2010年11月8日
静と動と その2
中体連の県大会を眺めると、さすがだと感じることに数多く出会います。挨拶や礼儀面、声の大きさ、応援の統一感、直前練習の無駄の無い動きと流れ。普段から鍛え上げられていることが伝わってきます。
中でも、縁あって部長を務めている剣道競技を眺めていると学ぶことがたくさんあります。中でも、強く感じるのは「静と動」の切り替えのすばらしさです。
今回の秋期新人競技大会でも、そんな場に出会うことができました。
いつも大会当日朝の30分ほどの直前練習の時間帯は、会場(今回は中郷体育館)全体が、まさにかけ声と竹刀がぶつかり合う音と踏み込む音が重なり合って、「動一色」の状態です。しかも、防具を付け、明らかに会場のスペースとは不釣り合いな多人数が真剣に打ち合っている様は壮観でさえあります。
しかし、そのような中でわずかでも連絡や指示のアナウンスが入ったと感じた瞬間に雰囲気は一変するのです。一人の気づきが会場全体に伝わり、全員が瞬時に動きを止め、その場に正座して話し手に正対します。まさに「完璧な静」の空間が生まれるのです。そして、連絡が終わるや否や座礼をし、再び元の「動」の世界に入っていきます。その切り替えの早さと、徹底ぶりは、まさに見事としか言いようがありません。伝統と揺らぐことのない芯の強さに触れ、心熱くした瞬間でした。