2014年11月

大人が心を動かすこと

雑感

 23日の日曜、敦賀市民吹奏楽団の23回定期演奏会が開催されます。
 23年前、中学校・高校の吹奏楽部が活発な活動を続けており、素晴らしい技術と個人楽器を手にしていながらも、高校卒業と同時に活動の場所を奪われてしまうという現状に疑問を抱いていた十数名の有志(その中に、小島先生や水上先生がいたのは言うまでもありません)を中心に、一年間の準備期間を経て敦賀市民吹奏楽団が誕生しました。当然のことながら、組織、規約・会場・メンバー・資金・広報など、課題は山積していました。事務局を預かっていた私としては、「手をつけるべきではなかったかもしれない………」という迷いやあせりが頭から離れない日々でもありました。
 そんなとき、影になり日なたになり支えて下さったのが、当時、気比中学校長を務めておられた三橋昌幸氏でした。氏は、機会ある毎に、市民合唱団設立当時の自分の足跡や文化振興に対する持論を語られ、私と一緒に色々な方の所へ足を運び、ともに頭を下げてくださいました。中でも、最も大きな課題であった練習会場確保については予想を超える困難がつきまとい、時には厳しい言葉を浴び、2人で唇を噛みしめたこともありました。そのような中で、当時の竹内教育長の理解を得ることができ、市内中学校を夜間の練習場所として提供頂くことが実現したわけです。
 現在の敦賀は、文化振興に対する姿勢は決して十分なものではありません。環境面でも市民意識の面でも、活動しやすい状況にないのが現状であり、体育文化にしても、芸術・音楽文化にしても、現在中心となって活動している人たちには、身を削る思いがあるのも確かです。
ヘルベルト・フォン・カラヤン(Herbert von Karajan)はこう述べています。
「子供たちの前で演奏することは非常に意味がある。それは、いい音を届ける以前に、大人が子供たちの前で一生懸命やっていることを見せることだ。大人の心が動いていなければ、子供の心は動かない」

 私たち大人が、心を動かさなければならないことはまだまだたくさんあります。けっして、自分たちの楽しさだけを追求して終わるのではなく・・・・。


「鍛える文化」「群れる力」の光と影

教育

「福井県の学力・体力がトップクラスの秘密」
志水宏吉+前馬優策 編著  より 抜粋

  
著者がこの本を通して福井の教育について述べていることを表現すると、こんなタイトルになるような気がします。
「序章」「1章」「終章」は是非読んでいただければと思います。

「終章」で、指摘されている課題は次のようなものです。

子供の育ちに関する課題

  • 子供たちは、地域・家庭・学校の中で手厚いケアを受けながら育っている。そのことが逆説的に子供たちの「個性」の伸長を阻害しているのではないか。
    「群れる力」の育成は、必ずしも「群れを離れて生きる力」を保証するものではない。言い換えるなら、福井の教育は「一粒揃いの中堅人材」を算出することには長けているが、「卓越した個」を育てきれないのではないかという反省。
  • 不登校率の高さをめぐって
    大阪では、不登校の子供たちを学校に復帰させるためには、まず学校や学級に彼らの「居場所」をつくることが大切であるというアプローチがとられることが多い。それに対して福井の「鍛える」学校文化のもとでは、そこに「ついていけない」子供たちが、徐々に不登校状態に陥っていくだろうことが予想される。福井の学校は、ある意味「道場」である。
    「道場」であるが故に「ついていけない者」が出てくることは避けがたい。
    いつの日か福井の学校文化も抜本的な変容を遂げなければならない日が来るかもしれない。

大人の課題
利点でもあり、同時に弱点でもあるのが、福井の職員室における同質性であろう。「群れ」の縛りが極端に強いという表現をすることも可能なのかもしれない。「他流試合」の機会をどこで保証するのかということである。安定した「群れ」の 中だけで成長していく教師は、おそらく社会や保護者・こどもたちの変化に柔軟に対応できるリーダーにはなりにくいだろう。



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