市議会の記録

◎西町恵比寿大黒綱引き


【平成28年12月議会】

3番(北川博規君)

 次に、西町の夷子大黒綱引きについて。
 ここでは、私はまず市長のお考えをお伺いする。そして、ここに至ってしまった問題がどこにあるのかを少し探ってみたい。そして何よりも大事なこれから先方向性がどうなっていくのか。その点を確認させていただこうと思っています。
 それでは、教育振興基本計画の中に、現在市に存在する文化財は国、県、市指定合わせて190件とあります。しかも一覧表が掲載されています。以前述べさせていただいたように、本市の教育大綱には「有形無形の歴史文化資産を確実に保護し、学校教育や観光等にこれらを活かすことによって、市民が誇りを持てる文化の振興を図ります」、こうあります。
 それぞれの文化財を管理する立場に立たれている方の努力と熱意に敬意を払うところですが、その苦労は有形無形あわせて大変なものがある。これは推察いたします。9月議会でも福谷議員が取り上げられています。
 改めてお伺いします。国の重要無形民俗文化財としての西町の綱引き、その価値をどのように認識し、今年度、平成29年1月の綱引きが実施されないということに対して、市長はどのような思いを持っておられるのかをお聞きしたいと思います。

市長(渕上隆信君)

 西町の綱引きについてお答えします。
 国の重要無形民俗文化財に指定されています西町の綱引きは、江戸時代以前から行われていて400年以上の歴史を持っている伝統行事と言われ、保護団体に指定された夷子大黒綱引保存会により、近年は1月の第3日曜日に行われておりました。
 保存会が歴史あるこの綱引きの中止を決定されたことは、苦渋の決断であったとお聞きしております。その決定は尊重すべきだとは存じますが、大変残念に感じているところであります。
 以上です。

3番(北川博規君)

 その残念な結果に至った問題点は一体どこにあるのでしょう。抱えている問題はたくさんあります。資金面の問題があります。それから、綱引き開催運営もあります。しかし問題の多くは、当日の安全確保、それまでの準備への人的な力、保険の問題、そういう課題にあります。多くの課題を抱えている中です。
 いろいろお話を伺う中で大事だと思ったのは、地域の方は毎年毎年、これまで苦しい選択の中で、ぎりぎりの状態の中で開催をしてきた行事だということです。それが現実だということ。特に、以前は四十数軒が軒を連ねていた西町ですけれども、今は十五、六軒。これまで先頭に立って進めてきた方たちも高齢になってきています。その人的な部分は大変大きな問題だと思います。
 ただ、その中で、今回その選択をせざるを得なかった地域の苦しい思いや願いをこれまでに教育委員会、そして行政当局が直接把握したり苦しさを共有する努力はなされてきたのか。この点、いかがでしょうか。

教育委員会事務局長(池田啓子君)

 それでは私のほうからお答えいたします。
 敦賀市内の地域の伝統行事、祭礼のうち西町の綱引きを初めとする国、県、市の無形民俗文化財に指定されたものにつきましては、毎年、事業終了後、それらの文化財の保護団体より1年間の活動を報告していただき、行事の実施状況を把握するとともに、団体との相談の機会を設け、丁寧に要望をお聞きし、また、あわせて民間の財団などを含めた補助事業の紹介も行ってまいりました。
 今お話しの西町の綱引きに関しましては、中止の御連絡を受けた4月より保存会や地元区長、関係機関と現状の課題や行事継続につきまして繰り返し繰り返し話し合いを続けており、また、文化財としての今後の方策につきましては国、県とも協議を進めているところでございます。
 以上でございます。

3番(北川博規君)

 それでは伺います。相談の機会を持ってきた。繰り返し話をしてきた。例えば、事務局長さんはそんな話に参加していますか。

教育委員会事務局長(池田啓子君)

 お答えいたします。
 私は直接参加はいたしておりませんが、課長を初め文化振興課の職員が4月から9月までに6回にわたり会長、それから地元区長を交えて協議を行っておりまして、その都度その報告内容を文化振興課より受けておりまして、情報等は共有し、相談をし、そして何かできることはないかということについては教育委員会の中で検討を重ねってまいっています。
 以上でございます。

3番(北川博規君)

 課長さんは、本当に文化振興課の方は何度も足を運んでいると聞いています。でも事務局長、教育長、もちろん市長、副市長、トップは一度も会館のほうへも足を運んでいない。この中で、本当に地元が苦しんできたその苦しさを共有できたのか。大変それは私は疑問です。
 事務局長にお伺いします。それでは、今のお話の中で情報共有して云々ということがございました。地域が開催できないという通知を出して、それを受け取ったのが9月10日以降。それ以降、例えば事務局長は、教育長または市長からこうこうこうしなさいよという指示、それから3人での協議の場、それはどのように受け取っているのでしょうか。

教育委員会事務局長(池田啓子君)

 まず団体から通知を受け取りましたのは9月ではございません。4月に御相談がございました。1月に保存会の総会で意思決定をしたという通知を4月にいただいております。
 4月から数回にわたり、まず教育委員会の中で何かできることはないかということで、地元区長である相生町さんに御相談してはどうかなというお話がありました。そしてそういったことを踏まえて、文化振興課では相生町区長、地元区長とも協議を重ね、いろいろ一方では、縄がなければ綱引きできませんので縄も確保しておかなくてはいけないなということで、教育委員会といたしましては、毎年頼んでいる農家の方のほうにも縄も確保しておいてくださいというお話も並行してさせていただいています。
 そういったいろいろ何回したか、何日にしたかということは、ちょっと記憶の中ではっきりありませんが、4月以降、複数回にわたり教育長さんを初め教育委員会、文化振興課と、それから私ども一緒に同席して何回も協議はいたしております。これは事実でございます。
 以上です。

3番(北川博規君)

 4月に文書をいただいた。9月にも出ていますよね。それは認識いただいていますか。

教育委員会事務局長(池田啓子君)

 それは認識しております。

3番(北川博規君)

 4月の文書と9月の文書の大きな相違点はおわかりになりますか。

教育委員会事務局長(池田啓子君)

 4月の文書につきましては、1月の総会で西町の綱引きを休止するという決定をしたということで報告を受けております。
 9月の文書の中身については、今、済みません、明確には御説明できるほどの記憶はございませんので、答弁は差し控えさせていただきます。

3番(北川博規君)

 市長にも伺いたいと思いますけれども、4月、9月の文書。9月の文書は市長さんは目を通しておられますか。

市長(渕上隆信君)

 細かいことになるので、私の記憶違いかもしれませんけれども、4月のときには来年をやめますよという話だったと思います。9月のときには、来年以降もできないという話だったのではないかというふうに思っております。

3番(北川博規君)

 そうなんです。9月の文書には、その事前に新聞報道があったわけですね。このことは正直言うと、この質問の中ではできるだけしたくなかったんですけれども、9月には、翌年度の再開を目指すことの報道はあったけれども、29年度より綱引き祭りを中断いたします、こうあります。
 だからこの時点で、来年だけのことではなくて、これから先中止なんですよ、こういう意思表示があったわけですけれども、それ以降、それを受けて市長さんとしたら、例えば事務局長なり教育委員会に何か指示がなされたのでしょうか。

市長(渕上隆信君)

 通告からかなり離れてきておりますので、記憶の中の話になってしまいます。後でそれは違うじゃないかと言われても困りますので、控えさせていただきます。

3番(北川博規君)

 先ほどお話しした苦しさを共有するための努力はなされてきたのか。ここにつながっています。それ以降、この文書にあるように、今まで苦慮してやってきた、ぎりぎりのところでやってきた綱引きを29年以降ずっと中止していかざるを得ないんだという、これは相当な決断だと思います。それを受けたのならば何らかのアクションがあってもいいのじゃないかな。それが血の通うという部分に、共有する部分につながるんじゃないかなということで、ちょっと突っ込ませていただきます。申しわけないと思います。
 それでは、問題は30年1月以降、これの開催です。市長も苦しんでおられることと思いますけれども、9月、福谷議員の質問に対しては、「できれば続けていただきたいという気持ちはございますが、その気持ちは尊重しなくてはいけないのかなと思っています」。その気持ちというのは西町のということですね。「また来年度以降、もし復活される気持ちになられたときには、十分に協議してまいりたいと思います」と答弁されています。
 地元がやれるなら応援するけれども、やれないとするなら仕方ないという考え方ですよね。それはちょっと短絡的であるというふうに感じますし、先ほど確認させていただいたこの答弁なされた時点で、市長は29年以降も中止にするという意思表示を西町は示していると認識した上での答弁ということになりますけれども、この点、お考えを伺います。

教育委員会事務局長(池田啓子君)

 では私のほうからお答えさせていただきます。
 繰り返しになりますが、西町の綱引きは、昭和61年1月に国の重要無形民俗文化財に指定されるに伴い、その保護団体として夷子大黒綱引保存会が指定をされました。
 無形民俗文化財の実施には、市やほかの組織でなく、その保護団体により行っていただくということが大前提でございます。地元と保存会は現在一体のものでございますが、綱引き実施が困難であるとの申し出の中で、イベントとしての開催ではなく、文化財である綱引きを継続的に行える体制づくりのためにどのようなことが必要なのか、保護団体として指定された夷子大黒綱引保存会にやはり主体的に御提案をいただきたいというふうに考えています。
 そういった御提案をいただいた際には、国、県の指導により文化財としての綱引きに不可欠な要素と時代に合わせた変化が認められる要素などを協議しつつ、より確実に伝承行事が継承されていくように市としては努めてまいりたいと考えています。
 以上でございます。

3番(北川博規君)

 では議長に伺います。前回の議会で市長が答弁したことに対して私は質問をいたしました。その事柄に対して市長以外が答弁される。これはおかしいんじゃないかと思うんですが、いかがですか。

副議長(和泉明君)

 議長には質問できませんということです。

3番(北川博規君)

 改めて、市長さん、御意見伺えませんか。

市長(渕上隆信君)

 事務局長が答えたとおりであります。

3番(北川博規君)

 それでは事務局長さんにお伺いします。
 保存会の会則がございますけれども、その中のどこが一番問題になるんですか。

教育委員会事務局長(池田啓子君)

 保存会の会則が問題になるという御質問なんですけれども、西町の綱引きというものは夷子大黒綱引保存会さんが主体となって、神事ももちろん入っておりますので、行政は黒子としてこれまでもさまざまな支援を行っていましたが、前面に出てそれを行うということは難しい。やはり保存会さんの発意により主体的に行っていただくところを支援するという立場でございますので、議員さんがおっしゃっていますように、その思いを酌み取ったのかどうなのかというところは、相談には乗ってまいりましたが、ではどうしたらいいのか。ほかにもお手伝いしたいというような市民の方の声ももちろん聞いておりますので、そういった方をうまく組み合わせて、それでもやはり第一義的には保存会さんがどうしていくかということを支援していきたいというふうに考えています。
 以上です。

3番(北川博規君)

 夷子大黒綱引保存会会則、この中の問題は組織なんです。会員は西町に住所を有する成人をもって組織する。この第4条、ここがやはり大きなポイントなんだと思います。そのことも頭に入れて、協力してくれるという方たちはかなりいると思うんですね。
 ただ、綱引きを大切にしてきた地域の思いをしっかり受けとめる。さっきもお話ししましたけれども、共有する。それが重要だと思いますけれども、これから先、どのような場を持っていくのか。どのような場を持つところから始めようとしているのか。市長の所見をお願いいたします。

市長(渕上隆信君)

 これからの協議の場としますと、教育委員会事務局のほうでお答えします。

教育委員会事務局長(池田啓子君)

 これまでも、先ほど来答弁いたしましたとおり、会長を交え何度も協議を重ねてまいりましたが、保護団体であります夷子大黒綱引保存会さんは休止という意思表明はされましたが、解散するという表明ではございません。存続していただけるということはお聞きしております。
 したがいまして、今後とも文化財を確実に、今休止という悲しい決断をされているところでございますが、全く解散というわけではございませんので、そういった確実に継承していける方策がないか、保存会、それから地元の区長さん、そしてこれまでも協賛としていろいろ手伝っていただいておりますたくさんの関係者の方々、そういった方を交えながら協議を続けてまいりたいというふうに考えています。
 以上です。

3番(北川博規君)

 西町の皆さんは、自分たちの力で実施ができなくなった。でも、大事にしてきた綱引きを存続させるためには全面的に協力してくれると思うんです。
 今回この問題を取り上げさせていただいたのは、この問題の大きさを多くの方に知ってもらいたいですし、問題意識を持っている市民の方が少なくない。それを感じますし、もしそのような市民や団体の中から保存会を精いっぱい支援したい、そういう声が上がったとき、市としても精いっぱいのバックアップをお願いしたい。これをここで訴えるためです。
 最後に、市長の御所見をお願いいたします。

市長(渕上隆信君)

 保存会を助けていきたいという方はいらっしゃると思っていますし、私も伺っております。
 綱引きは単なるイベントではなく、400年と言われる歴史を持つ文化財であり、文化財保護団体である保存会により実施されるものですけれども、その際には多方面からの協力が欠かせないというふうに思っています。
 市としましても、文化財として後世に伝えなければならないところを持続可能な形に向け協力していきたいと思っております。
 私も再開することを望んでいる者の一人でございます。
 以上です。

3番(北川博規君)

 きょう午前中のいろんなお話、先ほどの答弁の中にも、市長からは一生懸命頑張る人を支援していきたいんだ、その言葉がありました。それはとても勇気づけられる言葉です。
 先日、赤レンガのジオラマ館へ行ってきました。ジオラマのメッセージに中にこういう文言があります。「今もお祭りや綱引きなど伝統行事は受け継がれています」。きれいな声でメッセージが流れていました。教育委員会だけではなく、観光協会も含めて、全庁の英知を結集していく必要を感じます。ぜひ前向きに存続、これを目指して頑張っていただきたいなと思います。


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