Respect Others 平成24年度 卒業式 式次より

子どもたちへ

みなさんに直接話すのも今日で最後となります。
義務教育の修了にあたり、そして、皆さんの新たな門出に、伝えておきたいことがあります。

皆さんは、人らしさは何だと感じているでしょう。
 人間らしさ・・・・・・それは優しさだと、私は考えています。よくやさしさの語源は「痩せる」。つまり他人のために自分の身を細らせるという意味を含んでいると言われます。いろんな人と会い、身が細るほど相手の身になって考えられる。他人と不幸を分かち合える。そんな姿が人間らしさなのでしょう。
 しかし、それ以上に大切にして欲しい言葉があります。それは『リスペクト アザーズ』という言葉です。
 「尊敬する」と訳されることの多い「リスペクト」という言葉ですが、日本語の「尊敬」とは違った響きを持っています。「人であれ、物であれ、そこに高い価値が認められるものを敬いなさい」という響きをもっています。ただ日本語の「尊敬」と違うのは、「リスペクト」することによって、相手が自分より高い位置になることはありません。評価はするが、頭を下げるような関係にはならないということです。日本語では「尊重する」という言葉に近いのかもしれません。「人との関わり」が希薄になっていきつつある社会の中で、さらには「震災からの復興」が使命である社会において、『リスペクト アザーズ』「他の人を尊重しなさい」という言葉は、大きなキーワードになっていくに違いありません。ふるさと、社会、そして世界全体が大きく変化する時を迎えている中にあって、はっきりしているのは、二十・三十年後には、全てがみなさんの力によって支えられているということです。

「自分だけのシンフォニー」は、次の楽章に進もうとしています。
『RESPECT OTHERS』を大切にし、実践できる人として、社会に踏み出してくれることを願い、式辞といたします。