生きるということ 平成23年度、始業式式辞より

子どもたちへ

 入学式にあたり、伝えたいことはたくさんあります。しかし、今年度入学するみなさんには、特に心に留めておいて欲しい大切なものがあります。
 それは、「生きる」ということです。

 大震災の爪痕(つめあと)は、私たちが当たりまえのように手にしている「命」というものの存在を鮮明に焼き付けました。今この瞬間も、「自らが生きるために」そして自分のためだけではなく、「人が生きていくために」命をかけて活動している多くの人がいることも忘れることはできません。
 私たちにできることは何なのか。それを探し求め、行動することは、私たち大人も含めて、「生かされている私たち」に与えられた大きな課題であるように思います。
考えれば考えるほど、自らの小ささに気づかざるを得ません。でも、一つだけ私たちに今できることがあります。それは「私たち自身が精一杯生きること」です。
 自分だけのことしか考えない生き方、その場だけの愉快さだけを求める生き方はできないのではないでしょうか。誠実に真剣に生きることが求められているのです。
 平成23年度に中学校へ入学したみなさんに期待するものは大きなものがあります。みなさんの成長とともに大きな試練に対する答えが形になっていくのです。そう考えるとき、あなたたちに力を付けさせていく使命を担っている私たちの責任の大きさを感じます。