2013年2月8日
鳩と空気
今回の生徒会の取組。その価値は、予想以上に大きなものだと感じています。
その価値とは、
(1)自らの不便を自分たちの手で改善していこうとする姿勢を形にしたことです。
(2)その実現のために、自分たちの現在の姿を見つめ直したことです。
(3)実現のためにルールを自分たちの手で作りあげてきたことです。
粟野中学校の誇るべき姿がそこにはあります。3年生諸君にとっては、実質的なメリットはわずかなのかもしれませんが、それにも拘わらず、前向きに考えてくれたことは、これから皆さんの自慢できる大きな財産として残るものと考えます。
さて、この場で、執行部から提出された『誓約書』と「ネックウォーマー使用の願い」をしっかりと受け取りました。そして、この場で、その願いを認め、今年度、試行していきたいと思います。この決定は、小さなことであっても軽いものではありません。その意味は大変大きなものです。
これまで、いくつかの中学校での校則改正を見届けてきました。その度に、心に浮かぶ言葉があります。有名な哲学者の言葉です。
それは
「軽快に空を飛ぶ鳩は、ある日思います。『空気抵抗がなければ、もっとうまく飛べるのに、空気さえなければ・・・』しかし、真空の中では鳩は飛べないのです。」 というものです。
この言葉の意味を、皆さんは十分に分かってくれることと思います。
鳩が『権利』と『自由』の象徴であるならば、空気は何なのでしょう?
普段、何の意識もしない空気ですが、空気があることで飛べるのです。
今、皆さんにも、この空気にあたるものは何なのかを考えなければなりません。
それは、『責任』『信頼』もっと難しい言葉で『義務』なのだと私は考えます。
それに支えられるからこそ、鳩のように、自由に飛ぶことができるのでしょう。
今、この瞬間、皆さん全員にお互いの『信頼』と『責任』が課せられのです。
それに支えられ、更にのびのびとした生活を期待しています。