2010年4月28日
聴くということ №2
人の持っている五感(視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚)の中で、「視る」「味わう」「触る」は、動きを止めれば自分から受け取りを拒むことができます。「嗅ぐ」についても、息の仕方で感覚を弱めることができ、すぐに疲れて感じなくなることもあります。・・・・・「聴く」はどうでしょう。「聴く」だけは、じっとしていたら、自分の意志では拒むことのできない感覚であるように思います。
私たちは、もっと「聴く」ことを意識しなければならないし、自分が発する言葉や音にもっと敏感にならなければならない理由がここにありそうな気がします。
この数週間、廊下に響く「不必要に大きな声」「無駄な声」を耳にすることが多いのがとても残念です。聴くことが辛くなるような荒っぽい言葉も、時には耳に飛び込んできます。どちらも学校には似合わないもので、「聴こえてくることの辛さ」を感じる瞬間です。たとえ、友達同士の会話であったとしても、聴きたくない者にまで届いてしまうという点では「音の暴力」にもなりかねないものです。
自分の意志とは関係なく受け取らざるを得ないものであるだけに、温かく柔らかな、元気が沸いてくる音や言葉であってほしいと思います。