教育について

私の考え

小中一貫教育について

小中一貫教育については、「現角鹿中学校に4・3・2制(教育課程)の小中一貫校を設置することが合理的とする内容の答申」が出され、検討委員会が立ち上がったとは聞いていますが、合理的とは具体的にどのような内容であるのか不透明であり、その後そのメンバーがどんな方たちで、どのような話し合いが行われ、どんな検討がなされているのかが伝わってきません。また、角鹿校区で生まれる小中一貫教育がどのように市内の中で位置づけられていくのかが見えないことに対する不安感は、小さくはありません。
そもそも、次の3つの事柄が混在しているのは確かです。
 (1)角鹿中学校の建て替え
 (2)3小学校の統合=一体型の小中一貫校の設立
 (3)432制とする教育課程

(1)については、耐用年度が迫っているとされていますが、耐用年数に対して私たちは明確な根拠を示されていません。財務省の省令(規則)であるわけですが、それはあくまでも「減価償却」としての資産価値ということになるのだと考えます。となると、今後、公共施設に同様の課題が出てくるだけに、耐震改修後の公共施設に関しての安全面ではどうなのでしょう。その審査が求められるところでもあります。その中で、計画的な取組みがなされるべきだとも考えます。
耐用年数の法的な位置づけについても、再確認していく必要があるような気がします。
もちろん、気比中学校との統合については、数年前に方向は示されていると考えるならば、選択肢は限られているのではないでしょうか。

(2)についてはどうでしょう? 文科省は1月に全国の小中学校の統廃合について、学校規模の在り方に関する手引きをまとめました。その中には、3つの内容が盛り込まれています。手引きの中では、統廃合の必要性の度合いを小学校で4段階、中学校で5段階に分けて示しています。統廃合は文科省が機械的・画一的に推し進めるのではなく、各市町の判断に委ねるとしています。
各小学校は、子どもを中心とした文化の拠点であり、地域づくりの拠点であり、「おらが学校であり、地域の文化の求心的な存在」です。卒業生がこれまで育ててきた文化は大切であり、地域の充分な理解が求められますし、無理な統合は地域の大切な文化伝承の力を弱め、地域コミュニティを壊していくことにつながりかねません。あくまでも重要なのは「民意」ということになります。
統合によって、それぞれの地域の文化が、共有され、さらに安定して広がっていく方向性が大切なのでしょうし、地域との共通理解のもとに、統合がなされたときに、地域の文化やコミュニティをしっかりと担保していく必要があります。その具体的な姿が見えてきていないことも、地域にとって、大きな不安となっているのではないでしょうか。透明性と説明責任に疑問の残る部分でもあります。

(3)小中一貫教育校が何校あるか正確な数は分からないものの、文部科学省の調査によると、13年4月現在で教育課程の特例制度を活用して6・3制の教育課程を変更して実施しているのは、4・3・2制が127校、5・4制が2校、5・2・2制が2校となっています。
いろいろなメリットを抱えながらも、それだけ慎重にならざるを得ない理由は何なのかを明らかにし、乗り越えていく一体感が求められるところなのです。その前に、「小中連携がかなり進められてきている現状から・・・・」という部分についても、疑問が残ります。小中連携が叫ばれ、各中学校区ではその取組に着手されていますが、それは「かなり進められてきている」という姿なのでしょうか?市内全域で小中連携の具体的な取組をさらに進めていくことが喫緊の課題となってくるのだと考えます。
また、4・3・2制、カリキュラム、通学の問題、転校時や部活動等の具体的な姿、通学区域の問題等、超えるべきハードルは少なくないだけに、いつまでに何を誰がどこでどのように検討していくのかを示していく透明性と説明責任、公平性が求められるところです。

つるがスタンダードについて
  • 平成23年度に作成された「敦賀スタンダード・カリキュラム」と「敦賀スタンダード」の違いを明確にする必要があります。カリキュラムは、地域の特色が浮かび上がったもので、その価値は高いと思われます。それと「スタンダード」とのつながりはどこにあるのでしょうか? カリキュラム=スタンダードと捉えるならば、それほど大きな特殊性は感じられません。「ふるさと教育」と「学力の向上」は、どの市町でも大きな柱であり、地域教材開発やその実践紹介等の活動は、日本全国全ての市町で行われていると考えらます。
  • 学力向上の部分についてはどうでしょうか?市の学力調査、県の学力調査、全国学力学習状況調査、それらに費やされる時間は、実施するだけでも10時間以上になります。その事前対応を含めると、相当な時間になっていることはまちがいありません。実施以上に、それを分析し、対応を協議してフィードバックすることこそが大切なのであり、それこそが学力調査の目的であることを考えれば、そのための時間の確保が大きな課題になってきています。それほど多くの学力調査が必要なのだろうかという疑問が沸いてきます。「新敦賀っ子教育推進プラン」では、その柱として「確かな学力向上」「豊かな人間性の育成」「心身の健康と体力の向上」「ふるさと意識の高揚」「社会や地域へ貢献する力の育成」の5つを設定しています。それぞれに大きな意味を持っているという点で大変重要であり、着実に取組みを進める必要があります。その中の「確かな学力」と「ふるさと教育」に絞ったスタンダードではありますが、きちんとしたと透明性のある評価点検を行っていく必要があります。
  • 「ふるさと教育」についてはどうでしょう。学校サイドでの取組みはかなりの時間とエネルギーを費やして実施されています。それが大切な取組であり、方向性も間違っていないと思われるにもかかわらず、期待しているほどには市民に伝わっていないのではと感じるのは、取組み姿勢に何かしらの改善点があるのだと考えます。
予算について
  • 教育予算の確保は重要です。ただ、それ以上に、有効活用が求められます。
    今後、市の財政は逼迫していくことが明らかなだけに、減額されないための説得力のある取組が求められます。また、スクラップ&ビルドの視点を明確に示していくことも重要です。「市の学力調査」「教育フェア」「講師の招請」「先進地の視察」「教育課題モデル校事業」の再評価と見直しが求められているのだと考えます。
  • 他市との教育予算率を比較してみると、けっして少なくはありません。ただ、これまで、それを有効に活用できないでいた部分があったのかもしれません。検証が大切となってきます。長期的な展望と、行政と現場のパイプをさらに太くして、双方向性の取組みが必要なのだと考えます。
人材の確保について

「地元の先生が少ない」という声を耳にします。個別の指導や支援が求められる今、人材の確保は喫緊の課題です。しかも、人材はいるのです。講師として教壇に立っている先生方の中には、優秀な人材が数多くいます。ただ、講師として日々生徒に向き合っている中で、採用試験に向けての学習時間を確保することに大変なご苦労をされている状況にあります。県の採用に対するシステムも変化を見せている中で、市の求める人材を確保するためには、県教育行政への強い働きかけが求められるところでもあります。「地元の人材を教壇に」を強く訴えていこうと思います。

就学前教育について

子どもを育てるということは親にとって一大事業です。その中で、いろいろな苦しみや喜びを味わいつつ親として成長していくのです。それだけに、安心して子どもを育てるためには、お母さん、お父さんをはじめ家族の抱えるいろいろな悩みをしっかりと受け止め、的確なアドバイスや支援を行うシステムが不可欠です。現在の状況を見る限り、確かに支援の姿勢は感じられるものの、さらに支援体制を整えていく必要を感じます。

児童クラブについて

平成26年5月にまとめられた「敦賀市子ども・子育て支援ニーズ調査報告書」によると、小学生をもつ母親のフルタイムへの希望は「パート・アルバイト等を希望」が53%となっており、「安心して仕事ができる」「子育てをしながらも、高いモチベーションで仕事に臨むことができる」ことが求められています。この実現は、これからの生産人口減少対策としても大変重要な部分です。その一端を担う、「放課後子ども教室」や「放課後児童クラブ」の存在はとても大切な取組みであると言えます。
現在の児童クラブの現場の課題や声をしっかりと吸い上げ、市全体としてきちんとした対応を進めていくことが大切なのです。
平成27年度から「子ども・子育て支援新制度」がスタートしています。場当たり的な対応ではなく、先を見通してしっかりしたビジョンを持った取組みが望まれます。

教育委員会制度について

首長や教育長から任命された教育長のリーダーシップが強化される「新教育委員会制度」がスタートしました。その中で、どのような変化が期待できるのでしょうか?
市長が「金は出すけれど、口は出さない」は許されない制度なのです。「金は出すが、口も出す」という首長の姿勢が求められ、それがどのように実際の教育現場に形となって現れてくるのかを注視していきたいと考えるところです。
ただ、教育の専門家ではない一般の住民の意向を教育行政に反映していく、いわゆる「レイマンコントロール」の考え方は変わっていないだけに、「民意」をどのように吸い上げ、独自性を発揮していくのか問いかけていきたいと思います。

子どもの貧困問題について

厚生労働省が15日まとめた国民生活基礎調査で、平均的な所得の半分を下まわる
世帯で暮らす18歳未満の子供の割合を示す「子供の貧困率」が、2012年に16.3%
と、過去最悪を更新したことが分かりました。前回調査の09年から0.6ポイント悪
化しました。
同省は「当時はデフレ下の経済状況で、子育て世帯の所得が減ったことが原因」としていますが、敦賀市における「子ども貧困率」はどのようになっているのでしょうか。
生活基盤の安定とも密接にかかわっている問題であるだけに、常に意識して実態
把握と改善方向を求めていきたいと思います。
また、大人も含めた所得の低い人の割合を示す「相対的貧困率」も前回調査から
上回ったとしております。同省が「母子世帯が増えており、働く母親の多くが非正
規雇用であることも影響したのでは」と指摘していることからも、一人親家庭への生活支援、非正規雇用の現状との関わりの中で、対応を求めていきたいと考えるところです。

12年の全世帯の平均所得は537万2千円で前年比11万円(2%)減少し、統計開始以降、4番目に少なかった。子供がいる世帯の平均所得が同3.4% 減ったことが影響した。
【貧困率】
 低所得者の割合を示す指標。経済協力開発機構(OECD)の基準を用い、収入から税金などを差し引いた全世帯の可処分所得を1人当たりに換算して低い順に並べ、中央の額の半分に満たない人の割合を「相対的貧困率」と定義する。
2012年の場合は所得が122万円未満の人の割合を指す。相対的貧困率が高いほど、経済格差が広がっていることを意味する。18歳未満の子供の貧困率も同様に算出。
一般的に子供に収入はないため、親の所得などを用いて割り出す。