2018年1月21日
夷子大黒綱引きに
綱引きや車軸流しと云う雨が 北川沙羅詩
車軸流しとは、車軸のような太い雨脚の雨が降るさまをいうのだそうですが、この父の句にあるように、雪や雨の中で行われることの多い、国重要無形民俗文化財「西町綱引き」です。昨日から不安定なお天気で、今日も雨も覚悟していたのですが、多くの方の願いが通じたのでしょう。15時前に途切れた雨に感謝です。
2年ぶりの開催となった伝統行事は、大勢の市民も集まり、参加型の行事として最高の盛り上がりを見せました。一度中断した行事を復活させるためには膨大なエネルギーが求められます。今回は、多くの民間団体による伝承協議会が立ち上げられ、皆さんの努力が素晴らしい成果となって結実したわけです。関係者の皆様、本当にありがとうございました。
ただ思うのは、いろいろな事柄は、中断してしまう前に手を打つことが大切なのだということです。おそらく「西町綱引き」と同様の危機感をもって運営がなされている市民活動や事業は少なくないと思います。アンテナを高くし、行政や教育委員会の敷居を低くして、現状の正確な把握に努めていくことが必要なのでしょう。すべてを公助に頼るというのではなく、ともに知恵を絞るオープンな場が必要なのだと思うのです。
「西町綱引き」は市の支援もあり復活することはできましたが、問題は次年度以降の継続です。今後さらに地元と話し合う場を持ち、組織を強化していくことが必要なのは間違いありません。いろいろな思いを超えて、「伝統を引き継いでいく」という大義の下に力を結集していくことが求められるのでしょう。(もちろん、その前には、「伝統とは何か?」についての共通理解が不可欠なのでしょうが)
今日の晴れ晴れとした思いを次年度以降も体験したいですし、そのために自分も精一杯応援していきたいと思います。