これからの教育

思い 教育

平成30年1月5日発行 「ふくい教育新聞」に投稿させていただいた、これからの福井県の教育に対しての思いです。

新年あけましておめでとうございます。  
その中で、思いを言葉にする大切さとやりがいを感じつつも、いろいろな事柄が形にならないもどかしさを感じることも少なくありません。
今、大きな課題だと捉えていることが2つあります。

その一つは、「働き方改革とのつながり」です。
昨年12月市議会の中で、市の職員や保育士のみなさんをはじめ、公務に携わる多くの方の労働時間やその手当も含めた処遇について取り上げました。その中で、公務員の労働が正規・非正規を問わず、とても安易に扱われ、未だに法令違反すら疑われる状況にあることに腹立たしさを感じました。ところが、その話が教育現場に及ぶと、まったく違った感覚になってしまいます。時間外勤務に対しての限定4項目の形骸化と4%という教職調整額の不合理さに愕然とします。今、「働き方改革」が叫ばれる中で、教育現場の勤務と処遇の改善は喫緊の課題であるのは間違いありません。
私たちにとって、「個性豊かな、よりよい社会人への育ちを支援すること」は大きな使命です。しかし、その大命題のために多くのものを犠牲にせざるを得ないとするならば、未来の教育につながってはいかないと感じます。

もう一つは、「立ち止まることの大切さ」です。
これまで、福井県の教育は、国の施策を先取りすることで、教育効果をあげてきています。しかし、矢継ぎ早な新しい教育施策によって、現場に疲弊感が広がっているのも事実です。私たちの目的が「全国学力調査」「全国体力テスト」でトップになることでなく、『人間力の向上』『心の醸成』『感性の育成』にあることを思うとき、今「立ち止まることの大切さ」を感じます。一度立ち止まり、一人一人の子どもたちの声に耳を傾け、共感・受容するために何が必要なのか、そのための現場の姿はどうあるべきなのかを問い直し、福井県の教育を見直すべきだと考えます。
教育現場の素晴らしさと最前線で日々奮闘されている先生方の姿を正しく伝え、より多くの方に課題を共有していただくことが私の使命なのだと決意を新たにしています。
これからも、いろいろな思いを少しでも形にできるよう頑張っていきたいと思います。これまで以上のご指導、ご支援をお願いいたしますとともに、組合員のみなさん一人一人にとって、県教職員組合にとって充実の年になりますことを祈念いたします。