ウイニングトーン?

部活動

 私自身、長い間吹奏楽部の顧問をしてきました。この松陵中学校での思い出もたくさんあります。素晴らしい部員に恵まれ、多くの皆さんに支えていただき幸せな顧問だと何度も感じました。特に保護者会の皆さんの存在は、途中で投げ出してしまいそうになる自分の大きな支えでした。(10年以上経った今も、当時の保護者会役員の皆さんとは懇意にさせていただいています。)
 吹奏楽部の大きな柱は2つのコンクールです。
 あるコンクールでのことです。その日の演奏は指揮をしている自分自身が身震いするほどのよい演奏で、明らかに聴衆も我々の演奏に入ってきているのを背中に感じました。しかし、曲の最後に至り、それまで曲の中に入っていた自分の脳裏に雑念がよぎったのです。「この最後の音は、県代表を手に入れるウイニングトーンだ。」(勝利をつかむ最後の和音。)確かに、最後の重厚なハーモニーもきまり、大きな拍手を受けました。でも、ダメなのです。子どもたちと緊張感を共有して曲の中に浸っているべき時に、指揮者がその場を離れ、別の世界にいた。これでは音楽として未熟なのでしょう。演奏後、上気する子どもたちの満足そうな顔を眺めながら、自分自身の未熟さを悔いました。予想通り、県代表を手にすることはできませんでした。
 神様は、「音楽を舐めた」指導者に厳しい評価をくださったのでしょう。
 忘れることのない、貴重な一日でした。



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