環境

雑感

 「音楽が存在するためには、まずある程度の静かな環境を必要とする。たとえば、鐘もしくはそれに類似する音が鳴り響いている中で、鐘の音を素材とした音楽を演奏しても、その音は環境と同化してしまうので、音楽としては聞こえない。ちょうど、赤い紙に赤色のクレヨンで絵を画こうとするのと同じである。」
 これは、芥川也寸志氏の「音楽の基礎」の冒頭、Ⅰ音楽の素材 1静寂 に掲げられた文章である。付け加えるならば、「ある程度の静けさ」の意味をこう述べている。「程度を越えた静けさー真の静寂は、・・・人間にとっては異常な精神的苦痛を伴うものである。・・・」と
 「音楽」を「学習(授業)」に、「鐘」を「私語」に、「音」を「発言」・・・・・と置き換えてみると、私たちにとっても大きな示唆を与えてくれる言葉となって響いてきます。
 ある事柄が成立していくには、「静かな環境」が整えられていることが不可欠です。私たちには「最適な環境」をしっかりと認識していくことが求められているのでしょう。