令和2年 6月議会 代表質問への答弁

県議会の記録

R2 622 民主・みらいの代表質問に対する答弁 抜粋です。

問一  知事の政治姿勢について
 1 初動から今日に至るまで、今回の新型コロナウイルス感染症への知事の認識の変遷、対応の経過を伺うとともに、県民への情報提供のあり方などこれまでの感染症対策について、知事の総括を伺う。

答(知 事)【実答弁 抜粋】
まず、今回の第1波につきましては、3月18日に第1例が出まして、25日から連日患者が発生。3月中に20名の患者さんが出たわけです。このころまでは、まだ、どういうメカニズムで患者さんが増えているかよく見えなかった。結果的にあとから見てみると、25日、26日の段階で10ぐらいの大きなクラスターの中に、10ぐらいに分かれていた。その一つ一つがまたさらに次の患者さんを生むという状況に3月末の段階になっていた。あとから見るとそういう状況が見えてきたわけです。
 そうした中で、4月2日にはですね9名の患者さんが発生をいたしました。この段階で接客を伴う飲食店の利用の自粛ということをお願いしたわけですが、さらに3日の日の県議会からの助言をいただきましたし、また国のクラスター班からの助言ですとか、商工会議所からの要請等を受けまして、12名新規患者が発生した3日の日に平日夜間とそれから休日の不要不急の外出の自粛の要請をお願いしたところです。
その後、4月7日に国全体でですね7都府県に対して緊急事態宣言が出されました。この段階では、福井県は人口あたりの数は多かったですけども、まだ感染源不明の数がほとんどありませんでしたので対象から漏れたんですけれども、この段階で4月7日の段階で、県として「緊急事態宣言直前」ということのメッセージも出させていただきました。14日の日には、国の「緊急事態宣言」が全国に広がる前に、県独自の緊急事態宣言も出させていただきました。
 そして、16日に全国にそれが広がったところで、県としては23日に、25日からということで緊急事態措置を定めて休業等の要請を行わせていただいたところです。その時は5月6日までということでやらせていただきましたけれども、その後、順次ですね、5日以降は徐々に解除してきている、そういう状況になっているところで。
 そういう内容をですね、これまでも記者会見につきましては、ユーチューブを使ってですね、常に配信をさせていただく、それから新聞やラジオ、テレビ、こういった媒体を特に場所を確保して、連日県民の皆様に色んな訴えをできるような環境の整備をさせていただきました。また、私も先頭に立ってメッセージを出させていただいてまいりました。
今後とも、タイミングを見ながら、必要な時には私が先頭に立って様々な形で県民のみなさまへのメッセージを出させていただきたいと考えています。 

 2 第2波に向け、PCR検査のほか抗体検査、抗原検査も含め、本県ではどのような検査体制を構築し、県民の安全・安心を確保するのか、また、検査を望む県民が全て受けられるべきと考えるが、検査数を増やしていくための課題について、知事の所見を伺う。

答(知 事)【実答弁 抜粋】
 福井県でも、1番最初は国の方の基準に従いまして、PCRの検査を行っておりましたけれども、早い段階からその範囲を拡大して、全国に先がけまして、例えば濃厚接触者ですとか、妊婦さんには、症状がなくても、お医者さんが必要だと、もしくは保健所が必要だと考えればPCR検査を行ってきて、現状においては、検査件数は人口当たりでは全国4位というような状況になっています。
また、検体の採取とか検査の手間が足りないという状況が続き、医師会の協力等もいただき、ドライブスルー検査も行い当初の6か所の専門外来は、13か所に今広がっていますし、今後17か所に拡大できる環境としているところです。
 また、検査の件数につきましては、これは機械の整備を行って、当初66件でしたけれども、これまで326件まで 1日にできるようになってます。これまでの最大は143件です。さらに384件まで広げていけるように今手配をしています。
抗体検査については、全国的に効果等を検証中ですけれども、キットを使った抗原の検査、これにつきましては、非常に唾液を使うことで安全にかつスピーディーにできると言われておりますし、また保険適用になるということ、ウイルスも発症していると結構な確率で発見できるということですので、こうしたキットを使った抗原検査も活用しながらさらに検査体制を充実させてまいりたいと考えています。 

 3 休業協力金に関し、当初の要請期間を休業した事業者には支給するよう見直しができないか伺うとともに、全国均一と言っていい休業要請や補償のあり方など、課題および第2波に向けた改善策について、知事の所見を伺う。

答(知 事)【実答弁 抜粋】
 まず、協業要請の対象については、他県からのお客さんの流入ということを考え、ほぼ全国一律に同じ業種を対象とさせていただいています。
 その対象期間については、各県いろいろですが、協力金の支払いについては、福井県は富山県等と同様に、その要請をしている期間全体ということで最初は5月6日まででしたけれども、それを超えていきますということは当初からお話をさせていただき、周知もさせていただいていたところです。結果として、皆様方から、そこまで延ばしたならもっと出すべきじゃないか、というお話は伺っております。一方で福井県の場合はですね、この期間の協力要請を延ばす延ばさないにかかわらず、雇用調整助成金の内容を拡充しており、一日休業する毎にですね、対象であるかないかに関わらず、雇用主に対して一日1万円とか、役員がいればもう1万円とかこういった補償というか協力金の支払いもさせていただいていまして、そちらの方で手当をしていただこうと考えているところです。
 いずれにしても、休業要請というのは、これは国民の皆さんの自由と権利を奪ことにもなるわけでして、あまり一律にやるということはよろしくないとは考えていまして、国に対しては、一体どういうような業種の中で発生の可能性が高いのか、そういったリスクの大小をもっと明確にすべきだと申し上げていまして、引き続き申し上げてまいりますとともに、休業要請をした場合の手当については、全国一律にやっていくべきだと考えておりますので、引き続き国に対して訴えていきたいと考えております。

 4 「新しい生活様式」を踏まえた経済・社会への移行に対する考え方、東京など大都市の脆さ、福井をはじめとする地方の課題に対する認識を伺うとともに、どのような新しい社会像を描き実現させていくか、知事の所見を伺う。
 
答(知 事)【実答弁 抜粋】
 都市に人口が集中していることで、今回はコロナの感染患者が全国に波及していく、都市における医療が切迫する、こういうことが明らかになったわけです。一方で今回、リモートワークですとか、オンラインビジネス、ウェブ会議、こういったことが広がるということで、働く場所の近くに住む必要がなくなるという可能性が広がった、地方にとって大きなチャンスになったと考えています。
一方で、保育とか、例えば、福祉、教育もそうですけれども、観光やビジネスも同様に、やはりフェイストゥフェイスというのは重要だということも認識がされたわけで、これから新幹線等が整備されてきて、移動がしやすくなることは一つのリモートワーク等については、便利な状況になるわけです。また、福井県の場合は、例えば、地域とか家庭の繋がりとか、支え合い、こういったことが非常に濃厚ですので、温かい地域性があるということになるわけです。
 そういう意味で、2地域居住ですとか微住、こういったものを受け入れられるような環境を整備する、または、サテライトオフィスですとかコワーキングスペースとかシェアオフィスとか、そういう一時来て、仕事ができるとか、東京と同じ仕事が外でできるようなことの支援もして参りたいと考えています。こうした新しい働き方、質の高い暮らしを両立して「幸せ先進モデル」ふくいを実現していきたいと考えています。 

 5 感染拡大を防ぐため、感染の兆候を素早く察知するための方策と県民の行動自粛につながる感染者数等の公表方法について、知事の所見を伺う。

答(知 事)【実答弁 抜粋】
 福井県としては、当初から、患者さんの数だけではなくて、例えば検査の件数、陽性率、さらには入退院の状況、それから感染源の判明者、判明の状況ですとか濃厚接触者の数、詳細に、公表を毎日させてきていただいておりまして、これはもう全国的にも珍しい県だと思っています。
 県民の皆さんに、注意報とか緊急事態レベルについて、いろんな数字で基準を設けるべきじゃないかというご指摘もあり、検討いたしました。ただ、東京とか大阪とか大きいところはそういった数字がすぐに最初のころから分かるわけですが、福井県のように人口規模が小さいとある日は0になったりということを繰り返すわけで、一定の基準で全部仕切っていくというのは難しい。結果的にこれまでの経験も含めてみると、やはり新規感染の患者さんがですね、一週間に5人とか、20人出るとか、こういうのがまず一番分かりやすい指標ですし、これが一番入院というか、病院に対する、病床利用に対するストレスも分かりやすい数字だということになりましてで、今回5名で「注意報レベル」、それから20名で一週間あたり「緊急事態レベル」ということを示させていただいたところでございます。
 これからも県民の皆さんに対して、分かりやすいメッセージの出し方、工夫をしつつ、また先程ご指摘のありました下水の中のウイルスの存在、こういったことも研究されておりますので、こういったことの有用性が明らかになれば、活用しながら、県民の皆様に分かりやすい広報等に努めていきたいと考えています。 

 >6 「福井県長期ビジョン(案)」の基本目標に示された「活力人口」とは何か、福井県にどのような効果をもたらすのか、県民に向けて分かりやすく説明を求めるとともに、活力人口100万人達成に向けた強い決意、達成に向けた具体的な手法について、知事の所見を伺う。

答(知 事)【実答弁 抜粋】
 活力人口と言いますのは、大きく言いますと、定住人口で、これで大体消費1年間の消費額はこんなものよねということがわかります。それに対して、例えば交流人口、観光客であれば、インバウンドだと7人とか8人で1人分だとかそういった統計的に消費額が明らかになっています。そうした交流人口の数を加える。それからまた、宿泊者数等で認識をされない、例えば、二地域居住とか、それから地方兼業とか、要は例えば別荘みたいなところに住んで仕事をするとか、また、会社があてがったような宿舎があって、そこで一時来て何か仕事をするとか、こういう人たちは交流人口に統計で出てこないですけど、地域にとっては非常に消費もしてくれるし、元気にしてくれる、これは関係人口と呼んでいまして、こうしたものが全体として福井県の元気度を測る、活力を測る人口になるだろうということで今回お示しをさせていただいています。
 これをどう拡大するかということですが、定住人口については、まずは、例えば結婚とか子育てとか、それから出産、こういったところをできるだけ手厚くしていくとか、また、UIターン政策を進めていくというようなことがあると思います。また、交流人口について言えば、オンリーワンの、例えば、恐竜とか年縞とかこういうものもありますし、また、千年文化、例えば伝統的工芸、こういったものを拡大しながら魅力を高めていくことで、交流人口、関係人口なんかも増やしていきたいと考えています。
これらについてなかなか簡単ではないと思っておりますけれども、県民一丸となって活力人口100万人に向けて努力をして参りたいと考えています。 

問二  行財政改革について
 1 国の補正予算を踏まえた県の財政調整基金の取崩しや財政収支バランスの現状を伺うとともに、継続した感染症対策の必要性、税収の先細りが見込まれる中、財政収支見通しや行財政改革アクションプランの見直しの必要性について、所見を伺う。


答(総務部長)【実答弁 抜粋】
 今般の国の2次補正予算によりまして、「地方創生臨時交付金」が拡充されたということを受けて、今後さらに企業支援など経済雇用対策を進めていきたいと考えておりますし、また、医療体制の強化に向けて、「包括支援交付金」を積極的に活用していきたいと考えております。
そのうえで、全国的な経済活動の低迷によりまして、本県でも県税収入の減少が懸念されますことから、今後、当初予算の既存事業の見直しを進めつつ、財政状況を見ながら、県債の追加発行や財政調整基金の取崩しなども検討していくことになろうかと考えています。
 こうした厳しい状況の下ではございますが、「第2波の防止」と「地域経済の早期回復」の両立を目指して、必要な対策をしっかり進めていくとともに、「財政収支見通し」や「行財政改革アクションプラン」に留意しながら、中長期的な視点で財政運営を進めていきたいと考えております。 

問三  高速交通体系について
 1 駅周辺の基盤を支えてきた福井駅前や片町の店舗経営者が受けたコロナの影響や今後の再開発工事による影響をしっかり把握し、支援していくことが先決であると考えるが、駅周辺店舗の現状の認識と今後の支援の拡大について、所見を伺う。

答(産業労働部長)【実答弁 抜粋】
 福井駅周辺や片町では、外出自粛の要請の解除後、売上は戻ってはきているものの、以前の半分にも満たず、現状3、4割の状態であるというふうにお聞きしています。
県はこれまで、事業者が事業を継続できるよう、そのことを第一に考え、制度融資の拡充、休業等要請への協力金や雇用維持のための助成金の支給のほか、テイクアウト・デリバリーへの支援など厳しい状況を乗り越えるための新たな取組みに対する応援を行ってきました。
 今後は、こうしたこれまでの個々の事業者に対する支援だけではなく、商店街・商業施設に支援を拡大することとしています。特に福井駅周辺においては、県都の玄関口でありまして、新幹線開業に向けて賑わいを一日でも早く取り戻せるよう大型の消費キャンペーンを支援していまます。
 さらに、開発工事による店舗移転により客足が遠のくことも危惧されます。商店街による新規出店や店舗改装等の魅力づくり、これに対して支援するほか、県・市・経済団体による「県都にぎわい創生協議会」等で今後も議論しながら、関係機関が連携して賑わいを取り戻していきたい、創出していきたいと思っています。

問四 福祉行政について
 1 市町や施設等と協議して、通所サービス施設が休業となった場合に利用者が別の通所サービスを受けられるように、代替施設を確保するような体制づくりが必要と考えるが、所見を伺う。


答(健康福祉部長)
 ご指摘ありましたように県内で2か所、感染者の発生があった介護事業所、通所施設がございました。この時に、利用者の他の通所事業所での利用を調整させていただきましたが、現実には感染の可能性を懸念されまして、受け入れてくださる事業所が見つからなかったということで、訪問サービスに切り替えたという経緯があります。
 こうしたこともあり、国の制度としましては、通所事業所が公民館等の代替施設においてサービス提供した場合にも介護報酬の対象にするというような制度を持ちました。今後はこういう代替施設を使うということも検討されることとなるんですが、現実にはこの制度ができても全国でこれが実現した例がないんですね、トイレとかバリアフリーの状態からなかなか難しいということがあります。
 現実的な対応としましては、私ども今回の補正予算でも提案させていただいておりますけれども、感染発生時に訪問サービスの提供に切り替える経費に関しまして助成するいうことも通しまして、この両面で、サービスの継続を支援していきたいと考えております。

2 新型コロナウイルス感染症の影響による介護施設の運営状況を県はどのように認識しているのか、特に影響の大きい通所サービス施設に対する運営支援策が必要と考えるが、所見を伺う。

答(健康福祉部長)
 新型コロナウイルス感染の拡大を受け、国が、今年2月から、介護報酬算定の特例措置を設けております。
例えば、一時的に職員さんが不足するようなケースでも満額の報酬算定を可能にするとか、それから、通所事業所が訪問サービスとか電話による安否確認みたいなことを行っても報酬算定の中に組み入れていくということです。
 こうした取扱いで県内の事業所も一定の収入が確保できているということもありまして、事業者団体からの聴き取りによると、通所サービスの利用控えや利用人数の制限を行ってはいるんですが、2月と4月の収入を比較しますと、減ったのが10%未満とのところが約4割、それから10%を超えて20%までの間にあるのが3割、あとのところはほとんど影響ない、というような状況です。ちなみに、10%ですと標準的な通所事業所で大体1月40万円前後の収入減、ということになろうかと思います。
 また、介護事業者、やはりそれぞれ収入減ございますので今のところ私どもとしましては、福祉医療機構による無利子無担保の融資、これの枠は最大6千万円ございますけれども、これをまず事業所に周知させていただいています。
こうしたことを通しまして、介護サービス自体は、大事な、欠かせないものですので、今後も様子をその都度お聞きしながら、事業継続がきちんとできるように、その影響も調査しながらやっていきたいと思います。

3 新型コロナウイルス感染症が拡大する中で、障がい者の置かれている現状、障がい者就労支援事業所、障がい者通所施設の運営状況と支援の必要性をどのように考えるか、所見を伺う。

答(健康福祉部長)
 県内での感染拡大を受けまして、障がい者の皆さまにも感染の不安からの外出自粛もありますし、施設の休業それから利用の自粛で自宅にとどまっている、せっかく進んできた社会参加にブレーキがかかっているという状況もあります。それからご家族の方の負担も増加していると思います。
一方で、生活介護や就労支援等の通所事業所は、施設の皆様のご協力もありまして、全体の9割以上の事業所がですねサービスを継続していただいている。全体を見渡しますと障がい者の方に必要な支援は概ね提供されていたと考えています。
事業所の運営につきましては、先程もございましたが、通所に代えて電話等による指導を行った場合にもサービス費の算定が可能となる国の特例もできましたので、生活介護の事業所等への運営の影響はそれほど大きくないと考えています、一方で就労支援事業所これは、サービス費と売上によりまして運営されておりますので、その売上の部分が約6割の事業所で減ったと伺っています。これによりまして、事業収益とか利用者の方の工賃に影響が出ているという状況です。
今回の6月補正予算でもご提案させていただいておりますけども、売上が減少している事業所に対して、例えば通信販売をやるとか、それから新たな事業を展開するということに関する支出費用の支援を行います。それから収益改善に向けた工賃の向上を図るということを盛り込ませていただいています。
さらに、すべての施設(障がい者の施設)に対して、感染対策に要する経費これをご支援するということで、入所施設は200万円、それから通所施設60万円、それから訪問施設は30万円と いうことで、この上限で感染対策に要する経費を支援することとしていますので、こういったものを通して、障害者福祉サービスの継続についても、万全を期していきたいと思います。

4 新型コロナウイルス感染症の影響による県内の医療機関の厳しい経営状況をどう考えるのか伺うとともに、経営を維持するための給付金といった支援も必要ではないか、所見を伺う。

答(健康福祉部長)【実答弁 抜粋】
 県内医療機関の経営状況につきましては、医師会の調査によると、この4月の診療報酬が外来ですと前月比で20%減、それから、入院ですと15%減になっているという状況があります。新型コロナウイルスの感染の影響から皆さんが受診を控えるという傾向があります他、コロナ患者を受け入れた医療機関では、病床確保するための減収というのが起こっているという状況です。
 こうした減収のうち、患者自らの受診控えによるものは全国的な課題でありまして、ある意味他業種とのバランスということありますので、国において全国的な問題として経営改善策を講じるように強く要請を国に対してしています。
一方コロナ患者を受け入れて頂いたことによりまして直接生じた減収というものについては、公費で補填すべきだと考えておりまして、今回の6月補正予算におきまして、コロナ患者の受入病床の確保やそれに伴い病床を休止した場合の補償の費用を計上させて頂いております。
 ただ、国の示す補償単価に併せて計上しておりますが、一部でですね、医療機関の実際の入院単価を下回っておりまして、減収が生じる場合が今私どもの計算でも出ておりますので、これを明らかにしまして、国に対して単価の増額を併せて要望しているところです。

5 医師会など関係団体とも協議し、施設間による医療従事者の派遣や潜在看護師の確保など、非常時に医療人材を確保するための体制づくりが必要と考えるが、所見を伺う。

答(健康福祉部長)【実答弁】
 今回の感染拡大におきましてはコロナ患者の入院対応や帰国者・接触者外来の運営など、各医療機関が役割分担をしてくださいました。
具体的には、患者を受け入れる医療機関は患者の診療・看護にあたり、それ以外の病院・診療所の皆さんは、県医師会が感染症対策センター、検体採取をする場所を運営してくださった。また宿泊療養施設において医療従事に交代で当たっていただいた。県内の医療従事者の皆さんが協力して、感染拡大防止に尽力していただきました。
 ご提案の施設間の医療従事者の派遣については看護協会を通じて潜在看護師を、今回は5人であったが医療機関等に派遣する体制を整えており、実際に機能した。今後、第二波に備え本体制の強化について、関係団体や医療機関等ととも検討していきます。 

6 感染症が拡大する中、医療的ケア児者の状況把握、必要な備品等の確保への支援は、どのようにしてきたのか、今後の課題と併せて所見を伺う。

答(健康福祉部長)
 医療的ケアが必要な方それからその保護者の状況につきまして、今年の3月に障がい福祉サービス事業所を通じまして聴き取りなども行っております。
 その中で、マスクとか消毒液、ある程度の備蓄はしていらっしゃるのですけれども市中の店舗で品薄になっているのをご覧になって、非常に不安を抱えているという状況、そういったご意見を非常にたくさん聴かせていただきました。
 私ども、医療的ケアが必要な方に消毒液を配布しようということで、国から優先供給を受けた分から、これ60名分あったわけですが、それに県費で追加購入をしまして、299名対象者がいらっしゃったんですけれども、3月下旬から子どもの方・大人の方、合わせて消毒液の配布をさせていただいております。
 現在、市中でも消毒液の不足感がやや改善されてきておりますが、第2波に備えまして優先供給の仕組みもございますので、医療的ケアの必要な方々のことをしっかりとフォローしていけるように今後もやっていきたいと思います。

問五 産業・雇用行政について
 1 交通事業者の厳しい経営状況に対する認識を伺うとともに、6月補正予算案における、公共交通機関が行う感染症対策を支援する事業に加え、バスやタクシー事業者なども対象としたさらなる経営支援策が必要と考えるが、知事の所見を伺う。


答(知 事)【実答弁】
 4月5月のお客様の数で収入の量で申し上げますと、例えば鉄道については昨年に比べて65%減、それから路線バスについては40%減、タクシーは7割超、それから、観光バスこれについては90%超の減ということで、大変厳しい交通事業者にとっては状況になっているというところです。
 このため、6月補正予算においては、例えば鉄道や路線バスについて、まずは感染防止の対策についての助成もさせていただいておりますし、また貸切バスへの補助金ですとか、遠足等で今まで1台で行けたものが定員を減らしていますので、2台になる、こういったことも助成をさせていただいているところです。
 この後、これに加えて、国に対して減収補填を含めて経営支援制度の創設を要請しておりますし、「GoToキャンペーン」の時にも県内のバス、鉄道、タクシーこういったものを活用されるように工夫をしていきたいと考えているところです。
いずれにしましても、公共交通というは、地域の足、生活を守る重要なインフラでございますので、こういった影響が長引くようであれば更なる対策について考えて進めていきたいと思っているところです。

2 県内中小企業の経営を支え、雇用を維持するため、現在の雇用支援策を拡充するとともに、今後1、2年は継続して実施する必要があると考えるが、雇用維持施策に関する知事の所見を伺う。


答(知 事)【実答弁 抜粋】
 県内の新型コロナウイルス感染症の影響によりまして、県内の色んな事業活動が縮小を余儀なくされているところです。
こういう中で、県としては、県内の雇用をまず維持しようということで、国の雇用調整助成金に上乗せをする、また雇用主に対して、県独自で応援金を支払うこともさせていただきました。また、小さな、労災の対象にならないような事業所さんにも独自の応援金も出させていただいているところです。
 こういうことで、県としての雇用の維持をやらせていただいておりますし、さらに国の方でも、雇用調整助成金の上限を上げたり、期間を長くしたり、率を10/10にするような対策をされることで今のところ県内の雇用は一定程度維持されていると理解しています。
その上で、経済界からも要請がありますが、長期化した場合、雇用がなかなか維持できない状況も予想されますので、こういったときには、更に柔軟に、必要なことを十分にできるように検討して政策化していきたいと考えています。

問六 教育行政について
 1 県内小中学校における、教育の遅れに対する対応状況を伺う。


答(教育長 抜粋)
 県内の学校が再開され、感染の不安を抱えながらも、笑顔で元気に学校に通う子どもたちの姿から、通うのが楽しい学校であることが、何よりも大切であると改めて思いました。
学習においては、休業中における県独自の学習動画と各学校が課した家庭学習による、いわゆる在宅授業により、再開後は小テスト等で、学習内容の定着が確認された場合には、同じ内容の授業は実施せず、授業がスピードアップされていると聞いております。
また、6月に予定しておりました全国体力・運動能力、運動習慣等調査や地区によって6月やまた10月11月といった秋に予定しております連合音楽会等の中止により生じた時間を活用したり、長期休業期間の短縮、また体育祭等の準備期間を縮減するなど、児童生徒の負担に配慮しながら、授業時数を確保しております。
 今後、過度の宿題を課す等により、児童生徒の登校意欲が低下することの無いように、一人ひとりに応じた支援を心がけてまいります。

2 県立学校におけるタブレット端末の整備スケジュールを伺うとともに、県内小中学校におけるオンライン学習環境の現状、課題について、どのように把握しているのか、教育長の所見を伺う。


答(教育長 抜粋)
 県立学校における1人1台タブレット端末の整備に向けて、だいたい8月中旬頃には今契約を行う予定でありまして、特に、家庭にインターネット環境のない生徒へ貸与するための端末分は10月末までに優先して納入されることになっております。残りの端末は2月末までに順次納入される予定ですが、できるだけ速やかに納入されるよう受注業者に働きかけを行っていきます。
 小中学校につきましては、オンライン学習環境は整っておりませんが、タブレット端末について、本年度予定されておりました小学5年生・小学6年生・中学1年生に加え、国の補正予算で残りの学年分も前倒し措置されたことから、県内全ての市町において本年度から整備する予定と聞いています。
 オンライン学習環境の課題としましては、端末の早期整備や通信費の負担などが考えられます。また、端末の効果的な活用も課題であり、教育総合研究所による教員研修を実施していきます。

3 来年の高校入試について、学習遅れの対応や特色選抜の評価方法など、今回の感染症の影響を考慮した入試のあり方について、どのような検討が進められているのか、伺う。

答(教育長)【実答弁】
 県立高校の入試は例年3月に行われており、中学校においては、それまでに学ぶべき内容を終了することができると考えております。また、高校入学後の学習を考慮すれば、中学校の学習内容を確実に履修することが必要であり、高校入試の日程や出題範囲については例年通り実施する予定です。
 ただし、今後、第2波の到来により、地域によって学習状況に差が生じ、特定の志願者が不利になることが懸念される場合には、出題範囲を検討していきます。
また、特色選抜においては、感染拡大防止のため、中学3年生にとって部活動の集大成となる大会等が中止となり、参加できなかったことで、不利益を被ることがないよう、今後、中学校や高校の校長会の意見も聞きながら実施方法を検討し、できるだけ早く明らかにしていきたいと考えています。