度と比べて3人増えている状況でございます。
私立学校につきましては、先程紹介もいただきましたが小・中・高とですね看護師配置の補助制度があるんですけれども、私立幼稚園についてだけは対象外となっているという状況でございます。そういうなかで、先程お示しいただきました資料にありましたが、今年度、1人ですね私立幼稚園にお子さんが通い始めたというところです。
そういこともございまして、今年の5月に、県といたしましても重要要望の中で、私立幼稚園に対しても同様の看護師さんの配置についての補助を行うようにと要請させていただいたところでございます。こういった意味で、これからも県といたしましては、入園している幼稚園と意思疎通をしっかり図りまして、必要な支援策、人材の確保を含めて検討していきたいと考えているところでございます。
合わせまして、ちょうど今ですね「こども庁」の議論がされているところです。こういったこども庁のようなところで、子どもの問題というのがあちらとこちらでバランスを欠いている、こういうことが起きることがないように、網羅的・一元的に国の政策が進められるような、そういう環境を作っていただけるように、福井県としても国に対して、このこども庁の議論に対してですね、意見を申し上げていきたいというふうに考えているところです。
(北川議員 意見等)
今ほどの知事の答弁をどのようにとらえたらいいのかというのは大変微妙なところなんですが、私立幼稚園と意思疎通を図っていく、いろんな支援をしていく、私としてはプラスの方向でということですが、何よりも国が責任をもってやっていくというのが原則だと思いますので、そちらへの要望をまず確実に行っていただきたいんですが、国に要望してそのまま次年度の予算にということはかなり厳しい部分はあります。それを願いながらも、ぜひ、それが叶わなかったときには県としても支えていただくということを支援という形で私としては受け取らせていただこうと思います。