部活動指導について書き記すこと 追加

私の考え 部活動

6月議会一般質問の中で、中学校・高等学校、特に中学校の部活動の問題を取り上げました。機を同じくして、新聞・テレビの特集番組の中でも、部活動の問題が取り上げられています。社会的な問題として多くの人に問題意識を持っていただけることを喜びながらも、その難しさを感じざるを得ません・

 部活動顧問として関わり、どっぷりと浸ってきた私にとって、部活動のすばらしさは誰よりもよく知っているつもりです。その中から多くの喜びを得、生徒や保護者のみなさん、関わる多くの方との素晴らしい出逢いの中で、多くの感動もいただきました。そのことが、今の自分の価値観や教育観、人生観に大きなプラスになっているのは間違いありません。そんな私があえて口にする言葉です。 解決に直結するものではないことに寂しさを感じながら、私が感じていることを書き記しておきたいと思います。

 1つ目は、「部活動の指導を外部の学校外の人材に委ねていこうという考え方」についてです。それぞれの地域の抱える人材資源の違いには大きなものがあります。それは指導に関わることのできる潜在的人材の数の違いはもちろんのこと、地域の施策の上で、人材を大事にしてきたかどうかという価値観の違いや地域の企業等の教育文化に対する理解・協力意識の違いの大きさです。大きな人口を抱え、学生の多い都市ならば可能性は広がるとしても、小さな市町には難しいものであるのは明らかなのではないでしょうか。

 2つ目には、「責任の所在」です。これはとても重要かつ難しい問題です。つまり、部活動中に起こった問題に対して、誰が責任を持つのかという問題でもあります。部活動は学校生活と直結しています。一日の生活の中で抱えたいろいろなストレスや感動、人間関係を内包して部活動に参加してくる子供たちの情報を共有して部活動指導にあたる「連携」の姿が、教育の枠の中で大切にされてきています。そのためには、教師の存在は不可欠です。だからこそ、外部指導者が技術的な部分の指導を行ったとしても、その間に起こった問題は、たとえ部活動の本質に関わる問題でなかったとしても、部活動顧問の責任と認識されるのが現在の姿です。外部指導者がいたとしても、つまり顧問がその場から離れたところで他の職務にあたることは原則として難しいのです。逆に、その部分の責任までを抱える覚悟を求められる外部指導者の確保となるとかなり厳しいことは言うまでもありません。

 3つ目の課題は、「対価の問題」です。一般質問の中でも指摘させていただいたこの問題は、現在の教育課程外の部活動指導に大きな影を落とします。特殊業務手当として確保されているのは、2時間から4時間までで1,500円、5時間以上で3,000円、時給に換算すると375円となり、最低賃金を考えれば、それは信じられないほど低い時給となります。土日の活動の保証もほとんどありません。この時給を大幅に上げていくことは喫緊の課題であるとともに、県や国の予算への着手が求められる問題です。ただ、それが確保されたとしても、顧問教師にとって長時間労働という課題が解消されないところに、一つ目の問題との大きな関わりがあります。

 こう考えていくと、部活動指導者に関する処遇についての解決の糸口は市町を超えたところにあるようにも思われます。含む監督権をもつ市町教育委員会には、これから大きくなっていくであろうこの課題の大きさを県や国に訴え、改善を求めていく姿勢が大切なのです。さらに、市町教育委員会として、顧問をリスペクトする姿勢をもって目線を合わせ、あらゆる方向からモチベーションを上げるために努力していくことが大切です。適切な時給を目途としての予算確保と、各学校の裁量の中での処遇改善が行えるシステムつくりが求められるのだと考えます。

 あくまでも「教育的であること」と「チャンピオンスポーツ」という狭間で苦しむ部活動であるだけに、中体連やいろいろな文化部活動についても見直すことも大切ですが、この部分の改善は、日本のスポーツ・文化活動の底辺を揺らがせることになりかねないだけに、大変難しい問題です。
 将来的に考えられる道の一つは、学校任せではなく、時間外職務として県教委もしくは市教委が直接、部活動指導者との契約関係を結び、人材確保の努力を果たしていくことなのだと考えます。

 自分自身が学生時代に部活動の中に身を置き、その素晴らしさや更なる向上をライフワークとしてとらえている素晴らしい部活動顧問も少なくはありません。しかし、それに甘えてきた学校文化、それが両立できるのが立派な教員なのだとする価値観が大手を振ってまかり通る時代は終わりを告げようとしているのは確かです。徐々に社会問題として見直されていく問題から目を背けることはできないのだと考えます。



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