市議会の記録

◎平成28年6月議会

3番(北川博規君)

 市民クラブ、北川です。
 通告書に従って質問させていただきます。誠実な御答弁をよろしくお願いします。
 質問に入る前に一言。先ほど林議員のほうからもございました座布団座談会。私も参加させていただいていますけれども、参加人数の多い少ないにかかわらず、渕上市長の大変誠実で真摯な姿、大変心打たれる部分もございます。ぜひ頑張っていただきたいなと思います。
 それでは質問に入らせていただきます。
 教育についてということで、教育について一本で。内容は細かく3つに分かれています。
 まず総合教育会議と教育大綱についてお伺いします。
 まず教育長、市長にお伺いしたいと思います。敦賀の教育の特徴は何なのか。それをお願いします。

市長(渕上隆信君)

 では、北川議員の御質問にお答えいたします。
 本市におきまして、特色あるすばらしい教育が従前からなされているところでございますが、その中でも、白砂青松の地として自然に恵まれたこのふるさと敦賀において先人が築き上げてきた足跡をたどる学習を行っていることがまず大きな特徴でございます。
 学校教育を例に挙げれば、杉原千畝をテーマとした道徳学習の実施等、本市が人道の港の歴史を受け継ぎ、思いやりや助け合いの心の育成など優しい日本人のいたまちとして特色ある教育を進めているところでございます。

教育長(上野弘君)

 本市の教育の特徴ということでございますけれども、本市の教育の特徴につきましては、本年3月に策定いたしました教育大綱の本市が目指す教育の姿の基本理念にお示しさせていただきましたとおり、ふるさと敦賀を愛し、郷土の発展に貢献する活力ある人材を育成するため、家庭、学校、地域が一体となり、先人がこれまで築き上げてこられた伝統を受け継いで、人道の港敦賀ならではの魅力ある教育に取り組んでいくことであると考えております。

3番(北川博規君)

 優しさという言葉が市長のほうからはございました。特色ある敦賀の教育、これはこれから行っていく、これまでも行ってきた教育施策の大きな柱。ということは、その内容はいろんなところにきちっと示されていくものであるし、それが大事であると、そのように感じています。
 このことについては、また後ほど触れさせていただきます。
 そこで、総合教育会議なんですけれども、新しい教育委員会制度の核となる総合教育会議ですけれども、その使命、それは教育に関する大綱の策定、教育の条件整備などを重点的に講ずるべき施策、児童生徒の生命、身体の保護など緊急の場合に講ずべき措置について、市長と教育長が協議、調整を行うというふうにされていますけれども、これについてつけ加え等はございませんでしょうか。

教育長(上野弘君)

 そのとおりでございます。

3番(北川博規君)

 今の言葉の中に教育という言葉が何度も登場してきています。ここでいう教育、総合教育会議、その中で述べられている教育というのは、どのような内容、分野、範疇を指しているのでしょうか。お伺いします。

教育長(上野弘君)

 国の地方教育行政の組織及び運営に関する法律にも定められているとおり、大綱は、教育、学術及び文化の振興に関する総合的な施策を記載するものであると規定されております。
 具体的に申し上げますと、ここでいう教育とは、学校教育、社会教育、文化振興、スポーツ振興などを総称しております。

3番(北川博規君)

 今確認させていただきましたし、以前もこの部分についてはお伺いしたんですけれども、確認しておきたいのは、ここでいう教育は義務教育活動に限ったものではないと。公立、民間を超えて幼児教育、就学前教育、そして義務教育、そして高等学校教育、生涯教育、そこまでを範疇としているということでよろしいですね。

教育長(上野弘君)

 おおむねそのカテゴリーとして捉えていただいて結構かと思いますが、ただ高等学校につきましては、まずは県の教育委員会並びに県が所管していることを申し添えておきます。

3番(北川博規君)

 まずその中の幼児教育。私は今、幼児教育の部分が大変大事な時代がやってきていると、そのように感じています。その点について、教育長のお考えをお伺いします。

教育長(上野弘君)

 幼児教育の重要性につきましては、従前より指摘されてきたところでございますけれども、既に本市におきましては、敦賀南小学校区をモデルとして保育所、幼稚園と小学校の連携に取り組んできたところでございます。
 幼児期と児童期の教育における一体的な仕組み、すなわち保幼小接続カリキュラムを平成27年4月に策定いたしまして、県の幼児教育支援センターの指導のもと、公立、私立、保育所、幼稚園、認定こども園、小学校の枠を超えて、幼児期の子供たちの学びの芽生えの充実に向けて取り組みを進めているところでございます。

3番(北川博規君)

 今ほどありましたように接続、これはとても大事だと思います。保幼小、そして小中、その部分での接続というのはとても大事だと思うんですけれども、その接続を語る前に、それ以前にそれぞれの場が大変安定している。そこでしっかりと責任が達成されている。この部分が大変大事だと思います。
 ということを考えますと、就学前教育、そして幼児教育、そのあたりでの親の教育や家庭教育、このあたりの大切さを感じます。その点での教育長のお考えをお伺いします。

教育長(上野弘君)

 そもそも子供は誰が育てるのかということからすれば、家庭教育の重要性は言うまでもないことであります。
 学校、家庭、地域の順にその重要性を位置づけている他の市町の教育委員会もある中で、本市教育大綱の基本理念には、家庭、学校、地域と家庭を一番に挙げていることからも、この考え方につきましては御理解いただけると思っております。

3番(北川博規君)

 確かにそのとおりだと思うんです。
 それでは、その中で具体的にどういう施策がされているのでしょうか。

教育長(上野弘君)

 発言通告の中にはございませんでしたので、お答えは控えさせていただきます。

3番(北川博規君)

 今ほど発言されたことに関する内容ということで質問させていただきましたけれども、わかりました。
 一つ疑問なのは、総合教育会議の参加者、構成員は5名だと思うんです。ただ、総合教育の中に参加しているそのメンバーの中に児童家庭課の職員の方が含まれていない。これは先ほどの幼児教育云々を語ったときに少し首をかしげる部分なんですけれども、それはなぜなのでしょうか。

教育長(上野弘君)

 総合教育会議は、地方教育行政法でも定められておりますとおり市長と教育委員会が協議、調整を行う場でございます。
 冒頭のほうでも申し上げましたとおり、一言で教育といってもさまざまな分野がございますので、市長部局に関する各課題が出た際には、児童家庭課に限らず、その都度、市長より適切な部署に指示があるものと理解しております。

3番(北川博規君)

 今の御答弁では、私のお聞きしたことの答えにならないのかなと思います。幼児教育が大事だと、総合教育会議というのは教育全体をつかさどっていくんだと。その中で、参加者十数名おられます。その中に一番幼児教育の中心となる児童家庭課、ここが入っていない部分については改善していく、これが大変大事なように思いますけれども、市長いかがでしょう。

市長(渕上隆信君)

 今教育長がお答えしましたように、その必要があるときには指示をして出ていただくようにしようと思っております。

3番(北川博規君)

 その審議の中で、通告があるわけでもないと思うんですね。その審議の中で幼児教育に触れる部分は当然出てくる可能性があります。そこに、それじゃ呼びますよと。それは現実的に難しい話だと思います。ぜひその部分、児童家庭課の方を含めた総合教育会議の形をお願いしたいと思います。
 そしてもう1点、今ここで私が述べているようなこと、十数名の参加者がいる中で、そのような提言がなされていないところ、その点が大変疑問です。
 市長は部局を超えたいろんな組織づくり、それをうたっています。でも今回のこの件を考える限り、部局を超えた部分には口は出さない、そういう意識がありはしないか。それは組織の閉鎖性ということにつながっていくのではないかと、そんなふうに感じてなりませんが、その部分でコメントがございましたらお願いします。

市長(渕上隆信君)

 そのようにはならないというふうに思っております。

3番(北川博規君)

 ならないというその根拠、それは私としても理解できませんけれども、ぜひそれを改善していただきたい。そのことをお願いしたいと思います。
 そして次ですけれども、先ほど教育長のほうからは、高等学校教育は県云々ということがございました。確かに県だと思うんです。
 ただ、今、高等学校、大変不安を抱えています。新聞等でもいろんな報道がされていますので皆さんも御存じのように、県教委からの上意下達。皆さん御存じでしょうか。今年度、センター試験前に県独自の学力検査を行うという。これに対して高校の職員は、自分たちで問題をつくり採点し、それがどんなふうに何のために生かされるのか。署名活動も6割を超えている、そんなふうにも聞いています。
 そのあたりどうなんでしょう。今、県が取り組もうとしている施策について、どのようなものがあるのか。これは県の施策なんだと思いますけれども、ぜひお伺いしたいですし、それに市はどのようなかかわりを持っていくのか。この点もお願いしたいと思います。

教育長(上野弘君)

 社会が求める資質の変化に対応するため、県では、昨年度策定いたしました県教育振興基本計画に基づき、向こう5年間を見通した施策に取り組んでいるところでございます。
 本市におきまして、その趣旨に沿って、高等学校につながる小中学校で時代の変化に対応できる資質能力の育成と知徳体のバランスのとれた力の育成、さらには、ふるさとに根差した教育を推進しているところでございます。
 県が進めております高等学校の施策につきましては、私ども逐一ここで述べるわけにはまいりませんけれども、事業実施に当たりましては、まずは県教育委員会や各高等学校のさまざまな事業につきまして趣旨や内容を学校を通して中学生や保護者には確実に伝えていくべきでありまして、市の教育委員会といたしましても、県が取り組む事業に係る情報を主に中学校の校長先生とともに共有しているところでございます。

3番(北川博規君)

 県の管轄する高等学校教育かもしれませんけれども、そこへ送り出すのは中学校です。中学校の進路指導というものを考えたとき、高校が今どんなことをしているのか。それは当然、情報として提供していく必要があると思いますけれども、その役割を担うのはどの部署なのか。それをお伺いします。

教育長(上野弘君)

 先ほどの答弁でも申し述べさせていただきましたけれども、第一義的には、高等学校を所管する県教育委員会がその役割を担っておりまして、各高等学校においても各校の特色ある教育を児童生徒や保護者に対して発信するよう努めているところでございます。
 一方、本市といたしましては、県の施策の趣旨を踏まえまして、各学校の校長先生を通じて中学生やその保護者へ丁寧な情報提供に努めているところでございます。とりわけ毎月の校長会等を通じまして各校とも情報を共有しているところでございまして、これとあわせて教育委員会におきましても逐一その説明は行っているところでございます。

3番(北川博規君)

 高等学校教育、県の範疇と市の範疇、大変難しい部分かもしれませんけれども、情報、そして共通理解だけはぜひきちっとやっていただきたいなという思いでいっぱいです。
 続いて、教育大綱の部分について少し触れさせていただきます。
 その中で、文化振興支援、文化財の保護、支援、これが掲げられています。そして支援という中身には、市民活動、文化活動の拠点づくりが大事だと、そのように思いますけれども、文化、市民活動の拠点として重要な場はどこだとお思いでしょうか。

教育長(上野弘君)

 先ほどちょっと説明し切れなかった部分がありますけれども、高等学校の施策につきまして不十分だということであれば、校長先生方を通じまして、子供たちにより一層情報を提供していくように頑張ってくださいとお伝えしてまいりたいなと思っております。
 さて今ほどの質問でございますけれども、市民活動、文化活動は、広く文芸や伝統文化の伝承などさまざまなジャンルに及ぶものと認識しております。市民の方々がそれぞれの目的に応じて集い、準備や練習、発表などを行う施設、例えば、自主学習活動を支える地域の拠点としての公民館、発表の場としてならばプラザ萬象や市民文化センター、文化財等をみずから学び深める博物館や図書館、こういった施設が市民の方々の多様な活動を支える重要な場であると私どもは認識しております。

3番(北川博規君)

 もう少しお話を聞く前に、教育大綱の中にこういう文言がございます。
 地域の伝統行事への支援、無形有形の歴史文化資産を確実に保護し云々という。ここの部分について、市長のお考えをお伺いしたいと思いますが。

教育長(上野弘君)

 支援ということでございますけれども、本市といたしましては、指定文化財となっている伝統行事や祭礼など民俗行事につきましては、その保存団体に対し、次世代への継承に向けた活動に補助を行っております。
 しかしながら、全国的に少子・高齢化が進んでおりまして、民俗行事を初めとする伝統文化の担い手不足が各地で指摘されているところでございます。本市におきましても例外でなく、関係者の方々は伝統文化の保存、継承に大変な御苦労をされております。
 現在、市内の小中学校では、単に授業や校外学習だけでなく、山車巡行の引き手や西町の綱引きに使用する縄の製作への参加など、伝統文化、伝承行事に触れる機会を設けているところでございます。今後さらにふるさと敦賀に誇りと愛着を持つ子供たちを育て、地域の伝統文化を継承する人材となるよう、ふるさと学習への支援に努めてまいりたいと思います。
 また、民俗行事だけでなく、城跡などの形のある文化財を保存していくため、保存会などを組織して積極的に御協力いただいている皆様もいらっしゃいます。このような方々の活動を支援するとともに、学校や市長部局との連携をさらに強めまして、敦賀の宝である文化財を次世代に確実に継承できるように実効性のある保存や活用を進めてまいりたい、このように思っております。

3番(北川博規君)

 この部分についてはあえて今回はこれ以上深入りはしません。ただ、先ほど文化の拠点云々で教育長から名前が幾つか挙がりました。
 私が思う市民活動の拠点は、それ以外の部分、男女共同参画センター、ここの存在だと考えています。先日、北條議員の質問の中にもございました。男女共同参画センター、自主活動団体21団体、市民活動団体登録数が64団体、ネットワーク加盟団体14団体。これは大変大きな存在でもございます。その活動をこれから先きちっと担保していく。
 このことが先ほどの「確実に」というこの言葉、ここにあらわれてくるのだと思いますけれども、その点についてどのような支援が求められていくのかお伺いしたいと思いますけれども、いかがでしょう。

教育委員会事務局長(池田啓子君)

 お答えいたします。
 市民文化センターに対しての支援ということでお答えをさせていただきたいと思います。

議長(有馬茂人君)

 男女共同参画センター。

教育委員会事務局長(池田啓子君)

 男女共同参画センターへの支援ですか。

3番(北川博規君)

 それでは、今ほど文化センターというお話がありましたので、その部分に話を移していきたいと思いますが、男女共同参画センターのこの活動を担保するのに南公民館では絶対無理だということ、これはいろんな方が御理解されていることと思います。ぜひその部分をきちっと精査していただきたいなと思っています。
 それでは今ほどの市民文化センター、これはどうでしょうか。文化とか音楽文化、舞台芸術の本当に殿堂と言うにふさわしい部分ですけれども、その活動、あすを担う小中高生の活動の場として十分な支援がなされているのかどうか、お伺いします。

教育委員会事務局長(池田啓子君)

 では市民文化センターへの支援ということでお答えいたします。
 市民文化センターでは、中学校の合同発表会を初め、各高等学校の吹奏楽部や合唱部の定期演奏会場として、市内の小中高校生に広く御利用いただいておりまして、その使用料に当たっても免除という形で支援をさせていただいています。
 以上です。

3番(北川博規君)

 今現在、文化センターで働いておられる職員の方は、とてもよく頑張ってくださっているのはよくわかっています。何年も前にリニューアルした折に、文化センターの会議機能を外しました。しかし会議機能は外したけれども、それ以外の機能を残しています。企画機能、育成機能、それから活動を支援する機能。この機能は残した、そんな文化センターなんですけれども、それが今なされているのかという面で大変疑問があります。貸し館としてではなくて、文化活動を進めていく文化拠点となるためにも、ぜひ予算とか人的位置づけ、そのあたりを見直していただきたいと思いますけれども、この点について市長の所見をお願いします。

教育長(上野弘君)

 市民文化センターにつきましては、議員おっしゃるように文化の拠点の一つとして市民の皆さんが芸術文化に親しむ場であるとともに、みずから文化芸術活動に励む若い才能を育む場としての役割を果たすもの、そういった位置づけであると認識しております。
 今後、これまで以上に文化の拠点として市民に御利用いただけるよう運営を充実してまいりたいなというふうに思っております。

3番(北川博規君)

 ぜひお願いしたいと思います。
 今、館長が文化課長ということで、常時、文化センターには不在、いない状態です。そんな文化センターであっていいのかなと自分としては大変疑問でもあります。ぜひよろしくお願いしたいなと思います。
 先日、総合教育会議を傍聴させていただきました。その中で教育振興基本計画の素案が示されました。しかし、それが会議の終了後、回収されました。今までの敦賀市のパブリックコメントというのは、大枠ができ上がり固まった後、パブリックコメントを求める。それでは遅いというのが現状だと思います。素案の段階できちっとそれを示し、いろんなところから意見を求める。その姿勢が大事だと、そんな思いでいっぱいです。
 お聞きします。今後の振興基本計画策定のスケジュール、それについて説明をお願いします。

教育長(上野弘君)

 今後のスケジュールにつきましては、毎月開催する教育委員会や今月新たに設立いたします敦賀市教育力向上会議等で協議を行い、またパブリックコメント等による市民の皆様の御意見を頂戴した後、ことし9月を目途に計画の策定を目指したいと、このように思っております。

3番(北川博規君)

 ぜひ、まだ弾力性のあるその時点でのパブリックコメント、それをお願いしたいなと思っています。
 今回の質問を通してわかっていただきたいのは、教育委員会は市民の皆さんに教育に関してはもっと透明性のある、そういうオープンな場を提供いただきたい。そんな姿勢を求めたいと思いますが、市長の所見をお願いします。

市長(渕上隆信君)

 総合教育会議、傍聴いただきましてありがとうございました。
 第1回目の素案でございまして、本来はたたき台であるために資料を配付するべきではないという意見もございましたけれども、それでは傍聴される方に内容がわからないということで、あえて配付、回収という形をとらせていただいたということで御理解ください。

教育長(上野弘君)

 透明性ということでございますけれども、私が就任して11カ月ほどになりますが、今まで以上に、例えば福井大学のラウンドテーブルを初めさまざまなメディアの皆様を通じまして、本市教育委員会の施策につきまして数多く発信してまいりました。また、PTAの皆様からもさまざまな意見を伺う場も持ってまいりました。
 あわせて先ほども申しました敦賀市教育力向上会議でございますけれども、あした、国の中央教育審議会の委員や学識経験者、各教育団体、経済界、報道機関の方々で構成する会議でございますけれども、新たに設立いたしまして、さまざまな角度から本市の教育行政への御助言をいただくことを予定しております。
 また、市民の皆様からも先ほど議員御指摘ございましたように御意見、御支援をいただきながら、今後も本市教育行政がより充実したものとなるよう最大限努力してまいりたいと、このように思っております。

3番(北川博規君)

 よろしくお願いします。
 次に2つ目の項目、小中一貫教育について話を移させていただきます。
 まず、市内全ての中学校区で小中一貫教育を実施していくということを聞いています。その狙いと意味をお伺いしたいと思います。

教育長(上野弘君)

 現在、我が国では、中学校進学時の不登校の増加、いじめ等の急増など中1ギャップが大きな課題となっております。また、学校教育が現在の形に制度化された年と比べまして、児童生徒の発達の早期化や少子化に伴う課題など、制度が子供の実態等と伴っていないとの指摘もあったところでございます。
 このような中、御承知のように小中一貫教育がこれらの課題の克服を目指す教育として全国で設置されてまいりました。
 本市におきましては、昨年度3月、小中教育環境検討委員会から、小学校から中学校へ進学し、新しい環境での学習や生活へ移行する段階で、諸問題につながっていく事態、いわゆる中1ギャップの解消を図るため、各中学校において小中一貫教育を推進することは大変重要であるというふうな御答申をいただきました。
 本市といたしましては、この答申を受けまして、国の研究指定も受けました角鹿中学校区だけでなく、市内全ての中学校区で小中学校9年間の学びをつなぎ、それぞれの地域の特性を生かしながら、子供たちに標準的な教育サービスが公平に提供できる体制づくりを狙いとしております。

3番(北川博規君)

 今ほどの答えの中でもう既に次の質問の回答も入っていると思いますので、その次の通告の内容。
 以前も確認させていただきましたけれども、今の御答弁ですと小中連携教育でも十分だなと私は思うんです。小中連携教育と小中一貫教育、どのように違いがあるのか。その点を確認しておきたいと思います。

教育長(上野弘君)

 文科省におきましては、この2つの教育の明確な定義は現在のところございません。
 ただし本市といたしましては、小中連携を小中校種間の連携と捉えておりまして、小中一貫教育は、小中学校が目指す子供の姿を共有いたしまして9年間の系統的カリキュラムを恒常的、系統的に推進するものと、このように捉えております。

3番(北川博規君)

 目指す子供の姿、これは市全体として目指す子供の姿というのは教育大綱とか教育目標でどんとあると思うんですね。そして、それが小中それぞれの校区、中学校区で行われていくとしたときに、その校区内の各校の特色、独自性、教育観の違い、これをどのように担保していかれるのか。その点は大変疑問なんですけれども、お答えいただけませんか。

教育長(上野弘君)

 例えばの話なんですが、新しい環境での学習や生活へのスムーズな移行等、それぞれ地域の特性を生かした9年間の学びのつながり、小中学校の学習指導や生徒指導で重なりの無駄をなくす、児童生徒の学習状況に柔軟に対応できる教育体制が実現していくというふうに捉えておりますし、例えば学習指導でいうならば、小学校1年生で学習する大きさ比べや4年生、5年生の小数、分数の掛け算、割り算が5年生の割り算や6年生の比の学習につながっていくことを敦賀市の先生方は十分に意識して指導しているという状況でございます。全ての校区でこのような形が行われれば、また中学校では、小学校で学んできた内容を指導に生かし、方程式とか関数の授業をつくっております。
 それぞれに学校で狙いとするもの、共有することは十分可能である。また今後は、掃除や規律面など学校生活に係る指導も発達段階に応じて、各地域の状況に応じて系統的に身につけられるようにしてまいりたいと、このように考えているところでございます。

3番(北川博規君)

 私としては、それぞれの小学校の持っている独自性というか地域性、それはとても大事なものだと思います。それをぜひ慎重に担保する、その流れをお願いしたいなと思っています。
 市内の中学校区を眺めましたときに、物理的に角鹿中学校区以外では施設分離型の小中一貫教育ということになるんだと思います。しかも、それぞれに小学校から中学校へ進学する時点で小学校の子供たちが2つの中学校に分かれる、そういう小学校もあります。その中で小中一貫教育をどのように具体的に進めようとしているのか、お伺いします。

教育長(上野弘君)

 本市のように複数校の小学校と中学校の小中一貫校がある他県の状況を見ますと、複数の学校が目指す子供の姿を共有し、それぞれの学校の特色を生かしながら一つの学校区をつくっていく小中一貫教育を進めている事例が大変多くございます。
 本市におきましても、各中学校区の校長先生を中心に、校区や各校の特色を生かし、共通するよさや課題を9年間のカリキュラムにどのように反映していくかについて既に研究を進めているところでございまして、この夏にも、それぞれの中学校に校区の小学6年生が集まりまして、小中の教員による授業を展開する計画を立てております。

3番(北川博規君)

 今ほどカリキュラムというお話が出ました。ただ、それぞれの小学校の子供たちが中学校へ行って授業を見たり体験したり。それは今までにも連携の中で十分にやってきていることだということを言及しておきたいと思いますし、小学校文化、中学校文化という文化があります。小学校の担任制、中学校の教科担任制、この文化をいかに融合していくのか。大変難しい部分だと思いますので、カリキュラム以外の場でもそれをきちっと慎重に検討いただきたいなと思います。
 その中で、福井大学教育地域科学部附属小学校、附属学園、福井学園という名称でしょうか、そことの連携がうたわれていますけれども、どのような連携を進めようと考えていますか。

教育長(上野弘君)

 本市と福井大学教育地域科学部附属学園との相互の信頼関係に基づきまして、双方の教育機能を生かし、連携、協力により小中一貫教育の研究に資するため、小中学校の9年間のカリキュラム作成についての研究協議、それから小学校の教員による効果的な指導体制、指導方法等についての研究協議、それから教科等に関する協働の授業研究、それから小中一貫教育についての情報交換及び交流について連携、協力してまいりたいと思っております。
 去る6月3日にも、今年度の予定につきまして附属学園と協議したところでございます。

3番(北川博規君)

 先ほどの福井学園、これは一体型、義務教育学校の形をとっています。ということは、子供たちはもちろんですけれども職員も小から中へ、中から小へ自由に10分の休憩の間に行き来ができる。そんな形の中でのカリキュラム。
 それが本市の場合の中学校区となりますと、それは絶対不可能な状態だと思いますけれども、その点について何かコメントございましたらお願いします。

教育長(上野弘君)

 議員御心配のことでございますけれども、幸い今現在、本市に勤務しております小学校、中学校の先生方の多くが小学校免許のみならず中学校を保有されている方が小学校の教員として、先生として御活躍いただいておりますし、中学校に勤務されている先生方におかれましても小学校の免許を有しているということで、運用的に対応することは十分可能かなというふうに今考えております。

3番(北川博規君)

 免許の云々の話が出ましたけれども、免許がある、それは大丈夫だと思います。ただ私が心配するのは、1限目に小学校の授業をして、次には中学校のほうへ出向かなくてはいけない。そういうカリキュラム編成があったとすると、それは実際問題大変難しい。そのことを指摘しておきたいと思いますし、その改善をお願いしたいな、そんなふうに思います。
 次に、角鹿中学校に焦点を当てさせていただきますけれども、補正予算の中に60万2000円の角鹿中学校区統合検討経費、これが計上されています。この検討内容、これはどのようなものなのか教えてください。

教育長(上野弘君)

 提案理由にもございましたとおり、角鹿中学校、敦賀北小学校、赤崎小学校、咸新小学校を統合した小中一貫教育につきましては、地元の意見を十分にお聞きしながら地域の実情に合った検討を行ってまいります。
 具体的な検討内容といたしましては、小中一貫校の形態、それから建設地や施設内容案の作成、閉校までのスケジュール作成、建設費の推計や財源の調査などが考えられます。

3番(北川博規君)

 以前ありました小中教育環境検討委員会、そして今回の角鹿中学校区統合検討委員会、このつながりと違いというのは、もしできたらお願いしたいんですけれども。

教育長(上野弘君)

 前回の検討委員会につきましては、敦賀市全体を通しての小中教育環境検討委員会と敦賀市全体の中で小中一貫教育をどのように進めるかと。今回の場合には角鹿中学校区ということで、角鹿中学校区のことを検討していくということでございます。

3番(北川博規君)

 今ほど説明いただいた事業内容の中に、統合という言葉が出てまいります。地域の実情という言葉も出てきます。合理的な構造という言葉も出てきます。その中で3つお聞きしたいんですけれども、まずは統合の意味するもの、これを教えてください。

教育長(上野弘君)

 事業概要の事業内容にもありますとおり、角鹿中学校及び3小学校を統合した小中一貫校の設置等に向けて、角鹿中学校区における地域の実情に合った合理的な構造等の検討を行うものでございます。

3番(北川博規君)

 ここまでいろいろお伺いしてきましたけれども、正直申し上げると地域の方はまだ不安なんです。不安が払拭されていない。それは一体何かというと、具体的な動きが見えていない。
 市長に伺います。角鹿中学校に一体型の小中一貫校を設立していく。この姿勢は間違いないということでよろしいですね。

市長(渕上隆信君)

 角鹿中学校の統合検討委員会の中で協議されると思います。

3番(北川博規君)

 そこがわからないんですよ。統合という意味を聞きました。統合は、3小と1中を統合すると。一般市民が統合という今の事業内容を聞いたら、誰もが施設一体型の小中一貫校、このイメージをする。それは間違いないと思うんです。それが間違っているのかどうなのかということです。

教育長(上野弘君)

 何よりこれからの子供たちにとって望ましい教育環境を整えるべきと考えておりますので、一体型の御意見につきましては議員のお考えとして伺っておきます。

3番(北川博規君)

 それでは、教育長として今まで何年も小学校、中学校を見てきました。その中で、一体型の小中一貫校、これに対してどのようなお考えをお持ちなのか、お伺いします。

教育長(上野弘君)

 平成27年度8月における文部科学省の調査結果を見ますと、全国では約1100校の小中一貫教育校がございまして、そのうち施設一体型は13%、それから施設隣接型は5%となり、78%の大部分を占めるのは施設分離型となっております。
 その環境において、中学校への進学に不安を覚える児童の減少や、いわゆる中1ギャップの緩和、教員間の協力指導の意識や共通で取り組むことの割合が高まりまして、不登校やいじめ等の減少等の成果として報告されているところでございます。
 学校の施設のみならず、教職員の定数配置、例えば養護をつかさどる養護教員の先生の配置、それから事務職員さんの配置等々、教職員定数の配置や校庭使用の際の安全管理等を勘案し、本市の子供たちにとって望ましい教育環境を整えてまいりたいと、このように思っております。

3番(北川博規君)

 どうしてこれだけ明確な言葉が出ないのか大変疑問です。私は、一体型の小中一貫校は義務教育の究極の姿だと思います。小学校で入学した子供たちが同じ教職員に見守られながら義務教育をずっと進めていく。これが理想の姿であるのは間違いありません。これが分離型、併設型となったときに、例えば2つの小学校から中学校へ10分間の休み時間に移動することはできない。その中で本当に一貫教育が行われるのか。大変難しい。それは間違いないと思っています。
 一体型でなければ意味がない。中1ギャップ解消と言いますけれども、連携でも十分にやれています。それをさらに一歩進めるならば、学びの連続性、それも含めて一体型の小中一貫校、これを目指してほしいし、そのことを今までおっしゃってきていたし、統合の中身にはそれが含まれている、そんなふうに考えていますけれども、その点での市長、そして教育長のお考えをお伺いします。
○市長(渕上隆信君) 何よりこれからの子供たちにとって望ましい教育環境を整えるべきというふうに考えております。一体型の御意見につきましては、議員のお考えとして伺っておきます。
 以上です。

教育長(上野弘君)

 今後検討される角鹿中学校のこともございますけれども、今現在におきまして、小中教育環境検討委員会の答申並びに角鹿中学校校区検討委員会の協議のもとに、敦賀の子供たちにとって望ましい小中一貫教育を進めてまいりたいと、このように思っております。

3番(北川博規君)

 ちょっと戻りますけれども、それでは先ほどの合理的な構造というのは一体どういう意味なのか、教えてください。

教育長(上野弘君)

 今のお尋ねあったことなんですけれども、合理的な構造と申しますと、例えば小中一貫校の形態、それから建設地、児童クラブ等の施設の内容等についてということを合理的な構造というふうなことで、地元の方の意見を十分にお聞きした上で検討していきたいと。検討されていくであろう構造でございます。

3番(北川博規君)

 先日ですか、小中教育環境検討委員会の答申の説明を受けた折に、合理的な構造、他の施設との併用も念頭に置くという文言がございました。そのときに私からは、他の施設というのはどういう意味ですかというふうにお聞きしました。そのときに教育長からは、放課後児童クラブですというそういうお答えをいただきました。
 ということは逆に言うと、児童クラブ以外はその他に入っていないということで間違いないですね。

教育長(上野弘君)

 その点につきましては検討委員会でお話しされることでございまして、その他一切ないと、検討すべきではないという話では全くございませんので。
 先ほど申しましたように、主に放課後児童クラブ、そういうふうなことも施設の内容等について考えるということでございます。

3番(北川博規君)

 これまでいろんなところで後戻りはしないんだという言葉を耳にしています。後戻りしないというのは一体それじゃどういう意味なんですか、市長。

教育長(上野弘君)

 議員が今おっしゃった後戻りをしないという言葉をいつどのような場で述べさせていただいたかは確認できておりませんが、しかしながら本市における小中一貫教育につきましては、ここまで説明させていただいたとおり、昨年度3月議会で御承認いただいた予算のもとに、既にカリキュラムの作成やつながりを意図した授業づくり、校区の学校相互の交流などに着手しているところでございます。このような取り組みに対しまして、既に始まっていると捉えていただけたらと思っております。

3番(北川博規君)

 市長に伺います。それでは、後戻りするということは一体どういう意味合いを持ちますでしょうか。

市長(渕上隆信君)

 言葉遊びみたいになってしまいますので、ここでは答弁を控えさせていただきます。

3番(北川博規君)

 それでは、私はとにかく一体型でないと意味がないということはお伝えしました。これから明確に一体型での小中一貫校を設立するんだ。またはそれ以外の方法をとるんだ。この明確な決定は、いつなされますか。

教育長(上野弘君)

 検討委員会が始まっていない状況でございますので、ここで答弁することは控えさせていただきますけれども、検討委員会の中でそのような議論がなされ、結果としてその形態というのも導き出されるものかなというふうに考えております。

3番(北川博規君)

 もう一回、確認させてください。市民が角鹿中学校区統合検討委員会、この響きを聞いたときに、角鹿中学校に一体型の小中一貫校を設立するんだと。その具体的な建物の様子、その内容について、それを検討していくのがこの委員会なんだという、そういう認識を持ちますけれども、それは違っているということですね。

教育長(上野弘君)

 先ほど来、答弁させていただいておりますけれども、検討委員会で検討すべき内容であるということでございますので、今ここで検討の結果を誘導するようなことにつきましては答弁は控えさせていただこうと思っております。

3番(北川博規君)

 今後のスケジュール感。先ほど、いつ明確になるんだということでお伺いしましたけれども、具体的なこれからのスケジュール感、これは持っていると思います。ぜひお聞かせください。

教育長(上野弘君)

 今後、小中一貫校を設置されるとなると、学校の形態、建設地にもよりますけれども、基本設計、実施設計で2年から3年、校舎の建設で2年から3年が必要になるというふうに考えております。

3番(北川博規君)

 この前もそれはお聞きしましたよ。1年半、1年半、3年かかるということはお聞きしました。決定するのはこのスケジュール感の中で持っておられると思うんですよ。いつ決めて、そこから3年とか。それをお聞きしたいなと思うんですけれども。

市長(渕上隆信君)

 今お聞きになられているのは、先ほど教育長がお答えになった部分だと思いますが、検討委員会の中でその辺が出てくるんだと思っています。

3番(北川博規君)

 この検討委員会は1年ですね。ということは1年以内にそれは明確になるし、そのときには設計図もでき上がっていると。そういうことでよろしいんでしょうか。

教育長(上野弘君)

 ある程度の答申をいただくということでございますので、ことし1年かけて検討をしていただく。
 設計図もでき上がっているということになりますと、今ほど答弁させていただいたこととは若干ずれてまいりますので、設計図までということになりますと、先ほど申しましたように基本設計、実施設計で2年から3年ということになります。

3番(北川博規君)

 この問題は、いろんなところに絡みを持ってくる大変大きな問題だと思うんです。先ほどの男女共同参画、これについても南公民館は絶対無理だということはお伝えしたし、皆さんも共通認識だと思うんですね。北小学校がもし使えるようになるならば、それも絡めてトータルで考えていくべき、考えられる内容でもございます。ぜひその点、慎重に、できるだけ早く。そしてきょうお伺いしたその内容は、私としては大変がっかりした内容です。そのことをお伝えしておきます。
 最後に、第1回検討委員会はいつごろ開催されるのか。そして、公開とされるのか。その点をお伺いします。

教育長(上野弘君)

 議会で検討委員会につきましての予算をお認めいただけましたならば、できるだけ速やかに第1回目を開催させていただきたいと思っております。
 なお、会議での自由な発言を保障するという観点から、非公開は原則とさせていただきたいと思っております。

3番(北川博規君)

 公開難しいかもしれませんけれども、その中身がオープンになるのが遅いんですよ。インターネットでそれを見ようと思うんですけれども大変後になってようやく知り得るという。大変残念です。ぜひ公開も再検討いただきたいなと、そんな思いでいっぱいです。
 時間の関係で、3つ目の質問に入ります。
 学校現場の課題ということです。
 市長に伺います。国が示している過労死ライン、月に何時間以上の残業になっているか御存じでしょうか。

市長(渕上隆信君)

 月に100時間以上の残業と認識しております。

3番(北川博規君)

 100時間ですか。私の認識では80というふうに考えています。一般的に80時間が過労死ラインというふうに判断していますけれども、そこは置いておいたとして。
 昨年度の教職員の働き方、労働時間の実態、この調査によると、中学校教員の場合13時間20分、1日平均です。小学校では12時間50分。勤務日の睡眠時間は6時間。月、毎日平均5時間の残業。一般的に月21日の勤務時間とすると100時間を超えます。これは過労死ラインを超えてしまうということになります。
 福井県と敦賀市の実態はどのような状態になっているのか、お伺いします。

教育長(上野弘君)

 県の実態は把握しておりませんが、本市におきましては、午後9時には帰宅、午後9時30分には学校を閉めるということは従前から実施しておりまして、例えば、ある中学校の平成26年度12月に9時30分を超えた日を見ますと8回、平成27年度の12月ではゼロ回となっております。
 また中学校の年度を比較いたしましても、平成26年度は32回、平成27年度は6回、計26回減少しており、若干の改善は図られていると認識しております。
 また今年度、本市の県費負担教職員を対象に、教職員の出退勤時刻及び休日勤務実態把握のための自己管理表の作成を5月より実施しております。現在、5月分の自己管理表を各校より集約し、県が実態把握を進めているところでございます。今後、この調査をもとに業務改善の成果を検証いたします。

3番(北川博規君)

 今ほど9時という時間が出ました。7時に出勤します。9時まで14時間。そのほとんどは休憩時間なしの時間です。14引く8、6になります。休憩時間、間に1時間何とかとったとしても5時間を超えます。先ほどの私の言葉を裏づける数字ということで認識いただきたいと思います。
 今ほどの県の調査、いろんなところで多忙をふやす多忙調査、そんなふうにやゆさています。必要なのは、その調査によって何をしようとしているのか、何を変えようとしているのか。その点をお伺いします。

教育長(上野弘君)

 この調査は、県が実施する調査でありますけれども、教職員一人一人が自己管理表を作成することにより、タイムマネジメント意識、コスト意識を持って日ごろから計画的かつ効率的に業務に取り組む契機とするとなっております。
 また、校長等は、教職員一人一人の勤務時間の実態を把握することにより学校の運営状況に応じた勤務時間の割り振りを適正に行い、教職員が日々の教育活動に専念するための時間を拡充できるよう業務改善の資料とするとの説明を受けております。

3番(北川博規君)

 多忙であるがゆえの残業です。いろんな調査は行われたとしても、その多忙の大きな要因として挙げられているのが文科省や県教委、市教委からの悉皆研修、そしてアンケート、報告書、このあたりです。以前からもその改善や削減が求められてきますけれども、敦賀の場合、それらの削減は実現しているのかどうかをお伺いします。

教育長(上野弘君)

 国や県、市からの学校に出される文書量がここ3年間でどのように変化しているかを小中学校に確認いたしましたところ、小学校におきましては、平成26年度の受付文書が約940件、平成27年度は740件と、1年間で約200件の送付文書の減少が見られました。中学校では、議員が校長をしておられた平成26年度は約1850件、平成27年度は約1650件と、同じく200件の減少が見られました。
 この数全てが研修の要請、調査、アンケート、報告書の通知ではございませんけれども、この一つ一つの文書に対処することを考えると、学校の文書を減少し、わずかではあるものの教職員の事務手続の軽減につながっていると考えているところでございます。
 今後は、県教委や校長会とも連携いたしまして、報告書等の提出の削減または多忙化解消に向けまして努力してまいりたいと、このように思っております。

3番(北川博規君)

 もう一つ、次に多忙の原因になっているのが、新しい事業がどんどんビルドされていく。スクラップ・アンド・ビルドという言葉がありますけれども、スクラップされずに新しい事業がどんどん生まれてくる。
 その点、お聞きしたいと思います。現時点で前年度に比べて新しく生まれた事業、そして廃止された事業、その数を教えてください。

教育長(上野弘君)

 県の事業につきましては私ども掌握しておりませんが、本市におきましては、平成27年度から28年度にかけてスクラップした事業は7事業、新たにビルドされたものは4事業になります。
 スクラップした主な事業は、教職員全員を対象としたいわゆる悉皆研修というものでございますが、全体研修会、管理職研修会など多くの学校の先生方が学校現場から離れるような研修会を中心にスクラップいたしました。
 ビルドされた事業につきましては、角鹿中学校区を初めとした小中一貫教育関連の事業等でございます。

3番(北川博規君)

 先日、先ほどの総合教育会議、振興基本計画素案の中で、敦賀市の「知・徳・体」充実プランというA3の用紙が配られました。その中身を見る限り、これはとても現場の先生方の普通の勤務では達成が難しい。大変多忙を招く。そんな不安が強いんですけれども、そのあたりの所見をお願いしたいと思います。

教育長(上野弘君)

 今年度、小中学校の新1年生の保護者対象に御提示した敦賀市「知・徳・体」充実プランにつきましては、全く新しいものではなくて、今まで学力や体力、豊かな心などについて総花的に取り組んできたものを小中一貫教育の視点から整理し、知徳体それぞれの資質や能力の向上について重なりをなくして体系的に再構築したものということでございます。
 その中心となるものが全中学校区の小中一貫教育を具体的な形にするための事業でございまして、今、敦賀の子供たちのために求められている教育ニーズに対応するため、小中一貫教育を核に推進事業を展開しております。
 これまでの議会でもお伝えしましたけれども、小中一貫教育を進める上で大変重要で、かつ時間を要するのは、学校の先生方の指導力を上げることとともに、学校間の先生方同士の打ち合わせになります。この時間をなくして子供たちに力のつく授業は構成できません。
 本市の先生方は、既に敦賀の子供たちのために力をつけるため、そして各中学校区における小中一貫教育を進めるため、ふだんの授業に加えて努力してくれております。
 今後、本市といたしましては、市教委主催の悉皆研修をなくすなど、各校区内の研修を含め今年度の中心となる事業に集中できる体制を整えまして、まずは角鹿中学校区の小中一貫校設立に向けての努力をしてまいりたいと、このように思っております。

3番(北川博規君)

 この通告を出した日の翌日、ある新聞に「学力トップの陰で」という特集が4日間組まれました。その中身は大変強烈なものです。福井県は学力日本一、これを目指していますが、私は学力調査日本一では困る。学力、教養日本一、これを目指していただきたい。しかし県からおりてくるその中身は学力調査日本一を目指す、そんな姿に見えて仕方ありません。それがいろんな施策になって県からおりてくる。現場は悲鳴を上げている。
 もし教育長、市長、そのあたりが、それはどうってことないんだと。もしそんなお考えだとすると、現場との大きな乖離を感じざるを得ません。
 次に、部活動の問題について触れさせていただきます。
 教育長に伺います。学校教育の中で部活動はどのような位置づけになっているのか、教えてください。

教育長(上野弘君)

 学習指導要領によれば、部活動は、生徒の自主的、自発的な参加により行われるもので、スポーツや文化及び科学等に親しませ、学習意欲の向上や責任感、連帯感の涵養等に資するものと、このようになっております。

3番(北川博規君)

 学校教育の一環というのは、わかりやすく言うとどういうことなのでしょうか。

教育長(上野弘君)

 一言も学校教育の一環とは申しておりませんが、例えば部活動のことにつきまして申すならば、学校で教える国語や数学のように5段階や10段階の成績をつけるものではございませんが、生徒の自主性や興味関心を育み、教科等の勉強をする上で大いに役立つ活動であると、このように捉えております。

3番(北川博規君)

 教育長にぜひお伺いしたいと思います。もし職員の中に、私は部活動を持ちたくないという職員が出てきたとします。そのとき、それにどのように対応するのか。職務命令を発して君は持ちなさい、こういうことは言えるのかどうか、お伺いしたいと思います。

教育長(上野弘君)

 一般的にということで、一般に法令上、学校の先生方には上司の職務上の命令に従う義務が課せられていることから、校長が発した命令は、一定の要件を満たせば職務命令と捉えられるのではないかなと、このように思います。

3番(北川博規君)

 私は職務命令出せないと思います、これは。一度また精査していただきたいなと思っています。
 部活に関しては、それに加わる90%以上の子供たち、そして親が満足、有効だと、そんなふうに答えています。
 敦賀市の場合に、運動部、文化部、それぞれの入部率はどれぐらいでしょうか。

教育長(上野弘君)

 現在、市立中学校の生徒の部活動の加入率は91%となっております。そのうち運動部が72%、文化部が19%という内容になっております。
 なお、高等学校につきましては把握しておりません。

3番(北川博規君)

 土日祝日、部活に行きます。2時間から4時間部活をやったとき、その手当は1500円です。5時間以上8時間の場合3000円です。1時間に直すと375円。しかも出勤の手当はない。そして移動の費用も出ない。そんな中で、ほぼボランティアの状態で先生方は部活動に携わっています。
 対価を云々しているわけではありません。ただ、そんな状態であるということをぜひ行政も、そしてここで議会の様子をごらんの保護者の皆さんにもわかっていただきたい。そんな思いでいっぱいです。
 でも、それにもかかわらず部活に臨む。その裏には、やはり子供たちが待っているから。子供たちと活動する、それに意義を見出すからだと思います。
 今、部活問題対策プロジェクトというサイトが人気を集めています。そこには部活の問題が大変詳しく述べられています。
 きょう質問の中で、敦賀の教育の特徴ということを最初伺いました。市長からは優しさという言葉も出ました。人を憂うと書いて優しいと読みます。ただ、示されたプランの中に人権教育以外で優しいという言葉は出てきません。もっと特徴を生かすのならば、それを中心に据えた教育プラン、教育施策を求めていきたいと思います。
 最後ですけれども、きょう就学前の教育については余り触れられませんでした。ぜひお願いします。市長、教育長、それから福祉課長、ぜひ児童クラブの様子を、夏休みの様子を見ていただきたい。そして9月の議会で話し合いたいと思います。よろしくお願いします。
 私の質問を終わります。