令和4年2月議会 予算決算特別委員会総括質疑

県議会の記録

予算決算特別委員会の質疑は、議会の最終の質疑の場です。総時間を各会派での人数に応じて時間配分され、私たちの会派に認められた時間は90分でした。
その中でも、最後に与えられる総括質疑は、本議会で審議が尽くされたと思われない内容に特化して伺う場でもあります。
今回、私にとって初の総括質疑の場でした。
 会派の皆さんの声を吸い上げて臨むべきものであるのですが、初のことでもあり、私自身の課題が中心となってしまい、反省点の残るものとなってしまいました。

1 人口減少対策へのアプローチと今後の取組み
 
福井県の転出超過は1,750人で、前年より280人拡大しました。ただ、日本人に限ると転出超過は前年比212人減で、2年連続で縮小しています。
県はこの結果を「地方で働くことを志向する学生が増え、県のU・Iターン支援策が実を結んでいる」と評価し、「今後も子育て支援策や企業誘致策の充実を通して福井に人を呼び込んでいきたい」としているとの報道がありましたが、具体的にどのように充実していくのでしょうか。転出者や転入者がどういう人たちなのか詳細に分析したうえでターゲットを絞り込み、彼らに刺さる支援策となるよう改善する必要があると思います。

⓵ 今回の転出超過の結果を踏まえ、今後、人口減少対策をどのように改善していくのか、知事の所見を伺う。

答(知 事)
 今回コロナ禍で首都圏、特に東京が転出超過になったというお話しがありますが、一方で、それはほとんど一都三県の中に留まっているという状況も見えています。そういう意味では、広がりは今の所まだ大きくない状況ではありますが、一方で、やはり東京があまり住みやすい所じゃない、地方に目が向く、こういったことが一つのきっかけになっていることは明らかかと思います。
 福井県の日本人に限れば、転出超過が2年連続して縮小しているということが一つあります。また、例えば、20代で見ますと、転入者の数だけですけれども、2年連続で増えてきている。それから、子育て世代である40代は、転出入あわせて転入超過になっている。これが最近の福井県の状況ですので、これからこうした方向をさらに大きくしていかなければいけないと思います。
 そのためにまず、若い層、結婚する前も含めて、こういう方々が福井で何かやってみたい、チャレンジしたいと思えるように、来年度「地域チャレンジカレッジ」をつくらせていただいたり、若者の起業家支援、といったことを広げ、若い人に選ばれる福井にしていこう、それからまた、子育て世代が福井に住みたいと思えるように、「ふく育県」という提案もさせていただき、2歳未満のところを第2子から無償化する、また、遊び場の確保もしていくことで、「やはり子育ては福井よね」ということで、ちょうど結婚して子育てになる頃に福井に移住したくなるような県にしていきたいと考えます。


 社会減だけでなく、自然減についても課題があります。
出生数は21年1月と2月の減少が目立ちます。感染症コロナの影響による妊娠控えと考えられます。これが一時的なものなら将来人口への影響も大きくなりませんが、婚姻数が減少しているため、今後の出生数にも長期にわたって大きな影響が出ると考えます。
第2期 ふくい創生・人口減少対策戦略において、平成25年時点の予測では、2040年(令和22年)の本県人口が63.3万人だったところ、平成30年推計では、64.76万人と1.4万人改善したとしています。しかし、それでも30年間で20%減少しており、今後はコロナ禍による影響が出てくるものと思われますし、現在の世界情勢の不安が追い打ちをかけます。
 第2期戦略では、中長期的な社会増と出生率2.07を達成した場合の本県推計人口を68万人としていますが、長期化するコロナの影響を検証し、戦略の見直しが必要ではないでしょうか。人口は県政の基盤となる部分ですから、対応に遅れがないようにすべきです。
 社人研のデータを基にした人口推計は、信頼度の高いものであるとされていますが、それを待っていては、ならないとも思います。

⓶コロナ禍による出生数、婚姻数の減少をどう分析し、第2期ふくい創生・人口減少対策戦略をいつ、どのように見直すのか、所見を伺う。

答(地域戦略部長)
人口減少対策戦略ですけれども、長期的視点、目標を2040年に置いています。長期ビジョンと同じですが、自然減・社会減の対策を継続して行うために策定しています。そういう性格ですので、毎年の進捗を見ながら、必要な施策を追加・見直しをしています。その都度見直しというよりは、毎年度の施策の中で対応していく、という考え方で策定をしています。
令和2年の婚姻数ですが、前年の令和婚の反動もあり減少しましたが、その減少については全国よりは小さかった。出生数については、他の都道府県は減少している中、沖縄県と並び増加しました。ただ、令和3年、直近で言いますと、福井県もその数字はちょっと減少に転じています。
 今後、結婚支援の対策といたして、自宅に居ながら婚活ができるAIマッチングシステム、これを軸にして、更に民間事業者のノウハウを活かした相談会など、成婚に繋がる支援を追加する。更には、子育て世帯へのふく割発行とか、保育料無償化の対象拡大、といったことで全国トップクラスの子育て支援を一段と強化する。このような対策を行い、高い目標ではありますが、2030年の合計特殊出生率1.80を目指して政策を行っていきます。


2 地域おこし協力隊の現状と今後の展望
 
人口減少が背景にあるという点でのつながりから、次に、地域おこし協力隊の現状と課題について伺います。
2009年に始まった「地域おこし協力隊」とは、都市部から過疎地域等の条件不利地域に移住して、地域ブランドや地場産品の開発・販売・PR等の地域おこし支援や、農林水産業への従事、住民支援などの「地域協力活動」を行いながら、その地域への定住・定着を図る取組です。
2020年度時点で約5,500人の隊員が全国で活動していますが、国は隊員数を2024年度に8,000人に増やすという目標を掲げています。
地域の活性化を担って、都会から地方へ赴任してきている「地域おこし協力隊」ですが、見知らぬ街へ一人赴いて、地域に受け入れてもらえるか、自分の思い描く活動ができるのか、不安を抱えている方も少なくありません。
本来であれば、隊員として赴任後は、地域活性化のためにやりたいことに取り組み、任期終了後もその地域に定着するのが理想ですが、他県では行政に安価な労働力として使われているという事例も見聞きします。

⓵現在、県内に赴任している県および15市町42人の「地域おこし協力隊」の活動状況を伺うとともにこれまで赴任した隊員の任期終了後の状況について伺う。

答(交流文化部長)
 本県の地域おこし協力隊については、農業や特産品の開発、食のブランド化や地域の魅力の掘り起こし・発信など、幅広い分野で活動に従事しています。任期終了後の状況ですが、平成21年度から142人が着任し、現任の42人を引いた100人のうち約3分の2、65人が定着をしています。
退任後は、ゲストハウスや飲食店の運営など地域に根差したビジネスを起業する方や、地元企業に就職しながら地域のリーダーとなって地域づくり活動を継続する方など、任期中に培った経験や人脈を活かした活動を展開しており、本県の地域の活性化に大きな役割を果たしていただいています。


 地域おこし協力隊制度は、従来の働き方や雇用形態と比較すると、圧倒的に「流動的」な働き方、雇用形態です。
流動的な働き方の場合、学歴や性別等による所得上昇の有利/不利の差が如実に表れます。地域おこし協力隊も、経年的に見た場合、これらの要素による所得格差が拡大する可能性があります。
その点で、当初予算で「地域おこし協力隊定着支援事業」として、協力隊退任後も地域活性化を行う場合の活動費を支援するため、700万円、「地域おこし協力隊レベルアップ事業」として、隊員の活動支援とネットワーク形成を行うため950万円が計上されているのは、大いに評価するところです。

⓶協力隊が安心して本県に赴任して活動できるよう、今後、具体的にどのような支援体制をとっていくのか、また、協力隊メンバーのネットワークを構築することによって、どのような支援に繋げて行くのか、知事の所見を伺う。

答(知 事)
 地域おこし協力隊のみなさん本当に生き生きとされています。ある意味、もちろんお金もお給料も貰っていかないと生きていけないということがありますから、お給料というのも決して小さくちゃいけないというのは、その通りなんですが、とはいえ、楽しくて選んできているし、日々を楽しんでいる感じがとてもひしひしと感じられる。とても地域に活力を与えてくれる人達だなと思っています。
そういう意味では、その人達には仕事をあてがうというよりは、何かを見つけてもらって、どんどん楽しくしてもらうことを頼むと、自分で広がっていくと感じています。そういう意味で我々ができることというのは、フィールドを与えて、なおかつ、その人をどんどん応援してあげる、こういうやり方が一番いいと思っています。
結果として、1/3の方がいらっしゃらなくなるというよりは、2/3の人が残るというのはある意味驚異で、これからも続けていかなくちゃいけない。その時のやり方として、やはり、分かってくれている人がいる、仲間がいる、それから地域で一緒にやっているっていうそういう共感が大事なのだと思います。
今年度から、県としましては、県の協力隊員として地域おこしマネージャーというのを雇わせていただいて、もちろん協力隊員の人とも話をするんです、協力隊員を束ねている各市や町に担当の人と、両方からお話を聞いて、橋渡しもさせていただいたり、OB・OGも含めてネットワークを作ることをやらせていただいております。
実は「スマウト」というサイトがあり、そのスマウトのところへ輝いている現役の人、それからOB・OGがやっている、そういう情報をどんどん出して、福井が選ばれるようになる、そういうことをこれからも続けていきたい。


【所感】
地域おこし協力隊は、中長期的な視点でみたときに、制度そのものが抱える構造的問題もあるのは確かです。
それを乗り越えるためには、協力隊をリスペクトし、処遇を高めることは確実に必要です。また雇用形態についても見直しが必要でしょう。さらに任期終了後のサポート体制の拡充も重要です。

地域おこし協力隊という「新たな果実の種」が地域に蒔かれたと考えたとき、大切なのは、
  ⑴根を張る豊かな土壌。
  ⑵育つのに十分な水や養分。
  ⑶仲間と育つことのできる環境。
  ⑷風雨に耐えるための支え。
         であると考えます。
 それを整えていくことが県の使命であると考えます。
事業としては小さなものであったとしても、隊員の人生、そして地域にとっては、大きなものであるのだと考えます。
是非、しっかりと育てる体制を整えていただきたいと思います。


3 教員確保について

まず、令和4年度の教員採用試験の状況についてですが、全国的な傾向と同様に、福井県でも採用試験の倍率低下が続いています。
 
⓵採用試験の倍率低下、つまり、教員希望の人材が減少しているわけですが、その原因をどのように捉えているのか、所見を伺います。

答(教育長)
 教員採用選考試験については、新卒者と県内講師の受験者数を平成29年から大体5年間を見ますと、新卒の志願者数は18人増加しております。年によって若干波はありますけれども、大きな変動はありません。ただ、一方で、県内講師等の受験者は84人減少しており、既卒の志願者減少が、全体の志願者数を引き下げているという状況です。
その原因としては、定年退職者の増加に伴って採用数を増やしたことにより、県内講師の採用がかなり進んだということが考えられます。また、本県で採用されない受験者が、結構受かりやすくなって他県の教員をやったり、今、求人数が多いものですから、民間企業の方へ就職するというケースが増加していることが考えられます。


【所感】
 教員志望者の減少の大きな理由の一つに、学校の勤務実態の大変さが、いろんな形で教員希望者に認知されてきていることが挙げられます。
教員の働き方の改善に着手していることによって、改善が進んでいることは承知していますが、今の若者たちは、全てを見抜きます。こんな言葉を耳にします。「教師という職業は憧れます。でも、ブラックだから・・・」
そのブラックという意味には、勤務がハードで時間外も部活もあって、自分の時間がとれないという意味合いはもちろんですが、コンプライアンスという面で、いまだに、縦の力関係や鍋蓋構造が残されているという意味も込められています。つまり、勤務時間を正しく把握しようとしない体質がまかり通るような職場は嫌だということです。今議会の中で、1月の80時間超の人数の報告を伺って、正直驚きましたし、それに対する反応も大きなものでした。
学校は、コンプライアンスの大切さを教える場でもあります。
学校現場における教員の働き方改革が改善されつつあることをしっかりと広報し、夢をもって教員を目指す人材の確保につなげなければなりません。

次に、資料①をご覧ください。県外で正規教員経験のある方は一次試験が免除され、志願者内合格率も4年度は7割近くになっていますが、志願者数が3年度と比較して4年度に大きく減少しています。
採用試験の倍率が低下し、一次免除の志願者数も減少しているなかで教員確保をするには、県内で講師をしている方に教員になってもらうのが一番良いのではないでしょうか。


⓶講師として勤務する方の中で、採用試験を受験している割合はどれくらいなのか、これまでの経年変化を伺うとともに、複数年講師を続けている方が教員採用選考試験を受験しない理由がどこにあると分析するのか、所見を伺う。

答(教育長)
 講師の中で、教員採用選考試験の受験者は、過去5年の割合を見ますと、昔は66%程いたのですが、今は講師の中で約54%と、低下してきています。
年齢別に見ますと40代、50代の講師が近年増加しており、敢えて受験を望まないベテラン講師も一定数いると、また、両親の介護とかですね、子や孫の子育てというか育児等、家庭の事情もあって、このまま講師でいいと、敢えて教員採用試験を受けないといった考えを持っておられる方もいらっしゃると聞いています。


 6 更問
 他県においては、(教員志望者確保のため、)教員採用選考試験においても、いろいろな取組みが行われている。講師を正規採用に少しでも近づけられるよう、他県の取組みを組入れていく姿勢をもっていただきたいが、この点について所見を伺う。


答(教育長)
1次の試験で一旦合格した人は、臨時講師をやっていただければ次からは、直ちに2次試験から受けていただくということは、もう取り組んでいますし、いろんな加点制度も設けて、できるだけその人の能力を生かせる採用を増やしていくと、そういう取組みは、もう既に他の県を参考にしながらやっております。

【所感】
 「やっています。」という答弁は、残念です。他県のひっ迫感の取組みに比べたら、県としての取組みは、まだまだ足りないのです。
 そのことを謙虚に受け止める姿勢がない限り、将来への展望は先細りになっていくような気がしても不安です。
 全国的に大量退職期に入った今、多くの県が講師の方を採用するための特別選考に力を入れています。
〇いろいろな加点制度、 〇講師勤務年数2年3年での一次試験免除 〇学級担任としての経験評価、 〇複数の受験機会、 〇地域枠での採用、など多彩です。
 それら他県の取組みを見ていると、福井県の講師を正規教員として採用するための対応が遅れているのではと感じてしまいます。
 私は、さらに、講師の方の勤務状況を一番把握している校長の具申を尊重する姿勢やシステムが必要なのだと考えます。
 もしも、公平・公正というのであれば、県教委が直接出向いて確かめる体制を求めるところでもあります。


渡辺議員の一般質問において、「産休・育休などの代替教員は、通年雇用の臨任講師枠を拡充していく」「広報活動を積極的に行い、講師登録者数の増加や十分な再任用フルタイム勤務者の確保に継続して努めていく」との答弁でした。
また、教科担任制について、令和4年度は、国の加配を活用しながら、専科指導教員を増配置し、教科担任制を積極的に実施していくことより、平均して週当たり3時間程度、学級担任の空き時間が増える見込みであるとのことです。
これらに加えて、退職者数、病気休暇取得者、少人数学級、小学校であれば、教科担任制の教員、高校であれば情報科の教員も関係してきます。また、教科担任制であれば、それぞれの専門教科教員の確保が必要です。

⓷このような対策を実施することにより、令和4年4月の時点で、どれだけの教員数が必要か、また、どのように確保するのか、そのスキームを伺う。

答(教育長)

 令和4年4月時点で、県内の小中学校、高等学校、特別支援学校の必要配置教諭数は、あわせて約5,800人であります。そのうち、現職の教諭は約5,000人おりまして、残り800人分を、新規採用教諭、再任用フルタイム教諭、臨時的任用講師でまかなうということです。

⓸特に、令和4年度から小中学校における再任用教諭の勤務の募集形態が変わり、原則フルタイムの募集となるわけですが、その人材確保の状況、正規採用での確保数、フルタイムでの再任用数を伺う。

答(教育長)
まず、再任用フルタイムの教諭は265人、また、新規の採用教諭は218人を予定しています。

8 更問
 先ほど800人ということだが、再任用265人、新規採用218人ということだが、残りの分は何か、確認のため伺う。


答(教育長)
残り290人ほどですけど、それは臨時的任用講師ということです。

【所感】
 290人の中で、年間通しての任用が何人なのか、その点が気がかりです。
それにしても、何度も言いますが、教員の確保計画を示すべきです。
定年年齢が伸びていくことも大切な要素です。
福井大学の嶺南教員プログラムが進んでいく中、その学生の採用における位置づけを明確にすることも大切です。
さらに述べるならば、管理職の確保についても、しっかりとした計画を持つべきなのではないでしょうか。


4 成人年齢引き下げに求められる対応

 民法改正を受け、今年4月1日から日本での成人年齢が現在の20歳から18歳に引き下げられます。
日本では1876年以来、約140年の間、成人年齢は20歳とされてきました。成人年齢が引き下げられることになった背景には、選挙権の年齢が引き下げられたことや若者の自己決定権を尊重する考えがあります。
世界的に見ても成人年齢を18歳とすることが主流です。
成年に達すると親の同意がなくても契約ができるようになりますが、社会経験が乏しいため、トラブルに遭う恐れもあります。そのため、未成年のうちから契約に関する知識やルールを学ぶことが大切にもなり、教育現場の対応が求められます。
 
⓵成人年齢引き下げに伴い、特に、「主権者教育」「金融教育」「消費者教育」の取組みが必要になりますが、限られた時間のどのような教育場面で実施するのか、またカリキュラムを含めた計画はどこが主導するのか伺う。

答(教育長)
 主権者教育、そして金融教育、消費者教育につきましては、令和4年度から実施いたします新学習指導要領の中の新科目で「公共」、「家庭基礎」、「家庭総合」、そういったところで行うこととしておりまして、成人年齢を迎える前の高校1、2年生の、その学校が立てた指導計画を、県教育委員会が指導し、承認しております。
これまでも、あと授業以外にも、各学校が選挙管理委員会とか地元金融機関から講師を招くなど、生徒の興味・関心を高める工夫もしております。


【所感】
 いずれにしても、年度はじめの「教員不足」や「未配置」は、絶対にあってはなりません。
 そのためにも、機会あるごとにお願いしている明確な目標を示した「教員確保計画」を明文化し、オープンにしていく必要があるのだと考えます。


5 新型コロナウイルスワクチン接種について

 昨年12月から2回目のワクチン接種から8か月を経過した方に対する3回目の追加接種が始まりました。その後、接種間隔の前倒しが進められておりますが、いまなおOECD諸国の中で最低レベルの追加接種率にとどまっています。
 福井県においても、感染力の強いオミクロン株への対応にあたって、ブースター接種(3回目接種)を希望する方が、一刻も早く、円滑に接種できる体制と環境を整備することが急務であります。県は、ワクチンの確実・円滑な調達・配送に加えて、県民に接種スケジュールを前もってしっかりと示すべきであります。

⓵県は、3回目接種について、高齢者へのワクチン接種に引き続き、いつ頃までに希望する全県民への接種を目指すのか、また18歳以上の接種についてはどのくらいの接種率を目標としているのか、知事の所見を伺う。

答(知 事)

 福井県内の1、2回目の接種については、県民の皆様にお声掛けさせていただいた結果、全国に比べて1か月ほど早く打ち終わっており、10月末の段階でほぼ希望されている方の接種は終わっていた状況です。
今は6か月経過したときから3回目の接種が打てるということですので、4月末で6か月を迎えるわけですから、5月の早い時期に何とか希望される方の3回目の接種が終えられるようにしていくことが大事で、打つ体制については問題なくできると思っています。ですので、会場もいろんな形で、予約なしも含めて、3月4月に異動される方の優先接種の会場を設けたりさせていただいていますので、県民の皆様には接種券が届いたらすぐにご予約をいただくことをお願いします。
その上で、3回目の接種はやはり、接種をされた方と1,2回接種をされた方と一度も打たれてない方は、特に発祥のリスクを見てみますと、3回打った方に対して、1、2回目で終わって6か月経過した方は、県内で見ると5倍発症リスクが高くなっている。それから1度も打っていない方は6、7倍まで上がっている状況です。さらに言えば重症化のリスクも、一度も打たれてない方は非常に高くなっていると専門家の方も言われています。特別警報の中ですので県民の皆さんにもご理解をいただいて、ご判断いただければと思います。
我々としても有効性・安全性の広報をしっかりさせていただきます。


6 薬剤師・公立園保育士の処遇改善について

 岸田内閣の肝入り政策として、今年2月から来年9月を期間として医療や福祉施設職員の処遇改善が実施され、介護士や保育士は3%、看護師などは1%の処遇改善を図れるよう国や県から事業者に補助金が交付されます。
 国は、今回の処遇改善を「コロナ感染への対応や少子高齢化の対応が重なる最前線で働く全ての該当する職員を対象に公的価格の在り方を抜本的に見直す」との方針を掲げております。それでも、今回の処遇改善でも民間保育士と全産業の労働者賃金との差額である約7万4千円には到底追いつかない規模であります。
 しかし、残念ながら国の考え方と、処遇改善制度の該当職員に食い違いがあるケースが見受けられます。事例を挙げれば、コロナ病棟でチームとして最前線で闘った薬剤師の方や病院食を作る調理員の方は対象職種から外れていますし、また、公立の保育園・こども園の正規職員についても、給与条例や人事院方針に当てはめることで除外するとの市町もあるようです。

⓵このように、薬剤師や調理員、保育園職員など処遇改善がなされないケースについて県としてどう認識しているのか所見を伺う。

答(健康福祉部長)

 国によります看護職員等の処遇改善、考え方の根本は、コロナ患者が入院される、受け入れをする医療機関において、直接患者と接して治療や看護にあたる医療従事者の収入引上げを目的としているものでので、今ほど調理員の方が例として挙がりましたが、直接患者と接するお仕事をされている場合は、調理員の方であっても当然対象になるというふうに読み取れるわけです。実際にそのように運用されていくものと考えています。
 一方、薬剤師につきましては、国の考え方としては看護師や他のコメディカル、お医者さんと一緒に仕事をする医療専門職の方と比べて相対的に薬剤師の方の賃金水準が高い、だいたい月6万円から7万円の差があると思いますけれども、こういうことから今回対象外となっているということで、不公平感の緩和につながるものと考えています。
 また、公立保育園の保育士の処遇改善については、県から市町に働きかけをして、今のところ先月の申請締切までに正規職員を改善するところで2市町、会計年度任用職員では11市町の申請があります。
 そもそも、各市町の正規職員につきましては、コロナ以前から、県内の市町、人事委員会をもたないところがほとんどですので、県の人事委員会の勧告これを参考にして給与体系を決定するということに、国からの通知でもそういう仕組みですので、これによって適切に対応しているということであれば、正規職員ではなくて改善の余地がある会計年度任用職員はそれぞれの市町が対応しておりますので、そういう処遇改善にはつながっていくと考えています。
 チームで活動している医療現場や保育現場に「不公平感」が広がることの無いよう、先頭に立って手を尽くすことが「福井モデル」の再評価にもつながるものと考えます。


7 県立高校入試の振り返りと今後の方向性

 続いて、これからの教育課題という点から、県立高校入試について伺います。
今年度から入試日程が見直され、2週間前倒しとなりました。コロナ禍において、受験機会を準備していくことと、3月末までには進路を決定していくことが重要とのことであったと記憶しています。
 
⓵前倒しによって、よかったと思われる点および課題として残されたものは何なのか、所見を伺う。

答(教育長)
 今年度の一般入学者選抜は、結果として感染拡大警報中の実施となりました。コロナ罹患等によりまして、計14名が欠席を余儀なくされたわけですが、追検査とか特別検査を実施し、複数の受験機会を確保したことで、十分な療養期間を経て、みなさん受験できました。受験生の安心につながったと考えています。
現在のところ、見直すような大きな課題があるとは思っていませんが、今年度の全日程が終了した後で、中学校長会、そして県立校長会と話し合っていきたいと考えています。


 今回の日程前倒しの目的には、県立高校への出願者数減少の解消という点もあったと思います。先日発表された合格発表の状況を見て何点か伺います。
資料に示したように、県立高校全日制の出願者数と倍率は、今年度微増となったものの、全体としては減少傾向となっています。
資料②の私立学校の状況をご覧ください。定員のうち1割程度は県外生が占めており、4年度は県内生の合格者は減っています。県立高校の出願者数の減少は、私立高校の募集定員数の増加の影響だとは、単純には言えません。

⓶出願者数の減少の原因をどのように分析されているのか伺うとともに、今回新設された学科についても所見を伺う。

答(教育長)

 出願者数につきましては、要は少子化が今進んでいる中で、入学定員も、見直しを毎年しています。中3生の数が減ってくる、そして、その志望調査によって私立とか県立の希望も聞きますので、それらも踏まえながら県立の各高校の各学科の定員を決めているわけです。入学定員がそもそも減ってきているということもありまして、出願者数も減ってきています。一方で、過去5年間の全日制志願倍率を見ますと、私立高校の授業料無償化が始まったということもありまして、令和2年度は入試は0.98と1倍を切りましたが、その後は令和3年度入試が1.01倍、令和4年度入試は1.03倍と回復傾向にあると考えています。
新設しました6校9学科、またコース全体を見ますとそれの志願倍率は1.41倍ございます。新学科への受験生の期待があったことが窺えますが、一方で、一部では1倍を下回ったところもあります。新学科の特色がちょっと浸透しきれなかった部分もあるのかなと思っています。今後は県立高校全体の魅力化・特色化に取り組むとともに、学校の活性化、中学生へのPRに積極的に取り組んでまいりたいと考えています。


 続いて、配布資料をご覧ください。令和3年3月卒業者の進路実態調査結果の概要として公表されたものです。
令和3年の4月時点では、中学校卒業後、県外へ進学していく生徒数は171名となっています。前年よりも5名少なくなったとはいえ、全体の2.4%の生徒が県外へと進みます。人口減少対策のためにも、こうした動きの原因を分析することが必要です。

⓷県内の中学校卒業者が県外の高校に流出する原因や理由をどのように分析しているのか伺う。

答(教育長)

 令和3年3月に県内の中学校を卒業して県外に進学した生徒は171名おります。その内訳は、全日制・定時制高校への進学が99名、通信制高校への進学が68名などとなっております。通信制高校につきましては、県外と言いましても、実際、福井県内に学習センターを設置している、いわゆる広域通信制と言われているのですが、そういった学校も多くて、実態としては県内で学んでいる生徒も多くいます。
また、県外の全日制あるいは定時制高校に進学した生徒の進学理由としましては、「県外の学校でスポーツを学ぶため」というのが約45%と最も多く、次いで、「航空系とか鉄道系、そういった特殊な学科が県内の学校で学ぶことのできない」ということで、そういった理由が約14%、また「保護者の転勤等に伴う引っ越し」が約14%という状況です。


【所感】
 今後、県内の生徒数が減少していく中で、県立高校自体の在り方にも関わる大変重要な部分でもあります。
これまで、県立高校は統廃合を行い、身を切る改革を行ってきたことは、誰もが知るところです。ただ、高校の授業料が私立・公立ともに無償化となっている状況下では、県立高校の出願者の減はさらに進んでいくのではないかと懸念しています。
生徒の進学先決定の動機付けが何なのかという点をよく分析しなければなりません。
 日程変更といった、小手先ではなく、しっかりとした各高校のビジョンを持って取組むことが必要ですし、そのためのハード・ソフト両面での支援・投資が必要です。


 そのためにも大切なのは、次年度以降の方向性の継続した検証です。

⓸今回の入試日程変更をはじめ、Web出願や推薦の在り方、中高の連携を含めた県立高校入試全体の検証をどのような場で、どのようなメンバーで行っていくつもりなのか、また、今後の方向性をどのように考えているのか、所見を伺う。

答(教育長)
 高校入試のあり方については、今年度WEB出願システム、これは中学校では最初、システムの操作方法で一部戸惑いがあったという声はありましたが、学校現場ではかなり事務負担の軽減とか受験生の利便性の向上に大きな効果があると考えており、これについてはさらにやっていきます。
入試日程の変更とか推薦のあり方とかそういうことについては、中学校長会も現場からいろいろ意見を聞くと聞いておりますので、中学校長会と議論したり意見を交換したり、あるいは、県立校長会も、それぞれの高校でこんなことをやりたいとか、いろんな要望が出てくると思いますので、そういった意見を踏まえて考えていきたいと思います。


【所感】
その子の個性を生かす教育をどのように進めていくか。私立高校、県立高校共に苦しさをもっていますが、どちらも身を切る改革をしなければならないのだと思います。その一環として、STEAM教育、ギフテッド教育など、特色ある新しい教育にも目を向けるべきであると考えます。もちろん、各高校の努力は大切です。ただ、難関大学への進学実績によって評価するのではなく、私たちは、新たな教育に取り組む努力の過程を見て、評価していくべきなのでしょう。
時々、 各高校のHPを眺め、いろいろなことを感じます。
SSHやSGHといった事業に指定された学校に偏重することなく、全ての高校に公平な支援と予算を配分していくことが、地域の中の高校を支えていくのだと思います。
地域は、それを求めています。


8 家庭教育に関する調査結果にもとづく今後の取組みについて
 
先日示された、「家庭教育に関する調査」の結果について伺います。
この調査は、小学校5年生と中学2年生に対して行われたもので、高校生が含まれていないのは大変残念ですが、その中で何点か伺います。

まず1点目に、「子どもの自己意識」についてです。配布資料の3ページをご覧ください。
「自分にはよいところがあると思う」という質問で自己肯定感を尋ねたところ、中学生では、「当てはまらない」と回答した生徒が22.4%となっています。
「将来に夢や希望を持っている」という質問でも、否定的な回答をした中学生は27.8%にのぼります。

⓵この数字は、「子ども・若者白書」の数値に比べれば、大変良い数字であるのは確かですが、この結果についての所見を伺う。

答(教育長)

 今回の調査では、ほとんどの項目において9割前後の児童生徒が肯定的な回答をしています。
詳細をみると、「好きなことや得意なことがある」と答えた中学生は96%、「人の役に立つ人間になりたいと思う」と答えた中学生が95.9%となっております。
調査結果からは、多くの生徒が自分に自信をもち、将来に希望をもっていると考えられ、県内の家庭教育や学校教育は良好な状況にあると捉えていますが、今後は、家庭教育の好事例を紹介したり、親学びの研修を通して、このような児童生徒がさらに増えるように取り組んでまいります。


⓶ふるさと愛に関するの小中学生の回答について、どのように分析しているのか伺います。

答(教育長)

 学習の広がりや成長に応じまして、一度は県外に住んでみたいと思う児童生徒がいるとも考えられます。「自分の住んでいるまちが好き」と回答した割合が多いことから、ふるさとへの誇りや愛着は高いと分析しております。
県内に住み続けることだけでなく、一旦県外で暮らした後再び福井県に戻ってきたり、あるいは県外で暮らしながらも福井県を大切にする思いを持ち続けることが大切だと考えておりまして、これからもふるさと教育を推進し、福井を愛する子どもたちを増やしてまいりたいと考えております。


【所感】
 配布資料の4ページ。「自分の住んでいるまちが好きだと思う」という質問に、「当てはまる」「どちらかといえば当てはまる」と回答した割合は、小学生では約9割、中学生では約8割と高い割合となっています。これまでの「ふるさと教育」等の効果が目に見える形となっていることは、高く評価するところです。
ただ、気がかりなのは、「ふるさと愛」とされている「大人になっても、福井県に住みたいと思う」という項目に対する回答です。「当てはまらない・どちらかというと当てはまらない」となっている中学生が37.5%となっています。小学生では21.8%であり、「自分の住んでいるまちが好きだと思う」という項目の結果と合わせて考えると、大変乖離したものであります。
丁寧な分析を取組みに生かしていくべきと考えます。


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