あすなろ(翌檜)

子どもたちへ

 みなさんもご存じのように、「あすなろ」という木があります。とてもヒノキに似ている木で、漢字で書くと、『翌檜』と書きます。
 私が小学校2年のときの担任の先生がこの木のお話をされ、離任式では「あすなろの歌」を歌ってくださいました。
 「明日はきっとヒノキになろう、明日こそきっとヒノキになろうという意味を名前にした木なんです。」という言葉に、子供心に「毎日ヒノキを目指して努力しているあすなろはすごいな~」と感じたことは心の隅に今でも残っています。
(井上靖の「あすなろ物語」では、ヒノキになりたくても決してなれない哀れな木として扱われていたようにも思いますが・・・・・。)
そして、大人になるにつれて、あすなろのすばらしさと強さを改めて感じました。それは、「あすなろは檜になれないことを知っていたのかもしれない。いや知っていたに違いない。・・・なのに、ひたすら檜を目指して生きる姿を示すことで、周りに勇気と力を与えたのでは・・・」といった思いでした。
 子供たち一人一人がお互いにそんな勇気を与えあえる存在であって欲しいと思います。学級や学校にも、そんな空気が欲しいのです。