2017年1月12日
3 市民とつくる国体について
平成28年 12月議会一般質問報告
今回の議会では、①教育委員会の説明責任について ②西町綱引きについて ③国体への対応について という3点での質問でした、それらの質問内容についての報告をさせていただきます。
その3
3 市民とつくる国体について
国体まで2年となりました。平成29年度にはプレ大会も開催されます。
市長は、6月議会で、「国体による本市や市民が得るものは何か」という質問に対して、「日本のトップレベルのパフォーマンスに触れる機会を得るというスポーツ振興本来の目的に加え、市民のエネルギーを注ぎ、力を合わせ一つのことを成し遂げる充実感を得ることができます。また地域経済の活性化や、施設、設備が整うこともメリットであります。ホスピタリティあふれる市民とのかかわりによるリピーター客の増加などにも期待し、敦賀市を全国にPRする絶好の機会であると捉えております。」と答弁されています。
市長からは、「現在の準備進捗状況は概ね予定通りである」との答弁をいただきました。
進捗状況については、18事業中10事業が終了。第73回国民体育大会敦賀市開催総合計画上の135業務計画の内、36業務が終了、35事業が進行中とのことでした。着実に進んでいることを理解しつつも、この数字が十分なものなのかどうかは明確ではないだけに、多くの市民が不安を感じているのが現状です。その不安な部分について、5点お聞きしました。
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福井しあわせ元気国体・大会の全体像について
不安の大きなものは、その詳細な内容が、未だに示されていないという点です。
どこにどのような施設が準備され、今課題になっている事柄は何なのかという全体像を市民に説明していくことが必要であることを訴えました。「今年度中にレイアウト案が確定される予定なので、そこから全体像をイメージしていただきたい」とのことでしたが、少なくとも、平成29年、平成30年のスケジュールを一日も早く明示し、スケジュールと競技会場のイメージ図を示して可視化していくことを求めました。
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組織のあり方について
気がかりなのは、県と市との関係性です。すべてが県からの指示がないと動けないような感じを受けているため、役割分担と県との調整や協議の場はどのようになっているのかを伺いました。いろいろな上位組織や競技団体が関わりを持っているのは理解しますが、6競技が市と各競技団体が主体であるとするならば、本市開催の6競技に関して、もっと市民への紹介・啓発や競技場の説明がなされても行くべきであると考えます。
もし、県の動きが遅いのであれば、県に訴えかける、県に動きを求める姿勢が必要であることを実感しました。
何よりも、これまで幾度となく耳にしてきた「地元に何の相談もなく、物事が進んでいくのはおかしい。」という批判と同じことが、国体に関して、県と市の間で懸念されることのないように取り組んでいくことを求めました。
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予算について
予算についても、県との明確な費用分担が示されていません。3年間で17億強の費用が必要であるとはあるものの、どこにどれだけかかり、その中での市の費用分担の額、その分担の根拠、その財源確保の方法が市民に示されていません。中期財政計画に示されている、H29年度以降、16億8000万、一般財源で9億8000万という本市の負担についても、「これは平成28年2月に既催県の数値を基にしたものであり、全てを把握したものではない」との答弁でした。すべてが、税金から賄われているものである以上、この膨大な金額以外にも必要経費が膨れ上がることのないように努力していただくとともに、予算と財源を常にオープンにしていく姿勢を求めました。
すべては、平成29年度の予算要求の中に示されてくることであるだけに、今後しっかりと把握していきたいと思います。
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しあわせ元気大会について
元気大会の準備は県が中心となって進めていくとのことですが、その進捗状況はどうなのかを伺いました。現時点で、運営ボランティア700名、情報支援ボランティア260名とのことでしたが、それが十分な数であるとは到底思えません。県任せになってしまうのは大変危険であると考えます。市としても、積極的な働きかけを行っていくべきなのだと改めて感じました。
大会の後、参加された方には、市内の観光スポットをまわっていただきたいと思いますが、車椅子の方が市内を周遊するための整備は、今後どのように進めていくのでしょう。少なくとも、車椅子の方が不自由なく、気比神宮に向かって商店街を移動し、神楽通りから大通りを渡り、気比神宮の大鳥居を正面からくぐることのできるように整備する必要もあると考えます。その点に関しては、国道・県道が交差する地点であるが故の難しさもあることは理解しましたが、「不具合があれば、改修に向けての協議をしていく予定である」との答弁でした。それぞれの団体もこの機会を生かして、誰もが生活し易い街になるよう、訴えていく必要を感じました。
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デモンストレーション競技について
デモンストレーション種目、特にドッヂボールの開催日程と参加者数が大変気にかかっているため、お聞きしました。デモンストレーション競技は、県内チームのみであり、1日だけの開催とのことでしたが、ドッジボールには、児童1人に対して家族の応援が車両1台ということも十分に考えられます。十分に慎重な検討を求めていきたいと思います。
今回お聞きしたこと以外にも、受け入れ態勢(平成29年3月には第二次シミュレーションが行われるとのことですので、その時点で詳細を伺いたいと考えます)や市のスポーツ活動への影響等、伺いたいことは少なくありません。
いずれにしても、この国体という大イベントをチャンスととらえ、それをきっかけとして、「障害を持った方にも優しい街づくりを見直す」「観光資源を見直す」「市街地へのアクセスを見直す」「市内の商店街を活気づける」「街の環境を見直す」「歴史的な遺産・資産を見直す」といった取り組みを各部署や分野が責任をもって行っていく、再興戦略の横串としては最高の舞台であると考えます。そのような、市民とともに作り上げる「しあわせ元気国体・元気大会」とするためには、透明性のある取組みが必要です。一日も早く詳細な内容を市民に伝えていくべきだと訴えさせていただきました。
国体への対応については、「敦賀美方消防議会」でも、伺いました
国体時の管内入り組み人数、入り組み車両数について、現時点での既催県の実績数による宿泊予想数は選手・監督・役員で、1600人になっています。それに応援や関係者を含めると市内宿泊状況はかなり厳しいものになることと思います。また、車両数については、9/30にピーク3700台と予想されています。流入車両数と救急出動数は相関関係があるものと考えますが、宿泊の安全も含め、過去の国体既催県の状況はどうなのでしょうか。特に、例年でも多くなる8月~10月にかけての管内における救急出動数との関わりについてはどのように想定されているのかを伺いました。
また、敦賀市で10種目、美浜町では4種目、若狭町では5種目が開催されます。国体のそれぞれの競技の特殊性は十分に加味され、配慮されていくべきものと考えます。特に、空手、弓道、オープンウォータースイミングウォータについて大変気がかりな部分でもあります。
敦賀美方消防組合管内で開催される競技に関して、どのように把握しているのでしょうか。また今後どのように把握していく予定なのかをお伺いしました。現時点では、「既催県の情報等の情報等を基にすると、十分に対応できると考える。今後、具体的なシミュレーションがなされた時点で慎重に対応していきたい。」とのことでした。また、それに伴って、必要な備品等が明確になった場合には、十分に対応していくとの管理者の言葉をいただきました。