市議会の記録

◎平成30年6月議会

3番(北川博規君)

 市民クラブ、北川博規です。
 通告に基づいて一般質問をさせていただきます。
 今回は、笙の川整備について質問させていただきます。いろいろと聞きたい、お尋ねしたいことはあるわけですけれども、その中でも今回はこの問題を選ばせていただきました。
 笙の川については、これまで本当にたくさんの議員の方が質問に立っておられます。特に過去のいろんな記録を見ますと、馬渕議員、和泉議員、北條議員、別所議員、この方たちの議事録を読ませていただくと心を打つものもございます。その中でちゅうちょするところはありましたけれども、避けて通れない喫緊の課題であるということから、今回取り上げさせていただきます。
 本来は管理者である県への質問となるわけですが、市の使命という面からは、幾つかの視点に立って現在の状況を確認し、これからの整備のあり方について質問していく、その必要があると思います。恐らくいろんな答弁書云々のところで関係部局には大変な苦労をおかけしたと思いますけれども、ぜひいい時間にしたいなと思いますので、よろしくお願いします。
 まず、住民の命、財産、これらを守ることの行政の使命についてということです。これについては、憲法上または法規上、県の指針、敦賀市の指針にどのように取り上げられて、どのように掲げられているのか。その点を伺いたいと思います。お願いします。

市民生活部長(辻善宏君)

 住民の命、財産を守ることについては、日本国憲法の第25条に生存権として定められており、災害対策基本法には、第1条に「国民の生命、身体及び財産を災害から保護するため、防災に関し、基本理念を定め、国、地方公共団体及びその他の公共機関を通じて必要な体制を確立し、責任の所在を明確にするとともに、防災計画の作成、災害予防、災害応急対策、災害復旧及び防災に関する財政金融措置その他必要な災害対策の基本を定めることにより、総合的かつ計画的な防災行政の整備及び推進を図り、もって社会の秩序の維持と公共の福祉の確保に資することを目的とする」と定められております。
 同法第5条には、「市町村は、基本理念にのっとり、基礎的な地方公共団体として、当該市町村の地域並びに当該市町村の住民の生命、身体及び財産を災害から保護するため、関係機関及び他の地方公共団体の協力を得て、当該市町村の地域に係る防災に関する計画を作成し、及び法令に基づきこれを実施する責務を有する」と市町村の責務が示されております。
 また、災害対策基本法の第40条及び42条の規定に基づき策定している福井県地域防災計画及び敦賀市地域防災計画の目的には、市民の生命と財産を災害から守ると掲げております。
 さらに、敦賀市地域防災計画には、災害応急対策の避難計画として、「市は、市民を災害の状況に応じすみやかに避難させ、被災者の生命、身体の安全の確保に努める」とあり、避難情報の適切な発令や避難所の開設等について記載しております。
 以上でございます。

3番(北川博規君)

 憲法というのは大変大事なことだと思うんですけれども、憲法の上では、憲法の意味とか公共の福祉との関係性とか社会権の意義といういろんなそれぞれの学者さんの中でも御意見が出されていて、難しい部分があるということは認識しています。
 ただ、先ほど述べていただいた災害対策基本法、それから直近の身近なところでいうと敦賀市の再興プラン、これらには明確に位置づけられている。そういう問題であるのは間違いないかなと。つまりそれだけ重要で、しかも国民の権利であり、施政者の義務でもある。そういうところをまず大事なところなので押さえていった上で、いろんな質問に入らせていただきますけれども。
 まず、例えば今のお話の中から、もしも命や財産が奪われるかもしれない。いろんなケースがあるでしょうけれども、命や財産が奪われるかもしれないという不安を抱えながら生活することを余儀なくされている状況にもし市民が遭ったとしたら、それは生活権、先ほどの生存権が脅かされているということになって、一日も早くそれは解決しなければならないものであるというふうに私は考えますけれども、市長のお考えを伺います。

市長(渕上隆信君)

 北川議員の一般質問にお答えいたします。
 もしも命や財産が奪われるかもしれないという仮定の話はできませんので、笙の川についてお話ししますが、笙の川については、市民の不安を一日も早く解消したいという思いは議員の時代から持っておりまして、市長就任時、最初に取り組んだのが笙の川の整備であります。県との交渉を含め、職員のスピード感を持った頑張りもあり、ようやく来迎寺橋の撤去目前までこぎ着けることができました。
 これまで本市においては幸いにして大規模な自然災害に見舞われることはありませんでしたが、東日本大震災などの大規模災害を教訓とし、防災にかかわる各種施策を見直し、庁内における体制づくりや自助、共助の重要性の周知などに努め、ハード面整備促進と並行して防災力の強化にも取り組んできたところです。
 今後とも市民の生命、身体及び財産の安全を守るため、敦賀市地域防災計画等の不断の見直しを行い、定期的な防災訓練等を実施し、市民の皆様とともに安全、安心なまちづくりをより一層推進したいと考えております。
 以上です。

3番(北川博規君)

 もしもという言葉は使いづらい。それは当たり前だと思いますけれども、強い思いは伝わってきます。
 今回取り上げている笙の川の整備なんですけれども、これは先ほど述べたように二級河川ということで福井県管理の事案となっています。敦賀市の県に対する最重要課題、要望にもなっています。それがゆえに、今回ある程度の形ができ上がっているというのは県のほうからもお聞きしています。
 管理、整備という面では、県に全てを委ねて済ますことのできない事案であるということも事実です。市としてどのようにかかわって、どのような働きかけをしていくのか。そんな形でもぜひ答弁をお願いしていくということで、質問に入らせていただきます。
 まず、笙の川水系河川整備計画、これについてお伺いします。県の笙の川整備のベースになっているのが今述べた笙の川水系河川整備計画なんですけれども、これは平成21年1月に示されたものがあります。整備の目標を達成するための計画対象期間は、おおむね30年となっています。その整備計画の中に、こうあります。
 2.笙の川水系の現状と課題という中に、(1)洪水対策には、「都市化の進行した現在の敦賀市において、笙の川で破堤氾濫が生じた場合、甚大な被害が生じることは容易に予想されます。このため、地域住民に安心・安全を与えるための治水対策が急務になっています」。また、(2)河道の維持管理というところでは「河道内の堆積土砂や植生に対して適正な管理を行う必要があります」、このように明確に書かれています。
 このことについて、計画から十数年経過しようとしています。それがどのように具体化されているのか。また、それに対して市はどのような働きかけをしてきたのか。その点をお伺いします。

建設部長(清水久伸君)

 笙の川河川改修事業につきましては、河川管理者である福井県が平成21年1月に笙の川水系河川整備計画が策定された後に、平成27年6月に広域河川改修事業として事業化され、これまで河川測量、土砂動態解析調査、魚類生態系調査及び来迎寺橋改築概略設計業務などが実施されているところでございます。
 本市といたしましては、毎年、二級河川笙の川整備促進協議会及び県への重要要望を通しまして、さらには機会があるごとに市長が直接知事ですとか県の土木部長に要請するなど、整備促進を強く働きかけをしてきたところでございます。

 以上でございます。

3番(北川博規君)

 今お聞きすると、なるほどな、そういう取り組みが行われているというのはわかりますけれども、住民にとってみると、目に見える形で、私たちのためにこういうことを実際にやってくださっているんだなと、それがなかなか伝わってこないというのも苦しいところかなと思っています。
 今ほどの中身の中ですけれども、平成21年に作成された笙の川水系河川整備計画なんですけれども、10年が経過しています。21年に作成されてオープンになっていますから、その数年前から恐らく数値等は取り上げているんだと思いますけれども、その内容、それが今、再検証される部分はあるんじゃないかな。
 例えば、河口から木の芽川合流点までの1.5キロ区間、より治水安全度の高いおおむね50年に一度程度発生する降雨に対応することを目標とします。整備目標流量は呉竹地点で950立米とします。また、こうもあります。木の芽川合流地点から黒河川合流点までの整備目標は、おおむね30年に一回発生する降雨に対応することを目標とします。対象流量は550立米の治水安全度を確保するとあります。
 この目標値は本当に今も適正なのか。この点が大変住民としてみると気にかかるところです。というのは、年々体感しているように異常気象、温暖化なんでしょう。突発的な豪雨、また最近では線状降水帯という新しい言葉も市民権を得てきています。そんな雨量が見られる中で、この流下能力は有効なのか。その点の御意見をお伺いします。

建設部長(清水久伸君)

 整備計画の目標値につきましては、福井県内のバランスなどを勘案した計画規模や笙の川流域での過去の豪雨による増水状況等により算出されており、この計画につきましては、学識経験者で構成された福井県嶺南地域流域検討会で意見を聞き、国の同意を得て策定されておりますので、適正であると考えております。
 県からは、50年確率の毎秒950立米及び30年確率の毎秒550立米の流下能力を確保する計画となっていると聞いており、有効であるというところでございます。
 以上でございます。

3番(北川博規君)

 恐らく、きょう例えばこの議会の様子をいろんなところでごらんになっている方にしてみると、今出てきた50年に一回程度発生する降雨とか、30年に一回発生する降雨、この言葉の意味が大変わかりにくい。特に私たちにしてみると、実際に降ってくる雨の状況とのつながりというのもわからないわけなんですけれども、具体的にお聞きすると、今言った50年に一度、30年に一度、10年に一度発生する降雨というのは、具体的な流下能力にするとどれくらいのものなのか。現在の確保されている流下能力はどれくらいなのか。具体的な数値ですね。そしてもう一つ、どれだけの降雨量に耐え得るものなのか。そのあたりをお聞きしたいんです。
 そしてさらに確率という言葉が出ましたけれども、30年確率、50年確率、10年確率の雨量は、過去20年間でどれぐらいの頻度で発生しているのか。
 一度にたくさんお聞きしましたけれども、通告してありますので、よろしくお願いします。

建設部長(清水久伸君)

 現在の笙の川の流下能力は、毎秒約500立米でありまして、おおむね10年に1回程度発生する151ミリパー日──24時間雨量──の計画降雨量に対応できるものでございます。
 過去20年間において何回発生したかにつきましては、雨の降り方にかかわらず、単純に各確率の計画降雨量の数値だけを取り上げて24時間雨量とした場合、50年確率の200ミリ以上が3回、10年確率の151ミリ上が2回発生しております。

 以上でございます。

3番(北川博規君)

 頭の中を整理しているわけですけれども、要するに、笙の川の流下能力の目標値は50年に1回になっていると。でも実際に現在の流下能力は10年に1回だということなので500ということで。そして降雨の状況では、それを150とありましたけれども、それは20年間の資料を見ると、例えば50分の1、50年に1回というものは3回発生している。30年に1回というものは2回発生している。そういうことですよね。
 ということは、どうなんでしょう。目標値に対して950必要なんですよというふうに目標を立てながら、実際には500しかないということで、そういうふうに捉えさせていただいていいんですね。
 ということで、私はわからないのは、確率という言葉なんですよ。数学でも習いますけれども、確率というのは、例えば10分の1の確率、6分の1でもいいですけれども、きょう起こった、要するに6分の1だったら6日間のうちに必ず1回起こるというものは確率じゃない。毎日、きょう起こったとしてもあしたの起こる確率は6分の1、次の日も6分の1、こう来るわけですよね。
 なんですけれども、先ほどのお話を伺っていると、50分の1とかそういうものを出すときには過去の頻度をもって出してきている。なのに、そこで生まれた50分の1という確率は、今度は先ほど言ったように、そこから数値になった瞬間、毎年毎年その確率が求められて実際に迫ってくる。そして、頻度で照らし合わせたとしても20年に3回起こっているその雨量を50分の1、50年に1回というふうに判断しているということに対しては、これは県のことですからあれですけれども、部長さんとしてはどうですか。おかしいと思いませんか。

建設部長(清水久伸君)

 現在の笙の川の流下の目安となる例えば10年確率の計画雨量151ミリ日当たり、これは24時間雨量ではその数字を上回っている降雨も発生しております。しかしながら、雨の降り方や降る地域を考慮して計画降水量を設定し、河川の流下能力を定めますので、一概に24時間当たりの降雨量だけで判断できません。
 そういうことでございます。

3番(北川博規君)

 そうすると、判断できるものは何なんですか。

建設部長(清水久伸君)

 平たく、説明が乱暴になるかもしれませんが、お許しください。
 おおむね10年に一度発生する降雨である151ミリ、これが計画降雨量ということで、これを踏まえまして、過去の降雨のデータをもとに河川の流量が最大となる降雨パターン、要するに雨の降り方、これを計画降雨としているということでございます。単純に151ミリを超えたからというわけでは、先ほど申し上げましたように、降り方というのが非常に重要になってくるというところでございます。

3番(北川博規君)

 過去のいろんな議事録を見ても、その点を詳しく述べている部分もありますので、私もまた勉強させていただきますけれども。
 いずれにしても、流下能力と降水量というのを考えたときに大変不安な状態である、それは間違いないと思うんです。氾濫が発生してもおかしくない状況にあることは明白ではないかなと思うんですけれども。たまたまそれだけの雨が敦賀では降らなかった。たまたま大きな災害に至らなかった。
 つまり運を天に任せるというような取り組みは地域住民に安心、安全を与えるという治水対策とは到底考えられないように思うんですけれども、その点どうなんでしょう。市長のお考えを伺いたいんですけれども。

市長(渕上隆信君)

 まず、運を天に任せる的な取り組みはやっておりません。笙の川の事業化後の取り組みにも、一日でも早い治水向上のために取り組んできています。
 また、降雨により増水した場合には、多くの方々に協力をしていただき、市民の皆さんの安全確保に全力で取り組んでいただいていることに大変感謝しております。各地区の消防団や消防職員、土木協会の方々や警察、さらには指定避難所や福祉避難所の開設に携わっていただいた学校の先生方、社会福祉施設の方々、また医師会やDMATの医療関係者、また市の職員も多くが市庁舎や避難所に詰めて対応しています。
 運を天に任せる的な取り組みとは、これら全てを否定する言葉というふうに感じます。
 以上です。

3番(北川博規君)

 私は、一生懸命皆さんがやっている。県もやっている。市もやっている。いろんな方が力を合わせてやっていることに対しては物すごく感謝もするし評価もしています。
 ただ、先ほど述べられた数値を見る限り、安全性は不安の中にあるわけですよ。そうすると、その中で近隣に住んでいる方にしてみると、本当に毎日毎日怖い、不安、そんな思いをしている人がいる。これは否定できないんですよ。
 その点から、次へ行きますけれども、敦賀市の地域防災計画の中の計画の目的には、市民の生命と安全を災害から守るとあるんです。笙の川の問題は、県に全てを任せる、委ねるということでは済まされないんですけれども、県と市の責任分担、これが大変曖昧であるような気がするんですけれども、その点、明確にしていただけるとうれしいです。

副市長(中山和範君)

 笙の川につきましては、議員も御承知のとおり福井県が管理する二級河川でございますので、その改修事業については福井県が行うものであることから、先ほども述べましたように、市長就任以来、県に対し敦賀の大雨時の切迫した状況を説明するとともに、粘り強く交渉を重ねてまいっているところでございます。
 一方、先ほどの答弁にもありましたとおり、敦賀市地域防災計画の災害応急対策の避難計画として、「市は、市民を災害の状況に応じすみやかに避難させ、被災者の生命、身体の安全の確保に努める」、このことが本市の責務であると認識をしております。
 笙の川の増水によって周辺地域に危険が迫るような状況になれば、市民が速やかに避難できるよう情報発信や避難所開設等の対応を行い、それと同時に大型土のうを設置するなど越水防止に努める。そういったことで安全確保に努めるべきものというふうに考えております。

3番(北川博規君)

 今の答弁を聞いてみると、例えば命を守れますよね。何か発生したときに避難をきちっとやる。それは市の使命としてきちっとやっていきます。
 ただ、それでは発生してしまうまでのいろんな取り組みというところでは、県との関係性はどうなのかということと、それから先日の新聞にこうあります。「大災害時 市町村との業務分担 本県 事前取り決めなし」という大見出しがありましたけれども、それも含めて、いかがなものなのでしょうか。

市民生活部長(辻善宏君)

 まず新聞記事の件についてお答えいたします。
 議員御指摘の県と市町村間の業務分担の事前取り決めがないという記事の内容につきましては、被災地域に災害救助法が適用されるケースにおいて、救助の実施主体となる都道府県が担う救助事務の一部を市町村へ委任する際の分担に係る取り決めを指しています。実務上は、避難所の開設など市が行うべき業務は、県と連携し遅滞なく行える体制が整っております。
 また、災害時における応急対策の観点から申し上げますと、本市地域防災計画の中で、敦賀市を初め県や地方行政機関、自衛隊、指定公共機関等が処理すべき業務をあらかじめ明記しており、災害の種類や規模に応じて活動を行うこととしているところです。
 なお、県の地域防災計画においても同様に明記されておりますので、既存の計画でも各機関の分担はなされているものと考えております。
 したがいまして、1つ目の県との関係についても今申し上げたとおりでございます。

3番(北川博規君)

 県との関係性云々のところ、もうちょっとわからないんですけれども。そこだけもう少しお願いします。

市民生活部長(辻善宏君)

 こうした形で県とかさまざまな行政機関、自衛隊、指定公共機関等とも十分な連絡をとれる形で災害の際に対応できる体制にありますという意味でございます。

3番(北川博規君)

 しつこく言いますけれども、発生した後、命を守るために避難所開設とか応急的な対応とか、それは力を合わせてやる。それはわかるんです。
 その起こるまでのいろんな取り組みに対しては、県と市の役割分担というのはなくて、全て県というふうに捉えさせていただいていいということですか。

市民生活部長(辻善宏君)

 仮に雨が降りまして、仮に一つの川が氾濫するかもしれないという可能性が生じたときに、避難指示を出すのか避難勧告を出すのか。こういった判断は当然、市のほうで判断して、市民に対して指示を出すのか避難するのかということを災害対策本部等で決めていく形になろうかと存じます。

3番(北川博規君)

 わかりました。僕は次の質問につないでいきたいものだから、災害が発生する、氾濫が起こらないために、しゅんせつとかいろいろ。そのあたりの分担の中で市と県の役割分担はというところで、ついしつこくやってしまいましたけれども。
 わかりました。
 次、想定被害、このことについてお聞きしたいんですけれども、想定される被害総額、これは29年の第3回定例会、馬渕議員のほうで質問され、その答弁の中で、水系全体の資料しかないということで、氾濫面積は1100ヘクタール、氾濫資産は6700億円という算定をされている。そういう答弁がありましたけれども、その答弁が間違いないとして、三島側、呉竹側の面積を考えたとき、それぞれの被害想定額はどうなるのか。
 また、万が一被害が発生したとき、その復旧と補償については誰が責任を持って対応していくのか。
 この点をお願いします。

建設部長(清水久伸君)

 議員がおっしゃるとおり、笙の川水系河川整備基本方針において、計画規模の評価内容でございますが、100分の1確率でございます。氾濫面積が1100ヘクタール、氾濫資産約6700億円と算定をされております。
 三島側または呉竹側で破堤した場合の被害想定額につきましては、県に確認をいたしましたところ被害想定額は算出されていないというところでございました。
 また、万が一被害が発生した場合のその復旧、補償につきましては、河川は本来、自然発生的な公共用物であって、もともと洪水時の自然的原因による災害をもたらす危険性を内包していると考えておりますので、責任の所在についてはお答えしかねます。
 以上でございます。

3番(北川博規君)

 今ほどの1点だけ。自然発生的云々とありましたけれども、笙の川は人工河川ですよね。人工河川でも、やはり自然発生的というのはそこに適用していくということでよろしいんですか。

建設部長(清水久伸君)

 おっしゃるとおり、つけかえをしております。しかし、全国的にも河川のつけかえというのは多々行われておりますものでありますし、河川をやめるわけにはいかない。これは間違いなく山から出てきた水を海に流す。そういった意味で先ほどの表現をさせていただいたというところでございます。
 以上でございます。

3番(北川博規君)

 しつこくなりますけれども。万が一、各家屋の復旧が必要になったとき、これは個人の保険に頼っていかざるを得ないという、そういう捉え方でよろしいんですね。

福祉保健部長(山本麻喜君

 本市におきましては、風水害等により災害を受けました被災者に対して、被災の程度に応じまして見舞金等を支給する制度がございます。
 また、被災者の生活の立て直しに資するため、災害援護資金の貸し付けの制度もございます。

 以上でございます。

3番(北川博規君)

 ざっくりと金額をお聞きしてよろしいですか。

福祉保健部長(山本麻喜君

 まず敦賀市災害見舞金等支給条例に基づきます災害見舞金の金額でございますが、家屋の被災に対する対象とするものの内訳といたしますと、金額的には2万円から10万円の間で見舞金を支給いたします。
 それから災害弔慰金の支給等に関する条例に基づきます災害援護資金の貸し付け、こちらは住居の全体が滅失し、または流出した場合におきましては350万円、それから住居が全壊した場合におきましては250万円など、暴風、豪雨等の自然災害により被害を受けた世帯主に対して生活の立て直しに資するために資金を貸し付けるものでございます。

以上でございます。

3番(北川博規君)

 わかりました。要するに家が一軒流されて住むところがなくなったときには、やはりそれだけのいろんな御支援をいただいたとしても、それぞれの個人で入っている保険に委ねざるを得ない。特に火災保険特約ということになるんだと思いますけれども。
 そのことが市民の皆さんに徹底されているか。そのあたりは後でまた確認させていただきますけれども。

 その中で、三島側に市立病院がございます。病院として、もしも三島側に氾濫が起こったとき、どのように被害を想定して、どのような対応を考えておられるのか。
 また、病院への救急車の受け入れ等についてはどうなっているのかなと。そのあたりをお聞きしたいなと思います。

敦賀病院事務局長(田辺辰浩君)

 当院は、敦賀市ハザードマップが示す1メーターから2メートル未満の浸水エリアにありますので、最大2メートルの浸水被害を想定しております。
 浸水のおそれがある場合、当院の災害対策マニュアルに基づき、笙の川の水位を目安に、あらかじめ患者さんや資機材の移動を行いまして、被害が最小限となるように努めます。当院1階が床上浸水をするような場合であっても、2階において患者さんを受け入れることを想定しているところでございます。
 しかしながら、このような状況において、救急車が当院まで到達できないということもあわせて考えられるところでございます。
 以上です。

病院事業管理者(米島學君)

 ただいま事務局長が答弁させていただきました内容を、より具体的に御説明いたします。
 具体的には、昨年の8月の台風第5号のときには避難指示が出ました。10月の21号のときには避難勧告で、いずれも病院の中が避難の対象範囲にありました。
 病院では、災害対策本部を立ち上げて対応しました。具体的には、1階の移動可能な医療機器や薬剤を2階に上げるということと、それから後で出るかもしれませんが、本館と北館の電源が地下あるいは1階にあり、中央診療棟と東館の電源は上のほうにありますので、入院患者さんで人工呼吸器が必要な患者さんをリストアップしまして、そしてその患者さんをいつどういう状況に置いたら電源が確保できている中央棟に移動させるかというシミュレーションを行いまして、誰が責任を持って移動させるかということも考えて行っています。
 それから災害対策本部の責任者は私ですが、事務局長は市役所に行っていただきまして、市役所の災害対策本部と常に連携をしながら行いましたし、それから当院は災害拠点病院ですので、災害支援の職員だとか災害のときに派遣するDMATの職員がいますので、それを中心に対策本部で対策しました。
 それから災害支援病院ですので、万が一、当院と反対側に浸水した場合に、複数のけが人が想定されますので、それに備えまして、当院の2階で複数の患者さんが万が一来られていいようにトリアージエリアをつくりまして、誰がどういうトリアージをするかというような、そういう訓練まで同時に、シミュレーションまで行いました。
 さらに、その後の11月に、笙の川が氾濫するという想定で、うちの病院の電源が喪失するという想定で災害訓練も行っております。
 以上のように、万が一に備えて対応できるように訓練を重ねております。
 以上です。

3番(北川博規君)

 今、病院のほうからソフト面で人的な部分での準備は十分に対応しているんだという答弁をいただきましたけれども、実は今の質問、2006年、北條議員の質問の中に全く同じものがあるわけですよ。そのときに1階の電源喪失、地下の云々もございました。東館には上のほうに電源があるので、そっちへ患者を移すんだと。
 そこから12年たっています。その間、その状態が変わらないという部分については、市としてはどのように考えておられるのか。そのあたりいかがですか。

敦賀病院事務局長(田辺辰浩君)

 非常用電源を別のところへ移すということについては、これまでからも検討はさせていただいておりますが、残念ながら具体的な行動にはまだ至っていないということでございます。
 理由としましては、まず動かす場所がないというのと、それから動かす場所の候補としましては立体駐車場がございますが、その屋上でありますとかそういうところに移設をしますと、かなりの費用がかかってくるということもありまして、残念ながら今のところそのような対策はまだとれていない状況でございます。
 以上です。

3番(北川博規君)

 もしも資金面でそれだけの財源がないということならば、市のほうでそれはぜひ何とかしなくてはいけないんじゃないかと言おうと思いましたけれども、場所がないということになると、また話は別かなと思います。ぜひそれは何とかこれからも改善の方向を見出すような努力をお願いしたいなと思います。
 続いて、呉竹側ですけれども、これは商業施設がたくさんございます。市庁舎もあるわけですけれども、こちらに対してはどのような対応が考えられるのか。
 そして、消防、救急という救急車両の出動に対してはどうなのかということをお聞きしたいなと思います。

市民生活部長(辻善宏君)

 笙の川水系洪水ハザードマップに基づく最大浸水想定では、河川付近の大型商業施設であるアピタ周辺の水深で0.5から1メートル未満、市庁舎周辺の水深で0.5メートル未満を想定しているところです。
 市としましては、商業施設、市庁舎であっても一般住宅における対応と同様、避難情報等に注意いただき、万が一、洪水発生のおそれが高まった際には、避難所などに移動する立ち退き避難や、2階以上の高い場所へ移動する屋内安全確保など、状況に応じた避難行動をとっていただきたいと考えます。
 なお、消防の緊急車両についてですが、敦賀美方消防組合消防本部に確認しましたところ、笙の川が越水し、消防庁舎の車庫が浸水する危険性が高いと判断した場合には、速やかに緊急車両を浸水危険性の低い場所へ移動する措置をとるとのことであります。
 以上です。

3番(北川博規君)

 救急車両については、また消防議会で取り上げたいなと思いますけれども。
 いずれにしても救急車両の機能、市役所側にしても、そして病院側にしても大変脆弱な感じを受けざるを得ません。その点、これから先、対応をお願いしていくことになるんじゃないかなと思っています。
 万が一、笙の川が氾濫した場合、中心地ということもあって、笙の川近隣だけではなくて市全体の機能が麻痺してしまう。特に今の高齢化を迎えている社会ですから、市民の生活や命が奪われる可能性は大変高い。大きな問題だということを確認しておきたいと思います。
 これらの想定被害や補償、いろんなことについて、これまでどのように市民に啓発を図ってきたのか。その点をお伺いしたいなと思います。

建設部長(清水久伸君)

 氾濫した場合、どの地域でどの程度浸水するかの想定を地図に落としました笙の川水系洪水ハザードマップを平成16年7月、また改定版を平成20年6月に作成し、全戸配布を行い、市民への情報提供及び啓発を行ってまいったところでございます。
 以上でございます。

3番(北川博規君)

 今、地域でもマップをつくっています。それも含めて。
 ただ、先ほどちらっと話した、もし万が一のことがあったとき、その補償は個人の保険、これに委ねざるを得ないんだという、そのあたりの啓発というのはいろんな形で必要なのかなと思います。
 続いて、安全確保という点から何点かお聞きしたいなと思います。
 この1年間、笙の川の安全確保という面について何をどのように行動されてきたのか。市としての対応も含めてお願いしたいなと思います。

建設部長(清水久伸君)

 河川管理者の県におきましては、土砂の堆積状況を確認し、流下能力を確保するためのしゅんせつが実施されました。また、来迎寺橋改修工事の早期着手に向け、地質調査、現況測量及び橋梁の概略設計を行っております。
 本市といたしましては、二級河川笙の川整備促進協議会及び県への重要要望を通して整備促進及びしゅんせつを要請いたしました。

 また、増水時には、氾濫防止対策として直ちに来迎寺橋付近の堤防上に大型土のうが設置できるよう、あらかじめ保管場所を確保しているところでございます。
 以上でございます。

3番(北川博規君)

 これもまた、しゅんせつの部分は目に見えるんでしょうけれども、なかなか市民には目に見えない部分での御努力というのはあるんだと思いますけれども、今や地域住民の不安というのは台風シーズンだけじゃない。梅雨もありますし、強い雨が降るたびに何か不安で心配で。そんな生活をしなければならないというのは、先ほど一番最初に述べさせていただいた生活権が揺らいでくる。そんなふうになっているんじゃないかなと思います。
 住民の願いというのは、あすの不安を取り除くということなんですけれども、この点についてはもう一回だけ確認しますけれども、この点について市長さんのお考えをお願いします。

建設部長(清水久伸君)

 繰り返しになりますけれども、笙の川の整備は、市民の生命、財産を守るために市における最重要課題として認識をしてございます。近隣住民の皆さんの不安を一刻も早く解消するため、一日も早い工事着手に向けて、河川管理者である県とともに取り組んでいるところでございます。
 以上でございます。

3番(北川博規君)

 そのために、先ほども出ていましたしゅんせつ、河床掘削、これはとても大事なことだと思うんですけれども、この前の説明会でもその声は大変強いものがありました。これだけは住民の目に見える大きな取り組みなんだと思うんですね。
 過去5年間、しゅんせつの状況、これを確認したいんですけれども、過去のしゅんせつの予算としゅんせつの量、これを教えていただきたいなと思います。

建設部長(清水久伸君)

 過去5年間の笙の川のしゅんせつ状況についてでございますが、平成25年度は、予算は890万円、しゅんせつ量は1200立米。26年度は、予算が3862万8000円、しゅんせつ量は1万700立米。平成27年度は、予算が425万4000円、しゅんせつ量は1480立米。28年度は、予算が1519万6000円、しゅんせつ量は7400立米。平成29年度は、予算が1388万9000円、しゅんせつ量が3570立米となりまして、5年間合計で予算が8086万7000円、しゅんせつ量が2万4350立米となっているところでございます。
 以上でございます。

3番(北川博規君)

 今のお話を聞くと、年度ごとにかなりの予算の差があるわけですけれども、これはなぜそういうことになるんですか。

建設部長(清水久伸君)

 台風襲来の豪雨の影響ということで、例えば25年度と29年度、28年度も多うございますが、そういった影響でございます。

3番(北川博規君)

 しゅんせつというものは、住民の声からは大変要望も強くて効果もあるというふうに聞いていますけれども、プロの目から見ると、しゅんせつというものは効果がどの程度あるものなのか。それをお聞きしたいんですけれども。

建設部長(清水久伸君)

 しゅんせつにつきましては、あくまでも河川断面、流下能力を確保するために行うものでありまして、流下能力を阻害するような土量になればしゅんせつをしていく。これが河川の管理というものでございます。

3番(北川博規君)

 効果があるということですね。
 その中で、実は感潮区間という言葉を先日知りました。この感潮区間というものについて教えていただきたいなと思います。

建設部長(清水久伸君)

 川が海に流入する河口部で、川は潮の満ち引きの影響を受けます。そのため海の水面が上下することで海水が入り込んだり川の水位が変動したり影響を受ける区間が発生いたします。その区間を感潮区間といいます。
 以上でございます。

3番(北川博規君)

 感潮区間が例えばどこまで、恐らく三島橋ぐらいまであるんじゃないかと思うんですけれども、その感潮区間がある場合には、しゅんせつの効果はかなり低くなるという、そういう住民の声があるんですけれども、それについてはどのように回答されますでしょうか。

建設部長(清水久伸君)

 土砂動態解析の結果から、海からの砂の遡上の可能性は低いとのことです。

3番(北川博規君)

 先日の来迎寺橋の説明会、また来迎寺橋の質疑なんですけれども、その折に、ことしは上流でのしゅんせつを県は考えているんだという、そういうお話がありました。その内容を少し確認させていただきたいんですけれども、いかがでしょうか。

建設部長(清水久伸君)

 議員さんおっしゃるとおり、先日の住民説明会において、下流に流れる土砂を減らす取り組みといたしまして上流部でのしゅんせつも実施したいという説明がございました。近年の台風による大雨によりまして、またそして獣害、こういう影響等も含めまして、自然環境の変化によって山地の荒廃ですとか脆弱化が進んで土砂流出しやすい状況ではないかというふうに考えられまして、堆積土砂も多いことから、上流部でのしゅんせつについては有効な手段と認識しております。

3番(北川博規君)

 有効な手段ということでお聞きしました。下流からやるというのが常識だというふうにお聞きはしていましたので、確認をさせていただきました。
 来迎寺橋の改築についてお伺いしますが、3回説明会がございました。ただ、説明会に出ない方もたくさんおられます。概略で結構ですけれども、来迎寺橋の改築について、概要だけここで共通理解させていただきたいんですけれども、お願いします。

建設部長(清水久伸君)

 それでは、来迎寺橋改築の概要について御説明を申し上げます。
 河床掘削の際、橋脚の根入れが不足するために、橋脚の補強を行うとともに、既存の橋脚桁下が規定より84センチ低い位置にあることから、現在の橋桁を撤去いたしまして、より薄い桁でかけかえること。これが1点でございます。
 そして、橋梁のかさ上げによって周辺の道路、家屋に影響が及ぶこと。これが1点。
 橋梁の有効幅員を4.5メーターから5メーターに拡幅すること。これが1点。
 現橋撤去の間、今の橋の撤去の間、仮自歩道橋、2メーターの、これを設置することなど、以上の改築案が説明されたというところでございます。

3番(北川博規君)

 今のお話が先ほど市長さんのおっしゃったこれまでいろんな取り組みを、重要要望もして、いろんな人がいろんなところでいろんな努力をしてきた一つの形となってあらわれたものだということで、本当にすばらしいものだと、高い評価を皆さんがしているんだと思いますが、一日も早くこれを実現してほしい。特に今4つおっしゃいましたけれども、とにかく    要するに上の桁。橋脚は別にあったとしても上の桁だけをとにかく早く撤去することで、ことし地域の方の不安は低く、薄くなるわけなんですけれども、どうなんでしょう。少なくともことしの台風シーズンまでには、その撤去について活動をスタートしていただきたいんですけれども、それについてはどのようにお考えでしょうか。

建設部長(清水久伸君)

 あくまで県事業でございまして、本市としては要望するしかございませんが、治水上最も緊急性が高いのは来迎寺橋の改築でありまして、現橋を撤去することで治水安全度が向上することは強く認識をしているところでございます。来迎寺橋をかさ上げすることによって周辺道路や家屋への影響が大きいことから、改築により影響を受ける周辺住民の皆さんに対して丁寧に説明を行っているところでございます。
 なお、撤去時期については、河川内の工事が可能な非出水期以降となるというふうにと聞いているところでございます。

3番(北川博規君)

 非出水期以降ということは、要するに11月以降ということになりますよね。ということは、ことしの台風シーズン、近くに住んでいる人は、また毎日毎日不安な思いをしなくてはならないんですよ。
 予算もつきました。計画もできました。先ほど言ったように一番上の通路だけでも取ってしまえば、その不安は払拭されるわけなんですけれども、その点について、これはもう部長さんのお話じゃないと思うんですね。市からどんな形でどんなふうに要望を県へ上げていくか。その点について、市長さんからお伺いしたいと思います。

市長(渕上隆信君)

 議員に言われるまでもなく、何回も同じことを言っております。
 以上です。

3番(北川博規君)

 言われるまでもなくという、それは余分なことだと思いますけれども。例えば、そのときの回答というのはどんな回答になるんですか。絶対無理だというんですか。それとも検討しますとか、そういう形になるんですか。ちょっとお聞きしたいんですけれども。

建設部長(清水久伸君)

 その点ではございませんけれども、1点、私から言い忘れた部分がございますので、1点追加をさせていただきたいと思います。
 非出水期までには、来迎寺橋に添架されておりますNTTケーブル、これの移設、これを行う予定というふうに聞いております。要するに、橋を落とす前に、かかっているケーブルをまず移設しなければいけない。この準備工事があるというところでございます。
 以上でございます。

3番(北川博規君)

 わかりました。
 ただ、わかりました、なるほどなという答弁なんですけれども、でも何度も言いますけれども、その間また、ことしも近隣の人たちはおびえるんですよ。あす雨が降ったら命にかかわる、そういう生活を余儀なくされる。これについては本当に、要望しているということでしたけれども、さらに強い働きかけをお願いしたいなと思います。よろしくお願いしたいなと思います。
 確認しますけれども、例えば来迎寺橋が一時的に撤去された場合、その影響はいろんなところに出てくると思うんですけれども、プラス面、マイナスン面でその影響はどんな形になるのか、お聞きしておきたいなと思います。

建設部長(清水久伸君)

 県に確認をいたしましたところ、プラス面としては、治水安全度が向上するとのことでありまして、橋桁に流水が当たるようなことや、流木が流れてきた場合に橋桁に引っかかるようなことが防げるために、その事が原因で越水したりする危険性が低くなるというふうに聞いております。
 そしてマイナス面でございますが、河川管理上はマイナス面、これは特に考えられないというところでございます。

3番(北川博規君)

 それだけ効果が大きい来迎寺橋撤去なんだと思います。ぜひ先ほどのことを繰り返してお願いしたいなと思います。
 ここで大事なのは、来迎寺橋云々で来ていますけれども、これは笙の川水系整備のほんの一こまなんだということですね。確かに今ほどお話ししたように、氾濫の危険性は低くなるんでしょうけれども、笙の川全体の流下能力に対する不安というのは、一番最初のほうで述べたようにまだ払拭されていません。地域住民の方にしてみると、局地的な豪雨に対する不安というのは常に感じています。
 しゅんせつが少しでも効果があるのならば、そして、しゅんせつしたとしてもすぐに元の姿に戻ってしまうとしても、すぐに行動を起こしてほしいというのが強い願いだと思いますけれども、その点についての見解をお伺いします。

建設部長(清水久伸君)

先ほど述べましたとおり、豪雨時の増水に備え必要な河道断面を確保するためのしゅんせつ、これは治水上、有効な手段であると考えられておりますので、再堆積、再びまた土砂堆積した場合は、繰り返ししゅんせつ工事を実施することを県に対して強く要望しているところでございます。
 笙の川におきましては、昨年の10月からことしの5月にかけて、来迎寺橋付近、そしてまた鳩原地区及び杉箸地区にて、しゅんせつが実施されました。
 下流部でのしゅんせつに加え、上流部においてもしゅんせつを実施することにより、下流域への土砂流出が抑制されるものと考えますので、これについてもあわせて要望しているところでございます。
 以上でございます。

3番(北川博規君)

 来迎寺橋の計画が進んでいくから、しゅんせつの費用がない。そういうことは絶対ないということを県土木はこの間行ったときにも話していましたので、来迎寺橋とは別に、しゅんせつのほうはがっちりと、ぜひ進めていっていただきたいなと思います。
 次に、河口の堆砂についての対応をお伺いします。
 現在の河口の状況、市民の誰にとっても不安を増大させる状況です。どんなものでも出口が詰まって流れが停滞したならば安定した流れが損なわれていく。これは常識です。現在の河口の状況をどのように分析しているのか伺いたい。市としての分析も含めて、お願いします。

建設部長(清水久伸君)

 河口部に砂が堆積している状況は、本市としましても確認をしております。昨年8月の台風5号の出水により、河口部の土砂堆積はほぼ解消されました。その後、冬の荒波によって現在の形状で港湾区域に再度形成されたと推測をしているところでございます。

3番(北川博規君)

 河口部の流下能力の維持が河川にとっては大変大事だと思うんです。例えば、すみ分けが大変難しいと思うんですけれども、福井県土木部の河川課と、それから港湾課というんですか、要するに港湾事務所と土木事務所ということになるんですが、その担当エリアに絡んでくる話なんですけれども、その間の協議というのは、これは私たちがやりますとか、きちっとした協議、責任分担は行われているのですか。

建設部長(清水久伸君)

 福井県におきましては、堆砂、土砂の堆積について、定期的なモニタリングを実施しておりまして、堆砂が河口部に近づいたり航路に対して影響を及ぼすことがないか、位置ですとか大きさの変化について観測を続けていると聞いているところでございます。
 モニタリングの状況については、福井県の河川部局及び港湾部局において情報共有をしているとのことです。
 以上でございます。

3番(北川博規君)

 一番住民が知りたいのは、笙の川の河口の堆砂が笙の川の安全治水に影響がないのかという部分なんですけれども、それについてはどうなのでしょうか。

建設部長(清水久伸君)

 現在の堆砂は港湾区域に形成されており、河川の流下能力に影響を及ぼす可能性は低いと考えられ、今後も定期的なモニタリングを実施し、位置や先ほど申しました大きさの変化の状況について観測し、河川の流下能力が低下するようなことになれば、しゅんせつすると県のほうから聞いております。

3番(北川博規君)

 強い雨が降ったら川の水が押し流してくれるというお話もお聞きしていますけれども、要するに、押し流すということはそれだけ流圧があそこの堆砂にかかっていくということにもつながっていて、リスクはあるんじゃないかなという思いはあるんですけれども、それはおいといて。
 あの堆砂なんですけれども、何が原因であのものが生まれてきたのかな。その点どうなのでしょうか。私見としてお伺いします。

建設部長(清水久伸君)

 冬季の風浪によって、風や波ですね、河口の堆砂を形成しているというふうに聞いております。

3番(北川博規君)

 あの近辺に住んでおられる方は、離岸堤、100メーター、100メーターですか、ありますけれども、離岸堤の存在がその要因であるんじゃないかという、そんなお話があって、それは私の耳にも入っているわけですけれども、その点についてどうなのでしょうか。離岸堤設置段階で、そういう予想とか検証そのものは行われてきたのかなと。費用の面も含めて、お伺いしたいんですけれども。

建設部長(清水久伸君)

 離岸堤と堆砂、土砂がたまること、これの関係につきましては、いろいろな御意見がございますけれども、県の事業内容であることから県のほうに確認をしましたところ、離岸堤が設置される以前より堆砂が生じていると理解しているとのことでした。
 なお、土砂が堆積される要因につきましては、現在実施している土砂動態堆積調査によって究明していくと聞いております。

3番(北川博規君)

 グーグルマップでもあそこだけは、あれでも見えるんですよね。だから市民の方にしてみると大変不安は大きいということをお伝えしながら。
 ということは、あそこのしゅんせつ、堆砂のしゅんせつは、これから先どんな形で行われていくのか。それについてはいかがなのでしょうか。

建設部長(清水久伸君)

 しゅんせつにつきましては、福井県港湾事務所において、航路の確保、いわゆる船がスムーズに航行できることを目的として行っているというところでございます。
 現況において、河口の堆砂が航路に対して影響がない状況と聞いております。航路に対して影響がある場合は適切に対応していく予定と聞いているところでございます。

3番(北川博規君)

 先ほど笙の川の安全治水に関してはそれほど影響がないということをお聞きしましたので、そのことを一応信じて、このまま終わりたいと思います。
 最後に、木の芽川のJR鉄橋について触れますけれども、木の芽川のJR鉄橋、これまでいろんな場で取り上げています。きょうも別所議員からもそれはございました。
 現在の状況、そして、なぜ整備計画が確立されないのか。そのあたりを含めてお願いします。

建設部長(清水久伸君)

 JR鉄橋につきましては、上下流に比べ流下能力が低い区間となっておりますが、流下能力の確保のためしゅんせつを実施しているとのことでございます。
 それと河川の整備計画でございますけれども、これも河川管理者であります県に確認いたしましたところ、木の芽川を含む笙の川水系につきましては、河川整備計画は作成されておりますが、木の芽川についての具体的な改修計画は作成されていないとのことでございました。
 河川の整備は、流域全体の流下能力のバランスを確保するためにも下流から整備するのが基本であり、下流が整備されることに伴い上流の治水安全度も向上するものと考えております。現在、木の芽川の下流域である笙の川の改修を先行して進めており、木の芽川の具体的な整備計画については、笙の川の進捗状況を見ながら検討されていくものと聞いているところでございます。

 以上でございます。

3番(北川博規君)

 確かに今話があった下流の笙の川の整備が進めば不安は払拭されていくんだと思います。ただ、それにはまだ何年もかかるということで、木の芽川についてもいろんな検討をしていっていただきたいと思います。
 以上いろいろ聞いてきましたけれども、今回の質問を通して確認できたのは、笙の川水系の流下能力は余り確実なものではないという、それは間違いないかなと。ちょっと不安はあるということですね。そして、これまで災害が起こらなかったのは雨がそれだけ来なかったということなんだろうと。ただ、整備が整うまでは近隣の方は不安があるということです。
 ということから、2点ぜひお願いしたいなと思います。
 住民の不安を軽減するために、目に見える形でぜひ早急な対応をお願いしたい。長期的、短期的なスパンの中で何が実施されているのかをぜひ1年に1回、住民に報告、説明をいただきたい。
 2つ目、あすにでも目に見える形で対応がなされていることが大事だと思います。ことしの台風シーズン到来前に来迎寺橋の撤去、しゅんせつ、河口の堆砂への対応も確実に行っていただきたい。
 この2つをぜひこの公の場で訴えておきたいなと思います。
 きょう、県の所管ということで、大変いろんな質問をさせていただきました。いろんな答弁書等、御苦労をおかけしたと思います。ありがとうございました。
 私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。