2月議会 予算決算特別委員会での質疑を振り返って

県議会の記録

予算決算特別委員会の質疑に臨んで。

二日間の予特(予算決算特別委員会)が終了しました。私にとって初めての予特でのトータル20分という時間をいただました。今回は、2点について伺いました。

➀ 多文化共生についての取組みについて

 今後、どの自治体にとっても、避けることのできない課題です。県の「長期ビジョン」や「人口減少対策」の中で、示されている大部分が交流人口の増加、UIターンでの移住・定住増のために、産業を興し、子育てや福祉の面で住みやすさを高めて魅力度を上げていくことに言及したものです。もちろん、それは大切です。東京一極集中という大きな課題もあるのだと思います。しかし、忘れてならないのは、労働人口の急激な減少です。どの分野にも人が欲しい。でも、日本の人口が減少していくことは厳然とした事実なのです(一方で、世界の総人口は100億人を超えていくのです。)。。必要で喫緊の課題が外国人人材の確保なのは明らかです。先ほどの県の計画の中で、その部分への手立てや工夫が薄いように思われてなりません。
 今回、質疑したかったのは、多文化共生の必要性と大切さです。特に、教育の中での多文化共生推進にもっと力を入れていかなければならないという提言でもあります。その大きな例が越前市の取組みなのです。県内で明らかに先行している越前市の抱える課題は、そのまま数十年後の多くの市町の課題なのです。1クラスに6名近い言葉に配慮しなければならない児童がいることを考えると、たとえ、1人の加配教員が張り付いたとても、不安は残ります。少なくともすべてのクラスに1名の加配・支援員の設置が今喫緊の課題なのです。そのことを県として、しっかりと受け止めていただきたい。もっと訴える時間が欲しかったというのが、反省点です。

知事答弁
多文化共生につきましては、今、人口減少問題についても議論させていただいています。そういった方面も含めて、福井県社会がこれから持続可能でさらに人口が減っていく中でも繁栄し、力を持っていかなければいけない、そういう中でとても大切にしなければいけない分野だと考えている。
県の中で必ずしも全体をどう取りまとめていくのかというところが明確でないので、そういった体制も整え、プランも作り、今後ともこの多文化共生がさらに進められるようにしてまいりたい。 

教育長答弁
 県の独自調査によると、昨年5月1日現在で、越前市の6つの小学校と3つの中学校に、日本語指導が必要な外国人児童生徒が127名いると把握している。
県としては、越前市の支援を継続しますとともに、新たに要望のありました鯖江市に、支援員2名の配置、また、多言語翻訳機8台の整備を行う予定であります。また、令和2年度実施の教員採用試験では、ポルトガル語やベトナム語等の資格取得者に対しましても加点を行うことを考えております。 
確かに、アクセスワーカーの役割は非常に重要だと思っております。今後、児童生徒の状況を見ながら、またしっかり対応していきたいと思います。 

産業労働部長答弁
 県では、まず国際交流会館、それから国際交流嶺南センターの外国人相談窓口におきまして、市町と連絡を取りながら、行政手続き、生活に関する様々な相談に応じているところです。
在住外国人が増加する中で、市町単位で外国人に対するきめ細やかな支援を行うということは重要です。県としては、市町に対しまして、先ほど話のありました交付金を活用いたして、通訳の確保、あるいは翻訳機の導入を働きかけてまいります。
県では、新年度に行政と外国人コミュニティの橋渡し役となります外国人リーダーを育成することとしており、相談窓口の充実とあわせ、地域で外国人を支える体制を整備してまいりたいと考えています。                       


➁ NIEの取組みと支援について
  
教育振興基本計画の中で、NIE(NIE教育研究会と連携)という言葉が何度も登場してきます。
長期ビジョンが目途とする2040年に社会の中心となっている今の子どもたちにとって、現在の課題に自ら気付き、それに対して自覚と覚悟をもって進んでいくことが重要です。そのためには、カリキュラムとして各教科の中で組まれている内容だけではなく、それぞれの感性と気づきによって学びを進めていく、まさにアクティブラーニングが必要であることは間違いありません。
 その意味で、教育の中での新聞の活用が不可欠なものでもあり、NIE(News paper in Education)の重要性は、今後ますます大きくなっていくものと考えます。
 ふるさと福井だけではなく、日本という国、世界の未来という大きな視点で、現代の課題を正しく見つめる時間や習慣は不可欠です。そのための時間は、ひょっとしたら、教科学力以上に大切にしなければならない部分なのかもしれません。その必須アイテムの一つがNIEなのだと考えるのです。もっともっと重要視されるべきであり、活用する価値・発展性のあるものなのだと考えます。そして、NIE自らも、今の内容から更に深く・大きな取組みを目指していくべきであるとも考えます。いずれにしても、そのための体制や環境づくりの大切さを全ての教育に携わる機関が理解して欲しいという願いの元での質問でした。

知事答弁
 平成25年度には、今、ご指摘もありましたNIEの教育研究会というのが作られているわけでして、こういったところが新しい研修を行ったり、複数の新聞を新聞社さんが届けてくれることも行われているわけです。教育現場でも、子どもたちが新聞の記事を複数の新聞で見比べてみるとか、いろんな興味の持たせ方、各学年で考えながらやっていると思っております。
いずれにしても、新聞に親しむ、新聞の良さを身に付けてもらう、こういったことをこれからも研修会とか公開授業、こういったことも続けながらやってまいりたいと思っております。

教育長答弁
 新聞配備の現状でございますが、小学校の9割が1紙以上、中学校の5割が2紙以上、県立高校の6割が4紙以上配備しております。
 今後も、各学校でNIEの取り組みが強化されるよう、引き続き県立校長会や市町に積極的な新聞の購読、活用を働きかけて参ります。
 これまで一般質問も含めまして、地方交付税措置されていることが、実際は市町でなかなか整備されていないということを何点かお聞きしておりますので、そういった点をきちんと整理して、現状を市町に理解していただいて、少しでも整備が進むように、努力してまいりたい。
 との答弁をいただきました。

いずれにしても、教育は公平であるべきものです。
すんでいる市町の財政状況によって、ぶれることのないよう、しっかりと求めるべきものを示していきたいと思います。