倒木更新

雑感

 倒木更新というのは、エゾマツやトドマツのような針葉樹たちが子供を残していく方法のことで、針葉樹の子供たちは森の地面の上では生きていくことはできず、ただ彼らが生きていけるのは倒木、つまりお父さんや、お母さんまたはお爺さんたちの木の上だけだということです。どうして、広々とした地面の上で生きていけないのかというと、地面の上には暗色雪腐病菌という菌がいるためで、この菌に感染するとほとんどの針葉樹の子は死んでまうんだそうです。ところが、倒木の上にはこの菌はおらず、しかも苔蒸していて、夏の乾燥にも強く、しかも笹よりも高い位置になることが多いので光が当たる確率も多く、倒木の上で密集して針葉樹の子たちは大きく育っていくのです。また、暗色雪腐病菌という菌がもしいない土壌でも、ほとんどの針葉樹林がそうであるように、林床が笹に覆われていると、そこに種が落ちても光不足で子供たちは成長していくことはできないのです。一般に笹の内部の光の量はというと外部の1%にも満たないそうで、こういった環境の中無事に生き残って行くには二つの方法が考えられるんですね。ひとつはさっきのお爺さんの木が倒れて笹を押し倒した上に、種が落ちて、発芽して成長していくという方法ともう一つは笹枯れという現象を利用することなんだそうです。笹は寿命が数十年で、寿命が来るとそこら一帯の笹が一斉に枯れて、いったん枯れてしまうと復活するまでに十数年かかるらしく、この笹の枯れた十数年を利用して、木の子供たちは成長していくのだそうです。そして、笹が再び再生したときには、すでに木はぐんっと大きくなっていて、笹との光の争奪戦に負けないということですこの数十年に一度のチャンスを利用して木の子供たちは大きくなっていくのです。



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