2021年2月23日
代表質問の記録3 新型コロナウイルス感染症への対応
今回は、大きな項目 3 新型コロナウイルス感染症への対応 です。
3 新型コロナウイルス感染症への対応
(1)介護施設におけるクラスター対策
本県においても、介護施設でのクラスター発生による高齢者の感染が急増し、新規感染者数や入院患者数の増加により、病床使用率が一時県が定める緊急事態レベルとなるなど、予断を許さない状況となっています。
県はこれまで、介護施設における感染防止対策への支援とともに、介護施設でクラスターが発生した場合の職員不足に備え、施設間での応援体制を整えるなど、介護現場における対策を強化してきましたが、利用者とその家族にとって住み慣れた地域における生活を支える介護サービスを維持するためには、一層の対策徹底・強化が不可欠です。
⒀そこで、今回クラスターが発生した介護施設におけるサービスの継続のため、施設間での職員の応援などを含め、どのような支援策が講じられたのか伺うとともに、感染リスクが高まる介護現場における今後の感染防止対策について、所見を伺います。
答(健康福祉部長)
今回の介護施設における集団感染においては、最初の陽性者を確認後ただちに、県版クラスター対策班を派遣しました。陽性者の入院調整、それから施設のゾーニング、感染対策の指導などを行っています。さらに、県が備蓄しております防護服や消毒液を大量に届けて、施設におけるサービス継続を強力にバックアップしています。
その後も、感染管理認定看護師さんを派遣し、施設における感染対策に対して継続的な指導、助言を行っています。
また、職員の応援については、事業者団体との覚書に基づく派遣体制をただちに整えたほか、応援職員の人件費とかケアに従事した職員への危険手当の支給等を行っています。
今後の対策としては、介護施設に新たに入所、またはショートステイを利用して入所する高齢者の方に対して、医師の判断を経て、PCR検査を事前に実施するしくみを作り、すでに検査が始まっています。
それから、介護現場と看護現場の意見交換行い、それぞれの立場から、高齢者のオムツの交換時の感染対策とか、認知症高齢者への接し方などについて、新たな双方の気づきの機会を設けていまして、この結果を今後のケアに生かすよう各施設のほうにも周知しています。
(2) ワクチン接種体制の整備と課題
コロナ禍において、集団接種できるような会場、医師や看護師など十分なスタッフは確保できるのか、問診から接種、経過観察などに少なくとも30分を要する状況で3密回避などの感染対策は十分とれるのか、かかりつけ医などによる個別接種会場への小分け輸送は可能かなど、多くの課題が挙げられます。
⒁そこで、医師や看護師の派遣といった人的支援など実施主体の市町への支援を強化して、より安全で効果的なワクチン接種体制を確立するとともに、県民のワクチン接種を促進するため、接種率など県として目標を掲げることも必要ではないかと考えますが、知事の所見を伺います。
答(知 事)
ワクチン接種の実施主体となる市や町への支援としては、まず、接種の色んな情報、いつ入ってくるか、どれぐらい入ってくるか、こういったものを的確に掴むために、国に対して職員を1名派遣しています。また、各市町、17市町全てに県の担当職員を専任で当てて意思疎通が十分にできるような体制を組んでいます。
また、ワクチンの接種については、接種するかどうかということは、皆様方個人でご判断いただくということになっていますので、これから県としては、国から、接種についての効果、それから副反応、といったものを正確な情報を出してもらうよう強くこれからも申し上げたいと思いますし、県としても広報を努めていきたい。
また、県としては、安全性についての専門的な相談の窓口も設置をしたいと考えており、あらゆる情報を分かりやすく県民の皆さんに提供させていただき、接種を希望する皆さんが少しでも早く、スムーズに接種ができるように体制を整えていきたいと考えています。
(更問) ワクチン接種を進めるための方策について、知事の所見を伺う。
答(知 事)
ワクチン接種をどう進めるかということについては、大きくは国の判断と理解していますけれども、私どもの思いとしては、まずは、今回の接種によって効果がある、それからまた、副反応がこの程度である、といったところを正確に国が明らかにしていくことで、明らかに国民の皆さんの期待度は高まっていると思っています。副反応のことも含めて正確にお伝えすることで効果は発揮されてくると考えています。
(3) コロナ禍における公共交通機関への支援策
新型コロナウイルス感染症により、地域公共交通の経営は大きな打撃を受けています。このような状況に対し、来年度の当初予算において、県内観光の促進策として、貸し切りバス料金の半額支援や県内修学旅行の支援など、貸し切りバスに対する需要喚起策が盛り込まれたことは評価できます。
一般的な路線の運行収入も大変厳しく、苦境に立たされています。
アフターコロナにおいても、交通機関に対する通勤や出張といったビジネス需要はさらに減ることも予想されますが、高齢者や子育て世代の重要な移動手段として、公共交通の必要性はますます重要となります。
⒂コロナの影響により、来年度以降も地域公共交通の運行収入は厳しい状況が続くものと予想される中、今年度と同様に地域公共交通の運行収入に対して、県独自の財政支援を継続すべきと考えますが、所見を伺います。
答(地域戦略部長)
今年度の財政支援については、一斉休校や緊急事態宣言による外出自粛の影響で、特に、4月、5月の利用者が対前年比5割~6割減と大きく減少し、収入が大きく落ち込んでいました。これにより、沿線市町の要請を受けて、緊急支援を実施しました。
直近の状況としては、昨年の10月~12月の状況を見ると、その利用者数は、対前年比1割~2割減といったところまで回復はしています。来年度の状況ですが、新型コロナウイルス感染症の影響が、どの程度続くのかということ、それから、それが公共交通機関の経営にどういった影響を与えるかといった状況を注視して、必要に応じて、沿線市町とも協議をし、対応を検討していきたいと考えています。
⒃また、国のバス運行を支援する制度について、地域における公益性を強く訴え、県民の足として安定した経営が保てるよう、支援の基準見直し、拡充を国に働きかけるべきと考えますが、知事の所見を伺います。
答(地域戦略部長)
路線バスの支援制度については、国に対して、国庫補助金にかかる補助要件の緩和であるとか、減収補填を含めた交通事業者の経営支援について、これまでも機会を捉えて要請をしてきています。
その結果、国の2次補正予算において、車両の抗菌・抗ウイルス加工への支援が措置をされましたし、3次補正予算におきましては、今年度の路線バス国庫補助金について、平均乗車密度5人未満の補助金の割り落とし、これに相当する分が増額をされたということです。
路線バスについては、地域生活を守る重要な移動手段であることから、公共交通網の維持・確保を図るため、地域の実情を踏まえた支援制度が必要であると考えています。
今後ですが、コロナウイルス感染症の影響はもとより、人口減少が進む地域の中で、バスの利用者の減少が補助金の減額につながらないよう、引き続き、来年度以降の補助要件の見直しなど、支援策の拡充を国に強く求めていきます。