2 小中一貫教育

私の考え

【平成28年 第2回敦賀市議会(6月議会)より】

2 小中一貫教育

(1) 現在の小中一貫教育の方向性
(2) 角鹿中学校区統合検討委員会

  1. 「教育振興基本計画素案」の中にも小中一貫教育の推進がうたわれていると聞いています。平成28年度の補正予算の中にも、60万2000円の「角鹿中学校区統合検討経費」が計上されています。昨年度の「小中一貫教育検討委員会」の答申を受けて、市内すべての中学校区で、小中一貫教育が進められています。

    中学校へ進学する時点で、不登校や問題行動の出現率が高くなる「中一ギャップ」解消のために、また学びの連続性と一人一人の学びをさらに高めていくために、小中一貫教育が、これからの義務教育の中で、大きな意味を持っているのは確かです。しかし、ただ単に、小学校と中学校の交流であるならば、これまでの「小中連携教育」で、行われてきていますし、「中一ギャップ解消」の力になっています。そのような中で、中学校区の学校がめざす生徒像を共有して教育実践を行っていく「小中一貫教育」のすばらしさを感じながらも、超えるべきハードルが高いのも事実です。特に、市内の中学校区を眺めたとき、角鹿中学校区以外では、施設分離型の小中一貫教育ということになると考えます。しかも、それぞれに、進学時点で2つの中学校に分かれる小学校が存在します。その中で進めていく小中一貫教育には、きめ細かな配慮を求めていきたいと思います。

  2. やはり、気がかりなのは、角鹿中学校です。平成28年度補正予算の中に、60万2000円の「角鹿中学校区統合検討経費」が計上されています。その事業概要説明の中に、「小中教育環境検討委員会の答申を受け、角鹿中学校及び3小学校を統合した小中一貫校の設置等に向けて、角鹿中学校区における地域の実情にあった合理的な構造等の検討を行う「角鹿中学校区統合検討委員会」を設置します。」とあります。誰もが施設一体型の小中一貫校をイメージする、この「統合」「地域の実情にあった合理的な構造等」の意味するものは何なのでしょう。この部分についての市長・教育長からは明確な答弁はありませんでした。

    昨年度、今年度と「検討委員会」が設置されたものの、具体的な前進の動きが見えない現状に、地域の不安は大きくなっています。
    市長の「角鹿中学校に一体型の小中一貫校を設立すること」に対して、明確な姿勢を伺いましたが、すべては検討委員会の答申を受けてからとの回答です。

    私は、小中一貫教育と掲げる以上、一体型が望ましいと考えます。中1ギャップ解消という面からも、学びの連続性という点からも、小学校入学時点から同じ教職員メンバーで見守っていく職員体制、中学校のもつ専門性と小学校のきめ細かな教育文化・学校文化の交流が常時、自然な形で行われていくことが重要なのだと考えます。その点での市長と教育長の考えをお伺いしましたが、ここでも、すべては今年度の「角鹿中学校区統合検討委員会」からの答申を受けてからということでした。
    今までの検討内容がどのように進展していくのか未だに曖昧なままであることが残念でなりません。

    耐用年数と寿命年数の違いは確認させていただいてはいます。しかし、いずれにしても、数年の内には形にしなくてはならない問題です。今後のスケジュール感をたずねましたが、すべては検討委員会の答申を待ってという答弁に終始しものでした。まったくすっきりしない答弁であったことが残念でなりません。

    議会後すぐに開催されるという検討委員会に対して、是非、公開としていただくことを強く要望いましたが、ここでも、参加者の自由な意見交換を担保するために、非公開で行うとのことでした。大変釈然としませんが、それならば、説明責任を果たしていくためにも、協議の内容は、スピード感をもって、公開していただきたいと考えます。