2011年3月23日
真剣に生きるということ 平成22年度 修了式に
3月11日の東北関東震災の爪跡が毎日のようにニュースの映像に流れます。
10メートル以上の津波。今住んでいる場所、周りに当たり前にある全ての物が一瞬にして無くなってしまうことの悲惨さは、想像を絶するものです。
その場に遭遇していない私たちが、災害を体験した人たちの苦しさを、分かったことのように口にすることはできません。しかし、これだけは伝わってきます。
「寒さに震え、余震におびえ、一日の食事がおにぎり1個、飲み水がコップに半分の生活を強いられている人」そして、その中で「悲しみを超えて、歯を食いしばって、命をかけて真剣に生きている人たち」が、今この瞬間にもいるんだということも現実なのです。
先日、ニュースの中で、自分の家族がどこにいるのか分からない中で、一生懸命避難所でボランティアをしている中学生たちの姿が流れました。その顔はとても中学生とは思えないほど、凛々しく逞しく大人っぽいものでした。それは、まさに歯を食いしばり真剣に生きている証なのだと思います。
今、平成22年度が修了します。君たちは、それぞれに学年が上がり、4月になると新しい生活が始まります。
君たちに是非訴えておきたいと思います。今、話しておかないと後悔してしまいそうな気がするから・・・。
それは、「人は真剣に生きなければならない。」ということです。そしてそれは、「本当に大切なものは何なのかに気づくことなのだ」ということです。
人間というのは弱いものですから、いつも不満を抱えて生きています。誰だって不満はあります。もっとこんな物がほしい。もっとこうだったらいいのに・・・。その願いはどんどんふくれ上がっていくのかもしれません。しかも、自分のことしか考えられなかったり、周りに迷惑をかけたり、ちゃかしたり、悪ぶったり、つまらないことで人を傷つけたり、・・・ということもあるのかもしれません。
でも、分かってほしいのです。大切なのは、「真剣に生き」「本当に大切なものは何なのかに気づくこと」なのです。
学年が新しくなるということは、ひとつの大きなチャンスです。自らが「真剣に生きる」ということをめざすチャンスです。
さあ、一人一人が変わる時です。
4月に入り、今度出会うとき、君たちの顔つきが一回り大人っぽくなっていることを期待しています。