わたしはリンゴ

雑感

 坪口純朗(すみお)という名を知っているでしょうか。氏が教職の道を辞して福井ソアーベ合唱団を創設したのは1982年、50歳の時でした。坪口純朗氏と奥様の晴美氏は、「男先生」、「女先生」と子どもたちから慕われ、多くの卒団者を排出し、県内の合唱活動に大きく貢献してきました。
 『ソアーベ』とは、イタリア語で「心地よい」という意味をもつ言葉。その言葉通り、「人間の活力の開発」をめざして子どもたち誰もがのびのびと歌うことを求めた活動は県内・国内以上に海外でも高い評価を得てきたのはいうまでもありません。そんな男先生も、癌の宣告を受け、11月の30周年記念演奏会を目前にして、5月5日、80歳の人生を閉じました。
 その追悼番組が先日放映されました。その番組を通して、何度も何度も流れたのは坪口氏自身が作詞・作曲した『わたしはりんご』という曲でした。子どもたち誰もが認められることの大切さを歌っています。丁度、相田みつおの生き方と共通したものを感じます。
 そのソアーベも11月の30周年記念演奏会で解散となったわけですが、「一つのことに人生を捧げる」ことの素晴らしさを感じます。